魔法少女リリカルなのは ガンダムブレイカー 【リメイク】 作:文房具
悠斗SIDE
「ユウ君……わたし、強くなりたいの!」
突然部屋に押し入るなり、なのははそんなことをのたまってきた。
ちなみに俺はガンプラ製作の真っ最中だ。
非常に残念なことに、この世界にはガンダムというものが存在しないので、今までは隠れて作ってきたが、なのはとユーノには自分の能力を作るために必要だと言ってあるので、見られても心配はない。
「ほう、ほう」
すずかの家でのことがあったからだろう。
何か原因があるのか、生来の性格か、なのはには、極端に他人に迷惑をかけないようにしようと頑張るところがあるんだよな。
「この前あの子と戦った時に、木の怪物を封印したときみたいになんとかなるだろうっていう気持ちだったんだけど……ぜんぜんだめで、お話もできなかったの。あの子、なんだか悲しい目をしてた。私はあの子の力になりたい。でも、お話しできなくちゃ……言葉にしなくちゃそれも伝えられないの。だから、あの子とおんなじ場所に行けるように」
なるほどね。だから強くなりたいのか。
まぁ俺としても、これからあの子が介入してくることを考えると、そのほうがいいと思う。MSの事もあるし。
「それはいいんだけど、何で俺なんだ? 体術を習いたいなら士郎さんに習えばいいし、魔法ならユーノの方がいいと思うけどな」
「そうなんだけど……お父さんには、魔法の事話してないし」
「あー確かにな。分かった。俺も少し考えてみるよ」
「本当!? ありがとう、ユウ君!」
「とりあえず明日ならな。ユーノと話したいから呼んできてくれ」
「うん!」
なのははツインテールをぴょんぴょん跳ねさせながら、部屋を出て行く。
あそこまで期待してくれているんだ。俺も全力でやらないと。
さて、翌日なった。
俺、なのは、ユーノは家の裏山に来ている。
さっそくなのは強化プランを実行するのだ。
「じゃあ、昨日話し合ったことを発表します」
「はい!」
トレーニングウェア姿のなのはは元気よく返事をする。
「まず、なのはの切り札は、高威力で一撃必殺の砲撃。これに固定する。でもこれだけだと単調になるから、おそらくあの子相手には通用しない。なのはに必用なのは、絶対に砲撃を当てることが出来る状況を作り出すことだ」
ここでいったんセリフを止める。ユーノを見て、続きを話すよう目配せをする。
「なのはにはこれから、大まかに3つの魔法を練習してもらうよ。1つ目は、普通のサイズの魔力弾、出来れば誘導弾かな。工夫すればいくらでも応用が利く魔法なんだけど、これを使えば相手の動きを制限できるからね。2つ目は、バインドって言って、相手を拘束して動きを止める魔法。最後は今使ってるプロテクションの強化かな。もう魔法はレイジングハートにインストールしてあるから」
これが俺とユーノがたどり着いた結論だ。
なのはには空を飛ぶ才能があるとユーノは確信しているらしい。しかしそれは速度の方面ではなく、軌道の滑らかさだとか。
なので、高機動の方は断念して、言ってみれば移動砲台になってもらうことにしたのだ。
固い防御と高い砲撃能力。ガンダムで言うとビグ・ザムみたいな?
なお、アイデアを出したのは俺だが、魔法の先生はユーノだ。俺、魔法使えないし。
そんなことを考えていると、ユーノ指導の下、なのはの練習が始まった。
こうなってしまうと俺のやることがない。俺は俺でアルケーガンダム対策の戦術を考えておくか。
はじめに、自分の戦力を確認しておくか。
現在開放している機体は4機。ガンダム、ガンダムデュナメス、ストライクガンダム、リ・ガズィだ。
1つ1つ考えてみよう。
ガンダムは装甲自体に特別な武装がついているわけではないが、その分コストが最も軽い。戦力的には少々心許なくなってきたが、この前のように、一部分のみを高コストのパーツにして戦うときに、これからも重宝しそうだ。
デュナメスは今の段階ではコストが重い。パーツ1つ300に対して俺が装備できる総コストは900だ。まだまともに扱えるものではない。
トランザムが使えれば多少の不利は跳ね返せるだろうが、その道のりも遠い。
この際なので、トランザムの様な特殊機能の使用方法も説明しておく。これらの機能は基本的に、指定されたパーツを3つ以上装備することで使えるようになる。
デュナメスなどのOO系のトランザムは、太陽炉が着いているパーツ(デュナメスで言えば胴体パーツ)と、それ以外に2つ太陽炉搭載型の機体のパーツ装備できればいい。
もっとも、今の段階では3つ装備した時点でコストをフルで使ってしまうが。
ストライクは今の俺の中では主力と言ってもいい機体だ。パック換装であらゆる状況に対応でき、PS装甲による高い防御力を誇る。
唯一の弱点は、ソードやランチャーの武器は巨大で取り回しづらいことだろうか。
リ・ガズィは少しお役御免感がある。性能は高いが、突出している機能がない。しかし腕パーツはなかなか優秀で、ダミーやグレネードを発射できる。
そして残り撃破ポイントは40。
コストも上げたいけど、もしもの時のために、機体の解放分に取っておきたいな。
「あーあ、どっかにドカンと撃破ポイントを稼げる奴いないかな」
なのはの訓練を眺めながら、ぼそりと呟く。
いや、そんな都合のいい敵がいるわけないだろ―――あれ? フラグじゃね?
暇を持て余した俺は一人漫才をしてみる。かなりむなしいな。
しかし、幸か不幸か、この言葉は本当にフラグになった。
キュキーンという、スラスター音が聞こえてくる。
おかしいぞ。飛行機がこんなに低空を飛ぶわけない。
空を見上げてみると、木々の間からあるものが見える。
全体的に黄色いカラーリングに特徴的な鎌。さらに、胴体は丸ごと顔になっている。
うん。ザクレロだな。
「……ユーノ、結界張ってくれ」
「え? わ! なにあれ!?」
「一応敵だ。俺が行く」
「分かった」
ユーノはすぐさま結界を張ってくれる。
じゃあ、行きますか。
――頭部パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――胴体パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――右腕パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――左腕パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――腰パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――右足パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――左足パーツ、GAT-X105 ストライクガンダム コスト90――認証
――バックパックパーツ、GAT-X105 ストライクガンダム(エールストライカーパック) コスト90――認証
――武装パーツ、高エネルギービームライフル コスト50 対ビームシールド コスト50――認証
――装備可能総コスト900 選択パーツ合計コスト820――展開
空に舞った俺は、ビームライフルを立て続けに放つが、全く当たらない。
流石MA。大きいくせになんて機動力だ。
と、今度はザクレロの方からこちらに向かってくる。
しかも、口から発射される拡散ビーム砲のおまけつきだ。
対ビームコーティングがされたシールドで防ぐが、まともに動けない。
そうしている間にも接近をゆるし、大きな鎌の射程に入ってしまう。
俺は急いでシールドを捨てて、ビームサーベルを2本引き抜き、両側から迫る鎌を、何とか受け止める。
受け止めたのはいいが、今度はその口からまた拡散ビーム砲を吐きだそうとしている。
「え? マジ?」
この距離の直撃はヤバイ。EXアクションを使って強引に離脱しよとしたとき、突然、両側からの圧力が弱くなった。
顔を動かしてしてそちらを見ると、桃色の輪っかが、ザクレロの腕に巻きついている。
あれは、なのはのバインドか?
「ユウ君、どいてーーー!!! ディバイーーーン……バスター―ーー!!」
あの時の木を封印した時と同じ桃色のビームが、動けないザクレロの胴体を貫く。そのほとんど動かなくなったザクレロにライフルを撃ちこみ爆散させる。
半分以上なのはが倒したな、ザクレロ。
ユーノに聞いたところ、なのはの成長速度は素晴らしいもので、普通なら、あの短時間の練習であの強度のバインドを作るのは、困難なのだとか。
動けないところにあの砲撃……なのは……恐ろしい子!
いや、俺たちがこうなるようにしたんだけどさ。
装備可能な総コスト 900
使用可能な機体のパーツとコスト
ガンダム 50、ガンダムデュナメス 300、ストライクガンダム 90、リ・ガズィ 80
撃破ポイント 240