ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.27 遅れてきた剣士たち

 

 

「とりあえず、皆無事のようだな?」

 

 

 レンは俺たち一人ずつの状態を確認する。

 

 

「・・・・・・いまのは一体?」

 

 

 部長の疑問に槐が答える。

 

 

「兄上の禁手(バランス・ブレイカー)です」

 

「えっ、でも、あなたのお兄さんの神器(セイクリッド・ギア)は聴覚を高めるものじゃ?」

 

 

 槐の答えに部長はますます怪訝そうにする。

 

 レンの持つ神器(セイクリッド・ギア)は『龍の耳(サウンド・レシーバー)』。その能力は聴覚を高めるというありふれたものだ。だが、さっきの攻撃は完全に雷属性系統。いかに禁手(バランス・ブレイカー)だろうと聴覚を高めるだけの神器(セイクリッド・ギア)にできることじゃない。

 

 事実、さっきのは『龍の耳(サウンド・レシーバー)』の禁手(バランス・ブレイカー)()()()()からな。

 

 そのからくりは至極単純──。

 

 

「兄上は生まれつき神器(セイクリッド・ギア)を二つ持っているのです」

 

『──っ!?』

 

 

 槐の言葉に事情を知っている俺や千秋、鶫や燕以外の全員が驚愕していた。

 

 基本的に神器(セイクリッド・ギア)は一人ひとつしか所持していない。複数持ってる場合もあとから移植されたものというのが原則だ。だが、例外があり、レンはその例外で生まれつき二つ所持しているのだ。

 

 その二つ目の神器(セイクリッド・ギア)こそが紅い雷撃を放つ『紅い雷火(クリムゾン・レビン)』。さっきのはその禁手(バランス・ブレイカー)、『紅蓮の霹靂一閃(トランジェント・クリムゾン・ライトニング)』。

 

 その能力は禁手(バランス・ブレイカー)としての発展や拡張を必殺の一太刀に集約させた一撃の威力を極限にまで昇華させた超高速居合斬りと斬りつけた対象を焼き払う雷撃による同時攻撃。居合斬りに関しては簡単に言ってしまえば、俺の雷刃(ライトニングスラッシュ)の身体強化と刀身強化の機能を併用した居合斬りだ(そもそも、雷刃(ライトニングスラッシュ)の機能はレンの能力をスケールダウンしつつも再現したものだ)。その強化された身体能力で雷の如き速さで動き、強化された刀で斬りつける。だが、レンの禁手(バランス・ブレイカー)はそれで終わらない。最大の特徴は斬りつけた対象の切断箇所から太刀を通じて大量の雷を流し込み、相手を内側から雷撃で焼き払うことだ。その威力は掠っただけでもその箇所が消し飛ぶほどだ。

 

 このことから、レンの禁手(バランス・ブレイカー)は相手からしたら回避が困難な超高速斬擊にもかかわらず、掠るだけでも危険な技へと昇華させている。

 

 むろん、欠点もあり、肉体への負担と消耗が大きく、また一撃ごとにインターバルがあるため連発ができない。そのため、ここぞというときにしか使えない。

 

 

「──アザゼルが言っていた『双持者(ダブル・ギア・ホルダー)』という存在か」

 

 

 コカビエルがレンを見てそう言った。

 

 双持者(ダブル・ギア・ホルダー)。グリゴリではレンみたいな神器(セイクリッド・ギア)を生まれつき二つ所持している奴をそう呼んでいるのか。

 

 

「・・・・・・ほ、報告します・・・・・・」

 

 

 そこへ、コカビエルたちに切羽詰まったような声がかけられた。

 

 声が聞こえたほうを見ると、ボロボロな姿の堕天使が膝をついていた。

 

 

「・・・・・・私以外の堕天使、およびはぐれエクソシスト、はぐれハンター、カリス・パトゥーリアの死人兵・・・・・・そこの男と聖剣使いの男の二人によって全滅しました・・・・・・」

 

「・・・・・・何?」

 

「なッ!?」

 

「ほう」

 

 

 堕天使の報告にコカビエルは眉をひそませ、ジブラエルは驚愕、カリスは興味深そうにしていた。

 

 俺たちもその報告に驚愕していた。

 

 堕天使は驚異的なものを見るような目でレンを見て言う。

 

 

「・・・・・・そいつらは強すぎます・・・・・・! とても人間とは思えません・・・・・・!」

 

 

 堕天使の反応からしても、ジブラエルはかなりの戦力をレンとアルミヤさんにあてがっていたのだろう。

 

 それをたった二人で・・・・・・。

 

 

「堕天使たちはともかく、他は有象無象だったからな。そこまで苦労はしなかったぜ」

 

 

 当のレンは大したことはしていないといった感じだった。

 

 

 ザシュッ!

 

 

『――ッ!?』

 

 

 突然、堕天使の胸を剣が貫いた!

 

 

「・・・・・・・・・・・・申し訳ありません・・・・・・コカビエルさま・・・・・・ジブラエルさま・・・・・・」

 

 

 その言葉を最後に堕天使は前のめりに倒れて息絶えた。

 

 

「ひとまず一難は去ったようだな」

 

 

 倒れた堕天使の後方から弓のような剣を手にしたアルミヤさんが現れた。

 

 

「ソーナ・シトリーとその眷属たちは無事だ、リアス・グレモリー」

 

 

 アルミヤさんの言葉を聞き、部長は安堵する。

 

 よかった。会長たちは無事か。

 

 

「──アルミヤ・A・エトリア。『錬鉄の剣聖』の異名を持つ、教会内でもトップクラスの戦士か。所持している神器(セイクリッド・ギア)は『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』か? 『魔剣創造(ソード・バース)』と同様、使い手の技量次第では無敵の力を発揮する神器(セイクリッド・ギア)。なるほど、異名に違わず戦士としては最上級だな」

 

 

 バルパーがアルミヤさんのことをそう評するが、途端に見下したかのような視線を向ける。

 

 

「だが、教会が保有する伝説の聖剣を与えられていないところを見る限り、因子の保有数値レベルは大したことのないようだな。ふん、つまり、戦士としての技量はともかく聖剣使いとしては大したことはないということだな」

 

 

 バルパーに好き勝手言われても、アルミヤさんは何も言わなかった。というよりも、気にも留めていなかった。

 

 

 ドォォォン!

 

 

「ん?」

 

「む?」

 

 

 レンとアルミヤさんの背後に死人の巨人が現れた!

 

 まだいたのか!

 

 巨人が腕を振り上げ、二人に拳を打ちだそうとする。

 

 

「十の型──斬り嗣ぎ舞」

 

 

 次の瞬間、レンの姿が巨人の背後に移り、巨人がバラバラに斬り裂かれていた!

 

 そして、アルミヤさんに襲いかかろうとしていた巨人は体の至るところに聖剣が突き刺さっていた。

 

 

「──壊れた聖剣(ブロークン・ブレード)

 

 

 カッ!

 

 

 聖剣が激しく光り輝くと、聖剣は聖なる波動を発しながら爆発した!

 

 爆発を受けた巨人は爆破された箇所が大きく抉れた状態で倒れる。

 

 レンが斬り裂いた巨人も爆破された巨人もダメージが再生することなく、ピクリとも動かなくなった。

 

 レンが斬り裂いた箇所は十一、巨人に突き刺さっていた聖剣の数も十一。つまり、二人はあの一瞬で巨人の弱点の場所を見抜き、ダミーを含めた全てを一瞬で攻撃したのか!

 

 レンは不敵に笑みを浮かべると、カリスに問いかける。

 

 

「──で、まだいるのか?」

 

 

 レンの問いかけにカリスも不敵に笑みを浮かべて言う。

 

 

「さあ、それはどうでしょうかね」

 

 

 はぐらかすかのように答えるカリスだったが、それを聞くと、レンは鼻で笑う。

 

 

「──あいにく、俺の耳は誤魔化せないぜ。俺の神器(セイクリッド・ギア)で高められた聴覚は相手から発せられる音から相手の状態、発した言葉の真意を聞き抜く。もう死者共は打ち止めか、ほぼストックがないんだろう?」

 

 

 レンの指摘にカリスは軽く嘆息すると、あっさり白状する。

 

 

「やれやれ、あなたの場合、その強さよりもその耳のよさが厄介ですね。ええ、その通りですよ。巨人型はいまので全滅。今回用意した死体のストックもほとんど使いきってしまいましたよ。一応、何体かは残っていますが、仮に強化したところであなた方が相手では無駄に消費するだけですね」

 

 

 どうやら、ようやくカリスの死人兵は打ち止めのようだ。

 

 

「──ですから、データ取りもかねてとっておきを出すとしますよ」

 

『──ッ!』

 

 

 カリスの言葉を聞き、俺たちは一斉に警戒心をあらわにする。

 

 そして、カリスの隣に魔方陣を介して一人の男性が現れた。

 

 二メートル近い大柄な体躯で金髪を短く刈った男だった。着ているものはボロボロであり、片眼には剣で斬りつけられたような縦長の傷痕、眼はそのものは機械のようになっていた。

 

 あの顔、見覚えがあった。確か、樹里さんが見せてくれた写真に写っていた男だ。

 

 

「・・・・・・セルドレイ・スミルノフ!」

 

 

 アルミヤさんが男の名を口にした。樹里さんの資料と同じ名前だった。

 

 男は生気を感じさせない虚ろな表情でカリスの傍らに佇んでいた。

 

 カリスがとっておきを出すと言っていたので警戒していたが、出てきたのはいままでの個体と変わらないものだった。素の身体能力が高いって意味なのか?

 

 

「・・・・・・あのあと、キミに殺され、操り人形にされたというわけか」

 

「ええ、その通りですよ。どのみち、聖剣使いの因子の副作用で長くはありませんでしたからね。貴重なエクスカリバーを扱えるレベルの聖剣使い。みすみす死なせるぐらいなら、私の──」

 

 

 ズバッ!

 

 

『──え?』

 

 

 俺たちは目の前で起こったことに思わず呆けてしまった。

 

 セルドレイ・スミルノフがいきなり手に持つ戦斧で隣にいたカリスの胴体を斬り裂いたからだ。

 

 一体何が起こったんだ!?

 

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃっ!?」

 

 

 カリスの後ろに控えていたバルパーが目の前でカリスの胴体が真っ二つされたことに悲鳴をあげて尻餅をついて後ずさっていた。

 

 

「・・・・・・おやおや・・・・・・やはりこうなりましたか・・・・・・」

 

 

 当のカリスは偽物の肉体ゆえに生きており、いま起こった事態にもそこまで驚いていなかった。むしろ、口振りからしてこうなることを予期していたみたいだった。

 

 セルドレイ・スミルノフが俺たちのほうに視線を移す。その瞳には生気は感じられず、完全に死者のそれだった。

 

 

『・・・・・・・・・・・・ま・・・・・・くま・・・・・・』

 

 

 その口からはよく聞き取れないが、うわ言ように何かを口にしていた。

 

 そのことに俺は驚く。

 

 これまでのカリスの死人兵は動くだけで言葉を発することはなかった。その動きに関しても、カリスが操作するか、プログラムされた動きに従ってのもので、基本的には完全な死体だ。

 

 だが、奴は勝手に主であるカリスを攻撃し、あまつさえ言葉を発していた。

 

 そこがカリスがとっておきと言っていた理由か?

 

 

『・・・・・・・・・・・・くま・・・・・・あ・・・・・・くま・・・・・・あくま・・・・・・』

 

 

 聞き取りずらかったセルドレイ・スミルノフの言葉が段々と声音が上がっていき、聞き取れるようになっていた。

 

 あ、くま・・・・・・悪魔って言ってるのか?

 

 

『・・・・・・あくまあくまあくまあくまあく魔あく魔あく魔悪ま悪ま悪ま悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔悪魔!!』

 

 

 ついにはっきりと悪魔と口にした!

 

 そして、その瞳に生気と激情が宿った!

 

 

『悪魔あああああああああああッッッ!!!!!!』

 

『──っ!?』

 

 

 咆哮のように悪魔と絶叫するセルドレイ・スミルノフ!

 

 その視線は部長を捉えていた。

 

 

 バッ!

 

 

 刹那、セルドレイ・スミルノフの姿が消えた!

 

 直感的に部長のほうを向いた俺の視界に入ったのは部長の眼前で戦斧を振り上げていたセルドレイ・スミルノフだった!

 

 マズい! 間に合わ──。

 

 

「二の型──螺旋擊!」

 

 

 ズバッ!

 

 

 セルドレイに追随するようにレンがすれ違いざまに、セルドレイ・スミルノフの戦斧を持つ腕を斬り払った!

 

 

「九の型──双龍擊!」

 

 

 続けざまに太刀を振るうレンだったが、セルドレイ・スミルノフは即座にバックステップでレンの斬擊を躱し、レンから距離を取ろうとする。

 

 

 ザシュッザシュッ!

 

 

 セルドレイ・スミルノフの体をアルミヤさんが弓で射ちだした二本の聖剣が貫く。

 

 

 カッ!

 

 

 先程の同じように聖剣が爆発した。

 

 

「・・・・・・やったのか?」

 

「うんにゃ、やってねぇな」

 

 

 俺の疑問をレンはバッサリと切り捨てた。

 

 爆煙が晴れると、セルドレイ・スミルノフは爆破箇所が大きく抉れたようになっていた。

 

 

『悪魔ァァァッ!!』

 

 

 セルドレイ・スミルノフはそんな状態でも活動を停止していなかった。

 

 

「・・・・・・さっきの攻撃、明確な敵意と殺意を持ってやがったし、即座に反応して俺の技を回避しやがった。こいつまさか──」

 

「ええ、その通りですよ」

 

 

 レンが疑問を口にする前に斬られた状態のままのカリスが答える。

 

 

「セルドレイさんは他の個体と違い、明確な意思を持った個体ですよ」

 

 

 明確な意思を持った死者だと!

 

 内心で驚く俺たちに説明するようにカリスは続ける。

 

 

「とある条件を満たした場合に限り、意思を持った個体にできるのですよ。その条件は二つあります。ひとつ、死亡してからほとんど時間が経過していないこと。だいたい数十秒以内ですね。そして、もうひとつ。これが一番重要です。それは──」

 

 

 カリスは一呼吸をおいて二つ目の条件を答える。

 

 

「死してなお消えることのない強烈な想いを抱いていることです。本来、死者を操るだけの神器(セイクリッド・ギア)である『死の傀儡(コープス・マリオネット)』でこのようなイレギュラーが起こったのは、おそらく、想いの強さを糧にする神器(セイクリッド・ギア)の特性が影響したのでしょう。あくまでも私の仮説で、正確なところは不明ですが」

 

 

 想いの強さを糧にする神器(セイクリッド・ギア)の特性がセルドレイ・スミルノフを意思を持った死者にしたというのか。

 

 

「そして、セルドレイさんが死してなお消えることのなかった想い、それは悪魔への憎悪、怒り、復讐心です」

 

 

 悪魔への憎悪に怒り、復讐心。だから、純血の悪魔である部長を真っ先に狙ったのか。

 

 

「偶然に発見した奇跡ですが、いくつか欠点がありましてね。意思があると言っても、その抱いていた想いに沿ってしか行動しません。しかも、その想いが成就してしまうと、ただの死者に成り下がってしまいます。さらにこれが一番の欠点ですが、まず私の言うことを聞いてくれません。それどころか、このように私の命を狙ったりします。まだまだ課題が多いですよ」

 

 

 つまり、セルドレイ・スミルノフはカリスの言うことを聞かず、悪魔への復讐心に沿ってしか行動しないってことか。

 

 

『悪魔ぁぁぁッ! アルミヤァァァァッ!!』

 

 

 セルドレイ・スミルノフがアルミヤさんを視界に捉えると、悪魔へのものと同等な怨嗟を叫ぶ。

 

 

「なるほど。キミを二度に渡って打ち倒してきた私のことは、悪魔への復讐を邪魔する憎き怨敵というわけか」

 

 

 アルミヤさんは自分に向けられた怨嗟から即座に分析する。

 

 

「さて、私はそろそろ退場ですね。この肉体ももう限界ですから。ああ、言っておきますが、私が消えても、セルドレイさんが活動を停止することはありません。彼はもう、私から完全に独立してしまっていますからね。しかも──」

 

 

 セルドレイ・スミルノフの傷がどんどん塞がり始めていた!

 

 カリスから独立していても修復はされるのか!

 

 

「では、セルドレイさん。存分に暴れてください。私は安全な場所からデータを取らせてもらいます。それでは皆さん。ごきげんよう」

 

 

 それだけ言うと、カリスだったものが唐突に動かなくなった。完全に活動を停止した死体になっていた。

 

 クソッ! 最後の最後に面倒な置き土産を置いていきやがった!

 

 どうする。不意をつかれたとはいえ、レンやアルミヤさん以外が奴の動きに反応できなかったことから考えても、セルドレイ・スミルノフはいままでの奴よりも強敵なのは確実だった。

 

 

「ふむ、どうやら、いまのセルドレイ・スミルノフの最優先標的は私のようだな。私がいる限り、悪魔への復讐が成就できないと至ったのだろう」

 

 

 アルミヤさんは俺たちを見渡してから言う。

 

 

「奴の相手は私一人で引き受ける。キミたちはその間に休んで、少しでも体力を回復させるといい」

 

 

 レンがアルミヤさんの隣に歩み寄りながら訊く。

 

 

「いいのか? 結構手こずりそうだぞ?」

 

「なに、あれはもともと私の不始末の結果だ。なら、私自身が責任を持つのは道理だろう」

 

「けどなぁ、時間も結構限られてるぞ?」

 

 

 レンは大地崩壊の術式に目を配らせる。

 

 

「安心したまえ。あちらも私がどうにかしよう」

 

「ふーん、手があるのか?」

 

「私が根拠のない自信を言っているかね?」

 

「どうやら言ってないみたいだな。OK。なら、あれと大地崩壊の術式はあんたに任せた」

 

 

 レンは俺たちを見渡して言う。

 

 

「てなわけだ。おまえらは休んでろ。幸い、コカビエルはまだ観戦気分みたいだからな」

 

 

 レンの言う通り、コカビエルは手を出す素振りは見受けられなかった。

 

 俺はレンに訊く。

 

 

「おまえはどうする気なんだ?」

 

「俺か? 俺は──」

 

 

 唐突にレンが太刀を振るう。

 

 すると、レンの太刀が何かを弾いた。

 

 

「俺は(やっこ)さんの相手をしなきゃいけないみたいだな」

 

 

 レンの視線の先にはジブラエルがいた。

 

 その表情はどこか、激情に駆られているかのようなものだった。

 

 弾いたのは奴が投擲した光の槍か。

 

 

「・・・・・・同胞たちをよくもやってくれましたね」

 

「戦争を起こそうとしておいて、犠牲なしで済むと思ってんのか?」

 

「──無論、覚悟はしていましたよ。ですが、それと同胞たちを殺したあなたたちに対する怒りは別ですよ」

 

 

 ジブラエルの憎悪がこもった言葉にレンは飄々と返す。

 

 

「ま、そりゃそうだな。俺だって同じ立場なら同じ気持ちになってたろうさ。──だが、同情はしないぜ。てめぇらのやろうとしていることは多くの人々、特に子供に被害を及ぼすことだからな」

 

 

 レンは冷淡にジブラエルを見据えて太刀を構える。

 

 それに対し、ジブラエルも光力を身に纏って構える。

 

 俺たちはその光景を見ていることしかできなかった。

 

 ここは二人を信じて任せるしかなかった。

 

 正直、二人の援護をしたかった。だが、俺たちでは足手まといになってしまうのは明白だった。

 

 皆もそれがわかっているからか歯噛みしていた。

 

 そして、アルミヤさんとセルドレイ・スミルノフ、レンとジブラエルが一拍を置いて激突した。

 

 




自分で書いておいてあれだけど、コカビエルが完全に空気だ・・・・・・。
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