ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.5 聖剣と交渉します!

 

 

 その後、とくにこれといった事態に発展せず、しばらくするとおばさんが「私はもう十分話したから」と言い、幼馴染み同士で積もる話もあるだろうと席を外した。

 

 俺とイッセーは元シスターであるアーシアがいるのは危険だと判断し、アーシアだけを部屋に行かせ、他はリビングに残った。

 

 俺は青髪の少女の横に置かれているものに目を向ける。見た感じ、布を巻かれた剣だ。そして、普通の剣じゃなかった。わずかだが、聖なるオーラが漏れ出ていたからだ。

 

 イッセーのほうを見てみると、イッセーもそれを見ていて、ものスゴい量の冷や汗を流していた。

 

 おそらく、あの剣は聖剣なんだろう。あの布は鞘代わりで封みたいなものか?

 

 そして、そのわずかに漏れるオーラがフリードの持っていたエクスカリバーのものと似ていた。つまり、この聖剣は七本あるエクスカリバーのうちの一本である可能性が高かった。

 

 ・・・・・・家に木場がいなくてよかったな。もしまだいたら、確実に騒動に発展してたかもしれなかった。

 

 

「──で?」

 

「ん?」

 

「・・・・・・わざわざ懐かしの幼馴染みに会うためだけに日本に来たわけじゃないんだろ? ──それも聖剣使いが」

 

 

 俺の質問に青髪の少女が不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「ほぉ、これが聖剣だと気づいているということは、キミはただの一般人というわけではなさそうだな?」

 

「そんなことよりも答えろ? 目的はこの町にいるリアス・グレモリーか?」

 

 

 俺がそう訊くと、黒髪の少女が若干オドオドしながら口を開く。

 

 

「えっと、あの、誤解しないでほしいんですけど、私たちは別にこの町にいる悪魔の方々を討伐しに来たわけじゃないんです」

 

「だろうな。──目的はエクスカリバーか?」

 

「──何?」

 

 

 青髪の少女が途端に視線を鋭くして睨んでくる。

 

 

「──なぜエクスカリバーのことを?」

 

「仲間を襲ったはぐれ神父がそのエクスカリバーを持ってたんだよ」

 

「はぐれか。なるほどな」

 

 

 あっさり納得してくれたな。

 

 

「ウソ! 明日夏くん、エクスカリバーの使い手と戦ったの!?」

 

 

 イリナが信じられないものを見るような視線を向けてくる。

 

 俺がエクスカリバーの使い手と戦って生き残ったことに驚いているのだろう。

 

 まぁ、正直言えば俺も運がよかったなとは思ってるがな。

 

 

「で、そのはぐれ神父はどうしたんだ?」

 

「さあな。誰かに呼び出されてどっかに行った。まあ、そのおかげで命拾いしたんだけどな」

 

 

 あのまま戦っていれば、誰かが死んでた可能性があったからな。

 

 それだけ、フリードとエクスカリバーの組み合わせは驚異だった。

 

 

「まあいい。そろそろお暇するぞ、二人とも。いつまでも居座るわけにはいかないだろう。──それに、思わぬ拾い物もあったからな」

 

 

 そう言い、青髪の少女が立ち上がるのを見て、イリナと黒髪の少女も慌てて立ち上がる。

 

 

「あっ、待ってよ。じゃあね、イッセーくん、明日夏くん。縁があったらまた。まあ、明日また会うと思うけど」

 

「えっと、お邪魔しました。あっ、待って、二人とも!」

 

 

 そして、三人はそのままイッセーの家から去っていった。

 

 

―○●○―

 

 

「よく無事だったわ!」

 

 

 イリナたちが立ち去ったあと、とりあえずイッセーの部屋に集まったところに、血相を変えた部長が慌てた様子で部屋に駆け込み、俺たち、特にイッセーとアーシアを見て安堵し、二人を抱き寄せる。

 

 

「ごめんなさい。私がもっと周囲に気を配っていれば・・・・・・。最悪のことも覚悟して戻ってきたのよ。本当によかったわ! これからはあなたたちをもっともっと大切にするわ!」

 

 

 どうやら、会長の話とはイリナたちのことだったみたいで、部長はそれを聞いていやな予想を立てて急いで帰ってきたみたいだ。

 

 

「部長」

 

「なあに?」

 

「おっぱい」

 

「ええ、ええ、わかったわ。イッセー、あなたは本当に甘えん坊さんね」

 

「──って、ストップ!」

 

「ダメです!」

 

「ダメッ!」

 

「ダメ~!」

 

「ダメでしょ!」

 

「あっ、やっぱり」

 

 

 イッセーの要求を聞き入れて、自身の服に手をかけようとする部長を俺とアーシアたちとで慌ててやめさせる。

 

 ここにはイッセー以外の男の俺もいるんですから、気をつけてください!

 

 なんてやり取りして落ち着いたところでことの顛末を部長に話す。

 

 

「お母さまと話をしていただけ?」

 

「ええ。適当な理由をつけて、アーシアだけは部屋に逃げさせておいたんですけど」

 

「本当にただ単に懐かしの幼馴染みに会いに来てただけでした」

 

「まあいいわ。どういうつもりかはわからないけど、どうせ明日には会うわけだし」

 

 

 そういえば、イリナが明日また会うとか言ってたな。

 

 

「明日の放課後、彼女たちが部室にやって来るそうよ。目的は私との交渉」

 

「それって・・・・・・」

 

「ええ。おそらくあなたと祐斗が遭遇したはぐれ神父の持つエクスカリバー絡みなのは間違いないわね」

 

 

 エクスカリバーという単語や俺の情報に対する青髪の少女の反応からしても間違いないだろうな。

 

 悪魔を邪悪な存在と疑わない教会の者がその悪魔と交渉したいと要求してきた。となると、向こうは相当切羽詰まってるってことになるのか?

 

 エクスカリバーが関わってくるのなら当然かもしれないが・・・・・・。

 

 とにかく、かなりの厄介事になるのは間違いないだろうな。

 

 こうなると、一番の不安要素は木場だな・・・・・・。

 

 

「部長。木場はどうしますか?」

 

「そうね。ただでさえ、エクスカリバーに対する憎悪を思い出したあの子にエクスカリバーの話題はタブーでしょうけど・・・・・・」

 

「それに、教会の者の一人はエクスカリバーの使い手の可能性があります」

 

「なんですって!? ソーナから聖剣使いだとは聞いていたけど、まさかエクスカリバーとは・・・・・・」

 

 

 俺の言葉に部長、それからイッセーたちもひどく驚愕する。

 

 

「そいつが持っていた聖剣のオーラとフリードが持っていたエクスカリバーのオーラが似ていたんです」

 

「まぁ、エクスカリバーを奪還するというのなら、同等の武器として同じエクスカリバーを持ち出すのは当然よね。でも、だとしたらどうしたものかしら・・・・・・」

 

 

 部長は深く考え込み、やがて口を開く。

 

 

「仕方ないわ。どのみち話さなきゃいけないでしょうし、もし知らないで遭遇でもしたら、斬りかかってしまう可能性もあるわ。だから、あの子もその場にいさせるわ。私が止めれば少しは落ち着いてくれるでしょうし、いざってときは、私がなんとかするわ」

 

 

 部長はそう言うが・・・・・・大丈夫なんだろうか。

 

 ・・・・・・揉め事にならなきゃいいんだがな。

 

 

―○●○―

 

 

 翌日の放課後。

 

 いつものオカ研の部室は張り詰めた空気によって支配されていた。昨日、部長が言ったとおり、イリナたちを含んだ教会関係者が部室に訪れていたからだ。

 

 ソファーに座る部長に向かい合う形でソファーに座る教会関係者が三人、その後ろに二人立っていた。座っている三人のうち二人は昨日イッセーの家に訪れたイリナと青髪の少女。もう一人は二十代ぐらいの男性だった。褐色肌をしており、白髪をオールバックにしていた。そして、この場の誰よりも静かに落ち着いており、相当な実力者の貫禄を見せていた。

 

 後ろで立っている二人のうち一人はイリナと青髪の少女と一緒にいた黒髪の少女。もう一人は俺と同い年ぐらいの黒髪の少年で、こちらも褐色肌をしており、青髪の少女以上の鋭い眼差しで俺たちを敵意全快で睨んでいた。

 

 イッセーたち部長の眷属たちは部長の後ろに控えており、眷属ではない俺たちは離れた場所からこれから行われる会談を見守っていた。

 

 そして、肝心の木場だが、一応はおとなしくしてはいた。だが、明らかに憎悪の感情を隠していなかった。きっかけがあれば、すぐにでも斬りかかる姿勢だった。

 

 緊張した空気のなか、最初に話を切り出したのは白髪の男性だった。

 

 

「このたび、会談を了承してもらって感謝する。私はアルミヤ・A・エトリア」

 

「私はゼノヴィアだ」

 

「紫藤イリナよ」

 

「神田ユウナです」

 

「・・・・・・ライニー・ディランディ」

 

 

 教会関係者たちの自己紹介に部長も応じる。

 

 

「私はグレモリー家次期当主、リアス・グレモリーよ。それで、神の信徒が悪魔に会いたいだなんてどういうことかしら?」

 

 

 部長の質問に白髪の男性──アルミヤ・A・エトリアが逆に問いかける。

 

 

「理由はもう察しているのではないかね?」

 

「エクスカリバーね?」

 

 

 部長の言葉にイリナが答える。

 

 

「元々行方不明だった一本を除く六本のエクスカリバーは教会の三つの派閥、カトリック教会本部ヴァチカン、プロテスタント、正教会がそれぞれ保管していましたが、そのうち三本が堕天使の手によって奪われました」

 

『──ッ!?』

 

 

 イリナの言葉に俺たちは驚く。

 

 はぐれであるフリードが持ってたことから強奪されたのだとは予想できてはいたが、まさか三本も強奪されていたとは。

 

 

「私たちが持っているのは残ったエクスカリバーのうち、『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』と」

 

 

 青髪の少女──ゼノヴィアが布に包まれた聖剣を見せるのに合わせて、イリナが腕に巻いていた紐をほどいて手に取ると、紐がうねうねとカタチを変えて一本の日本刀と化した。

 

 

「私の持つこの『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』の二本だけ」

 

 

 イリナのエクスカリバーは名前のとおり、擬態の能力を持ってるのか。持ち運びに便利そうだな。

 

 てことは、それぞれのエクスカリバーには名前にちなんだ固有の能力を持っているのか。

 

 そして、木場からより殺意と憎悪が放たれる。

 

 ・・・・・・頼むからおとなしくしていてくれよ。

 

 

「残る一本は正教会が管理しているのだが、すべて奪われることを危惧し死守するため、今回の奪還任務に持ち出されていない。よって、正教会からの人材派遣はない」

 

 

 殺意と憎悪を撒き散らす木場を一瞬だけ一瞥し、アルミヤ・A・エトリアが残りの一本のエクスカリバーの捕捉説明をしてくれる。

 

 

「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏しているという情報を掴んだからだが──どうやら情報は正しかったようだ」

 

「ええ。先日、私の下僕とそこにいる彼がエクスカリバーを持ったはぐれエクソシストに襲われたのよ。それから、そのはぐれエクソシストが教会関係者たちを殺し回っていたのだけれど──」

 

「ご推察のとおり、その者たちは情報収集のためにこの町に潜り込ませていた調査員だ。・・・・・・おそらく、全員殺されたがね」

 

 

 それにしても、なぜエクスカリバーを奪った奴らはわざわざ部長が管理するこの町に?

 

 首謀者が堕天使なら、自分たちの領域に持っていけばいいものを。

 

 それとも、レイナーレみたいな独断専行者なのか?

 

 

「それで、聖剣を奪った堕天使、何者なのか判明しているの?」

 

「『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部、コカビエルだ」

 

『──ッ!?』

 

 

 アルミヤ・A・エトリアの答えに三本ものエクスカリバーが強奪された事実以上に驚愕する俺たち。

 

 『神の子を見張る者(グリゴリ)』は堕天使の中枢組織で、その幹部であるコカビエルは聖書に記されているほどの存在だ。

 

 ・・・・・・相当な大物が来たな。

 

 

「幹部クラスを五人で? 無謀よ。それに見たところ、彼女たち以外はエクスカリバーどころか、聖剣すら持っていないじゃない?」

 

 

 部長の疑問ももっともだろう。堕天使幹部のコカビエルがどれほどの存在かは知らないが、少なく見積もっても俺たちが束になっても勝てる可能性が限りなく0と言っていいほどの存在なのは間違いないはずだ。

 

 部長の言うとおり、エクスカリバーの使い手がいるとはいえ無謀に近かった。

 

 

「このヒトに関してはそんな心配はいらないよ。悔しいが、エクスカリバーを持った私とイリナが二人がかりで挑んでも相手にならないからね」

 

「教会の若手剣士の中でもトップクラスの実力があるのは間違いないわね」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアを見ながら告げられたゼノヴィアとイリナの言葉を聞いて、俺は改めてアルミヤ・A・エトリアを見る。

 

 エクスカリバーの使い手にここまで言わせるとは。雰囲気からタダ者じゃないとは思っていたが、そこまでとはな。

 

 

「後ろにいる二人に関しても、エクスカリバーがなくても十分な実力者と言えるよ」

 

 

 さらにゼノヴィアは神田ユウナやライニー・ディランディについてもそう評する。

 

 全員がそれなりの実力があるのは間違いないみたいだな。

 

 

「大した自信ね。でも、やはり無謀と思えるわ」

 

「かもしれないな」

 

 

 部長の言葉にアルミヤ・A・エトリアは淡々と答えた。

 

 

「死ぬつもりなの?」

 

 

 部長の問いにイリナが答える。

 

 

「そうよ。我々の信仰をバカにしないでちょうだい、リアス・グレモリー。覚悟の上よ。ね、皆?」

 

「聖剣を堕天使に利用されるくらいならこの身と引き換えにしてでも消滅させる」

 

「・・・・・・フン、そのつもりだ」

 

「・・・・・・覚悟はあるんですけど、本音を言わせてもらえば、できることなら、死にたくもないし、皆も死なせたくないんですけどね」

 

「ま、そういうことだ。相手が相手であるのでね。全員覚悟はできているというわけだ」

 

 

 全員が覚悟を口にし、アルミヤ・A・エトリアはそうまとめた。

 

 

「あなたたちの覚悟はわかったわ。それで、私たちにどうしてほしいの?」

 

「我々の要求は──」

 

「簡単だ。俺たちの戦いに手を出すな──それだけだ」

 

「ちょっ、ライくん!」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアの言葉を遮り、ライニー・ディランディが高圧的に言った。

 

 それを聞いて、神田ユウナは慌て始める。

 

 

「まあ、そういうことだ。今回の件は我々と堕天使の問題だ。ライニーの言うとおり、私たちの要求は私たちと堕天使のエクスカリバー争奪の戦いに悪魔が介入してこないこと。──つまり、今回の事件で悪魔側は関わるなということだ」

 

「ああもう、ゼノヴィアまで!」

 

 

 ゼノヴィアの物言いに神田ユウナはさらに慌てだし、部長も眉が吊り上がる。

 

 

「ずいぶんな言い方ね。私たちが堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」

 

「悪魔にとっても、聖剣は忌むべきものだ。利害は一致する。堕天使と手を組んででも破壊する価値はあるはず。もしそうなら、我々はあなたを完全に消滅させる。たとえ、魔王の妹だろうとな」

 

 

 ゼノヴィアの言葉にアルミヤ・A・エトリアが額に手を当てて嘆息する。

 

 

「・・・・・・ライニー、ゼノヴィア。キミたち、少しは言葉を選べないのかね・・・・・・。いくら敵とはいえ、こちらが一方的に要求をしているのだから、少しは穏便に発言したまえ」

 

「俺は別にここでこいつらと戦っても問題ないぞ」

 

「ああもう、ライくんのバカ!?」

 

「・・・・・・ハァ」

 

 

 ライニー・ディランディが不敵に笑みを浮かべながらの発言に神田ユウナは涙目になり、アルミヤ・A・エトリアは深いため息を吐いた。

 

 

「・・・・・・申し訳ない、リアス・グレモリー。こちらにキミたちと争う気はない。だが、ゼノヴィアが言っていたことを上も危惧しているのは事実だ。実際、私もまったく疑っていないと言えば嘘になる。──もし、本当にそのつもりがあるのであれば、我々は矛をキミたちにも向けるつもりだ」

 

「ならば、言わせてもらうわ。グレモリー家の名において、魔王の顔に泥を塗るようなマネは絶対にしない」

 

 

 部長がそう言い切ると、アルミヤ・A・エトリアはフッと笑みを浮かべる。

 

 

「それを聞けただけで十分だ。ライニーはともかく、ゼノヴィアも、あくまで上の意向を伝えただけだ。・・・・・・物言いに関しては大目に見てくれると助かる」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアの言葉に部長も表情を緩和させる。

 

 

「まあ、いいわ。ただし、そちらが一方的に要求してきたのだから、こちらからも条件を出させてもらうわ」

 

「──何かね?」

 

「あなたたちが追っているエクスカリバーの使い手に私たちはすでに襲われているわ。今後は襲われないとも限らない。もし、そうなったら──」

 

「応戦してかまわない。なんなら、エクスカリバーを破壊しても結構だよ」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアの言葉にゼノヴィアとイリナが難しい表情をして訊く。

 

 

「・・・・・・いいのかい、アルさん」

 

「・・・・・・悪魔の人たちにそんなことを許しちゃって」

 

「仕方あるまい。襲撃されて命が危険にさらされても手を出すななどと言えるはずもないだろう」

 

 

 確かにそうだ。もし言われたら「ふざけるな」と言いたくなる。

 

 

「それに──そちらにも少々事情もあるようだしな」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアは木場を一瞥しながら言った。

 

 このヒトもしかして、木場が『聖剣計画』の犠牲者だということに気づいたのか?

 

 部長の言った条件も、木場を納得させるための妥協点として提示したのだろうからな。

 

 

「ただし、やむを得ない状況を除いて我々の戦いに一切介入しないことは守ってもらう。そして、仮にエクスカリバーを破壊したとして、聖剣の芯となっている『かけら』だけはこちらに返還してもらう。──いいかね?」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアは視線を鋭くしながら部長に問いかけた。

 

 その雰囲気から「もしそうしなければ矛を交えることになる」と、暗に告げていた。

 

 

「ええ、それでいいわ。了解したわ」

 

 

 部長が了承したところで、部室を支配していた空気が若干和らいだ。

 

 

「時間を取らせて申し訳ない。本日は面会に応じていただき、感謝する。そろそろお暇させてもらうよ」

 

「せっかくだからお茶でもどう?」

 

「悪魔と馴れ合うわけにもいかないだろう。キミの眷属たちにとっても精神衛生上よくないだろうからね」

 

「それもそうね」

 

「では、失礼する」

 

 

 アルミヤ・A・エトリアが部長と軽口を叩き合ったあと、ゼノヴィアとイリナと共に立ち上がり、後ろに控えていたライニー・ディランディと神田ユウナを連れて部室から立ち去ろうとする。

 

 フゥ、どうにか揉め事にならずに済んだか・・・・・・。懸念材料である木場も、いまだに殺意と憎悪を撒き散らしながら不服そうにしてはいるが、立ち去ろうとする彼らに手を出そうとはしていなかった。

 

 だが、ここで俺はうっかりしていた。──懸念材料はもうひとつあったことを。

 

 

「──兵藤一誠の家を訪ねたとき、もしやと思ったが──アーシア・アルジェントか?」

 

 

 アーシアを視界に捉えたゼノヴィアが立ち止まり、アーシアに問いかけた。

 

 

「えっ、あっ、はい」

 

「まさかこんな地で『魔女』に会おうとはな」

 

 

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