ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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さて、いままで完全に空気(そう書いたのはおまえだろ)だったコカビエルとの戦闘回です。


Life.30 行け! オカルト研究部!

 

 

 光の奔流が止み、あとに残ったものは何もなかった。

 

 なんて威力だ・・・・・・。先程のイッセーの力を譲渡された部長の魔力やドレイクが放ったオーラの一撃以上なのは間違いなかった。

 

 実際、会長たちが張ってくれている結界に大きな穴が空いていた。幸い、結界はすぐに修復されていった。

 

 件のアルミヤさんは肩で息をしていた。やはり、エクスカリバーの複製は消耗が激しいのだろう。

 

 

「あり得ん。いくら禁手(バランス・ブレイカー)と言えども、伝説の聖剣の複製など・・・・・・」

 

 

 バルパーはいまだにエクスカリバーの複製という現象を信じられないでいた。

 

 

「──待てよ」

 

 

 唐突にバルパーが何かを呟き始めた。

 

 

「そうか! そういうことか!?」

 

 

 そして、何かに思考が達したのか、酷く興奮した様子で喋り始めた。

 

 

「バランス、そうバランスだ! 聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとすれば説明は──」

 

 

 バルパーが何かを言い切る前に、額を飛来した剣によって貫かれた!

 

 バルパーはそのまま飛来した剣の勢いによって後方に勢いよくに倒れこんだ。どう見ても即死だった。

 

 やったのはアルミヤさんだった。

 

 ここに現れたときのように剣同士の柄を繋ぎ合わせた弓を手にしていた。

 

 

「バルパー。おまえは優秀だったよ。そこに思考が至ったのも優れているゆえだろう。もっとも、その優秀さのせいで命を落とすことになったがな。皮肉なものだな」

 

 

 宙に浮かぶコカビエルがバルパーを嘲笑っていた。

 

 なんだ? バルパーは何を言おうとしてたんだ?

 

 ──いや、詮索はしないほうがいいか。

 

 アルミヤさんはバルパーが口にするのがタブーな何かを知ったからこそ殺した。

 

 それにいまは──。

 

 

「フフフ」

 

 

 コカビエルが不敵に笑みを浮かべながら地に降り立ってきた。

 

 

「さて、いまだに出てこないところを見ると、勝ったにせよ、負けたにせよ、ジブラエルはもう参戦できない状態と見ていいだろう。つまり、俺だけになったというわけだな」

 

 

 孤立無援だというのに、コカビエルは楽しそうに笑みを浮かべていた。

 

 そんなコカビエルにアルミヤさんは眉をひそませながら言う。

 

 

「・・・・・・もはや戦力は貴殿一人。目的である戦争など不可能なのではないのか?」

 

「ククク」

 

 

 アルミヤさんの指摘に対してもコカビエルは笑みを浮かべていた。

 

 

「俺はあいつらがいなくても別にいいんだ。もともと、一人で戦争を起こすつもりだったのだからな」

 

 

 ・・・・・・なんて野郎だ。一人だけでも戦争を起こそうってのかよ。

 

 

 バヂヂヂヂヂッ!

 

 

 突如、新校舎で紅い雷が瓦礫を吹き飛ばした。

 

 

「・・・・・・ジブラエル(あいつ)が酷い戦争狂とは言ってやがったが、筋金入りだなオイ」

 

 

 粉塵の中から紅い雷を全身から迸らせたボロボロな状態のレンが現れた。

 

 

「無事だったか、レン!」

 

「・・・・・・どうにかな」

 

 

 コカビエルがレンに問いかける。

 

 

「貴様が生きているということは、ジブラエルは負けたのだな?」

 

「・・・・・・ああ。最後の最後に派手なのをかましてくれたがな」

 

「──そうか」

 

 

 レンの言葉を聞いてコカビエルが少し悲しそうに瞑目する。

 

 バルパーの死には嘲笑ってはいたが、腹心の部下に対しては思うところはあるみたいだな。

 

 だが、一転してすぐさま不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「さて、大地崩壊の術が発動するまであと数分といったところか。それまで楽しもうじゃないか」

 

 

 光の剣を手にしたコカビエルから感じられる重圧が増した!

 

 ついに来たか、コカビエル!

 

 俺たちも一気に臨戦態勢に入る!

 

 

「槐さん、これを!」

 

「すまない!」

 

 

 槐は木場から折れた刀に代わる日本刀型の魔剣を受け取っていた。

 

 駆けだしたゼノヴィアが俺たちを通り過ぎるとき、呟く。

 

 

「同時にしかけるぞ」

 

 

 ゼノヴィアの言葉を聞き、俺、槐、千秋、木場、塔城もその場から駆けだす。

 

 

「だぁぁぁッ!」

 

 

 ゼノヴィアが正面から跳んで斬りかかる。

 

 

「はぁぁぁッ!」

 

 

 さらに背後から木場が斬りかかる。

 

 コカビエルは片手でデュランダルと聖魔剣を光の剣で迎え撃った。

 

 

「ほう! 聖剣と聖魔剣の同時攻撃か! おもしろい!」

 

 

 二人の攻撃はまったく意に介してなかった。

 

 

「「はぁッ!」」

 

 

 すかさず、俺と槐はコカビエルの左右から斬り込む!

 

 

「「そこ!」」

 

 

 さらに風を纏った千秋と塔城が上から強襲する。

 

 両手は木場とゼノヴィアで塞がっている! どうだ!

 

 

「バカが!」

 

 

 黒い翼が鋭い刃物と化して斬りかかってきた!

 

 

『ぐあああぁぁぁぁぁっ!?』

 

 

 俺たちは翼によって難なく剣や刀のガードごと吹き飛ばされた!

 

 塔城にいたっては千秋を庇い、『戦車(ルーク)』の防御力を易々と斬り裂かれて鮮血が吹き出ていた。

 

 すぐさまアーシアが駆けつけ、治癒の光を当ててくれているので、大事には至らないだろう。

 

 

「紅纏・伏雷!」

 

 

 吹き飛ばされた俺たちの間を縫って、紅い雷を纏ったレンが斬り込む!

 

 コカビエルは翼でレンを迎え撃つ。

 

 

「十の型・斬り嗣ぎ舞!」

 

 

 襲いくる翼を高速の連続斬擊ですべて弾くレン。

 

 そこへ、甲冑騎士たちを引き連れたアルミヤさんが斬りかかる。

 

 

「甘いわ!」

 

 

 コカビエルはレンの刀を光の剣で押さえつけ、翼で聖剣のガードごと甲冑騎士たちを薙ぎ払う!

 

 アルミヤさんは手に持つ聖剣を砕かれながらも翼を回避していた。

 

 

「エクスカリバーの複製はどうした? そんななまくらでは相手にならんぞ!」

 

 

 哄笑するコカビエル。

 

 次の瞬間、残り一体となった甲冑騎士が急激に高速で動きだした!

 

 

「何っ!? ぐぅっ!?」

 

 

 急に加速した甲冑騎士に意表をつかれたコカビエルは背中を斬りつけられた!

 

 見ると、甲冑騎士が持っていたのは、フリードが持っていた『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』だった!

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

 さらにレンが即座に離脱し、その瞬間、甲冑騎士が大爆発した。

 

 

「・・・・・・やってくれる!」

 

 

 背中を斬りつけられ、爆発をまともにくらったにもかかわらず、コカビエルは嬉々としていた。

 

 とはいえ、爆発のダメージが思いのほか少なかった。

 

 流石は聖書に記されし堕天使。防御力も並大抵じゃないな。

 

 

「さあ、次はなんだ?」

 

 

 そう言いながら、無数の光の槍が生みだされ、一斉に射ちだされた!

 

 

「クソッ! 飛電の太刀・紅雨!」

 

 

 レンも無数の紅い雷の刃で光の槍を迎撃するが、数が多過ぎる!

 

 

『ぐあああぁぁぁぁぁっ!?』

 

 

 レンが討ち漏らした光の槍が俺たちを襲った。

 

 なんとか直撃を避けたが、爆風でノーダメージとはいかなかった。

 

 そんななか、比較的ダメージを最小限に抑えていたアルミヤさんがコカビエルに斬りかかる。

 

 手に持つ聖剣は破壊と天閃のエクスカリバーだった。

 

 アルミヤさんは破壊と天閃の能力でパワーとスピードを両立させて斬り込む。

 

 

「おもしろい!」

 

 

 コカビエルも光の剣の二刀流で迎え撃つ。

 

 エクスカリバーと光の剣がぶつかり合うたびに凄まじい衝撃波が発生してしまい、援護しようと近づこうにも近づけないでいた。

 

 

「「はぁッ!」」

 

 

 部長と副部長がそれぞれ魔力と雷で、千秋が風をまとわせた矢で攻撃するが、翼であっさりと迎撃されてしまっていた。

 

 そうこうしているうちにアルミヤさんのエクスカリバーに亀裂が走り始めた!

 

 アルミヤさんの因子による負担で刀身に限界が来ていた。

 

 あの状況で得物を失うのは致命的すぎる! どうする!?

 

 

「弧月紅刃!」

 

 

 そこへ、レンの刀から約四十メートルに届きうる紅い刀身が伸び、神速の居合で振られた!

 

 

「──ッ!?」

 

 

 首筋に迫り来る紅い刃にコカビエルが目を見開く。

 

 

「ぐっ!」

 

 

 コカビエルは強引に体勢を崩すことでレンの刃を躱しやがった。

 

 だが、それがつけ入る隙となり、アルミヤさんが斬りかかる!

 

 

「なめるな!」

 

 

 コカビエルは光力の塊を地面に叩きつけ、光の波動がアルミヤさんとコカビエルを襲う!

 

 

「「ぐっ!?」」

 

 

 光の波動で二人は吹き飛ばされるが、空中で体勢を立て直して地面に着地する。

 

 なんて野郎だ。自分を巻き込んだ攻撃で強引に距離を取りやがった。

 

 しかも、いまの攻撃で限界が来てしまったエクスカリバーが砕け散ってしまった。

 

 

「さすがにいまのは肝を冷やしたぞ。フフフフフフ」

 

 

 そう言うわりには、コカビエルは楽しそうに笑みを浮かべていた。

 

 

「聖魔剣よ!」

 

「ん?」

 

 

 コカビエルの周囲に聖魔剣が出現した。

 

 

「まだ来るか? いいぞ、来い!」

 

 

 聖魔剣は一斉にコカビエルに向けて切っ先を向けて飛ぶが翼によってあっさりと防がれてしまった。

 

 

「この程度か?」

 

 

 そのまま翼によって聖魔剣を難なく砕いてしまった!

 

 エクスカリバーに打ち勝った聖魔剣をああも容易く!?

 

 

「うぉぉぉぉぉッ!」

 

 

 そのすきに懐に飛び込んだ木場は突きを放つ!

 

 

「フッ」

 

 

 だが、木場の渾身の突きをコカビエルは左手の人差し指と中指だけで受け止めてしまう!

 

 

 木場が聖魔剣をもう一本創りだし、二刀目を振るうが、それすらも右手の指で受け止められてしまう。

 

 

「フフ、バカが」

 

「まだだ!」

 

 

 木場は大きく口を開けると、口周りに聖魔剣を創りだし、柄を歯で押さえながら勢いよく首を横に振った!

 

 さすがにこれには虚をつかれたのか、コカビエルは聖魔剣を離して後方に退いた。

 

 入ったダメージは頬に横一文字の薄い切り口だけだった。

 

 

「貴様!」

 

 

 コカビエルは笑みを浮かべ、木場めがけて強大な光力の塊を放つ!

 

 そこへ割って入ったゼノヴィアが光力の塊をデュランダルで受け止め、そのまま切り払った。

 

 

「四の型──」

 

 

 レンが居合の構えでコカビエルの背後に現れた!

 

 

「落葉切り!」

 

 

 放たれた神速の居合。だが、コカビエルはまたも体勢を崩すことでそれを躱してしまった。

 

 

「同じ手は二度はくわん!」

 

「がはっ!?」

 

 

 崩した体勢のままコカビエルはレンを蹴り飛ばしてしまう!

 

 

「弧月──」

 

 

 吹っ飛ばされながらもレンは居合の構えをとる。

 

 

「──紅刃!」

 

 

 再び紅い刀身を伸ばして居合で斬りかかる!

 

 

「ぐっ!?」

 

 

 体勢を崩した状態なうえ、虚をつかれた斬擊だったため、避けることは叶わず、コカビエルは肩を大きく斬り裂かれた。

 

 

「チッ! しとめ損なった!」

 

 

 地面を転がりながら立ち上がるレンが毒づく。

 

 吹っ飛ばされながらの体勢だったために急所を狙えなかったのだろう。

 

 

「はぁぁぁぁぁッ!」

 

 

 槐が正面から斬りかかる。

 

 

「九の型・双龍擊!」

 

「バカが!」

 

 

 コカビエルが翼を使って槐を迎撃しようとする。

 

 

「それッ!」

 

「はッ!」

 

「ぐおあっ!?」

 

 

 だが、コカビエルの背後に現れた鶫と燕によって、背中の傷口に蹴りを入れられ、コカビエルは苦悶の表情を浮かべてよろける。

 

 さすがのコカビエルも傷口に一撃を入れられたのは堪えたようだな。

 

 

「はぁッ!」

 

 

 二連撃の刃がコカビエルに入った!

 

 

「──ッ! うおおあッ!」

 

「「きゃぁぁっ!?」」

 

「ぐっ!?」

 

 

 だが、それでも決め手にならず、コカビエルは鶫と燕の足を掴み、槐に向けて投げつけた!

 

 そのまま吹っ飛ばされる三人の影から俺は飛び出し、コカビエルの懐に入る!

 

 

緋い龍擊(スカーレット・フレイム)!」

 

 

 残りのオーラすべてを込めて緋い龍擊(スカーレット・フレイム)を叩きこんでやった!

 

 

「ぐおおおぉぉぉぉぉっ!?」

 

 

 コカビエルは地面の上を滑るように後方に大きく吹き飛ぶ。

 

 勢いが止まり、顔を上げたコカビエルは狂喜の笑みを浮かべていた。

 

 

「ハハハハハハッ! この俺がここまで手傷を負わされるとはな! おもしろいぞ!」

 

 

 ・・・・・・これでもダメか・・・・・・。どうする!?

 

 レンのほうを見ると、鞘のカートリッジを交換しようとしていたが、予備カートリッジがなくなったのか、苦い表情を浮かべていた。おまけに疲弊で息づかいがかなり荒かった。

 

 アルミヤさんも連続でエクスカリバーを複製した消耗が激しかったのかこちらも息づかいがかなり荒かった。

 

 他の皆も肩で息をしていた。

 

 クソッ、ダメージから来る疲弊もそうだが、前の戦闘の消耗が痛い・・・・・・!

 

 

「この調子ならもう少し本気を出してもよさそうだな!」

 

 

 ・・・・・・これで本気じゃないのかよ・・・・・・!?

 

 どうする!? 消耗が酷い、コカビエルの実力がいまだ未知数、何より、仕掛けられた大地崩壊の術のタイムリミットが近い!

 

 そう思っていたら、件の大地崩壊の術の魔方陣が輝き始めた!

 

 

「ふむ、あと一分といったところか」

 

 

 一分・・・・・・だと・・・・・・。

 

 クソッ! もう時間がない! どうする!?

 

 

「──頃合いか」

 

 

 刹那、アルミヤさんが魔方陣の中央に降り立った!

 

 その手に握られていたのは『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』だった!

 

 アルミヤさんはエクスカリバーを魔方陣に突き刺す。

 

 支配の力で術式を止める気か!

 

 

「貴様! 術のエネルギーを!?」

 

 

 コカビエルがここで初めて驚愕をあらわにした。

 

 見ると、 魔方陣を通じて、エクスカリバーにエネルギーが流れ込んでいた!

 

 まさか、アルミヤさんの狙いは町ひとつを崩壊させるほどの術のエネルギーを利用して、エクスカリバーの力をさらに高め、それを使ってコカビエルを倒すつもりなのか!

 

 見ると、コカビエルが余裕を失くし始めていた。

 

 つまり、アルミヤさんの策が決まればコカビエルを倒せる!

 

 

「させるか!」

 

 

 コカビエルがアルミヤさんを妨害しようとしていた!

 

 

「紅月!」

 

 

 レンがさせまいと、紅い雷の刃を飛ばしてコカビエルを攻撃する。

 

 

「くっ!」

 

 

 コカビエルが紅い雷の刃を弾くと、レンはアルミヤさんとコカビエルの間に降り立つ。

 

 

「どれだけ時間を稼げばいい!?」

 

 

 レンの問いかけにアルミヤさんは短く答える。

 

 

「──一分だ」

 

 

 それを聞き、レンは不敵に笑みを浮かべる。

 

 

「OK! こっちもリミットは丁度一分かそこらだ! なら、こっからはスタミナ管理なしの全力全開だァッ!」

 

 

 そう叫んだ瞬間、レンの雰囲気が一変した。

 

 




次回でコカビエル戦決着です。
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