ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.18 『鬼刃』の使い手

 

 

「はぁぁぁッ!」

 

 

 俺はカリスの操り死人に一瞬で近づき、その胴体を両断する。

 

 続けざまに背後から斬りかかってきた死人の光の剣による斬擊を雷刃(ライトニングスラッシュ)の鞘で防ぎ、そのまま回し蹴りで吹っ飛ばした。

 

 ブーステッド・ドラッグのおかげで、肉体の疲れやダメージを気にせず、いつもよりも動けて戦えていた。

 

 ・・・・・・だが、それも薬の効果が続いているあいだだけだ。薬が切れれば、再び肉体の疲れとダメージが体を襲う。さらに、薬の副作用とそんな状態で戦っていた反動で今度こそ動けなくなる。

 

 薬の効き目に個人差はあるが、平均で十分はある。それまでにこいつらを倒す!

 

 幸い、こいつらの肉体が修復されることはなかったし、動きも単調だった。肉体が変異する気配もない。おそらく、近くにカリスがいないからだろう。こいつらはカリスが操作しているわけでなく、入力した命令に従って動いているだけなのだろう。

 

 それなら、薬が効いてる間になんとかなるだろう。

 

 死者たちを相手にしながら、槐のほうに視線を向ける。

 

 

「二の型──螺旋擊!」

 

 

 槐は体の捻りを加えた回転斬りで巨人の腕を斬り払っていた。

 

 だが、巨人の腕はすぐに修復されてしまった。

 

 クソッ、あっちはこいつらと違って、自動修復能力を持っているのか・・・・・・。おまけに、巨体ゆえに力は絶大だし、しかも、その巨体に似合わず、動きも速い。

 

 ・・・・・・動きが単調なのが幸いだが、それでも、槐一人じゃ厳しいかもしれなかった。

 

 早急にこいつらを倒して槐の援護をするしかない!

 

 

「はぁッ!」

 

 

 槐が巨人の拳による一撃を巨人の腕に飛び乗って避け、そのまま巨人の腕を足場に駆け上がっていく。

 

 

「八の型──獣爪擊!」

 

 

 巨人の肩まで駆け上がった槐はそのまま巨人の顔を三連続の斬擊で技の名前のとおり獣の爪に切り裂かれたかのような切り傷を残して斬り払った。

 

 だが、斬られた箇所は即座に修復されてしまった。

 

 

「・・・・・・・・・・・・ふぅぅぅ・・・・・・」

 

 

 苦い表情を浮かべた槐は一度深呼吸をして呼吸を整え始める。

 

 

「・・・・・・・・・・・・しぃぃぃぃぃ・・・・・・」

 

 

 槐は巨人を見据えながら正眼で構え、独特な呼吸音を発しながら呼吸を行い始めた。

 

 ──()()をやる気か・・・・・・。

 

 だが、それには、少し長い時間をかけて集中力を高める必要があった。

 

 あの巨人を相手にしながらのそれはかなり致命的な隙だった。槐もそれはわかっているはずだが、()()をやらないとあの巨人を倒しきれないということなのだろう。

 

 

 ガシッ!

 

 

「なっ、しまった!?」

 

 

 倒したと思っていた死者が突然起き上がり、俺の体を拘束されてしまった!

 

 

「クソッ!?」

 

 

 なんとか振りほどこうとするが、ガッシリと拘束されていて振りほどけなかった!

 

 そうこうしているうちに、何体かの死者たちが一斉に飛びかかってきた!

 

 やられる! そう思った瞬間、けたたましい銃声が響き、飛びかかってきた死者たちが撃ち抜かれた!

 

 

 ザッ!

 

 

 そして、俺の前に人影が舞い降り、手に持つ拳銃で俺を拘束していた死者たちを撃ち抜いた。

 

 銃撃に怯んだ隙に死者たちを振りほどき、雷刃(ライトニングスラッシュ)で斬り払った。

 

 そして、俺は突如乱入してきた人物のほうに視線を向ける。

 

 

「・・・・・・随分なざまだな?」

 

 

 そう挑発的に発するライニー。

 

 その背後では死者がライニーに飛びかかろうとしていた!

 

 

「やぁぁぁぁぁッ!」

 

 

 そこへ、ユウナが現れ、ライニーに飛びかかろうとしていた死者を斬り払った。

 

 

「大丈夫、士騎明日夏くん!」

 

「ああ、なんとかな。そっちも無事でなによりだ。木場にゼノヴィアとイリナは?」

 

「・・・・・・爆風に吹き飛ばされてはぐれちゃったの」

 

 

 確かに、二人を見ると、槐と同じような状態だった。

 

 

「たぶん、無事だとは思うけど・・・・・・」

 

 

 二人が無事なら、ユウナの言う通り生きてはいるだろう。

 

 

「・・・・・・二人とも、悪いがここは任せるぞ!」

 

「え、ちょっ!?」

 

「・・・・・・チッ」

 

 

 一刻を争うので、二人には悪いが、この場を強引に任せて、俺は槐のもとへ駆けだした!

 

 槐は集中力を高めながらも、巨人の攻撃をなんとか回避していた。

 

 

「はぁッ!」

 

 

 俺はオーラの腕で巨人の拳を受け止め、巨人を押さえつける。

 

 

「明日夏!」

 

「俺が時間を稼ぐ! その間に!」

 

「──わかった」

 

 

 槐は頷くと、目を瞑ってより深く集中力を高め始めた。

 

 

「ぐっ!」

 

 

 巨人が強引にオーラの腕を押し返そうとしてきた。

 

 このバカ力が・・・・・・!

 

 

「・・・・・・おとなしく・・・・・・してろぉぉぉっ!」

 

 

 俺はオーラの腕を引き、巨人の体勢を崩してやった!

 

 

「スカーレット──」

 

 

 オーラの腕を消し、右手にオーラを集約させる!

 

 

「フレイムゥゥゥッ!」

 

 

 前のめりに倒れてくる巨人めがけて、緋い龍擊(スカーレット・フレイム)を叩きこんだ!

 

 緋い龍擊(スカーレット・フレイム)をくらった部分を大きく抉られ、巨人が大きく怯んだ。

 

 

「ふッ!」

 

 

 さらに残りのバーストファングをすべて投擲し、爆発によって巨人が尻餅をついた。

 

 だが、抉られた箇所が即座に修復され、起き上がり始めた!

 

 

「クソッ!」

 

 

 その光景に思わず舌打ちをしてしまう。

 

 

slash(スラッシュ)!」

 

 

 巨人の攻撃に備え、刀身強化した雷刃(ライトニングスラッシュ)を構える。

 

 巨人が立ち上がり、拳を打ちこんできた!

 

 

「くっ!」

 

 

 拳を迎え撃とうと、雷刃(ライトニングスラッシュ)を強く握った瞬間──。

 

 

「──待たせたな・・・・・・」

 

 

 槐が俺の前に躍り出て、巨人の拳を迎え撃つ。

 

 

「二の型──螺旋擊!」

 

 

 体の捻りを加えた回転斬りが巨人の腕を難なく両断した!

 

 槐を見ると、瞳からハイライトが消えていた。だが、決して虚ろ目というわけではなく、巨人を鋭く見据えていた。

 

 間に合ったか!

 

 鬼刃一刀流──槐たちが扱う異形を斬るための剣術。その秘技──『錬域』。

 

 人間が異能の力に頼らず、剣の力のみで人間よりも圧倒的に強大な存在である異形に立ち向かうために生み出された極度の集中状態になることで至る境地、それが『錬域』だ。

 

 スポーツで起こる『ゾーン』に似た状態で、それを剣術を扱うことに特化させたものらしい。

 

 槐が言うには、この領域に至ると、視界から入る不必要な情報がカットされ、そのぶん、動体視力や洞察力が高まる。さらには反応速度や身体能力も上昇するみたいだ。

 

 槐は流れるような動作で霞の構えを取る。

 

 そんな槐に巨人が修復された拳を突き出した。

 

 

「──ッ!」

 

 

 槐はそれに合わせるように駆けだすと、巨人の拳を難なく両断した。

 

 だが、槐の攻撃はそれで終わらなかった。拳を両断した斬擊の勢いを衰えさせることなく、流れるように斬擊を繋げるように連続で放っていく。

 

 巨人の肉体は斬られると、即座に修復されていく。だが、槐の斬擊のほうがそれよりも速く、巨人の修復力が追いついていなかった。

 

 

「十の型──斬り嗣ぎ舞!」

 

 

 槐の連続の斬擊が巨人の肉体をどんどん斬り裂いていく。

 

 そして、とうとう巨人の足が両断され、巨人が自重に耐えられず前のめりに倒れこんだ。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

 

 なおも槐の斬擊が続く。

 

 腕、胴体、首、顔と次々と槐の斬擊によって斬り裂かれていく。

 

 レンが言うには、普段の槐はCランク相当の実力だが、『錬域』に至ることでその実力はBランク相当になる。

 

 現にいまの槐の動きはさっきまでとは比べものにならなかった。

 

 そして、とうとう槐の斬擊が止まった。

 

 残ったのは肩で息をしている槐と修復が追いつかず、バラバラに斬り裂かれたさっきまで巨人だった肉塊だけであった。

 

 

「・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・くっ・・・・・・」

 

 

 肩で息をしていた槐が膝をついてしまった。

 

 

「槐!?」

 

 

 俺は慌てて槐のそばまで駆け寄る。

 

 

「・・・・・・大丈夫か、槐?」

 

「・・・・・・ああ、ただ疲れただけだ」

 

 

 『錬域』は確かに身体能力などを大きく高められるが、同時に負担と消耗も大きい。

 

 時間にして一分足らずだったはずだが、それでもこの消耗具合だ。

 

 

「・・・・・・まだまだ未熟だな」

 

 

 槐は悔しそうに歯噛みしていた。

 

 

「俺からしたら、十分スゴいんだがな・・・・・・」

 

「・・・・・・鬼刃の使い手からしたら、全然未熟だ。『錬域』は本来なら鬼刃一刀流の()()なのだからな」

 

 

 あれが基本とはな・・・・・・。

 

 槐は『錬域』に入るために少し長い時間をかけて集中する必要があるんだが、本来は自由にその領域に入れ、()()()()()()()()()()()のが基本らしい。

 

 実際、レンはそれができるんだからな・・・・・・。

 

 

-○●○-

 

 

 レンが向かった先である廃工場内、そこでは五人の堕天使たちが険しい表情を浮かべていた。

 

 

「ど、どうなってやがるんだよ!?」

 

「あいつは人間のはずだろ!?」

 

神器(セイクリッド・ギア)だって大したことないもんなんだぞ!?」

 

 

 堕天使たちの視線の先にはレンが不敵な笑みを浮かべていた。

 

 そして、その瞳からはハイライトが消えており、その様子から『錬域』に入っていた。

 

 『錬域』状態のレンの戦闘力はずば抜けており、すでに五人の堕天使たち以外の堕天使はレンによって斬り伏せられていた。

 

 そんなレンに対して、堕天使たちは戦慄していた。

 

 

「ク、クソッ!」

 

 

 堕天使たちは一斉に光の槍を投擲する。

 

 

「一の型──疾風」

 

 

 レンはその場から目にもとまらない速さで駆けだして光の槍を避けると、廃工場内を縦横無尽に駆け回る。

 

 『疾風』は高速の踏み込みで相手に一瞬で接近して斬りこむ剣技であり、同時に高速で移動する歩法。連続で使用することで、長距離を短時間で走破したり、レンのように高速で移動して相手を撹乱することもできた。

 

 そのあまりの速さに堕天使たちはレンの姿を目で追えていなかった。

 

 

「五の型──天翔脚!」

 

 

 レンは高速移動しながら飛び上がり、堕天使の一人の首をすれ違いざまに斬り払った。

 

 さらにレンは壁や天井を足場に連続で『天翔脚』を繰り返すことで三次元的に縦横無尽に駆け回る。

 

 

「九の型──双龍擊!」

 

 

 ほぼ同時に放たれた二つの斬擊がさらに堕天使二人を斬り払った。

 

 残った堕天使二人は即座に地上に降りると、壁際まで移動すると、壁を背にしてレンを迎え撃つ姿勢を見せる。

 

 一見、退路を自ら絶ったように見える堕天使の行動だが、堕天使の狙いは、レンの動く範囲を狭めることだった。

 

 実際、レンは堕天使を斬るためには真っ正面から接近するしかなかった。

 

 だが、レンは構わず、堕天使二人の思惑に乗って『疾風』で接近しようとする。

 

 来る方向がわかっていたためにレンの動きをどうにか追えていた堕天使がレンの動きを見切って光の槍を振るった。

 

 

「なっ!?」

 

 

 レンは光の槍を足場にして飛ぶことで光の槍を躱した。

 

 

「六の型──飛燕兜割り!」

 

 

 そのまま落下の勢いを乗せた唐竹割りが堕天使を両断した。

 

 

「もらった!」

 

 

 レンが着地をした隙をついて最後の堕天使が光の槍を振るった。

 

 

「何っ!?」

 

 

 だが、堕天使の光の槍はレンの体をすり抜けて空振ってしまった。

 

 

「七の型──陽炎」

 

 

 堕天使が斬り払ったのはレンが極限の緩急で生み出した残像であり、本物のレンは姿勢を低くして光の槍を躱していた。

 

 

「三の型──」

 

 

 低くした体勢のまま、レンは刀を持った腕を引いた。

 

 

「雫一穿!」

 

 

 打ち出すよう放たれた神速の突きが堕天使の頭部を貫いた。

 

 レンは堕天使から刀を抜き、刀に付いた血を払うと、刀を鞘に収める。

 

 

 パチパチパチパチ。

 

 

 廃工場内に拍手音が鳴り響いた。

 

 レンが拍手音がしたほうに姿勢を向けると、そこにはアズリールが足組みをして宙に浮いて拍手をしていた。

 

 

「やるやるぅ。選りすぐりのあの子たちをあっさり倒しちゃうんなんて」

 

 

 仲間たちを倒されたというのに、アズリールはむしろ、そのことに歓喜していた。

 

 そして、アズリールは堕天使たちの亡骸を一瞥すると、まるでゴミを見るような目になった。

 

 

「それにしても、つっかえないわねぇ」

 

「・・・・・・仲間だってのに、ずいぶんな言い草だな?」

 

「だって、私、弱い子なんて大っ嫌いだから。それに勘違いしないでほしいわね。この子たちは仲間じゃなく、私の奴隷よ。私の手足となって使い潰されるだけの存在でしかないのよ」

 

 

 アズリールの言葉に、レンは不敵な笑みをやめ、嫌悪感を露にする。

 

 

「ねえ、あなた。やっぱり、私の奴隷(もの)にならないかしら? 大丈夫よ。私、強い子は大好きだから。特別待遇でかわいがってあげるわよ」

 

 

 アズリールの誘いを受け、レンは嘆息して言う。

 

 

「さっき言ったはずだ。てめぇみてぇな女は願い下げだって」

 

「あっそう。じゃあ──」

 

 

 アズリールは足組みを解くと、手に光力でできた鞭を生みだした。

 

 

「生意気な子にはちょっとお仕置きしてあげるわよ!」

 

 

 そう言うと、アズリールは光の鞭をしならせ、レンに向けて振るった。

 

 レンは危なげなく光の鞭を避けると、その場から駆けだす。

 

 

「逃がさないわよ!」

 

 

 アズリールが再び鞭を振るうと、光の鞭が無数に枝分かれし、四方八方からレンに襲いかかる。

 

 

「チッ! 十の型──斬り嗣ぎ舞!」

 

 

 レンは『錬域』による身体能力と反射速度を最大限に駆使し、ほとんどの光の鞭を躱し、躱しきれない光の鞭を流れるような連続の斬擊ですべて斬り払った。

 

 

「あははははは! いつまで持つかしら!」

 

 

 アズリールが光の鞭を振るうたび、光の鞭はさらに枝分かれを繰り返し、次第にその数は廃工場内を埋め尽くすほどになっていた。また、アズリールの光力は上級悪魔でさえも軽く屠れるほどであり、廃工場内のあらゆるものを抉っていた。

 

 

「──ッ!」

 

 

 とうとう、その膨大な数の光の鞭を捌ききれず、レンの肩、脇腹、足を掠る。

 

 

「ほらほら、言いなさい! 私の奴隷(もの)になるって!」

 

 

 アズリールの命令に対し、レンは不敵な笑みを浮かべて言う。

 

 

「死んでもごめんだね」

 

 

 レンの言葉を聞き、アズリールは笑みを消す。

 

 

「あっそう。じゃあ、死になさい」

 

 

 アズリールのその言葉と同時に、光の鞭がレンを包みこんだ。

 

 

「バカな子。私の奴隷(もの)になれば、死なずに済んだのに。あーあ、もったいな──」

 

 

 バッ!

 

 

「──え?」

 

 

 レンを包みこんだ無数の光の鞭が、内側から弾けるように斬り払われた。

 

 

「肆ノ型──烈風嵐刃(れっぷうらんじん)

 

 

 そこには、体を思いっきり前のめりにして刀を完全に振り切った体勢のレンがいた。

 

 それを見て、アズリールは驚愕の表情を浮かべる。

 

 

「あ、あなた、一体何をしたのよ!?」

 

 

 アズリールの問いかけに、レンは刀を鞘に収めると、不敵に笑みを浮かべて言う。

 

 

「──斬った」

 

 

 レンはアズリールのほうに振り向く。その際、レンの瞳から鋭く赤い眼光が尾を引くように残像を残していた。

 

 レンの瞳には、『錬域』状態に入ったことで消えていたはずハイライトが戻っており、逆により鋭い眼光となっていた。

 

 アズリールはその姿から静かで鋭いただならぬ威圧感を感じ、体を震えあがらせる。

 

 

「鬼刃一刀流・奥義──」

 

 

 レンは体を前のめりにした体勢で居合いの構えを取る。

 

 

「こ、この!」

 

 

 アズリールは何かをされる前にと、再び無数の光の鞭を作りだして、レンに向けて振るう。

 

 

「弐ノ型──雷切」

 

 

 光の鞭がレンを捉えようとした瞬間、レンの姿が掻き消え、光の鞭は空を斬った。

 

 

「き、消え──」

 

 

 次の瞬間、アズリールの首が音もなく一閃されていた。

 

 何が起こった!? と、あまりの速さのために、首を斬られてもまだ意識を残していたアズリールは必死に自分の身に起こったことを理解しようとしていた。

 

 

「ふぅぅ・・・・・・」

 

 

 宙にいたレンは刀を鞘に収めると、息を吐く。

 

 そして、そのまま落下すると、身を翻して床に着地した。

 

 

「あ、あなたは本当に人間なの!?」

 

 

 首だけの状態でアズリールは異形な者を見るような目でレンを見ながら叫んだ。

 

 

「ああ、人間だぜ。弱っちいながらも、おまえらみたいな奴を斬れるように努力したな」

 

 

 アズリールはレンの言葉を最後まで聞くことができず、その意識は闇の中へと消えていった。

 

 

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