オーブの力お借りします!!!!!   作:ゆにゆに

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 街中で衝突するフェイトとなのは、二人はジュエルシードを賭けて戦うが、なんとジュエルシードが暴走してしまう。
 そこでオーブも乱入し、オーブはサンダーブレスターに変身する、そのせいでオーブは暴走街を攻撃し始める、フェイト、なのは、アルフ、ユーノが手を組んでオーブに挑み、その途中フェイトの言葉でふとオーブの意識が復活、最後オーブは自爆してその姿を消す。
 そして、オーブが気になったなのははオーブが自爆した場所に向かい、血だらけで倒れているカイを見つける。
 


私達の隠し事

 倒れているカイを見て、なのははすぐにカイに駆け寄って生きているか確かめる。

 

「カイ君!!カイ君!!!、ひどい怪我...心臓は動いてる、急いで運ばないと!!」

 

 なのはは急いでカイを運ぼうとするが、ユーノはこの場にカイが倒れていることを怪しく思った。

 

(なんでこんな場所にたおれてるんだ.....逃げ遅れたにしては不自然...それにここはさっきオーブが自爆した場所だ、あの爆発で一般人の彼が生きていられるなんて思えない...)

 

「ユーノ君!!」

 

 なのはの呼び掛けでユーノは思考の海から抜け出し、なのはに向き直る。

 

「何、なのは」

 

「カイ君をおんぶするから、その間カイ君の様子とカイ君が背負っているリュックを固定しててくれる?」

 

「え、わ、わかった」

 

 ユーノはそう言ってカイに飛び乗り、なのははカイをおんぶする。

 

「っう、これは!?」

 

(カ、カイ君、予想以上に重い....でも、頑張らないと!!)

 

 なのははカイをおんぶしながら携帯で見た避難所に向かう、その間ユーノはカイの様子を見て考える。

 

(彼、身体中に傷が.......でもどうやって傷ついた? 彼の倒れていた周りには彼を傷付けたような瓦礫なんかはなかった...爆発に巻き込まれたにしては不自然な傷付き方だ...)

 

「彼のリュック..何かあるかな?」

 

 ユーノはそっとカイの身体を動き、カイの背負っているリュックを口で器用に開けて中を確認し、オーブリングを見つける。

 

「...! これは何だ!? わっか?」

 

 ユーノはオーブリングに近づいて匂いを嗅ぎ、オーブリングが何なのか考える。

 

(魔力は感じない......でもこれは、何か...不思議な感じがする....なんだこれは? いや待て、これを『デバイス』と考える事は出来ないだろうか! なのはの『レイジングハート』の用に彼がこれを使って戦う....例えば変身して戦うとか..!!)

 

「ユーノ君!」

 

 なのはから声を掛けられて、ユーノはカイのリュックから出る、なのははユーノにカイの状態を聞く。

 

「カイ君大丈夫? 何か変わった事無い?」

 

「あぁ、彼は大丈夫...特に異変は無いよ」

 

「そっか、それでも急がないと!」

 

 そう言ってなのはは足を早める。

 数十分後、なのはとユーノは避難場所にたどり着き、なのははそのままカイを治療出来る場所を探す。

 

「どこか、カイ君を治療出来る場所..!!」

 

「なのはあれ!!」

 

 ふとユーノが指を指す、ユーノの差した指の先をみると赤い十字マークが掲げられているテントがあった。

 なのははテントに向かい、中に入る。

 

「すいません、怪我人が...!?」

 

 なのははテントの中を見て驚く。

 テント内では看護士や医師達が忙しく動いており、用意された簡易ベッドには大量の怪我人が寝かされていた。

 なのはが驚いていると一人の看護士がなのはの元にやってくる。

 

「ごめんなさい遅くなって!」

 

「友達が酷い怪我でー「君!!ガーゼを持ってきてくれ!!」ーっ!!」

 

「はーい! ごめんなさい、後で行くわ、奥のベッドが空いてるから後ろの子連れってくれる?」

 

「わ、わかりました!」

 

 なのはがそう言うと、看護士は走って呼ばれた場所に向かう。

 なのははベッドに向かう中で考える。

 

(死者は出てないけど、怪我人がこんなに多いなんて!! 明らかに人の手が回っていない!!)

 

「あのベッド!」

 

 なのはは空いているベッドを見つけてカイを寝かせる、そして看護士を呼ぼうとする。

 

「すいまー「うちの子が頭を怪我して意識が無いんです!!」っ!!」

 

 しかしなのはの声は別の助けを求める声にかき消される、それからも幾つも幾つも助けを求める声はあちこちから上がる、なのははその光景をみてなんとも言えない気持ちになる。

 そこにさっきの看護士が救急箱を持ってやってくる。

 

「ごめんなさい遅くなって、後はー」

 

「あの!」

 

 ふと、なのはが看護士に声を掛ける。

 

「...私、手伝います!!」

 

「でもあなたまだ子どもじゃない!?」

 

「家で治療の知識はある程度勉強しました!!」

 

「なんですって!?」

 

 そう、実はなのはは怪我の治療に対して博識なのだ、理由はなのはの家が関係してくる。

 なのはの父親高町 士郎はかつてボディーガードの仕事をしており、数年前生死の境をさ迷う事があったのだ、その経験からなのはは次家族の誰が傷付いても自分が治せるようにと思い、ある程度医学の勉強をしていたのである。

 なのはの言葉を聞いて看護士は暫く考えるが人手が足りないのも事実なので潔くなのはの要求を飲んだ。

 

「じゃあ、まず水を汲んで来ます!!」

 

「えぇ、お願い!! 洗面所は真っ直ぐ行って左よ!!」

 

「はい!!」

 

 なのはは走って洗面所に向かい、その途中ユーノがなのはに話し掛ける。

 

「まってくれなのは!!」

 

「何、ユーノ君!!」

 

「彼は危険だ....!!」

 

 ユーノの言葉になのはは困惑する、それでもユーノは言葉を続ける。

 

「冷静に考えてみてくれ!! 彼の倒れていた場所、逃げ遅れたにしては不自然だろう!!」

 

「でも...」

 

「さっき彼のリュックの中を見た...何か変な物が入っていたんだ」

 

「変な物?」

 

「わっかみたいな物さ....僕はあれがデバイスなんじゃないかと思うんだ!!」

 

「デバイスって、レイジングハートみたいなの?」

 

 なのははそう言って、首に架けている赤い宝石を触る。

 ユーノは頷き言葉を続ける。

 

「.....あのわっか、そして彼の倒れていた場所.....僕は......彼がオーブなんじゃないかと思う」

 

「え?」

 

 ユーノの言葉を聞いてなのはは足を止める、そしてユーノとしっかり向き合う。

 

「カイ君が......オーブさん?」

 

(そう言えばバスの時に感じたあの感覚は....)

 

「ともかく僕が言いたいのは....彼がオーブだとしたらまた暴れられる可能性があるって事だ....だから」

 

「!.....だから、見捨てるの?」

 

「っっ!?」

 

 ふとなのはの声のトーンが変わり、ユーノは驚く。

 なのはは強い目でユーノを見て話す。

 

「ユーノ君の考えはもっともだよ......実際にこの状況を作ったのはオーブさん....そしてそのオーブさんの正体がカイ君の可能性が高い...でも、だから何!! 私が助けたいのはオーブさんじゃない!!! 私が助けたいのはカイ君だよ!! それにどんな理由があっても、私は目の前で苦しんでる人を見て見ぬふりは出来ないよ!!」

 

「っ、あ.....なのは」

 

 なのはの言葉を聞いてユーノはうつむいてしまう、そんなユーノを見てなのはは直ぐに優しい笑顔を作る。

 

「大丈夫、ありがとうユーノ君、心配してくれて」

 

「っっ、ごめん...ちょっと外の空気を吸ってくるよ...」

 

 ユーノはそう言ってなのはから離れてテントの外に出る、なのははその姿を見て少し不安になるがユーノなら大丈夫だろうと思い、洗面所に向かう。

 

 

 外に出たユーノは走り、思い切り木に頭をぶつける、何度も何度も自分えの罰だと言うように何度も何度も頭をぶつけ、そして考えていた。

 

(そうだ、そうだ、僕は...何を考えていた!! 不確定な要素だけを考えて、なのはと同い年の子を僕は...見殺しにしようとしたのか!!)

 

「くぅ!!」

 

 ユーノは地面に仰向けに倒れ、空を仰ぐ。

 ユーノは考えていたのだ、旅館での一件で自分が巻き込んだ事でなのはを苦しめてしまう事を、ユーノにとってなのはが傷付く事は自分が傷付く事よりも辛い事だった、だからこそ今回のオーブの暴走そしてその正体がカイじゃないかと考えた結果、なのはを守る一心でユーノはカイを見殺しにしようとしたのだ。

 そして自分がそう考えた事にユーノは深く傷付いていた。

 

「僕は...なんて最低な事を考えていたんだ...!!」

 

 ユーノの目から一滴の涙が流れ落ちる。

 

 

 数分後、なのはは看護士と協力してカイの治療をし、今カイの傷口に包帯を巻いていた。

 

「んーしょ、と」

 

 なのはがカイの左腕に包帯を巻き終わると、看護士は驚いた用になのはを見ており、なのはは不自然に思う。

 

「あの、どうかしました?」

 

「いや、本当に医療に対して知識があるんだなって、驚いちゃった、今何歳?」

 

「九歳です」

 

「九歳....ふふ、将来有望ね」

 

「急患が来ました、看護士さん達来てください!!」

 

 そこで急患が入り看護士が呼ばれる、看護士は救急箱をなのはに渡して、なのはに話し掛ける。

 

「ごめんなさい行かなきゃ、何かあったらいつでも呼んで!」

 

「はい、頑張ってください!!」

 

「ええ」

 

 看護士は走って急患のいる所に向かい、なのははそれを見送る。

 看護士を見送ったなのはは寝ているカイに向き直り、ユーノが言っていた事を思い出す。

 

(「彼がオーブなんじゃないかと思う」)

 

「カイ君....あなたは」

 

 なのははカイの持っていたリュックを手に取り中を確認し、オーブリングを見つける。

 

「これか、ユーノ君が言っていたわっか」

 

 なのははオーブリングを手にとって観察する。

 

「特に何も感じないけど.....確かに、なんか異質」

 

 なのははオーブリングをじっくり見てから、カイを見つめる。

 

「オーブさん....カイ君....私は、信じるよ」

 

 なのははオーブリングをリュックに戻して、カイの手を握り言葉を続ける。

 

「あの時、私達を助けてくれたオーブさんを.....あの暖かさを.........さて、水を汲み直しに行こう!」

 

 そこまで言うとなのはは洗面所に向かうためバケツを持ってカイの元を離れる。

 なのはが洗面所で水汲みを終えると、ふと薬品を置いている部屋で音がなる。

 

「...? 看護士さんかな?」

 

 なのははその音が何故か気になり、薬品を置いている部屋の中を見に行く。

 

「? え...」

 

 なのはがドアを開けて中を見ると、そこでは八人程の不良グループが薬品を漁っており、なのはは驚く。

 

「あなた達いったー」

 

「取り押さえろ!!」

 

 なのはは声を上げようとするが、それよりも先に一人の男が叫ぶとなのはの近くにいた不良二人がなのはを無理矢理取り押さえ、なのははバケツの水を溢して濡れてしまう、なのはは不良の拘束に抵抗する為に首に架けている赤い宝石に手を伸ばすが、先に叫んだ不良がなのはから宝石を取り上げる。

 

「ほぅ、なかなか良いもん持ってるじゃねぇか、ガキ!!」

 

 なのはは叫ぼうとするが口を押さえられ、そのまま窓から外に担ぎ出されてしまう。

 

 

 ユーノはカイの寝ている場所に戻ってきて、なのはが居ないことを不自然に思いなのはを探す。

 

「なのはー!!」

 

 ユーノはなのはを呼ぶが返事が無く、ますます不自然に思う。

 ユーノはなのはを探そうとするが、ふとカイが声を上げる。

 

「ぁ、くぅ!」

 

「! 目が....」

 

 カイはゆっくりと目を開け起き上がる、カイはゆっくりと辺りを見渡す。

 

「ここは....俺は...ん!」

 

 そこでカイとユーノは目が合う、カイを見てユーノは少し縮こまってしまうが、カイはユーノを見たとたん近づいてユーノをじっと観察し、ホッとしたように頬を緩めて呟く。

 

「よ、よかった....特に怪我が無くて」

 

「へ....?」

 

 ユーノはカイの言った言葉に困惑する。

 

 

 ユーノの困惑を知らずに、カイは周りと自分の状態を見てここがどこか推測する。

 

「ここは、テントの中....それにこの包帯....医療施設か、ん!」

 

 ふと、カイは自分のリュックを見つけて、そしてリュックのチャックが開いてるのを見つけて頭を抱える。

 

(しまった、この子(ユーノ)が居るって事は、なのはちゃんが居るって事だ...それに俺どこで気を失った? 多分オーブとして自爆した所に倒れたはず...)

 

「はぁ、バレたかな?」

 

「キュウ!」

 

「ん?」

 

 ユーノがカイに話し掛け、カイが反応する。

 ユーノは言葉を続けてカイに話し掛ける。

 

「キュ、キュウ!!キュウ!!(君は一体何者なんだ、何故あそこに倒れていた!!)」

 

「えーと.....」

 

 ユーノの言葉を聞いてカイは暫く考え、折れた用にため息を吐くと、ユーノに向き直る。

 

「ごめん、()()()()じゃユーノ君が何言ってるかわからないんだ」

 

「キュウ?(この状態?)」

 

「君が気になっていると思う事は後で話すよ、ただ君が居るって事はなのはちゃんも居るはずだろ?」

 

 カイは周りを見ながらユーノに話し掛ける、ユーノはカイを警戒しながらもカイと話を合わせる。

 

「どこに居るかわからないの?」

 

 カイの質問にユーノは頷く。

 それを見たカイは近くを通った看護士を呼び止める。

 

「すいません、ここにいた女の子知りませんか?」

 

「女の子...あぁ、洗面所に向かっていた女の子なら一人居たわよ、茶髪のツインテールの子」

 

「! ありがとうございます、洗面所の場所何処ですか?」(なのはちゃんだ!!)

 

「洗面所なら真っ直ぐいって左よ」

 

「わかりました!」

 

 カイはリュックを持ちベッドから出て洗面所に向かいユーノもその後を追いかける。

 数秒後カイとユーノは洗面所に付き中を見るが誰も居なかった。

 

「洗面所に居ない? ならなのはちゃんは何処に行った?」

 

「キュウ...(なのは、何処に...)」

 

 カイとユーノが周りを見回していると、カイの目が薬品を置いている部屋の前に立つ男性を捕らえる。

 カイはユーノを手招きして男性の元に向かう。

 

「何かあったんですか?」

 

「別に大したことねぇよ、誰かが薬品部屋の前でバケツの水を溢したんでな掃除しようと....って誰だ坊や!?」

 

 カイは男性の声を無視して床に落ちているバケツと溢れている水を見る、ユーノも連れて見る。

 

「キュウ?(特に何もわからないな..)」

 

「水が滴っている」

 

「キュ?」

 

 カイは溢れている水の先に点々と続く水滴を指差す、ユーノもそれを見てハッとする。

 

「あの水滴を辿ると......窓だ」

 

「お、おい!坊主!!」

 

 カイは水を辿り閉められた窓を指差し、男性の静止を無視して窓の元に行き窓を開ける、カイとユーノが窓の外を見ると外にも点々と続く水滴を確認できた。

 

「キュウ...(これは...)」

 

「偶然じゃないな」

 

 カイとユーノは窓を閉めて薬品部屋を出る。

 二人はそのままテントから外に出て水滴が続づいていた場所に向かい、水滴を辿っていく。

 

 

 場所はテントから離れた木の生い茂る所で、なのはは不良グループに拘束されていた、リーダーと考えられる大男の手にはナイフが所持されていた。

 なのはは拘束されながらも不良達に抗議する。

 

「なんでこんなことするの!? 今この状況で皆が頑張ってる時に!!」

 

「うるせぇガキだな、わからねぇか....今この状況だからやるんだよ....」

 

「なんで....」

 

「今、怪我人が大勢いる、医療機関も手が回らねぇぐらいな....だがまだまだいるだろうよ....足を折った、頭を打った、ガラスが刺さった......医療の手が回ってない奴ら、そんな奴らに薬品は高く売れるだろうよ...」

 

「! 自分の利益だけを考えて...!!」

 

「そうさ!! 本来はバレずにやる予定だったが、嬢ちゃんに見られたからな...そこで嬢ちゃん、俺達と約束してくれよ....俺達がやった事はすべて見なかったってな、あとついでにこの赤い宝石俺にくれよ、気に入ったぜ....!!」

 

「どっちもイヤ!!」

 

 なのはがそう言うと大男はナイフをなのはの頬に押し当て、なのはに語り掛ける。

 

「この状況だぁ、たとえば喋れないくらい両頬がパックリ切れても....それはあの巨人のせいになると思わないか?」

 

「っっ、!!イヤ!!」

 

 暴れるなのはの頭を大男はがっちりと掴んで更に強くナイフを押し付け、なのはに向かって怒鳴る。

 

「たく、女ってのは我儘だな!!! 良いから、痛い目見たくなかったら....ここでの事は黙ってママのおっぱいでも吸ってろ!! アァ!?」

 

「っっ、イヤ、イヤ....」

 

(だ、誰か....)

 

「あのー」

 

「!」

 

 ふと、不良達に声が掛けられる、なのははこの声に聞き覚えがあった。

 不良達は急いで声がした方を見る、そこには腕を組んで不良達をじっと見ているカイがいた。

 

「何、してるんですか?」

 

「ちっ、またガキかよ....どうやってここに来た!?」

 

 不良の質問にカイはなのは、正確にはなのはの濡れている服を指差す。

 

「なのはちゃんの服が濡れている....あんたらが無理に連れ去ろうとしたから水を被ったんだろうね、そして濡れたお陰でなのはちゃんの服から落ちた水滴が道を示してくれてここまでこれたって訳」

 

「水滴だとぉ!?」

 

 カイの話を聞いた不良はなのはを見た後、なのはの服から滴る水滴を確認する。

 

「しまった、迂闊だった」

 

「という事です、では次は僕が質問します....一体何をやっていたんですか?」

 

「なぁに、ちょっと金儲けしようとしただけさ...」

 

 カイの質問に大男は答え、カイの近くに立っていた不良をチラッと見る、するとその不良はカイの前に立ち、へらへら笑いながらカイを見る。

 カイはそれを無視して大男に話し掛ける。

 

「....金儲けって、そこにある薬品を使ってですよね、それあの部屋にあった奴じゃないですか?」

 

「アァん?」

 

 カイの言葉に反応して不良がカイに詰め寄る、そして大男はなのはに押し付けているナイフを今度はカイに向けて、カイに語り掛ける。

 

「へへ、そうさ.....だからよぉ、この事は黙っててくれねぇか?もっとも、黙ってなきゃ痛い目見てもらう事になるがなぁ」

 

「.....良いですよ」

 

 カイの返答になのはは驚き、大男は満足そうに笑う、しかしその笑みはカイの続く発言で崩れる。

 

「ただし、なのはちゃん、彼女を放して、薬品もちゃんと元通りの場所に戻したら、ですけどね」

 

「アァ?」

 

 不機嫌になる不良をよそに、カイは言葉を続ける。

 

「ここでの事を黙って欲しければ、今すぐ彼女を離して、薬品もあの部屋に戻してきてくださいと言ってるんです」

 

 カイの発言を聞いたカイに詰め寄っていた不良が、カイの胸ぐらを掴みカイを睨む。

 しかしカイは怯まずに話を続ける。

 

「もう一度言います、彼女を離して、薬品を戻してきてください、そうすればここであった事は全て秘密にします」

 

「調子乗ってんじゃねぇぞクソガキ!!!!」

 

「この方法が一番平和的に解決できます」

 

「ちっ、状況が解ってないようだな....そのガキに解らせてやれ」

 

「うす!」

 

 大男の指示に従い、カイの胸ぐらを掴んでいる不良は右手を振り上げる、カイはそれでも言葉を続ける。

 

「僕は何も争いに来たわけじゃないんだ、僕の要求を飲めばお互いデメリットは少ないだろ!!!」

 

「ガキが、調子乗りすぎだ」

 

 不良はカイに拳を振り下ろし、カイは小さく呟く。

 

「俺は確かに平和的解決を望んだぞ...」

 

 瞬間、不良の拳はカイの左手で止められる。

 不良が驚いていると、カイは右手で胸ぐらを掴んでいる不良の手を力で離す、不良はカイのパワーに驚く。

 

「な、何だこのガキの力は!?」

 

 そしてカイは思い切り不良を蹴飛ばす、不良は空中に浮き吹っ飛ぶ、周りにいた不良は驚き、なのはも驚く。

 そんな中カイは不良達に向けて語り出す。

 

「友達を襲った俺が言うのもなんだが......俺は元々、俺が傷つけられるより、俺の友達や俺の大事な物が傷つけられた方がよっぽど頭にくる性格なんだ!!!」

 

「な、何をぉぉぉ!?」

 

 大男を除いた不良グループがカイに攻撃してくる。

 不良の一人がカイに拳を振るうがカイはしゃがんで回避して足払いをして不良を転けさせる、さらに続いて別の不良が蹴りを放ってくるがカイはそれをいなして不良の脇腹にチョップを叩き込むみ、次に突撃してきた不良に対しては裏拳を放つ。

 その衝撃でカイの腕の傷が開き包帯に血が滲む。

 

「っ、傷がっ!!」

 

「こんのぉぉぉ!!!」

 

 転けさせた不良が後ろからカイを襲うがカイは後ろ蹴りを繰り出して不良を吹っ飛ばす、それに続いて新たに三人の不良が突っ込んでくるがカイはブレイクダンスの要領で攻撃し三人の不良を吹っ飛ばす。

 最後にカイに蹴飛ばされた不良がビビりながらも木の枝を持ってカイを攻撃するがカイは左手で枝を叩くと不良の顔面にパンチを叩き込み不良はその場に倒れる。

 大男は瞬く間に不良を全滅させたカイを見てビビり、なのははカイの戦闘力の高さに驚く。

 中国での修行は伊達ではなかったのだ。

 カイはゆっくりとなのはと大男に近づくが、そこで大男がなのはにナイフを突き立ててカイに向かって叫ぶ。

 

「て、てめぇ!! それ以上近づくな!!! ち、近づいてきたらこのナイフでこのガキを刺すぞ!! 良いのか!?」

 

「っっ!!」

 

 大男はなのはの首筋にナイフを押し当てる、その行為になのはは恐怖を感じて身体を震わせるがカイを見て身体の震えは止まる。

 カイは微笑んでいた優しく、そして力強く、カイは優しくなのはに語り掛ける。

 

「大丈夫だよ、なのはちゃん」

 

「カイ........君」

 

「お、おい!!」

 

 大男の忠告を無視してカイは一歩一歩なのはと大男に近づく、まるで言うことを聞かないカイを見て大男はナイフを振り上げて叫ぶ。

 

「ちくしょぉぉぉぉ!!!!! 言うことを聞かねぇのなら、このガキにナイフぶちこんでやるぅぅぅ!!!!! アアアアアアアア!!!」

 

「俺は元々一人で来たとは言ってないぜ...」

 

 瞬間、ナイフを持った大男の腕は振り上げた状態でこていされる。

 

(な、なんだ、腕を振り下ろせねぇ!?)

 

 大男が驚いた時には既にカイの回し蹴りが大男の顔を捕らえていた、バコォォォォン!!! という音と共に大男はぶっ飛び、ナイフと赤い宝石、そしてなのはも解放される、そして解放されたなのはをカイが抱き止める。

 

「な、大丈夫だったろ?」

 

「え、あ」

 

 なのはは一瞬混乱するが、状況を理解すると顔を赤くする。

 不良達は情けない声を上げながら走ってカイから逃げ出す、カイはそれを見届けると木の上を見て話し出す。

 

「ナイスアシストだよ、ユーノ君」

 

「.....色々、話してくれるでしょうね?」

 

 そう言いながら木の上からユーノが赤い宝石を加えて出てきて、なのはは驚く。

 

「ユーノ君どうして!?」

 

「俺がお願いしたんだ、もし不良と戦う事になったら俺が戦うからヤバくなったらバレない程度で()()()()()()()()()()()、実際にさっき大男の動きを止めたのはユーノ君の魔法だ」

 

「成程!!.....え」

 

 なのははカイが魔法の単語を言った事に驚く、カイはゆっくりなのはから離れてリュックを漁り出す、なのははカイに質問する。

 

「ど、どうしてカイ君が、魔法の事を?」

 

「下手に誤魔化して誤解を招くのはしたくない...」

 

 カイはそう言ってオーブリングをリュックから取り出し、なのは達に向けて掲げカイは光に包まれる、突然の事になのはとユーノは驚く、数秒後光が収まりなのはが目を開けると、そこにいたのは.....

 

「......オーブさん」

 

 等身大に変身したオーブがいた、それを見てなのはは混乱に陥る、オーブは優しい口調で話し掛ける。

 

「....大方、君たちの予想どうりだろう、俺がオーブだったんだ......そう....俺はウルトラマンオーブ、白青 カイだ」

 

「!...ユーノ君」

 

「何、なのは?」

 

「レイジングハートを....これじゃ不公平だから」

 

 なのははユーノから赤い宝石を受け取り呟く。

 

「レイジングハート、セットアップ..」

 

 なのはがそう言うと赤い宝石は輝きを発してなのはを包み込む、光が収まるとなのははあの白服に青いラインの入った服を身に纏っており、手には先端に宝石の付いた杖が握られていた。

 なのははオーブを見据えて話し出す。

 

「正直、今の状況は混乱してる、けど一先ず...........私は魔法少女、高町 なのはです」

 

 カイとなのはがお互いの秘密を打ち明けた瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 




なのは「一緒に頑張ろう!!」
フェイト「ごめん、お母さんの所に行かなきゃいけないんだ....」
カイ「フェイトの戦う理由が解るかもしれないんだ!!!」
???「Confirm intruder.....(侵入者を発見...)」

次回「ファイトオーブ」
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