ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍 作:フレイムドラゴン
そして、久々のD×D新刊やったぜ!
「一の型・疾風!」
「ふッ!」
レンの太刀とジブラエルの光力を纏った蹴りが激突する。
「十の型・斬り嗣ぎ舞!」
すかさず、レンは連続かつ高速で斬擊を放つが、ジブラエルも的確にレンの斬擊をいなしつつ、拳、蹴りを打ち込む。
レンもまた、斬擊を繰りだしつつジブラエルの拳と蹴りを太刀でいなす。
「はぁッ!」
「ぐっ!?」
ジブラエルの強烈な蹴りがレンを太刀のガードごと吹き飛ばした!
すかさず、ジブラエルは複数の光の槍を投擲する。
「飛電の太刀──」
レンは吹っ飛ばされた状態のまま体勢を整えて着地すると居合の構えをとる。
「紅乱れ!」
居合と同時に放たれた紅雷が迫り来る光の槍をすべて吹き飛ばした。
「・・・・・・やっぱ、出し惜しみしてる余裕はねえか」
レンは再び居合の構えをとる。
「
レンの体から紅雷がほとばしり、レンの体に纏っていく。
「
次の瞬間、レンは一瞬でジブラエルの懐に踏み込んでいた!
「八の型・獣爪擊!」
「──っ!?」
先程の仕返しとばかりに、今度はジブラエルがレンの斬擊で吹き飛ばされた。
「紅纏──
レンに纏っていた紅雷が脚に集中し、居合の構えで先程よりもさらに速い速度でレンはジブラエルに肉薄する。
「紅纏──
紅雷が今度は太刀に集中し、神速の居合が放たれる。
ズバッ!
レンの居合が光力の鎧を斬り裂き、ジブラエルの腕から鮮血が舞う。
「くっ!」
ジブラエルは斬られた腕を押さえながら後退し、俺が壊してしまった校舎の壁から校舎内に入ってしまう。
レンもそれを追い、校舎内に入ってしまう。
-○●○-
「・・・・・・暗闇に乗じて姿をくらましたか」
ジブラエルを追って駒王学園の校舎に入ったレンだったが、暗闇を利用されてジブラエルを見失ってしまった。さらに、目につく蛍光灯がすべて破壊されていた。
ジブラエルが校舎に入ると同時に光源を絶ったのだ。
それにより、校舎内は完全に暗闇に包まれており、夜目がきくレンでも、視界をほぼ確保できないでいた。
だが──。
「
レンに視界封じなどそもそも無意味だった。
レンは『
『
「──見つけたぜ」
即座にジブラエルを見つけたレンはジブラエルに向けて駆けだす。
だが、レンの心中にあったのは強い警戒心だった。
自身の聴覚のことはジブラエルも百も承知のはずであり、暗闇に乗じようと、その聴覚で見つけられることは容易に予想できるはずだった。にもかかわらず、こんな単調な潜伏を行うことに、レンを逆に警戒させた。
レンはジブラエルから意識を離さず、学園全体に意識を巡らせる。
「──ッ!」
すると、レンはとある一室で発生する奇妙な音を聴き取った。
「・・・・・・なんだ?」
レンは音の正体を突き止めようと意識を集中させる。
音の正体はその部屋に仕掛けられたなんらかの術式から発生したものだった。
術式の正体までは把握できなかったレンは、音の反射を利用してそこがなんの教室なのかを把握しようとする。
「この教室は──ッ!? マズい!」
教室の正体に気づいたレンは慌てて
キィィィィィィィィィィィッ!
それと同時に学園中のスピーカーからガラスを爪で引っ掻いたような不快音が鳴り響いた。
術式が仕掛けられていた教室は放送室であり、術式の正体は時間経過でスピーカーから鳴り響いている不快音を放送するようにジブラエルが仕掛けたものだった。
レンの鋭い聴覚は最大の武器であると同時に最大の弱点でもあった。その感度のよさにより、聴覚を狙った音による攻撃に弱かった。レンが遮音ヘッドホンを手放さないのは、首にかけていないと落ち着かないことだけでなく、こういった状況を想定してのことでもあった。
間一髪で聴覚を保護することができたが、同時に最大の武器である聴覚も封じられてしまった。
「──ッ!?」
そこへ、無数の光の槍が縦横無尽に飛翔しながらレンに襲いかかってきた。それも前方だけでなく後方からも。
「紅纏──
レンは即座に紅雷を纏って太刀で光の槍を迎撃する。
幸いにも、この暗闇の空間では光の槍は目立つため、数はあれど、レンの反応速度なら迎撃はそんなに難しくはなかった。
ドガァァァァッ!
そこへ、壁を吹き飛ばしながらジブラエルが現れる。
完全に虚をつかれたレンはジブラエルの登場に反応が遅れてしまう。
ジブラエルは光の剣を手にレンに斬りかかる。
「くっ!」
レンはどうにか体勢を崩しながらも光の剣による斬擊を躱す。
だが、無理な体勢で躱したことで、レンは致命的な隙をさらしてしまった。
なおも飛来してくる光の槍。レンにそれを回避するすべはなかった。
「紅纏ッ!」
レンは即座に紅雷を纏う。
『紅纏』──紅雷を纏うことで身体能力をあげる応用技。
また、纏い方によって、速度に特化させたり剣速に特化させたりと幅広い応用力があった。
『火雷』はバランスよく、『鳴雷』は足の速さを重点的に、『若雷』は斬擊を、『伏雷』は斬擊の速さを強化する。そして、いまの纏い方は『
「ぐっ!?」
だが、不十分な纏い方だったために防ぎきれず、レンの体の至るところに光の槍が突き刺さる。
それでも、レンはなんとか致命傷を避けると、激痛に耐えながら即座に居合の構えをとる。
「・・・・・・飛電の太刀──紅乱れ!」
『飛電の太刀』──太刀に紅雷を集束させ、居合と同時に様々な放電による雷撃。『紅乱れ』は前方広範囲に紅雷を放電することで、中距離攻撃と防御を両立した雷撃である。
ジブラエルは即座に距離をとることで紅乱れを回避する。
「・・・・・・飛電の太刀──」
再び飛電の太刀の構えをとるレン。
「
居合と同時に弧状の雷撃が放たれる。
「くっ!」
ジブラエルは光の剣で紅月を受け止め、弾き飛ばす。
その間にレンは居合の構えでジブラエルに接近していた。
「四の型・落葉切り!」
レンの居合の一閃をジブラエルを躱そうとするが、叶わず左腕を斬り飛ばされた。
「くっ・・・・・・」
ジブラエルは魔方陣で止血しつつ、レンから距離をとると、廊下の角を曲がってレンの視界から消える。
「ぐっ・・・・・・」
ジブラエルが一時退却したのを確認すると、レンは光の槍が刺さった箇所から血を流しながら膝をつく。
「・・・・・・紅纏・
紅雷を纏うと、レンの傷から流れ出る血が止血されていく。
『大雷』は紅雷で細胞を活性化させることで治癒力を高め、傷を高速で治癒させる纏い方だ。
だが、欠点として体に負担をかけるうえに体力を著しく消耗する。しかも、得られる治癒力もせいぜい止血レベル程度だった。
止血を終えたレンは肩で息をする。レンは廃工場での戦いからほぼ休むことなく戦い続けており、先ほどの『
疲弊した体に鞭を打って立ち上がると、ジブラエルを警戒しながら壁に手を当てる。
「・・・・・・ったく、近所迷惑だろうが」
手から紅雷が放電されると、不快音を発していたスピーカーから煙が上がり、音が鳴り止んだ。
「・・・・・・やれやれ、公共施設を壊させんなよな」
レンは配電線を通じて学園中のスピーカーを破壊したのだ。
レンは『
「さて、これで耳も存分に使える。いい加減、決着つけさせてもらうぜ」
この後に控えているコカビエルに備えて体力を少しでも温存しておきたいレンは次の接敵で確実に決めると判断すると、レンはジブラエルのもとへ向けて駆けだした。
-○●○-
レンがやって来たのは学園の屋上だった。
そこでは不敵な笑みを浮かべたジブラエルが待ち構えていた。
「わざわざこんな開けた場所で待ち構えるとはな。随分と余裕じゃねぇか?」
「まさか。正直言いますと、私もそろそろ限界が近くてですね。もう小細工をする余裕もないのですよ」
「ふーん」
レンはジブラエルの言葉を鵜呑みにしなかった。
いまのジブラエルの発言は半分が本当で半分が嘘だった。本当なのは限界が近いこと。ドレイクとの戦いで相当の消耗を強いていたのだ。嘘なのは小細工をする余裕がないこと。レンを待ち構えていたことから、この場所になんらかの罠が仕掛けられていることは明白だった。
「そういうあなたこそ、余裕がないのでは?」
「まぁな。ここまでぶっ通しだったからな」
お互いに限界は近いが、それでも次の戦いに備えて少しでも余力を残したい。だからこそ、ここで決着をつける。互いに同じ思いを抱いていた。
「だからな──」
レンは紅雷を纏う。
「紅纏・火雷! ここで決着をつけてやるぜ!」
レンはその場から駆けだす。
ジブラエルは複数の光の槍生成すると、それを一斉に掃射する。
「十の型・斬り嗣ぎ舞!」
レンは迫りくる光の槍を走りながら太刀ですべて叩き落とす。
スッ。
ジブラエルが指を動かすと、周囲から光の槍が飛び出し、一斉にレンへと飛来する。
「紅纏・土雷!」
音で仕掛けを事前に把握していたレンは土雷で防御力を上げる。
先ほどと違い、完全に光の槍を耐えるが、防御重視の纏い方にしたために速度が減少してしまう。
その隙にジブラエルは空中に飛び上がる。
「五の型・天翔脚!」
レンも強靭な脚力で飛び上がり、ジブラエルに接近する。
「四の型・落葉切り!」
レンの居合いを見切り、ジブラエルは的確にレンの居合いを光の剣で受け流す。
「二の型・螺旋擊!」
レンは受け流された居合いの勢いを利用して空中で回転して回転斬りを放つ。
だが、ジブラエルは即座に後ろに飛行することでレンの斬擊を躱してしまう。
「紅纏・若雷──」
レンは再び斬擊の勢いを利用して回転しながら刀身に紅雷を集束させる。
「
次の瞬間、再び放たれた回転斬りに合わせて刀身が伸びた。
『紅刃』は刀身に紅雷を集束させて斬擊を強化する若雷の発展技で、最低限の身体強化に回している紅雷も刀身に集束させることで紅雷の刃を伸ばして斬擊の間合いを広げるものだ。神速の速さを誇るレンの居合いと相まって、奇襲で放てばほぼ回避は不可能な技だった。
ジブラエルもこれは予想外だったらしく、動揺をあらわにする。
だが、ジブラエルは
「紅纏・土雷!」
再び飛来してきた光の槍を土雷で防ぎつつ屋上に着地したレンは視線でジブラエルを追う。
レンの視界に入ったのは、巨大な光の槍を生成しているジブラエルだった。
光の槍の大きさから、屋上どころか学園そのものを吹き飛ばしかねないと予測したレンはすぐさま飛電の太刀で迎撃しようとする。
だが、なおも飛来し続ける光の槍を防ぐために土雷を解除することができずにいた。
飛電の太刀や紅刃と紅纏は両立ができない。ジブラエルもそれを見抜いていた。そのため、唯一の防御手段である土雷を使い続けないといけない状況を作ることでレンの動きと遠距離攻撃を封じ、その防御を突破しうる最大火力をもってレンを仕留めるのがジブラエルの狙いだった。
ジブラエルの狙い通りの状況になり、ジブラエルは勝利を確信する。
──それが致命的な隙となった。
レンは暮紅葉の鞘に備えられたトリガーを引き、居合を放つ。
「──
刃渡り約四十メートルに届きうる紅刃がレンの神速の居合で振り抜かれ、ジブラエルの胴体が両断された。
暮紅葉の鞘には紅雷を集束させたカートリッジが取り付けられており、トリガーを引くことで紅雷を集束させる工程を省略して飛電の太刀や紅刃を使用できる機構が備えられていた。
これを利用することで、飛電の太刀や紅刃と紅纏の両立を可能にしていた。
完全に虚をつかれ、胴体を両断されたジブラエルは驚愕をあらわにしつつも、すぐさま己の死を悟る。
今回の事件を起こした段階ですでに死を覚悟していたジブラエルは冷静に自身の死を受け入れると、自身を打ち倒した眼前の強敵を屠るために最後の力を振り絞って生成していた光の槍を投擲する。
「クソッ! 土雷・
ジブラエルの最後のあがきに舌打ちをし、レンは身体強化に回している紅雷も防御に回した土雷の最大防御である『土雷・硬』を使う。
次の瞬間、屋上周辺を閃光が包み込んだ。