ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.16 夜刀神 蓮火

 

 

「・・・・・・なんだ?」

 

 レンが目の前の光景に訝しんでいると、見えない何かが先端から徐々に姿を現し始めた。

 

 それは一本の剣だった。

 

 剣の姿が完全に現れると、次に持ち主の姿が現れ始めた。

 

 剣の持ち主は黄緑色で特徴的な髪型をした若い男性だった。前髪がほぼ両目を隠すほどまで長く、レンが倒したはぐれハンターたちと同じような格好をしていた。

 

 

「シシシ」

 

 

 男の姿が完全に現れると、男は独特な笑い声をあげてはぐれハンターを貫いている剣を抜いた。

 

 剣を抜かれたはぐれハンターはそのまま崩折れた。

 

 レンははぐれハンターには目をくれず、男の持つ剣に視線を向けていた。

 

 シンプルな形状をしており、鍔と刀身の間が細長い形状の装飾に施されていた。何より特徴的だったのが、剣から発せられる波動。はぐれハンターたちが持っていた聖剣と似ていながら圧倒的に強い波動を放っていた。

 

 

「確か、エクスカリバーの中に透明化の能力を持ったやつがあるって聞いたことあったな。そいつはそれか」

 

 

 レンの言うとおり、男の持つ剣こそが、教会がコカビエルに奪われた聖剣エクスカリバーのひと振り、透明化の能力を持った『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』だった。

 

 レンはエクスカリバーを持った男のほうに視線を移す。

 

 

「おまえ確か──元Cランクの名前は・・・・・・シャルトだったか?」

 

 

 レンは男の容姿を見て、以前資料で見かけたことがあったことを思い出す。

 

 男の名前はシャルト。元Cランクのはぐれハンター。はぐれになった原因は他ハンターを殺して手柄を奪った罪であった。

 

 

「シシシ。俺もおまえのことを知ってるぜ。Aランクハンター、『風の剣帝』こと夜刀神竜胆(りんどう)の弟、Bランクの『閃刃(せんじん)』の夜刀神蓮火。さっきの見てたけど、異名に違わねぇ速さだったぜ」

 

「そりゃどうも」

 

 

 レンはシャルトが殺したはぐれハンターのほうに視線を移して訊く。

 

 

「なんで殺したんだ? 一応、俺は生かすつもりだったんだがな」

 

「でもギルドにつき出すつもりだったんだろ? だったらどうせ、殺処分になってたんだから、変わりねえだろ」

 

「・・・・・・そうかもしんねぇけどよ」

 

「ま、こんな奴のことは放っておいて、俺と遊ぼうぜ」

 

 

 そう言うと、シャルトの体が消え始めた。

 

 

「一応、おまえは俺より上のランクだからな。これくらいのハンデはつけさせてもらうぜ。ゲームはフェアプレイが大事だからな」

 

 

 完全に姿を消したシャルトに、レンは焦ることなく鞘を手に構える。

 

 

「──ッ!」

 

 

 ガキィィィン!

 

 

 レンは振り向きざまに放った居合いで何かを弾いた。

 

 

「おっととと!」

 

 

 透明化して背後からレンに斬りかかろうとしていたシャルトはエクスカリバーを弾かれた勢いでバランスを崩さないように後ずさったあと、透明化を解除して姿を現す。

 

 

「ちぇっ、やっぱBランクなだけあって、姿が見えなくても気配とか殺気でバレるか。せっかくエクスカリバーっていうレア武器手にいれたから、こいつでおまえのことを斬って見たかったけど、剣じゃおまえに勝てねぇか」

 

 

 シャルトはそう言うと、一目散にこの場から逃げだした。

 

 

「チッ!」

 

 

 レンはすぐさまシャルトを追う。

 

 

「・・・・・・また消えたか」

 

 

 シャルトを追って廃工場を出たレンだったが、透明化で姿を消されてシャルトを見失ってしまった。

 

 

「──ッ!?」

 

 

 突如、レン目掛けて黄色に光り輝く物体が飛来してきた。

 

 レンは即座に飛来してきた物体を居合いで弾いた。

 

 

「・・・・・・ちょっとめんどうだな」

 

 

 自分が陥った状況にレンは軽く舌打ちをした。

 

 

-○●○-

 

 

「シシシ」

 

 

 レンから三百メートル以上も離れた場所でシャルトが端末の映像を見ながら独特の笑い声をあげていた。

 

 その端末にはシャルトが飛ばしているドローンから送られてくるレンの姿を俯瞰した映像が映っていた。

 

 そして、シャルトの手には黄色に光り輝く弓矢が握られていた。

 

 光攻撃系神器(セイクリッド・ギア)、『黄光矢(スターリング・イエロー)』──シャルトの持つ黄色の光の矢を放つ神器(セイクリッド・ギア)

 

 シャルトはこのドローンの映像で相手の位置を確認しながら光の矢で安全なところから相手をいたぶりながらじわじわと攻めたてて倒すスタイルを得意としていた。その姿から周りのハンターは彼をハンターではなくあえて『狩人』と呼んでいた。

 

 

「さーて、今日もハンティングゲームの始まりだ」

 

 

 命の取り合いをゲーム感覚で楽しむシャルトは上空に向けて光の矢を射った。

 

 放たれた光の矢は空中で軌道を変えた。『黄光矢(スターリング・イエロー)』の光の矢はこのように軌道変更が可能で、同じ場所にいながら様々な方向から相手を狙撃できる神器(セイクリッド・ギア)だった。

 

 軌道が変わった光の矢は建物の間を縫ってレン目掛けて飛翔する。

 

 レンは即座に反応して光の矢を弾いた。

 

 

「シシシ。じゃあ、次は三本だ」

 

 

 シャルトは光の矢を三本つがえ、同時に射ってそれぞれ別の方向に軌道変更してレンを攻撃する。

 

 だが、レンはそれにも反応して対処した。

 

 

「シシシ、さすがだな。だけど、いつまでもつかな」

 

 

 その後もシャルトは連続で光の矢を射っていく。

 

 軌道変更によって自分の位置はバレることはない。こちらから一方的に攻撃できる。いずれ、集中力に限界が来て終わる。こっちはただ矢を射っていくだけの簡単なゲーム。そんな優越感に浸りながらシャルトはひたすら光の矢をレンに射ちこんでいく。

 

 

「・・・・・・おいおい、マジかよ」

 

 

 だが、シャルトが射った矢が百発に到達しそうなところでシャルトは表情を歪ませた。

 

 シャルトが射った光の矢をレンは悉く弾くか躱していた。

 

 しかも、その集中力は衰えるどころか、疲弊の色さえまったく見せていなかった。

 

 逆にシャルトのほうが光の矢の連発と軌道変更のための集中力で疲弊していた。

 

 

「あーあ、つまんねー。もう飽きたぜ」

 

 

 シャルトはうんざりした様子で愚痴る。

 

 シャルトはもともと堪え性がなく、非常に短気だった。

 

 はぐれになった原因のハンター殺しも、些細なことによる癇癪によるものだった。

 

 

「ちょうどいいや。新技の実験体になってもらうぜ」

 

 

 そう言うと、シャルトは透明のエクスカリバーの能力で姿を消して建物の屋根に昇る。

 

 望遠の魔術でレンを捉えながら一本の光の矢を弓につがえる。その矢もエクスカリバーの力で透明化していた。

 

 

「シシシ。とっておきの最速の矢だ。しかも、透明化のおまけつき。これで終わりだぜ」

 

 

 これで終わりという確信を持って、シャルトは光の矢を射った。

 

 放たれた光の矢は超高速で飛翔し、レンへと迫る。

 

 

「は?」

 

 

 だが、シャルトの口から出たのは勝利の歓声ではなく、素っ頓狂な声だった。

 

 なぜなら、シャルトが放ったほぼ不可避と思われた矢の一撃をレンはただ身をそらすだけで躱してしまったからだ。

 

 そして、レンは望遠の魔術越しにシャルトのほうを真っ直ぐ見ると、不敵な笑みを浮かべて口を動かした。

 

 

 ──そこか。

 

 

 そう言われた気がしたシャルトは心臓を鷲掴みされたような感覚に陥っていた。

 

 そして、レンはナイフを取り出し、上空に向けて投擲した。

 

 

「な、何を──まさか!?」

 

 

 シャルトは慌てて、ドローンからの映像が送られてくる端末を見る。しかし、端末に映っていたのは、映像が途切れた画面だった。

 

 レンが投擲したナイフによってドローンが撃墜されたのだ。

 

 

「う、嘘だろ!?」

 

 

 シャルトはもう一度、望遠の魔術でレンのほうを見る。

 

 レンはすでにシャルト目掛けて疾走していた。

 

 

「ひっ!?」

 

 

 シャルトは初めてレンに対して恐怖感を覚え、一目散にその場から逃げだした。

 

 

「ちくしょうちくしょう!? 何がどうなってやがる!? なんでバレた!? どうやって俺を見つけた!?」

 

 

 シャルトはわけもわからず、ただひたすらレンから離れようと全力で走る。

 

 距離はあった。いまは透明化もしている。追いつけるわけがない。そう思い込んで走っていたシャルトの頭上を何かが飛び越え、シャルトの前に降り立った。

 

 

「──よう」

 

「ひぃっ!?」

 

 

 シャルトの前に降り立ったレンが呼びかけると、シャルトは情けない悲鳴をあげる。

 

 

「ど、どうやって俺を見つけた!? それ以前に、どうやってあの矢を避けやがった!?」

 

()()()

 

 

 シャルトの問いかけに、レンは自身の耳を指差しながら言った。

 

 

「俺も神器(セイクリッド・ギア)持ちでな。『龍の耳(サウンド・レシーバー)』。ま、聴覚を高めるだけのありふれたもんだよ。でも、この高められた聴覚は結構いろいろ聞こえるんだぜ。たとえば、矢が空気を裂く音とかな」

 

「──ッ!?」

 

「気づいたか」

 

 

 矢が空気を裂く音、それを捉えたことで、姿を消していようとレンはシャルトの最後の矢を避けることができた。同時に、その音は矢が飛んできた方角、つまり、その方角の先にあるシャルトの狙撃地点もわかったというわけだった。

 

 

「だ、だが、そいつでわかるのは方角だけだろうが!? あのあと、俺はすぐに移動して──」

 

「だからこそさ」

 

「何!?」

 

「俺の『龍の耳(サウンド・レシーバー)』が音を正確に聞き取れる範囲(レンジ)は約半径一キロだ。ま、距離が遠くなるほど神経使うから、普段は三百メートルくらいだけどな」

 

 レンが口にした数値にシャルトは唖然としていた。

 

 

「方角がわかれば、あとはその方角に意識を集中して、場所がバレて移動しようとするおまえの音を聞き取ればいいだけだ。この時間帯だから、あっさり見つけられたぜ」

 

 

 レンから逃げようとしていたシャルトだったが、実際は自分の居場所をレンに教えていたも同然だった。

 

 

「ちなみにおまえが最後の矢を射たなかったとしても、徐々に範囲を広げていた聴覚に結局捕まってたぜ」

 

 

 それを聞き、自分が狩人、レンが獲物で徐々に追い込んでいたと思っていたシャルトは、実際は自分のほうが獲物で追い込まれていた事実を認識した。

 

 

「・・・・・・チートじゃねぇかよ、それ・・・・・・」

 

「これでもガキの頃は苦労したんだぜ。雑音がうるさくてうるさくて、夜もまともに寝られなかったからな。この音を完全遮断するヘッドホンが手放せなかったからな」

 

 

 レンは首にかけているヘッドホンを指でトントンとつつきながら言う。

 

 

「ま、もうコントロールできるから必要ないんだけど、なんか首にかけてないと落ち着かなくてな。さてと──」

 

 

 レンは鞘を手にゆっくりとシャルトに歩み寄る。

 

 

「ま、待てよ!」

 

 

 それを見てシャルトは両手を前に突き出してレンを制止する。

 

 

「な、なあ、取引しねぇか?」

 

「・・・・・・取引?」

 

「あ、ああ! 俺を()()()()()()()()にしてくれるようにおまえの兄貴に頼んでくれねぇか!」

 

 

 保護観察ハンター──保護観察の賞金首バージョンとも言うべき制度。賞金首、はぐれハンターの中でも、やむを得ない事情などがあり、丈領酌量の余地がある対象に対して、一時的に討伐対象から外され、Aランクハンターの監視下で賞金稼ぎ(バウティーハンター)稼業に勤しむ制度だ。稼ぎの九割が損害賠償として費やすことになっている。そして、犯した罪に値するだけの賠償が支払われた場合に賞金首認定が解除される。

 

 

「・・・・・・おまえに丈領酌量の余地があるとは思えねぇけどな」

 

 

 シャルトの罪はハンター殺しに始まり、多数の罪のない一般人を手にかけたことだった。やむを得ない事情があったわけでもなく、ただの快楽殺人だった。レンの言う通り、丈領酌量の余地などなかった。

 

 

「だから取引だよ。俺にはやむを得ない事情があって、丈領酌量の余地があったってでっち上げてほしいんだよ」

 

「んなことして、俺たちになんのメリットがあるんだ?」

 

 

 監視役のハンターには報酬が支払われることになってはいるが、監視対象が問題を起こした場合、監視不行きとして相応のペナルティが課せられる。最悪、ライセンス剥奪となることがあった。だからなのか、監視役を引き受けるハンターは少なく、引き受けるようなハンターは物好きしかいなかった。

 

 ましてや、シャルトが言ったような不正をしてバレようものなら、はぐれ認定される。

 

 

「まず、俺の知ってる情報は洗いざらいおまえたちに話す。それをギルドに売れば結構な金になるぜ!」

 

「で?」

 

「保護観察ハンター時の俺の残った稼ぎをおまえにやるし、賞金首認定が解除されたあとでも稼ぎのほとんどをやるよ」

 

「話になんねぇな。デメリットと釣り合わねぇ」

 

 

 レンの言葉に、シャルトはむしろ笑みを浮かべていた。

 

 メリットがデメリットを上まればいいのだと思ったのだ。

 

 

「安心しろよ。俺が所属してる組織『CBR』がいろいろやってくれるからよ」

 

 

 『CBR』──シャルトを初め、カリスや先程レンが戦ったはぐれハンターたちが所属している闇の組織。シャルトに殺されたはぐれハンターが口にしようとしていた組織の名前だった。

 

 

「へぇ、そいつはおもしろいことを聞いたな」

 

「だろ! 小耳に挟んだことなんだが、組織のボスが結構いろんなところと繋がりあるらしいんだ。聞いて驚け。なんと、一部のギルドや政府とさえ繋がりがあるらしいぜ」

 

「何?」

 

「そのコネを使って、はぐれの情報を掴ませないようにしたり、本来ははぐれに認定されるハンターの罪を揉み消したりな」

 

「──っ!?」

 

 

 シャルトの言葉に驚愕するレン。

 

 

「さっき言った取引も結構やってる奴いるらしいぜ。そのボスがいい感じに誤魔化してくれるらしいからな」

 

「なるほどね」

 

「最近はぐれが多いだろ? 皆、そのボスの恩恵にあやかろうとしてるのさ。なんせ、そっちのほうが、好き勝手やって金が手に入るわけだからな。しょせん、ハンターは金がすべてな連中ばかりだからな」

 

 

 レンは少しの間思案したあと、シャルトに訊く。

 

 

「そのボスの名前はわかるのか?」

 

「いんや、知らね。でも、異名は知ってるぜ。おまえも知ってる名だぜ」

 

「まさか!?」

 

「ああ、あの『災禍の凶王(カラミティ・キング)』だぜ」

 

「──ッ!?」

 

 

 その名を聞き、レンはここに来て初めて大きな驚愕をあらわにした。

 

 『災禍の凶王(カラミティ・キング)』──表の世界でも裏の世界でも知られている裏社会でさまざまな悪事に手を染めている謎の人物の異名であった。その悪事の幅は広く、中には、テロ行為、紛争への支援などもあった。

 

 にもかかわらず、その異名以外はまったく尻尾を掴ませない人物だった。

 

 

「なるほどねー」

 

「な、悪い話じゃないだろ? 俺は命が助かるし、おまえたち兄弟も懐が温まるしで、一石二鳥だ──」

 

「知ってそうな情報はそんくらいか」

 

「──へ?」

 

 

 シャルトの言葉を遮り、レンは居合いの構えをとる。

 

 

「ちょ、ちょっと待てよ!? 話が違うだろ!?」

 

「何言ってるんだ。俺は了承した覚えはないぜ」

 

「だ、だって、どう考えてもメリットのほうが多いし、デメリットだって、ほとんどないに等しいだろ!? 断る理由なんて・・・・・・」

 

「メリットデメリットは関係ねえよ。はなっから話を聞くつもりはないんだからな」

 

 

 レンは初めからシャルトから情報を引き出すことしか考えていなかった。

 

 おもわせぶりな反応したのは、そうすれば、いろいろ話すと思ったからだった。

 

 結果、シャルトはレンの狙いどおりどころかそれ以上の情報をペラペラと話してしまった。

 

 

「ま、待てよ!? おまえもハンターなんだから、金がほしいだろ!?」

 

「勘違いすんなよ。俺がハンターになったのは金のためじゃねぇ」

 

「じゃ、じゃあ、なんだよ!?」

 

「てめぇみてぇなクズ野郎どもを斬るためだよ」

 

 

 レンはシャルトに対する最大級の嫌悪感をあらわにして言う。

 

 

「てめぇが殺した奴の中に子供がいたよな? しかも、遺体からは痛めつけられ、なぶられた痕跡があった。なんでんなことした?」

 

「・・・・・・そ、それは・・・・・・」

 

 

 言い淀むシャルトにレンが言う。

 

 

「おもしろかったからだろ? てめぇみてぇなクズ野郎どもは皆そうだ。おもしろ半分で子供を殺す。そういうクソ野郎は例外なく斬る! 俺たち兄弟の暗黙の了解だ」

 

 

 レンの言葉を聞き、シャルトは必死に命乞いを始める。

 

 

「わ、悪かったよ! 反省してる! だから殺さないでくれ!?」

 

 

 シャルトの命乞いにレンは冷めた視線を向けて言う。

 

 

「──おまえが殺したヒトたちや子供たちだって同じ気持ちだったんだぞ。それをおまえはどうした?」

 

「は、はは・・・・・・うおあああああああああっ!」

 

 

 シャルトは絶叫をあげ、光の弓を出すと、先端が無数に枝分かれした光の矢をつがえた。

 

 

「くたばれぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

 

 シャルトが矢を射つと、光の矢は無数の矢になってレンに向かって飛翔した。

 

 

 バヂヂヂヂヂヂヂ!

 

 

 だが、レンの体から紅い雷が放電され、光の弓をすべて薙ぎ払った。

 

 

「なっ!? う、うあああああああああああっ!」

 

 

 シャルトはレンが放った紅い雷に驚愕し、背中を見せて一目散に逃げだした。

 

 

「一の型──疾風」

 

 

 レンが居合いの構えで飛びだすと、シャルトに一瞬で追いつき、そのまますれ違いざまに放たれた神速の居合いがシャルトの首を両断した。

 

 

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