ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.22 強敵、現れました!

 

 

「──何?」

 

 

 俺はベルの言葉に衝撃を受けてしまう。実の家族を手にかけるなんて、俺からしたら、とても信じられない話だからだ。

 

 

「そいつには姉がいてな。名前はエイミー・ディランディ。もちろん、俺たちと同じく血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)だぜ。ノモア神父に拾われるまえまでは、ライは姉と肩を寄せあって、必死に支えあって生きてたみたいだぜ」

 

 

 そんな姉をなんで──いや、待て。そもそも、ライニーの姉は教会に拾われたのか? いや、たぶん、あの言いかたから察するに、教会にライニーの姉はいない。そして、死んでるわけではない。いま現在、殺そうとしているわけだからな。

 

 ならなぜ、生き別れることになった? 殺そうとするってことは、そうしなければ、教会に悪い印象を与えることになるということだ。

 

 

「なあ、ライの奴、初めて会ったときに悪魔のことをとことん扱き下ろしてなかったか?」

 

 

 ──ッ! まさか!

 

 

「そうだ。ライの姉貴は悪魔に転生してるのさ。しかも、本人の意思を無視して無理矢理にな」

 

 

 ・・・・・・やっぱりか。

 

 

「せっかくだから話してやるよ。まあ、俺もライから聞いた話だがな」

 

 

 そして、ベルはライニーとライニーの姉に起こった出来事を語り始めた。

 

 

-○●○-

 

 

 ライニーとエイミーのディランディ姉弟は、母親から虐待を受けていた。それも、血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)になるまえからである。

 

 二人の母親は遊び人で、二人の父親であり、当時付き合っていた彼氏と毎日酒を飲んでは情欲に更ける毎日を過ごしていた女だった。そんなある日、母親はエイミーを身籠ることになった。そして、エイミーが誕生し、さらに一年後にライニーが誕生した。そして、二人が物心がついた頃、父親は三人を残してどこかへ蒸発してしまった。実は父親は母親と付き合っていた当時から借金にまみれており、初めから母親に借金を押しつけて逃亡するつもりだったのだ。母親はそれに怒り、絶望した。借金に借金を重ね、酒浸りになり、自堕落な生活を送るようになり、そして、腹いせに二人を虐待するようになったのだ。

 

 二人が血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)になると、体が頑丈になったことをいいことに、母親の虐待は日増しに酷くなっていった。

 

 そして、ついには二人を殺そうとする状況にまで発展してしまった。

 

 それまで、ずっと耐え続けていたエイミーはそこで初めて母親に反抗した。反撃で母親を昏倒させ、そのスキにもう母親とは暮らせないとライニーを連れて家を出たのだ。

 

 そこからの二人の生活は悲惨なものだった。ストリートチルドレンの二人を気にかけてくれる者はおらず、むしろ、血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)の身体的特徴を忌み嫌われ、蔑まれていた。飢えをしのぐために生ゴミを漁り、渇きを癒すために泥水を啜って生きてきた。幸いにも、血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)になったことで二人はなんとか生き長らえることができていた。

 

 そんなある日、二人はとある上級悪魔に出会った。上級悪魔は人のいい笑みを浮かべて二人を自身の眷属に誘った。そうすれば、おいしいものも食べられ、暖かい場所で暮らせると。もう、こんな生活をしなくてもいいと。

 

 だが、エイミーはそれを断った。なぜ断ったかは定かではないが、()()()()()()()()()()を考えれば、その上級悪魔の本性を本能的に感じとっていたのかもしれなかった。

 

 誘いを断られた上級悪魔はとたんに豹変し、二人を無理矢理眷属にしようとした。上級悪魔は初めから、二人の血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)として力に目をつけていたのだ。

 

 二人はすぐさま逃げたが、血の悪魔の子供たち(ブラッド・チルドレン)といえども幼い子供、しかも、いままでの劣悪な生活で弱っていたこともあって、当然逃げ切れるはずもなかった。

 

 そこで、エイミーは自分を囮にすることで、ライニーだけでも逃がそうとした。

 

 結果、エイミーは上級悪魔に捕らえられ、ライニーは偶然にも近辺に訪れていたノモアに保護された。

 

 ノモアはすぐさま、エイミーのことを救出しようとしたが、時遅く、エイミーは転生悪魔となっていた。

 

 立場上、エイミーのことを助けることができなかったノモアはライニーだけでも守るため、上級悪魔も教会とことをかまえるわけにいかないことと、エイミーだけでも満足していたことで、ノモアと上級悪魔はお互いに手を引いた。

 

 これが、ディランディ姉弟が生き別れるまでに起こったことの顛末だった。

 

 

-○●○-

 

 

「──とまあ、こんな感じだ。ま、そんな珍しい話でもないな」

 

 

 ・・・・・・ライニーにそんな過去が。

 

 ライニーが悪魔を憎むのも、他人を信じれないのも、家族同然のように想うユウナたちのために自分を犠牲にするのもそのことが理由か。

 

 

「当時のライはそれはもう、ノモア神父を責めてたぜ。なんで姉を助けてくれなかったてな。ノモア神父も、言い訳することなく、ライに何度も謝罪し、ライの責めを甘んじて受け入れてた。そのときのノモア神父の行動が原因なんだろうな。ライが姉とユウちゃんたちを天秤にかけちまったのは」

 

 

 姉とユウナたちを天秤にかけた結果、ライニーはより確実に守れるほうを取った。

 

 立ち位置的にそれしかできなかったんだろう。姉を上級悪魔から連れ出すことはもちろん、出会うことがあれば、教会の戦士として見逃すわけにはいかない。もし見逃したりすれば、それが原因で余計に立場が悪くなりかねない。最悪、教会から追放されかねない。自分一人で済むのなら、ライニーはそれでもかまわないだろうが、ユウナたちのこともあり、それはできなかった。

 

 

「ま、その役目は俺が引き受けてやるさ。だから、安心して俺に殺されてろってな。──って、聞こえてねぇか」

 

「──ッ!」

 

 

 ベルの殺気が意識を失ってるライニーとユウナに向けられる。

 

 

「槐、早く行け!」

 

 

 俺は槐に叫んで促し、雷刃(ライトニングスラッシュ)を構える。

 

 

「──女一人に荷物持ちさせるなんて、男としてどうなんだ?」

 

「「──ッ!」」

 

 

 突然の第三者の声! そして、眼前に紅い雷をほとばしらせた誰かが一瞬で現れた!

 

 

「レン!」

 

 

 現れたのは別行動をしていたレンだった。

 

 よく見ると、誰かを担いでいた。

 

 

「こいつを頼む」

 

 

 レンは担いでいた誰かを俺に投げ渡してきた。

 

 俺は慌ててそれをキャッチする。

 

 

「イリナ!」

 

 

 投げ渡されたのは、ボロボロで血まみれのイリナだった!

 

 こちらもかなりの酷い傷だったが、息はまだあった。だが、その息もライニーとユウナと同じくらい荒かった。こっちもすぐ治療しないと危険だな。

 

 

「ここは俺に任せて行け! そして、リアス・グレモリーと樹里さん、可能なら教会本部に伝えろ! 今回の事件は、コカビエルを始めとした一部の堕天使が独断で起こしたもので、グリゴリは関与していないこと。そして、独断専行の目的は、かつての悪魔、神、堕天使の大戦を再開させることだってな!」

 

「な、なんだと!? じゃあ、エクスカリバーを奪ったのも、この町に潜伏してるのも!?」

 

「神側と悪魔側への挑発らしい! 詳しい説明はこいつに録音しといた!」

 

 

 そう言って、レンはスマホを投げ渡してきた。

 

 

「他のメンツは無事だ! だから早く行け! ヘタすれば、一刻を争う事態になるかもしれないぞ!」

 

 

 今回の事態の大きさを把握し、俺はうなずく。

 

 木場たちが心配だが、レンが無事というなら大丈夫なんだろう。レンの能力なら、それを把握することは可能だからな。

 

 

「ライニーは俺が運ぶ。ユウナを頼む」

 

「わかった」

 

 

 ユウナを槐に任せ、俺はイリナとライニーを担ぐ。

 

 

「気をつけろ、レン! そいつは──」

 

()()()()から知ってる!」

 

 

 レンは自身の耳を指で軽く叩きながら言う。

 

 レンの能力ならそれも可能か。

 

 

「おっと、行かせねぇよ!」

 

 

 そう言い、ベルが血の短剣を投擲してきた!

 

 

「飛電の太刀──紅乱(べにみだ)れ!」

 

 

 レンの居合いと同時に広範囲に放出された紅い雷によって血の短剣が消し飛ばされた。

 

 

「早く行け! 複数の堕天使やはぐれどもがやって来てる! ケガ人を抱えながら戦うのはさすがにキツい!」

 

 

 レンの言葉に俺と槐はうなずき、即座にその場から走りだす。

 

 レンが心配だったが、レンならうまく立ち回るだろう。

 

 とにかく急いだほうがよさそうだ!

 

 俺と槐はライニーたちにできるだけ負担をかけないように急いで来た道を駆け抜けていった。

 

 

-○●○-

 

 

 傷ついたライニーたちを運びつつ、俺と槐は林の中を突っ切っていく。

 

 走りつつ、後方を確認するが、俺たちを追ってきてる存在はいなかった。レンがうまく足止めしてくれてるようだな。

 

 そうこうしていると、カリスが操る死人の自爆でできたクレーターがある場所に着いた。

 

 

「──あれは?」

 

 

 クレーターの中心に団体の人影が見えた。

 

 敵かと警戒するが──。

 

 

「──ッ! 部長、皆!」

 

 

 そこにいたのは部長たちオカ研の皆だった。

 

 アーシアもいるな。ちょうどよかった!

 

 

「アーシア! 治療を頼む! 急いでくれ!」

 

「は、はい!」

 

 

 アーシアは返事をすると、急いで駆け寄ってきた。

 

 俺と槐はライニーたちをその場に寝かせると、アーシアはライニーたちの状態に酷く驚きながらもすぐに治療を開始してくれた。

 

 イッセーが訊いてくる。

 

 

「一体、何があったんだよ!? 木場やゼノヴィアは!?」

 

「二人とははぐれちまって、どこにいるかは・・・・・・」

 

 

 そこへ、部長が歩み寄ってきた。・・・・・・見るからに不機嫌そうだった。

 

 あー、これは勝手したことがバレてるな・・・・・・。

 

 イッセーが言うには、ゼノヴィアたちと会った時点ですでにバレていたみたいだ。

 

 

「──明日夏。イッセーと一緒に勝手なことをしたことについていろいろ言いたいことはあるけれど、いまは置いておくわ。一体何があったのかを詳しく話してちょうだい」

 

 

 俺はイッセーたちと別れてから起こった出来事を話した。

 

 

「祐斗の行方は依然として不明だけど、ひとまず無事なのね?」

 

「はい。レンが言うにはですが」

 

 

 俺は一応、レンの能力について話し、遠く離れた人物の状態を確認できることを伝えた。

 

 それを聞き、部長たちもひとまず安心してくれた。

 

 

「──それよりも部長。今回の事件、思った以上に大事です・・・・・・」

 

「大事? どういうことかしら?」

 

「詳しくはこれに」

 

 

 俺はレンのスマホのボイスレコーダーに録音されていたレンの話を再生する。

 

 レンの話によると、今回の事件は、三大勢力間の争いに消極的なグリゴリの方針に業を煮やしたコカビエルを筆頭とするタカ派の堕天使たちが独断で起こしたもので、教会からエクスカリバーを奪ったのも、部長の縄張りであるこの町に潜伏していたのも、二勢力への挑発であった。しかも、独断で戦争を起こそうとしただけあり、『CBR』なる謎の組織からカリスを始めとした大勢のはぐれハンターたちが派遣されていたり、大量の聖剣を提供されており、さらにはフェニックスの涙まで用意しているみたいだ。フェニックスの涙の入手経路はおそらく、M×Mと同じ裏ルートで手に入れたものだろう。

 

 

「戦争を起こすことが目的だなんて・・・・・・」

 

 

 堕天使たちの目的を知り、部長は眉をひそめる。

 

 

「部長、事態は一刻を争います! すぐにでも魔王に援軍を要請すべきです!」

 

 

 これはもう、個人でことに当たるレベルを越えている。戦力的な観点から見ても、魔王に援軍を要請すべきだ。

 

 だが、部長は苦い表情を浮かべていた。

 

 

「──部長。先日の婚約騒動で迷惑をかけたことを気にしてるんでしょうけど、これはもう、個人で対処できるレベルではありません!」

 

 

 俺がもの申していると、副部長が部長に言う。

 

 

「リアス。明日夏くんの言うとおりですわ。相手は堕天使の幹部よ。あなた個人で解決できるレベルをはるかに超えているわ。──魔王さまの力を借りましょう」

 

 

 部長は何か言いたげそうにするが、大きく息を吐き、静かに頷いた。

 

 

「──そうだ。そうしてもらわないと困る」

 

『っ!?』

 

 

 突然、上空から第三者の声が聞こえ、同時に、とてつもないプレッシャーが重くのしかかってきた!

 

 この重圧・・・・・・まさか!

 

 俺たちは上空を見上げる。

 

 月をバックに漆黒の翼を生やした男が浮いていた。長身でウェーブのかかった長い黒髪をしており、装飾の凝ったローブを着用していた。そして、その翼の数は──十!

 

 樹里さんが見せてくれた写真と同じ顔! 間違いない! こいつが!

 

 

「はじめましてかな、グレモリー家の娘。我が名はコカビエル」

 

 

 大胆不敵に名乗る堕天使の幹部──コカビエル!

 

 感じる重圧はレイナーレたちとは比べるのもおこがましいほどのレベルだった。

 

 

「ごきげんよう、堕ちた天使の幹部さん。私はリアス・グレモリー。どうぞお見知りおきを」

 

 

 部長も怯まず名乗る。

 

 

「紅髪が麗しいものだな。紅髪の魔王サーゼクス、おまえの兄にそっくりだ。忌々しくて反吐が出そうだよ」

 

 

 コカビエルの挑発的な物言いにも、部長は冷静に振る舞い、コカビエルに訊く。

 

 

「それで、戦争を起こそうとしているのは本当なのかしら?」

 

「ああ、そうだとも。エクスカリバーでも奪えば、ミカエルが仕掛けてくるかと思ったのだが、よこしたのはザコの悪魔祓い(エクソシスト)と聖剣使いが三匹、悪魔もどきが二匹だ。つまらん。あまりにもつまらん。──だから、今度はおまえの根城である駒王学園を中心に、この町で暴れさせてもらおうと思ってな。そうすれば、いやでもサーゼクスは出てこざるを得ない。だろう?」

 

 

 なっ、駒王学園で暴れるだと!?

 

 

「サーゼクスの妹の根城で暴れるんだ。それなりに楽しめそうだろう?」

 

 

 完全に戦争狂だった! 独断で戦争を起こそうとするわけだ!

 

 

「そうだ。そうだとも! 俺は三つ巴の戦争が終わってから退屈で退屈で仕方がなかった! アザゼルもシェムハザも、次の戦争には消極的でな。それどころか、そのアザゼルは戦争に消極的どころか、神器(セイクリッド・ギア)とかいうわけのわかからんものを集めだし、研究に没頭し始める始末だ」

 

「おまえらは聖剣だけでなく、神器(セイクリッド・ギア)もご所望なのかよ!」

 

 

 イッセーが震えながらも強気の姿勢を崩さずコカビエルに訊く。

 

 

「貴様の持つ『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』クラスなら武器にもなろうが、あいにく俺には興味がない。アザゼルならほしがるかもしれんが。あいつのコレクター趣味は異常だからな」

 

 

 そういや、兄貴がそんなこと言ってたな。アーシアみたいな、神器(セイクリッド・ギア)のせいで、居場所を失くした人間の保護も積極的にやってるとか。

 

 

「堕天使、神、悪魔はギリギリのところで均衡を保っているだけだ。ならば、この手で戦争を引き起こしてやればいい。だから、今度は貴様ら悪魔に仕掛けさせてもらう! ルシファーの妹リアス・グレモリー、そして、レヴィアタンの妹ソーナ・シトリー、それらの通う学舎なら、さぞや魔力の波動が立ち込めていて、混沌が楽しめるだろう! 戦場としては申し分あるまい!」

 

 

 無茶苦茶だ! こいつ、マジで頭がイカれてやがる!

 

 

「ヒャハハハハッハハ!」

 

 

 突然の笑い声!

 

 笑い声がするほうを見ると、そこにいたのは盛大に笑い声をあげているフリードだった。

 

 

「やあ、やあ、やあ♪ ご機嫌麗しゅう、クソ悪魔ども♪ うちのボス、このイカれ具合がステキで最高でしょぉ♪ 俺もついつい張り切っちゃうわけさ♪ こーんなご褒美まで頂いちゃうしさぁ♪」

 

 そう言うと、フリードは神父服を前を開く。そこには左右に一本ずつ、剣が帯剣しており、手に持つエクスカリバーを加えて合計三本の剣をフリードは見せびらかす。

 

 おいおい、あれはまさか全部エクスカリバーなのか!?

 

 レンの話では、フリード以外の使い手は倒したということだったが、そのままフリードが所有者になったのか!

 

 

「むろん、もちろん、全部使えるハイパー状態なんざます♪ 俺って最強ぉ♪ ウフフフフフ♪ あぁ、この『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』もツインテールのお姉さんからゲットさせていただきやしたんで♪」

 

 

 そう言って腕に巻いていた紐を見せびらかしてきた。

 

 よく見たらあれって、イリナが腕に巻いてたやつじゃねぇか!

 

 エクスカリバー四本の使い手とか、どこまで面倒になる気だこいつ!

 

 

「そろそろ行くぞ、フリード。ジブラエルとバルパーが準備を終えている頃だろう」

 

「はいな、ボス!」

 

「戦争をしよう、魔王サーゼクス・ルシファーの妹、リアス・グレモリーよ!」

 

 

 そう言うと、コカビエルが光の槍を無数に撃ち込んできた!

 

 

「皆、私と朱乃の後ろに!」

 

 

 言われるがまま、俺たちは防御魔方陣を展開する部長と副部長の背後に飛び込む!

 

 光の槍が止むと、すでにコカビエルとフリードはその場にいなかった!

 

 駒王学園に向かったのか!

 

 

「あいつら、マジで学園を!?」

 

「・・・・・・いいえ、イッセー。学園を中心にと言っていたから、それだけではすまないでしょうね・・・・・・」

 

「・・・・・・そうですわね。あのクラスの堕天使なら、この地方都市程度、滅ぼすことなど容易いでしょうね・・・・・・」

 

 

 ──ッ! 俺の脳裏に吹き飛ばされる駒王町、イッセーの両親、松田や元浜たちがそれに巻き込まれてしまうイメージが浮かんでしまった!

 

 

「くっ! ふざけんな。ふざけるなよ、クソ堕天使! てめぇの好き勝手にさせてたまるか!」

 

 

 イッセーは戦争を起こしたいがためだけにこの町を破壊しようとするコカビエルに怒りを募らせていた。

 

 イッセーだけじゃない。この場にいる全員がコカビエルに怒りを抱いていた。

 

 

「朱乃。彼女らをソーナのところに連れていって、事情を説明しつつ、彼女らをソーナに預けてちょうだい! その後、すぐにお兄さまに打診を!」

 

「はい、部長!」

 

「他の皆は学園に向かうわよ!」

 

『はい、部長!』

 

 

 ライニーたちを副部長に任せ、俺達は部長に続いて急いで学園に向かった!

 

 

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