血染めの鋼姫   作:サンドピット

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冠の雪原が実装されてから暫く経ちましたね。メタグロスはいいぞ。
あ、今回の後書き割と重要な事が書かれてるので出来れば目を通して下さると幸いです。


張り詰めた心を解すには家族と触れ合うのがいい。

 流星の滝を越えれば広がるのは115番道路。

 

 小隕石によって作られた様々なクレーターと、潮風漂う砂浜を持つ大道だ。

 

 潮風、という言葉から分かるように近くには海が広がっており、そこから海の匂いが運ばれてくる。カナズミシティの近くにあるので夏には海開きもされるらしい。

 正直はがねタイプを持つ身としては全身温泉に浸かるより厳しいので海に行く事は無いだろうな。

 

「懐かしいな、一年前に家族皆で海に遊びに行ってたよ」

 

 ダイゴは家族と来た事があるらしい。と言っても勝手にふらつかない様に両手を両親に拘束されていたらしいが。

 

(石探しに海に入って溺れでもしたら大変だし分からなくも無いが)

 

 その時のダイゴと違う点があるとするなら、家族に手を引かれる訳でもなくたった一人でこの地に足を踏み入れたという事だ。

 

 シダケタウンからキンセツシティを通り、フエンタウンを経由して砂漠に向かい、ハジツゲタウンを通ってえんとつ山をぐるりと回り、そうしてここまでやって来た。

 長いようで短かった日々はダイゴや俺達を強くしてくれた。まぁ大体不本意な強敵との遭遇だった気がしないでもないがそれは置いといて。

 

 一度家に帰ってダイゴの家族と会い、充分休んでから残りのバッジを取りに向かう。

 さぁ、短い時間ではあるがカナズミシティへの帰還を果たそうか。

 

 

 

 

 

 昼頃にカナズミシティに来れた為にトレーナーズスクールから下校してくる子供達が散見された。

 喧嘩を売られても悲しい結果になるのが目に見えているため、なるべく大通りを通る事にする。

 

(トレーナーズスクールかぁ)

 

 当時はまだポケモンに興味なんて無くて、スクールに通いたいかという母の言葉に否を返した。珍しい、綺麗な石だけが僕の世界を彩る物だとばかり思っていたから。

 シルキーと出会ってからトレーナー免許を獲得する為に必死に勉強した。もしトレーナーズスクールに通っていれば、もう少し早くに資格を取れたのだろうな。

 

 今更どうしようもないたらればを頭から追い出して、僕は久しぶりに我が家の前まで歩いてきた。

 玄関先ではタブンネのフラウが箒を持って掃除している。

 

「――ただいま、フラウ」

 

 その声に顔を上げたフラウは驚いたように目を見開き、その後ニッコリと微笑んだ。

 

 パタパタと足早に家に戻るフラウについて行く。玄関を見ると母の靴はあったが父の靴は一組消えていた。

 

(流石に父さんは仕事中か)

 

 一応今日には家に帰ると事前に連絡していたので早めに帰ってくるとは思う。化石の受け渡しも手早く済ませたいしな。

 と、ここまで考えて玄関に見慣れない靴がある事に気付く。

 

「フラウ、お客さん? って、あらまあ随分早かったわね。お帰りなさい、ダイゴ」

 

 リビングの方から母さんが近寄ってきた。フラウもそうだがそこまで驚く事だろうか? 大体この時間で帰ってくる事は事前に伝えていた筈だが……。

 

「ダイゴの事だし何かしらに巻き込まれて遅くなると思ってたのよ、昔から出歩いたらトラブル引き寄せる体質だったし」

 

 正直記憶に無いが、旅立ってからの諸々を考えると的外れとも言い難い。ので少しばかりの不満を飲み込んで話を変える事にした。

 

「母さん、この靴お客さんの?」

 

「あ、そうそう、今うちにお客さんがいるのよ。可愛い子よね、ねぇダイゴ?」

 

「は、ぁ?」

 

 何故僕に聞くのかと一瞬思ったが、態々言ったという事は客人は僕に面識がある人物なのだろう。母さんが満面の笑みで可愛い子と言ったので多分女の子だろうか。

 そうだ、両親の後にあの子にも一応連絡したんだったな。

 

 靴を脱ぎ、母さんと共にリビングへ向かうとそこにはガチガチに緊張しているツインテールの少女――ツツジがいた。

 

「あ、あの、お邪魔してます」

 

「あぁ、うん。どうぞごゆっくり?」

 

 聞く所によると僕からの連絡を受けたその日の内に祝いの品を購入して家に届けに来た所、母さんがそのままリビングまで引っ張り込んできて今まで歓迎を受けていたらしい。

 ツツジの行動力もさる事ながら母さんの強引さは正直どうかと思わなくも無い。一応嫌と思ってる人に対してはその強引さを見せないのは知ってるが……。

 

「フラウ、ありがとね。僕の部屋のコレクションの整理してくれたんでしょ?」

 

「タブンネ~」

 

「そうだな……、父さんが帰ってくるまで時間掛かるだろうし、ツツジさん僕のコレクションでも見る?」

 

「――! いいんですか!?」

 

「うん、旅先で見つけた石も新しく入れようと思ってた所だし」

 

「ぜひお願いします! あ、私の事はツツジで良いですよ。まだ学生の身ですし」

 

 女の子にただ石を見せるだけなのはどうかと言う人もいるだろうが、何となく分かるんだ。ツツジは僕や父さんと同じ石好きだと。

 ベクトルは違えど同好の士にコミュニケーションを図るならコレクションを見せるのが一番だろう。

 

 シルキー、フォート、コドラ、エアームドを中庭に解放して僕とツツジは自室へと向かった。

 他三体はともかくコドラは家に入れるには大きいし重いから中庭に出さざるを得なかった。この旅が終わったら何とかしなくちゃな。

 

 

 

 

 

 ダイゴが良い物を見せてあげると言って女子小学生(推定)と自室に入っていった。

 等という冗談はさて置いて、ツツジはダイゴが対応している為俺は俺で直近の問題を片付ける必要がある。

 

 ダイゴの家について知っているのは俺とフォートのみなので、何も知らないコドラとエアームドにあまり暴れるなと言い含めなければならないのだ。

 上下関係的にはこの中では僅差で俺が一番上なので、ちゃんと言えば従ってくれはする筈だ。だが悪いことを悪いことと自覚できるほどコドラとエアームドは人に触れていない。考えれば分かる事で済ませる事は出来ないのだ。

 

「クチッ、チィーット」

 

「コッドド」

 

 とりあえずコドラにはあまり大きな音を立てたりいわなだれの使用を禁止させる。

 流石に野ざらしは可哀想なので後でダイゴの父であるムクゲのガレージにでも案内しよう。二日くらいならガレージを一枠圧迫しても許してくれるだろう。

 

「チィイ、クックチィト」

 

「エァ?」

 

 そしてエアームドには家の敷地より外に飛んで行ってはいけないと飛行を制限させた。

 別に街の条例にそんな制限は無いのだが、エアームドは他のひこうタイプと違って素で鋼の翼を持っている。飛行を許せば瞬く間に周囲の電線を引き裂く事は目に見えていた。

 

 周囲の人々に迷惑が掛かればそれは結果としてダイゴの迷惑に繋がる。些か面倒に感じるかもしれないが頑張って抑えて貰うしかないだろう。

 まぁ精々二日ほどの辛抱である。それくらいなら耐えられるだろうと俺は信じていた。

 

「ネェネェ」

 

「クチッ?」

 

 後何か言うべき事はあっただろうかと考えていると後ろからフラウに話しかけられる。

 しかし今更だがタブンネが割烹着来てるの見ると凄い似合うな。ミカゲの趣味だろうか? あの人一応イッシュ生まれの筈なんだが。

 

 フラウはどうやら、コドラとエアームドも夕飯を食べるのか聞きに来たようだ。二匹に聞くと食べたいと帰ってきたのでフラウに二匹の味の好みを伝えておく。

 パタパタと家の中に戻るフラウを見送りつつ、何とはなしに自分の身体を見やる。

 

 最近忘れがちだが俺は色違いのクチートだ。ダイゴの手持ちになった事で犯罪に巻き込まれる可能性は少なくなったがゼロではない。

 加えてメガシンカ可能なポケモンというのもその価値を高めている。現在ホウエン地方ではメガシンカはあまり浸透していないが、大っぴらに俺がメガクチートになってる場面が多いのでメガシンカの力に気付く者も増えてくる筈だ。

 

(例えば現チャンピオンのゲンジさんの様な実力者とか)

 

 御誂え向きにボーマンダという強力なメガシンカ可能個体を持ってるんだ。それを知ったのなら使わない理由などありはしない。

 都合よくキーストーン或いはボーマンダナイトが見つからない可能性に賭けてもいいが、チャンピオンの地位を使えばすぐに見つかるだろうな。

 

 話が逸れたが、恐らく俺がホウエン地方で最初のメガシンカ可能個体だ。それを理由に厄介事に巻き込まれたとき、果たして俺は逃げ切れるだろうか?

 コドラとエアームドにぶつくさ言ったが、一番ダイゴに迷惑を掛けそうなのは俺だ。それを防ぐのに必要なのは、やはり純粋な力だろう。

 

 財力、権力、総じて影響力。ダイゴの父であるツワブキ・ムクゲは全て持っている。上手く使えば不安の芽を未然に摘む事も出来るだろう。

 

 だが出来ない。クチートは予知能力者ではないのだ、それを伝えても信じてくれはしないだろうし、何よりムクゲを利用すれば結果的にダイゴが悲しむ。

 

(やっぱり順当に強くなるしかないわな)

 

 そう結論付けて、早くじゃれつく覚えてぇなぁなんて事を考えるのだった。

 

「……クゥ?」

 

 玄関が俄かに騒がしくなる。

 どうやら件のムクゲが帰って来たようだ。家に入ってダイゴと合流し、玄関先へと向かう。

 

 そこには黒いスーツを着こなしたまだ若い男性の、微塵も疲れを感じさせない姿がそこにあった。

 

「ただいま。そしておかえり、ダイゴ」

 

「うん、おかえり。それと――ただいま、父さん」

 

 ホウエン全土に手を広げる最大級の企業の社長と、まだ幼いながらも一ヶ月足らずで三箇所のジムを突破したトレーナー。

 しかしそこにはただの暖かな親子の姿があった。

 

 




ツツジちゃんが急に関わってきた理由は、ぶっちゃけるとダイゴの手持ちからあぶれたポケモンの回収です。
今後使わない指標だとは思いますが、特定のタイプのポケモンを育てられる才能を才能値と呼称しましょう。

四天王連中は得意タイプの才能値が軒並み100くらいあるとして、原作のダイゴの才能値は、はがね:いわ:じめんが100:100:100くらいあると思います。
原作では初めてのポケモンとしてダンバルを貰いそこからポケモンについて、主に鋼、岩、地面タイプを学ぶのではと考えました。

うちのダイゴは幼少期にクチートに助けて貰い、そのポケモンについて知る為にはがねタイプの知識を身に付けました。その後にダンバルを貰った事で方向性が完全に定まりました。

その結果、はがね:いわ:じめんの才能値が200:50:50くらいに大幅に偏りました。主人公であるクチートがもろ原因です。分かりやすく言うと近所のお姉ちゃんがショタに優しくした結果ショタの性癖が歪んだみたいなもんです。何も問題はありませんね。

結論としては「ダイゴははがねタイプでパーティを統一する。化石ポケモンはパーティに入らない。あぶれた化石ポケモンはツツジの手持ちに加わる」これだけ知ってもらえたら大丈夫です。いわタイプだしね。

さて、皆様にお願いがあります。
作品の流れの都合上自分が考えていた異常個体はまだまだいるのですが、ちょっと数が足りなくなりそうな気がしてなりません。

そこで読者の皆様から異常個体のアイデアを募らせていただければと考えております。詳しい事は下のURLから活動報告に飛んで下さると幸いです。
人に頼るなと言う方もおられるかも知れませんがどうかご助力下さればと思っております。何卒宜しくお願いいたします。

↓アイデア募集場↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=249115&uid=279424

感想くれたらとても嬉しい。
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