魔法少女リリカルなのは ガンダムブレイカー 【リメイク】   作:文房具

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第1話 出会い

俺はとりあえず、森を出た。とりあえず、人がいるところまでいかないといけないと思ったからだ。

 

とはいえ、今の俺は子供の姿である。つまり、バイトもなにもできない。バイトができなければ、お金を稼げない。つまり、寝るところも、食料の確保もできない。

 

どうすんだろう、この状況。下手すれば、野垂れ死にじゃん。

 

あの幼女、家かなんか作ってくれればよかったのにさ。せっかくもらったガンダム能力も、こんな状況じゃ意味ないし。

 

いっそのこと、どこか預かってくれる施設に行くか?

 

そんなことを考えながら歩いていると、横を車が追い抜いていった。そのトラックを見ていると、いきなり少女が道から飛び出してきた。

 

まずい!!! トラックも気づいて急ブレーキをしてるけど、このままじゃあの女の子が轢かれちまう!!

 

「間に合えーーーー!!!!!」

 

俺は、ダッシュしてこの女の子を抱え込み、ギリギリのところで女の子を助けた。

 

「はあ、はあ、危なかったな、大丈夫だったか?」

 

俺は息を切らしながらも、笑いながら、優しく声をかける。

 

「あ、は、はい。大丈夫です」

 

自分に起こった自体がまだよく呑み込めていないせいか、女の子は曖昧な返事をする。

 

これが、俺と高町なのはの出会いだった。

 

 

 

 

 

しばらくして女の子は落ち着いたようで、あらためてお礼を言ってくる。

 

「助けてくれてありがとう。私の名前は『高町 なのは』なの」

 

高町、なのは? あれ? この世界のもとになったアニメって確か『魔法少女リリカルなのは』だよな。ってことは、この子がこの世界の主人公?

 

「あなたのお名前は?」

 

女の子改めなのはちゃんが、笑顔で聞いてくる。

 

「あ、ああ、俺の名前は『櫻井 悠斗』だよ」

 

俺は少し動揺しながらも答える。

 

「櫻井、悠斗君。………ユウ君!! ねえユウ君、もし用事がないんだったら、これから、わたしのお父さんとお母さんの喫茶店に行かない? 今のお礼がしたいの」

 

「いいけど………」

 

喫茶店やってるんだ、なのはちゃんのご両親は。

 

「じゃあ、行こ」

 

笑顔のなのはちゃんに腕を引かれながら、俺たちは歩き出した。

 

 

 

 

 

しばらくして、『翠屋』という看板がある喫茶店に着いた。

 

なのはちゃん、俺の順番で入ると、そこでは一人の若い女性がレジを打っていた。

 

「ただいま、お母さん」

 

お母さん!? 若すぎだろ………

 

「お帰りなさい、なのは。あら? そっちの男の子はどちらさま?」

 

なのはのお母さんは、こちらに笑顔を向けてくる。

 

やっぱり親子なんだな、なのはちゃんのツインテールを降ろしたらあんな感じになるんじゃないか?

 

「はじめまして。俺………いえ、僕は櫻井 悠斗です」

 

「私の新しいお友達なの!!」

 

「そうなの。私はなのはの母親の『高町 桃子』です。悠斗君、なのはと仲良くしてね」

 

優しそうな良いお母さんだな。

 

と、そこに。

 

「おかえり、なのは」

 

一人の今度は若い男性が、カウンターの奥から出てきた。

 

なのはのお父さん………だよな、だぶん。

 

「お父さん、新しい友達のユウ君だよ」

 

なのはちゃんが俺の方を指さしながら言う。ダメだぞ、人を指さしちゃ。

 

「こんにちは、櫻井 悠斗です」

 

俺は、ペコリと頭を下げる。

 

「こんにちは。なのはの父親の『高町 士郎』だよ。それで悠斗君、いったいいつ、なのはと知り合ったんだい?ここら辺では見ない子だし、なのはの通っている学校にもいなかったと思ったんだが」

 

なんか目がギラリと光った気がする。過保護なのか?

 

「ユウ君は、私が車に引かれそうになったのを助けてくれたんだよ」

 

「「ええっ!!!!!!」」

 

2人とも驚いている。まあ、そりゃあ、自分の子供が車に引かれそうになったのに、驚かない親はいないか。

 

「悠斗君、なのはを助けてくれて本当にありがとう。お礼と言ってはなんだけど、お昼はまだかい? まだなんだったら、ごちそうさせてくれないか?」

 

「本当ですか!? ありがとうございます!!」

 

よかった。

 

もうおなかペコペコだったんだ。

 

 

 

 

 

俺は今、好きに選んでいいと言われた店のメニューからミートソーススパゲッティを選択して、野獣のようなスピードでそれを食べている。

 

すると、桃子さんが近くに来て、

 

「ユウ君、お礼がしたいから、親さんの電話番号か何か教えてくれないかしら?」

 

「グッッッッ!!」

 

思わず、スパゲッティをのどに詰まらせてしまうほどの、特大の爆弾を落としてきた。

 

「ユ、ユウ君、大丈夫?」

 

なのはが水を差し出してくれる。それを飲みながらどう答えればいいのか考える。

 

しかし、ボキャブラリーの少ない我が頭脳では、良策など思いつくはずもなく、水を飲み干してしまいタイムアップ。

 

仕方ない、こうなったら………

 

「えーっと、親は両方とも死んでしまってるんです」

 

自分で言って、なんて無茶なことなんだと思う。

 

「「えっ…………」」

 

なのはちゃんと桃子さんの顔が、驚愕に染まり固まる。

 

「ご、ごめんなさい」

 

桃子さんが慌てた様子で謝ってくる。

 

「い、いえ、いいんですよ」

 

嘘だもん。

 

その言葉を最後に俺たちは無言になり、暗い感じになる。

 

すると桃子さんが立ち上がりどこかに行き、しばらくすると戻ってきた。

 

「ユウ君、いま少し士郎さんとお話ししてきたんだけど、うちに居候しない?」

 

「え………いきなりそんなこと言われても」

 

住まわせてくれるのはありがたいけど、今日あったばかりの人にそれを頼むのは………

 

「そうしてよユウ君!!!!」

 

なのはも横で声を上げる。

 

「ご迷惑に、ならないんですか?」

 

「もちろんよ」

 

「じゃあ………よろしくお願いします」

 

こうして俺は、高町家に居候することになった。

 

これは、原作と呼ばれる事件が起こる僅か半年前の出来事だった。

 

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