ハイスクールD×D 駒王学園の赤と緋の双龍   作:フレイムドラゴン

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Life.4 白と対面します!

 

 

「・・・・・・おまえが! ぐっ!?」

 

 

 左手が燃え上がりそうだ。プール開きのときのも、こいつが近くにいたからか?

 

 

「無防備だな。赤龍帝──『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』。兵藤一誠」

 

「なっ!?」

 

 

 いつの間にか、『白い龍(バニシング・ドラゴン)』──ヴァーリが俺の目の前に移動しており、人差し指が額に突きつけられていた!?

 

 左手に気を取られていたはいえ、全然反応できなかった。

 

 明日夏も木場も俺と同じ反応していた。

 

 レンだけは感心してる感じだった。

 

 

「そうだな。たとえば、俺がここでキミに魔術的なものをかけたり──」

 

 

 ザッ!

 

 

 ナイフと剣がヴァーリの首元に突きつけられた。明日夏と木場だった。

 

 

「・・・・・・冗談が過ぎるぞ? 白龍皇」

 

「・・・・・・ここで赤龍帝との対決を始めさせるわけにはいかないよ」

 

 

 二人とも、ドスの効いた声音だ。だけど、ヴァーリは少しも動じてなかった。

 

 

「やめておいたほうがいい。手が震えているじゃないか」

 

 

 ヴァーリの言うように、明日夏も木場も、手元が震えており、表情を強張らせていた。

 

 

「二人とも、やめとけ。休日でも学園に来てる奴だっているんだ。何より、そいつに敵意はないし、さっきのも本当にただの冗談だ。それ以前に、複数人かつ様々な要因が重なってようやく本気じゃなかったコカビエルを倒せた俺たちじゃ、俺たちとの戦いで消耗していたとはいえ、本気のコカビエルを圧倒したこいつに敵わねぇよ。それはわかってるだろ?」

 

「「くっ」」

 

 

 レンに言われ、明日夏と木場はヴァーリから渋々とナイフと剣を引いた。

 

 

「誇っていい。相手との実力差がわかるのは強い証拠だ。『閃刃』の夜刀神蓮火の言う通り、俺とキミたちとの間には決定的なほどの差がある。コカビエルごときに苦戦するようじゃ、俺には勝てないよ」

 

 

 コカビエルごとき──。

 

 あのコカビエルを「ごとき」と見下せるだけの力をこいつは持っていた。

 

 

「兵藤一誠、キミはこの世界で何番目に強いと思う?」

 

「・・・・・・何?」

 

「キミの禁手(バランス・ブレイカー)──まあ、未完成な状態だが、その状態としたキミは上から数えると四桁、千から千五百の間くらいだ。いや、宿主のスペック的にはもっと下かな?」

 

「・・・・・・何が言いたい?」

 

「この世界は強い者が多い。『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』と呼ばれるサーゼクス・ルシファーでさえ、トップテン内に入らない」

 

 

 サーゼクスさまよりも強いのがそんなにいるのか? 正直、いまの俺には想像できなかった

 

 

「だが、一位は決まっている。──不動の存在が」

 

「誰のことだよ? 自分だとでも言うのか?」

 

「残念ながら俺じゃない。なに、いずれわかるさ」

 

 

 ヴァーリが視線を俺の後方に向けて言う。

 

 

「兵藤一誠は貴重な存在だ。十分に育てた方が良い、リアス・グレモリー」

 

 

 いつの間にか、部長や他の女性陣が俺たちの後方にいた。

 

 部長はめっちゃ不機嫌な表情だし、対応に困ってるアーシアとヴァーリを興味深そうに見ている千春さん以外は皆、臨戦態勢だった。

 

 

「白龍皇、なんのつもりかしら? あなたは堕天使と繋がりを持っている者。必要以上の接触は──」

 

「フッ」

 

 

 ヴァーリは部長の言葉を鼻で笑って遮る。

 

 

「二天龍と称された『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』に関わった者は過去、ろくな生き方をしていない。──あなたはどうなるんだろうな?」

 

 

 野郎の言葉に部長が言葉を詰まらせる。

 

 次の瞬間──。

 

 

 ムニィ。

 

 

 背後から誰かによってヴァーリの頬が左右に引っ張られた!

 

 

「──ダメだよ、ヴァーリくん。皆を怖がらせるようなことを言っちゃ」

 

 

 ヴァーリの背後に現れたのは冬夜さんだった。

 

 

「・・・・・・何をしている、士騎冬夜?」

 

 

 ヴァーリは頬を引っ張られた状態で冬夜さんに訊いた。というか、めっちゃ不機嫌そうだ。

 

 

「いやー、ちょっと皆の緊張をほぐしてあげようかなって思ってね」

 

 

 ムニムニ。

 

 

 そう言いながら、冬夜さんはヴァーリの頬を引っ張ったり、戻したりを繰り返す。

 

 

「いい加減、頬を引っ張るのをやめろ!」

 

 

 我慢の限界に達したのか、ヴァーリは冬夜さんの手を乱雑に振り払う。

 

 そして、咳払いをすると言う。

 

 

「・・・・・・今日は戦いに来たわけじゃない。アザゼルの付き添いで来日していてね。退屈しのぎに、この学び舎と改めて赤龍帝である兵藤一誠を見てみたかっただけだよ。俺もやることが多いのでね」

 

 

 このなんとも言えない空気にいたたまれなくなったのか、ヴァーリは早足この場から立ち去ろうとする。

 

 そんなヴァーリの前に、結った黒髪の女性が現れた!

 

 

「ヴァーくん!」

 

 

 腰に手を当てて立っており、スゴい不機嫌な表情だった。

 

 誰!? なんか、ヴァーリの知り合いっぽいけど!?

 

 

「やあ、飛神(ひかみ)一姫(かずき)。キミもここに用が──」

 

「用があるのはキ・ミ・に・だ・よ!」

 

「ぐぅっ!?」

 

 

 女性はヴァーリの言葉を遮り、ヴァーリにコブラツイストをかけた。

 

 

「まったく、キミといい、アザゼルさんといい、悪戯好きなのも大概になさい!」

 

 

 手のかかる弟に接する姉みたいなやり取りをする二人に呆気にとられていると、女性がヴァーリに関節技をかけたまま挨拶してくる。

 

 

「はじめまして、グレモリー眷属の皆さん。『ネスト』のリーダーの飛神一姫です。こんな格好ですみません」

 

 

 『ネスト』って、先日、堕天使側からやってきて事後処理をやってたヒトたちだよな。そのヒトたちのリーダーなのか、このヒト。

 

 

「くっ、このッ!?」

 

 

 ヴァーリが関節技から抜け出すと、飛神一姫さんに非難の眼差しを向ける。

 

 

「・・・・・・いきなり何をする、飛神一姫?」

 

「キミがヒトさまに迷惑をかけるのが悪いの!」

 

「別に手を出してはいないが」

 

「敵対してる組織の者がいきなりアポイントなしで接触してきてる時点で先方にも、こっちにも迷惑かけてるの! ましてや、白龍皇と赤龍帝の接触とか、ヒトによっては冗談じゃすまないんだからね!」

 

 

 飛神一姫さんの説教を聞いても、ヴァーリはどこ吹く風といった様子だった。

 

 反省の色が見られないヴァーリの態度を見て、飛神一姫さんが半目になって言う。

 

 

「そっちがその気なら、こっちにも考えがあるよ」

 

「なんだ、力づくで来る気か? 久々にキミと戦えるのなら、大歓迎──」

 

「──()()()()()を呼ぶよ」

 

 

 飛神一姫さんがその名を口した瞬間、ヴァーリは固まってしまった。

 

 

「キミに会えなくて寂しがってたから、ちょうどいいね」

 

「ま、待て、彼女を呼ぶな!」

 

 

 硬直が解けたヴァーリが慌て始めていた。

 

 

「まったく、いっつも恥ずかしがって逃げちゃうんだから。たまには会ってあげたらいいじゃない」

 

 

 なんだ、そんなにそのラヴィニアってヒトのことが苦手なのか?

 

 

「もしくは、あの『ノート』の中身を暴露したりとか?」

 

「あっ、それもいいかもね、とーくん」

 

 

 冬夜さんの言葉にヴァーリは冷や汗を流し始めた。

 

 

「ま、待て、二人とも! それもやめろ!?」

 

 

 あんなに傲岸不遜だったヴァーリがめちゃくちゃ焦ってるよ。

 

 それだけ、冬夜さんが言う『ノート』の中身は絶対にヒトに知られたくないんだな。

 

 

「だったら、ヒトさまに迷惑かけない。わかった? わかったら、このヒトたちに謝る」

 

「・・・・・・・・・・・・驚かせてしまってすまなかった」

 

 

 飛神一姫さんに言われ、ヴァーリは渋々と頭を下げてきた。

 

 

「・・・・・・俺はもう行く。やることがあるのでね」

 

 

 若干、不機嫌そうにしながら、ヴァーリは今度こそこの場から立ち去っていった。

 

 

「まったく、いつまでたっても変わらないんだから」

 

「そうだね。同年代の友達とかできれば、少しは歳相応になるかもしれないんだけどね」

 

 

 さっきまで怒ってた飛神一姫さんは一転して冬夜さんと一緒に微笑ましげに遠くにいるヴァーリを眺めていた。

 

 

「皆さん、うちのヴァーくんが驚かせてしまってすみませんでした」

 

「い、いえ、あなたたちも大変なのね・・・・・・」

 

 

 部長が飛神一姫さんに同情の眼差しを向けていた。

 

 

「・・・・・・トップのヒトたちが揃いも揃って大なり小なり自由なヒトたちばかりですからね」

 

 

 うわー、笑みを浮かべてるけど、目が全然笑ってない。

 

 え、何、グリゴリの幹部たちって、皆、アザゼルみたいな奴なの?

 

 てっきり、皆、レイナーレとかコカビエルみたいな奴ばっかりだと思ってた。

 

 

「・・・・・・堕天使なんて皆、害悪な方々ばかりですわ」

 

 

 朱乃さんが毒を吐いていた。かつてない程不機嫌だよ・・・・・・。

 

 

「手厳しいですね・・・・・・」

 

 

 朱乃さんの言葉に飛神一姫さんは苦笑いを浮かべるだけだった。

 

 

「それじゃ、私も行きます。一応、アザゼルさんの護衛で来てますから」

 

「お疲れさま、一姫。ひさしぶりに会えて嬉しかったよ」

 

「私もよ、とーくん。では、皆さん。また、会談のときに」

 

 

 飛神一姫さんもヴァーリのあとを追うようにこの場から立ち去っていった。

 

 いろいろと毒気を抜かれた俺たちはすっかり置いてけぼりをくらってしまうのだった。

 

 

-○●○-

 

 

 家のリビングで茶を飲みながら、あいつ──白龍皇ヴァーリのことを考えていた。

 

 白龍皇と出会ったことで、イッセーの『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』が呼応してしまっていたが、すぐに収まった。

 

 プールで副部長にドラゴンの気を吸い出してもらってなかったら、一瞬でドラゴン化してた恐れがあったらしい。

 

 それだけ、二天龍の間には因縁があった。

 

 神と天使、堕天使、悪魔の三大勢力が戦争していたとき、異形の者たち、そして、人間がそれぞれの勢力に手を貸していた。だが、ドラゴンだけは例外だった。大半は戦争など我関せずで、皆、好き勝手に生きていた。ところが、戦争の最中、大ゲンカを始めたドラゴンが二匹いた。それが二天龍──『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』だった。世界の覇権を巡る大戦争などお構いなしで、戦場を二匹で暴れまくっていたらしい。

 

 ドライグ曰く、本人たちもケンカの理由はもう覚えていないとのことだ。

 

 忘れてしまうような理由で周囲の迷惑を考えずにケンカするとか、迷惑な話だった。

 

 そんなだから、三大勢力も戦争どころじゃないと、一時休戦し、二天龍の始末にかかった。

 

 そして、ケンカの邪魔をされた二匹は怒り狂い、神、魔王、堕天使に食ってかかった。『神ごときが、魔王ごときが、ドラゴンの決闘に介入するな』と。・・・・・・バカ丸出しの逆ギレだな。

 

 結局、二匹のドラゴンは幾重にも切り刻まれ、その魂を神器(セイクリッド・ギア)として人間の身に封印された。だが、封印されてもなお、二天龍は争った。人間を媒介にして、お互いに何度も出会い、何度も戦うようになった。それはもはや、そう運命づけられた程だ。

 

 とまあ、これが二天龍の因縁だ。

 

 

「で、あのヴァーリってのは、どんな奴なんだ?」

 

 

 俺は対面で茶を飲んでいた兄貴に訊いた。

 

 

「ヴァーリくんは強さに貪欲で、そして、貪欲なまでに強者との戦いを求めてる子だよ」

 

「・・・・・・ようするに、コカビエルと同様の戦闘狂ってわけか」

 

 

 まあ、基本的に出会ったら即戦う二天龍の宿主にしては、問答無用で襲いかかってくるタイプではないみたいだけどな。・・・・・・単純に弱い奴に興味がないだけだろうが。

 

 

「昔からああなのか?」

 

「そうだね、初めて会ったときはこのくらいの子だったけど、あんな感じだったよ」

 

 

 手の位置からして、小学校高学年ってところか。

 

 そん頃からああなのかよ・・・・・・。

 

 

「まあ、そうなったのは、彼の家庭環境に原因があるんだけどね」

 

「家庭環境?」

 

 

 いや、神器(セイクリッド・ギア)所有者で家庭環境となると、大体察せるな。

 

 

「ご察しの通り、彼は白龍皇の力を恐れた父親に虐待されていたんだよ。そのせいで精神が早熟しちゃった上、『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』を身に宿したことも相まってああいう言動をするようになっちゃったんだ」

 

 

 そういう過去があるとなると、強さに貪欲なのも、もしかしたら、「自分を守りたい」っていう無意識の願望から来てるのかもな。

 

 

「ま、大丈夫だよ。基本的にはいい子だから。それに、意外と寂しがり屋だから、もしよかったら仲良くしてあげてよ」

 

 

 寂しがり屋? あれで? とてもそんなタマには見えなかった。

 

 

「・・・・・・どの道、仲良くするなんて無理だろ。あいつは堕天使側、二天龍の因縁がなくても、悪魔であるイッセーとは敵対関係だ。交流がある兄貴には複雑だろうが、イッセーと敵対するのなら、俺たちの敵だ」

 

 

 もっとも、俺たちとあいつの間には天と地ほどの差があるんだがな。

 

 

「ちなみに、兄貴はあいつに勝てるのか?」

 

「どうだろうね。彼は日増しにどんどん強くなってるからね。なんせ、アザゼルさんが『過去、現在、そして未来永劫においても、最強の白龍皇になるだろう』て言うぐらいだからね」

 

 

 ・・・・・・マジかよ。アザゼルの奴がそこまで言うほどか・・・・・・。

 

 イッセーも前途多難だな。よりにもよって、ライバルになることを運命づけられた相手がそんな規格外な奴だなんてな。

 

 

「ま、いまはまだ、いい勝負ができるだろうから、いざってときは、僕がなんとかするよ」

 

 

 いまの段階でも底知れないあいつといい勝負ができるのかよ。やっぱり、兄貴も規格外だな。

 

 

「アザゼルさんも、世界に悪影響を与えかねない二天龍の激突は避けたがるだろうしね」

 

 

 まあ、悪戯好きな面があるが、世界を混乱に陥らせるような奴ではないのは、これまでのことで、その点は信用できるが。

 

 

「ま、ヴァーリくんに関しては、余程のことがなければ、気にしなくても大丈夫だよ。意外とアザゼルさんの言うことは素直に聞くからね」

 

 

 ならいいんだが。・・・・・・正直、不安だがな。

 

 

「なんの話?」

 

 

 風呂から上がった姉貴が風呂上がりの牛乳を飲みながら訊いてきた。

 

 

「明日の授業参観が楽しみだなって話だよ」

 

 

 ヴァーリのことと言おうとしたら、兄貴が明日の授業参観の話題に変えやがった。

 

 現実逃避気味に授業参観のことを忘れていた俺も姉貴の隣で風呂上がりの牛乳を飲んでた千秋も、現実に戻されてしまい、げんなりしてしまうのだった。

 

 

-○●○-

 

 

 授業参観(正確には公開授業で、中等部の生徒も観に来る)当日、いつもの面々でだべってると、松田が訊いてきた。

 

 

「イッセーんところは両親来るのか?」

 

「ああ。ていうか、二人ともアーシアを見に来るんだと」

 

「あー、わかる。アーシアちゃんが娘だったら、是が非でも観に来たくなるよな」

 

 

 俺の返事に松田は強くうなずいていた。

 

 父さんも母さんも、それはもう息子の俺そっちのけで、アーシアの授業風景を楽しみにしていた。父さんもこの日のために有給を取ったぐらいだからな。

 

 

「私、こういうの初めてなんで、スゴく楽しみです」

 

 

 一緒に暮らしてる『家族』の者が来てくれるのが、たまらなく嬉しいのか、アーシアは心底楽しそうだ。

 

 今度は元浜が明日夏に訊く。

 

 

「明日夏んところも冬夜さんと千春さんが来るんだろ?」

 

「・・・・・・ああ、来るぞ」

 

「今年は千秋ちゃんもいるから、片方が片方を観に来る形なんだろ?」

 

「ああ」

 

「──ちなみに、うちのクラスにはどっちが来るんだ?」

 

「・・・・・・・・・・・・姉貴・・・・・・」

 

「「よっしゃ!」」

 

 

 千春さんが来ると知って、松田と元浜はガッツポーズを取っていた。

 

 まあ、イケメンと美少女が観に来てくれるのなら、断然、美少女のほうがいいだろうからな。

 

 

「・・・・・・そんなぁ、士騎くんのお兄さん、来ないのぉ・・・・・・」

 

 

 俺たちの話に聞き耳を立てていた女子が残念そうにしていた。

 

 去年は冬夜さんを見て、女子たちはそれはもう、大はしゃぎだった。

 

 今年は千秋のクラスがそうなるんだろうな。

 

 そういえば、部長のクラスもそうなるかもな。サーゼクスさまも、ものスゴいイケメンだからな。

 

 

「そういえば、鶫さん。雲雀さんは来るの?」

 

「うん、来るよ〜」

 

 

 雲雀さんも来るみたいだ。

 

 

「ちなみに、うちのクラスと燕ちゃんのクラス、どっちに来るの?」

 

「燕ちゃんのほう。私がそうしてって言ったんだ〜」

 

 

 燕ちゃんのほうに行くのか。こりゃ、千秋たちのクラスは、波乱の公開授業になりそうだな。なんせ、雲雀さんも冬夜さんに負けず劣らずのイケメンだからな。イケメン二人がやって来たなんて、大騒ぎになるだろうな。

 

 だべっている俺たちの集まりにゼノヴィアが近づいてきた。

 

 

「イッセー」

 

「なんだ、ゼノヴィア?」

 

「先日は突然、あんなこと言って申し訳なかった」

 

「ま、まあな・・・・・・」

 

 

 マジでビックリしたからな。急に子作りだからな。いや、俺もエッチできるのならさせてほしいけど。

 

 

「あのあと、明日夏に一般常識を学べと言われてね。そして学んだんだ」

 

 

 ゼノヴィアがポケットから何かを取り出した?

 

 

「いきなりするのは難しいので、まずはこれを用いて練習するべきだとね」

 

 

 ゼノヴィアが取り出したのは、コンドームだった!

 

 

「ば、バカかあああああああああああっ!?」

 

「己は大衆の面前で何取り出してんだ!?」

 

 

 俺と明日夏の叫びが響いた。

 

 

「つうか、誰がそっちの一般常識を学べってつったよ!?」

 

 

 明日夏もかなり取り乱しちまってるよ。

 

 周りからも奇異な目で見られてしまっていた。

 

 

「ゼノヴィアさん、それは何ですか?」

 

 

 アーシアが気になったのか、ゼノヴィアの持ってるものを注視していた。

 

 

「アーシアも使うといい」

 

 

 そう言って、アーシアに一個手渡すゼノヴィア。

 

 

「ありがとうございます?」

 

 

 アーシアは渡されたものがなんなのかさっぱりわからないようだ。

 

 

「何々、また兵藤がやらかした?」

 

 

 桐生が面白そうなことを見つけたと言わんばかりに楽しそうに割って入ってきた。

 

 

「桐生さん。これ、なんですか?」

 

「ああ、これはねぇ──」

 

 

 桐生がアーシアに耳打ちする

 

 途端にアーシアは顔を真っ赤にして俯いてしまう。

 

 

「こら桐生!? アーシアにいらんことを──」

 

「でも、兵藤さぁ。いいのかなぁ? ゼノヴィアっちを抱いちゃったらぁ、アーシアがかわいそう──」

 

「桐生さぁぁぁぁん、やめてくださいぃぃぃぃっ!?」

 

 

 アーシアが桐生の口を慌てて塞いだ。

 

 

「「このウンコ野郎ッ!」」

 

「ぐわっ!?」

 

 

 アーシアのそんな反応を見て、嫉妬に燃えた松田と元浜によって殴り倒されてしまった!

 

 そのまま二人によって、それぞれ首と足に関節技を決められてしまう!

 

 

「松田さん、元浜さん! イッセーさんは悪いヒトじゃありません! イジメないでください!」

 

「そうだよ~! イッセーくんをイジメちゃダメ~!」

 

 

 アーシアと鶫さんが松田と元浜の横行を前に俺を擁護してくれる。

 

 

「うぅぅ・・・・・・二人だけだよ。俺の味方は・・・・・・」

 

「私はイッセーさんのことをずっと信じてますから」

 

「私もだよ~」

 

 

 二人の信頼に俺は涙を流す。

 

 

「イッセー。それで、性行は予定だが──」

 

「だからよせ!」

 

 

 松田と元浜の関節技を振りほどき、ゼノヴィアの手からコンドームを慌てて取り上げるのだった。

 

 

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