その拍子にオーブ(かおり)はジュエルシードの怪物を出現させてしまう。
フェイトとなのはとオーブ(かおり)は空中に浮く50メートル級の龍を見て唖然とし、フェイトが呟く。
「何なの、こいつ....!!」
空中を飛んでいた龍は突然その充血したような真っ赤な目をフェイト達に向け、突っ込んでくる。
「「!?」」
なのはとフェイトとオーブ(かおり)は咄嗟にその場を離れ龍の突進を避ける、フェイトは狙いをオーブ(かおり)から龍に変えて、杖に金色の刃を展開し龍に斬りかかり、龍の右目を切りつける。
[グギャァァァアアス!!!]
龍は痛みからか絶叫を上げるが、フェイトはそれを気にせずに龍の真上に移動し、金色の刃を収納し杖の先端を龍に向け叫ぶ。
「サンダースマッシャー!!!!!」
瞬間、杖の先端から金色のビームが放たれて龍を直撃する、龍はビームの勢いそのまま地面に叩きつけられて爆発を起こし、
暫くして煙が晴れると、
「!?」
まさに何も無い事にフェイトは驚く、そう何も無かったのだジュエルシードも媒体となったと思われる生物も何も無く、只何の変哲もない地面だけが広がっていた。
「どういう事、何で何もないの?」
フェイトは不審に思い地面に近づく。
瞬間、龍が地面から出てきてフェイトの右腕に噛みついた。
「!!!??」
なのはとオーブ(かおり)は突然の事に驚愕する。
龍はフェイトに噛みついたまま物凄いスピードで上空に登る、噛みつかれたフェイトの右腕には段々龍の歯が食い込み血が溢れ出てきて、激痛がフェイトを襲う。
「アアアアアアアアァァァアアアア!!!!????!!」
「フェイトちゃん!!!」
フェイトの絶叫を聞いて、オーブ(かおり)はすかさず龍を追って飛び、龍を近くに捕らえると腕を十字に組んでスペシウム光線を放つ。
スペシウム光線は龍の胴体に直撃する、龍はその拍子にフェイトを放してしまう、フェイトはその隙を逃さずに龍から距離を取る。
オーブ(かおり)はフェイトを心配し、フェイトに近く。
「フェイトちゃん大丈ー!?」
そこに龍がオーブ(かおり)に向かって突撃してくる、オーブ(かおり)は咄嗟に横に飛んで突撃を回避するが、龍は尻尾を鞭のようにふるい、オーブ(かおり)は龍の振るった尻尾に直撃してしまう。
「グガァ!?」
ボキボキィとオーブ(かおり)は嫌な音を立て、そのまま森の中に吹っ飛ばされてしまう。
オーブ(かおり)が地面に直撃すると同時に変身が解けて、人間のかおりの姿が表れ、かおりは地面で数回のバウンドをし拍子にオーブリングを手放してしまいオーブリングは茂みの中に飛んでいってしまう、かおりも地面に倒れ伏せ気を失なう。
なのはは上空からかおりの飛んでいった方向を見て悲痛な声を上げる。
「オーブさん!!」
なのははかおりの元に行こうとするが、なのはに向かって炎弾が飛んでくる。
なのははそれに反応し障壁を張り防御する、炎弾が障壁と衝突し爆発が起きる、なのはが杖で爆炎を払うとすでに龍が口を開けてなのはに突っ込んできてた。
「っっ!!??」
なのはは咄嗟に後ろへ飛ぶ、そしてあと数センチの所で龍の口が閉じられる。
なのはは杖の先端を龍の眉間に合わせる。
「ディバイン バスター!!!」
なのははゼロ距離で龍にビームを放ち、ビームは龍に直撃し爆発を起こす、なのははその隙に龍から距離を取る、龍は痛がる用に首を振る、龍の顔は半分程消し飛んでいたが数秒もすれば修復された。
龍は恨めしそうになのはを見て唸る。
[グルルルル....]
なのはは龍の真っ赤な目を見て、固唾を飲み込んだ。
なのはと龍は暫くお互いを観察する、そして龍がしびれを切らしてなのはに突っ込んでくる、なのはは上に飛ぶことで龍の突進を避ける、龍は突進を避けられるが止まらずそのまま
それを見たなのはとフェイトは驚愕し、同時にフェイトは理解した。
(そうか、さっき奴が姿を消したのは私のサンダースマッシャーの勢いを利用して地面に潜ったから、奴は地面を水中を泳ぐ用に移動できる能力がある)
フェイトは血が滴る右腕を押さえて龍について考える。
(今までジュエルシードの生んだ怪物とは戦ったけど、スピードはともかくあのパワー、奴は今までの怪物達とは違う...別格だ)
「フェイトー!!!」
そこに人間態になったアルフが駆けつけてくる、アルフはフェイトの右腕を見るとギョッとする。
「ふ、フェイトその腕大丈夫かい!?」
「うん、大丈夫...」
「さっきの龍にやられたのか、あの野郎..!!!」
アルフは怒りを露にするが、フェイトはそれをなだめアルフに話し掛ける。
「龍は今まで怪物とは訳が違う...冷静さを失っちゃだめ」
「そうだけどさ...!!! あぁ、わかったよ」
フェイトとアルフが話している間に、なのはとユーノも合流する。
「ユーノ君!! オーブさんが!!」
「わかってるなのは!! ある程度は見ていたよ、それより気をつけて」
「う、うん」
なのはは前を向き、ユーノはなのはの肩から後ろを見て、いつ襲われても良い用に構える。
「.....」
暫くの間静寂が辺りを包みこむ。
なのはの真下の地面から炎弾が発射される、なのはは下に障壁を展開しそれを防ぐが、障壁に炎弾が着弾すると同時に地面から龍の尻尾が出てきてなのはの背中に向かって振り下ろされる、これは肩に乗ったユーノが障壁を張って防御する。
しかし、龍の方が上手だった。
瞬間、龍は完全に地面から出てきて身体を横向きにCの字にする事で防御の張られていないなのはの正面に向き合い、ほぼゼロ距離でなのはに向かって炎弾を発射し、なのはに直撃する。
「キャァァァアア!!!??」
「うわぁぁぁ!!?」
炎弾を受けてなのはとユーノは山のふもとに吹っ飛んでいく、龍はそれを見ると次にフェイトとアルフの方を見る、アルフとフェイトは互いに構え、話し合う。
「フェイト、あんたの怪我を考えるとここは引いたほうが...」
「そうかもだけど、前に
「フェイト....」
フェイトの顔を見てアルフは悲痛な表情をするが、フェイトはそれに気づけない。
刹那、龍の放った炎弾がフェイトとアルフに向かって飛んでくる、フェイトとアルフは二手に別れる事で炎弾を避け、二人はそのまま龍の両側に回り込む。
フェイトは移動しながらアルフに念話を入れる。
(アルフ、龍の周りを飛び回って翻弄しよう!)
(了解!)
二人は龍の顔付近を不規則に飛び回る、龍は目で二人を追うが二人の動きにはついていけずにいた。
フェイトは飛び回りながら龍を切りつけるが、龍は直ぐに傷を回復させる。
(だめだ、片腕だけじゃ浅い....だけど、上手く翻弄できている、このまま続ければいずれは..!!)
二人は龍の周りを飛び回りながら、フェイトが切りつけ、アルフが殴り付けたりと、徐々に龍にダメージを与えていった。
(パワーじゃ勝てないならスピードで!!)
(徐々に体力を奪っていく!!)
何度も何度も、フェイトとアルフは龍に攻撃を入れていく。
暫くすると突如龍の動きが止まり、フェイトとアルフは困惑し、念話を繋げる。
(動きが止まった、どう思うフェイト?)
(分からない、もしかして弱っている?)
(じゃあ、このままトドメさすかい)
(いや、このまま飛び回って様子を..)
瞬間、龍についていた小さな前足が、
「えっ!?」
「なにっ!?」
龍の変化はそれだけに収まらず、でかかった顔は小さくスマートになり、小さな後ろ足は巨大樹の用に太くなる、長く伸びていた動体は人間の物に近くなり図体はでかくなる、そして龍は地面に降りたつ。
全身を変形させた龍は天に向かい雄叫びを上げる。
[ギャオオオオォォォォオオオオァァァアアアア!!!]
瞬間、龍の口から光が放たれて、光はある程度の高さまでいくと膜の用な物を発生させて旅館を含んだ一帯を包み込んだ。
そう、龍は辺り一面に結界を作ったのだ。
龍は結界が張られたのを確認すると、真っ赤な目を二人に向けて手に力を込める。
「ぐぅ、がぁ..っっ」
「ちくしょう、離し...やがれ、っっ」
フェイトとアルフは苦しそうな声を上げる、龍は遊んでるように徐々に徐々にその手に力を込めていき、ついに二人からはバキバキと嫌な音が鳴り、フェイトは血反吐を吐きだす。
「ゴホッ、ガァ」
「フェイ.....ト、ぐぅ、アァ!?」
アルフはなんとかして出ようと力を込めるが、力を込めれば込める程身体は軋み、激痛がアルフを襲う。
その中で、アルフはどうしようもない悔しさを感じていた。
(あたしが、フェイトを守らなきゃいけないのに..!!)
それはアルフとしての使命だった。
今は
すると、龍の腕の力が微かに弱まる。
「なっ、がっ」
「なに、を」
二人が微かに安堵した瞬間、龍は力一杯にフェイトを頭から地面に叩きつけた、そして続けざまアルフを野球ボールの用に地面に投げる。
ドゴォン!! という音と共にアルフは地面に衝突し、アルフは頭から血を流し気絶する。
龍はそれを満足そうに見ると、こっちも頭から血を流しボロボロになったフェイトを地面に投げ捨てて、旅館に向かっていく。
突然、空から桃色のビームが飛んできて龍に直撃する。
[ギャアァァオオオオ!?]
龍がビームの飛んできた方向をみると、服が所々焼け頭からは血を流し息を切らしている、白い魔法少女高町 なのはがいた。
なのはは龍に向けて杖を構える、その手は酷く震えていた。
「ハァ、ハァ、こ、ここから先には...行かせない!!」
なのはは杖の先端に魔力を込めるが、龍は魔力が貯まる前になのはに腕を振り下ろす、なのはは防御が間に合わず地面に叩き落とされる。
「ぐぅがぁ、アァ」
地面に叩きつけられた衝撃でなのはは血反吐を吐き出すが、龍の攻撃は終わらずトドメと言わんばかりに尻尾をなのはに振り下ろした。
ズガァン!! という音を立てて尻尾はなのはに直撃する。
「がぁ、ごふぅ、アァ!!?!!??」
なのはは更に血反吐を吐き出し、地面と尻尾に潰される激痛がなのはを襲う。
龍は今度こそやったと言わんばかりに雄叫びを上げる。
[ギャアァァアァァァァアアアアオオオオ!!!]
そしてゆっくりとゆっくりと旅館に向かって行く。
なのはは朦朧とする意識の中旅館に向かう龍に手を伸ばす。
「だ.......め、そっちには、みんな.....が」
なのはは目尻に涙を浮かべ、尚も龍に手を伸ばすが、なのはの意識はそこで途絶えてしまう。
その頃、カイは丁度かおりが吹っ飛ばされた場所に向かっていっていた。
「ハァ、ハァ、かおり先生かフェイトかなのはかは解らないけど、さっきここに何かが..!!」
そして、カイが茂みを分けるとかおりが倒れているのをみつけた。
「かおり先生!!」
カイは急いでかおりに近づきかおりの胸に耳を当てて心臓が動いているのを確認する。
「....よし、心臓は動いてる! 生きている!!」
かおりの心臓が動いてるのが解ると、カイは着ている服の一部を千切って流れている血を拭き、血を拭き終わると服を脱いでバラバラに破き包帯代わりにして血の出ている部分に巻き付ける。
そこまでするとカイはオーブリングを探すが、目に見える場所には無かった、そしてカイは感ずいた。
「おい、まさか...オーブリング、この山のどっかに吹っ飛んでいったのか!?」
カイはそう言うと、旅館に向かっている龍の後ろ姿を見て、汗を流す。
「くそ、マジかよ...俺が想像してたより、ずっとヤバい事態になりそだ...!!!」
カイは急いで周りの茂みを分けて、オーブリングを探し始める、その顔には焦りが見て取れた。
今旅館内はパニックに見回れていた。
その怪物...いや、
彼女達は旅館内のどこを探しても居ないなのはを不思議に思い、外に出たのでは?と考え二人は外に出て、こっちに向かってきている龍の怪獣を見たのである。
それからは、二人が周りの人間に異変を伝え、異変を知った旅館に泊まりに来ていた人達は我先にと逃げようとするが、龍の張った結界のせいで旅館の門までしか行けず逃げ場等無かった。
その事実が旅館に来ていた人や旅館の従業員達をパニックに陥らせていた。
「どうなってんだよー!!!」
「帰らせてくれー!!!」
「もういやぁぁぁ!!!」
旅館に来ていた人達が叫んでいるその数メートル横で、高町 士郎と高町 恭也が言い争っていた。
「なのはを探しに行くのなら俺も行く!!!」
「いや父さんだけでいく、お前はここにいろ!!!」
「なのはは俺の妹だ、俺が助けに行く!!!」
「いや、危険すぎる、父さんに任せろ!!!」
「危険だってのは父さんも俺も一緒だろ!!!!」
「恭也!!!!!」
「ッ!?」
士郎はそっと恭也の頭に手を置き、恭也に優しく語り掛ける。
「恭也、お前の気持ちはわかる...だがお前はここにいてくれ...母さん達を守ってくれ」
その言葉に恭也はハッとして後ろを振り向く、そこには逃げてきた月村家となのはを抜いた高町家の面々がいた。
恭也はもう一度士郎の方を見る、士郎は優しい笑みを作る。
「父さん...」
「頼んだぞ、恭也...なのはの事は任せろ」
そこまで言って士郎は恭也の後ろにいる愛する妻高町 桃子を見る、桃子は目に微かながら涙を浮かべるが頷く、士郎は桃子に感謝を込めて頷き返し旅館に戻っていく、龍の怪獣はもう旅館の目の前まで来ていた。
恭也が士郎を見送っていると、ふと妹の高町 美由希が声を上げる。
「そういえば、カイ君やかおり先生や子ども達は?」
その言葉を聞いて高町家、月村家の面々はハッとすると同時に酷く動揺する。
養育館の子ども達はカイもかおりも居ない部屋の片隅に震えて固まっていた。
「ね、ねぇ...これ大丈夫かな?」
「カイ兄やかおり先生どこ行っちゃったのかな?」
「で、でもフェイトお姉ちゃんが部屋を出ちゃいけないって!」
そう言いながら、子ども達はお互いの恐怖を緩和しようと集まるが、
[ギャアァァアァァァァアアアアオオオオ!!!!]
「「うわぁあぁぁ!!!??!」」
突如子ども達のいた部屋の半分が破壊されて、その破壊後からは龍の怪獣が見えた。
「ーートーーフェーー」
その呼び掛けに反応して、フェイトは目が覚める。
フェイトの目の前にはアルフが今にも泣きそうな顔でフェイトを見下ろしていた。
「フェイト!!大丈夫かい!!」
「う、うん....大丈......夫」
「そうか...そうか」
フェイトはフラフラしながら立ち上がる。
アルフもフェイトを支えて、二人は龍の怪獣の後ろ姿を見て、話す。
「もう、あたし達じゃあいつは手に追えない...ここは引こうフェイト」
「...そう、だね」
フェイトとアルフはそっと空を飛び、その場を離れようとするが、ふとフェイトの頭に養育館の子ども達が浮かび上がる。
(「フェイトお姉ちゃん!!」)
(「くらえー!!!」)
(「うわぁぁ~、やられた~!!」)
(「あはははは!!」)
不思議にフェイトが止まる、アルフはそれを不思議に思いフェイトに声を掛ける。
「フェイト、どうしたんだい?」
「いかなきゃ」
「え?」
突然フェイトは旅館に向かって高速で飛んでいく、アルフは突然の事に驚くがフェイトの後を追って飛ぶ。
「「うわぁあぁぁあ!!??!!」」
子ども達は龍の怪獣が現れた事で泣き叫ぶ、龍はその泣き声を鬱陶しく思ったのか、その口に炎を貯めて、特大の炎弾を子ども達に向かって放つ。
子ども達は恐怖に身体を支配されて、その場を動けなかった、炎弾は真っ直ぐに子ども達に向かい。
「....え?」
子ども達が前を見るとそこには、鎌を持ち子ども達を守るフェイトの姿があった。
フェイトは傷だらけの顔で優しい笑みを子ども達に向ける、子ども達はフェイトを見て困惑すると同時に安堵した。
そこにアルフが駆けつける。
「フェイトいきなり....成程そう言う事か」
「アルフ、お願い」
「....わかったよ」
アルフは子ども達に駆け寄り、話し掛ける。
「あんた達、立てるかい?」
「アルフ...お姉ちゃん」
「あぁ、あたしだよ...ここから逃げるよ」
「え、でもフェイトお姉ちゃんは!?」
「私なら大丈夫だから...行って」
「フェイトお姉ちゃん」
「そら、逃げるよ!!」
アルフは子ども達を誘導し避難させる。
フェイトはそれを見ると、龍に向き直る、一度完膚なきまで叩きのめされた相手、ダメージも残っている、でもフェイトは恐怖を感じて無かった、それどころかさっき戦った時よりも心持ちが強くなっていた。
(恐怖は無い....それどころかこの沸き上がる気持ちは何?)
フェイトは解らなかった、何故ならフェイトは今まで
フェイトは困惑するが、フェイトは頭をリセットして龍に飛び掛かった。
カイは急ぎながら茂みを分け、オーブリングを探していた、そしてふと、茂みの奥に幅一メートル程の亀裂を見つけた。
「何だこの亀裂、さっきの地震で割れたか?...ん!」
そこでカイは奥の亀裂の瓦礫部分にオーブリングが引っ掛かっているのを見つける。
「オーブリング!こんな所に...これで!」
カイはオーブリングに手を伸ばすが、あと数十センチの所で届かなかった。
その事実にカイは動揺する。
「いや....いや、いやいや.....おいおい、おい!!!何でだよ!!!!! 今、必要なんだ!!!何でだよ!!!頼むよ!!!届けよぉ!!!!」
カイは身体を乗り出して手を伸ばすが、やはり後数センチの所でオーブリングには届かなかった。
アルフが子ども達を連れて出口に向かっていると、なのはを探しにきた士郎を見つけ、声を掛ける。
「おい、あんた!!」
「! な、君達は!?まだ逃げてなかったのか!!」
「この子達頼んだ!!」
「え?」
アルフは子ども達を士郎に預けて、フェイトの元に向かう。
士郎は突然の事に困惑するが、子ども達の安全が一番と考えて、子ども達を外に誘導する。
破壊された旅館を舞台に龍とフェイトは戦っていた、フェイトは龍の周りを飛びながら残りの魔力を絞りだして金色の光弾を放つ。
しかし、どれも決定的なダメージは与えられなかった。
(ダメか、やっぱり直接切りつけた方が..!!)
龍の振り回した尻尾がフェイトに向かってくるが、フェイトは上に飛ぶことで避ける、龍の振り抜いた尻尾はそのまま旅館を破壊して止まる。
龍は尻尾の攻撃を避けられたので、フェイトを腕で叩き落とそうとするが、突如現れた緑色の鎖に動きを止められる、それと同時にフェイトの後ろから飛んできた桃色の光弾が龍の目に直撃する。
フェイトは咄嗟に振り向く、そこにはボロボロになったなのはがいた、なのはは傷ついた顔で笑顔を作ってフェイトに近づきフェイトの隣にきて話し掛ける。
「私、高町 なのは!!」
「.......フェイト・テスタロッサ」
「フェイトちゃん、よろしく!!」
そこにアルフが合流してきて、なのはにギョっとして、なのはを威嚇するがフェイトがそれを止めて、なのはに話し掛ける。
「私は奴を倒したい....でも、私達じゃ無理なの...そこで今回だけ...手を組まないかしら?」
「!」
フェイトの発言になのはは驚くが、直ぐに笑顔になる。
「うん!私もそうしようと思ってたの!!」
「....そっちの、あー、フィレット? は?」
フェイトがそう言うと、なのはの背中からユーノが出てくる、ユーノはフェイトとアルフを見ると頷く。
「決定だね...」
「うん!」
なのは、ユーノ、フェイト、アルフ、は目の前にいる龍の怪獣を鋭く見て構える、今この瞬間二人の魔法少女とその付き人が手を組んだ奇跡のチームが誕生した。
龍は、そんななのは達を見て咆哮を上げる。
[ガァァァアアアアアオオオオオオオオゥゥゥゥ..!!!!]
龍は炎弾をなのは達に放つが、なのは達は四手に別れて避ける、そしてフェイトがなのはに向かって叫ぶ。
「私達が接近するから、あなた達は援護を!!!」
「わかった!!!」
フェイトとアルフが龍に突っ込んでいく、龍ははたき落とそうと腕を上げるが、それと同時にユーノが魔力を発生させ叫ぶ。
「バインド!!!!」
ユーノの声に応じて、緑色の鎖が龍の腕を縛り拘束する、フェイトとアルフはその隙に龍の懐に入り、フェイトは斬撃をアルフが打撃を食らわす。
龍は口を開けて炎弾を放とうとするが、炎弾が放たれるより先に杖を龍に向け魔力を込め叫ぶ。
「デイバイン バスター!!!!」
なのはが放ったビームは龍の顔面に直撃し、更に炎弾を暴発させる、顔の半分以上が吹き飛び龍は苦しそうにもがく、それでも龍の再生速度は速くどんどん顔を修復していった、しかしそれと同時に動きが止まる。
フェイトはその隙を逃さなかった。
「アルフ!!!」
「了解!!!!」
フェイトは素早く龍の後ろに回り足元までくると、速度を乗せて龍の両足のアキレス腱を切り裂く。
龍はアキレス腱を斬られた事でバランスを崩し、そこにアルフが強烈なアッパーを食らわせる。
その衝撃で龍は完全に後ろに倒れる、それを見てフェイトがユーノに向かって叫ぶ。
「今だ!!!!」
「そう言う事か!!」
フェイトの意を汲んだユーノはなのはから離れて、もってる魔力を全快にして叫ぶ。
「これが僕の全力だ!!!! バインドォォォォ!!!!!!!」
さっきよりも太い緑色の鎖が龍の全身をしばる、龍は抜け出そうと暴れるが、ユーノは踏ん張る。
そして空中ではなのはとフェイトが合流していた。
二人は頷き会い、お互いの杖の先端を龍に向け、杖の先端に魔力を込める。
「これで.....終わり」
「私の全力全快!!」
二人は魔力を限界まで込めると、力強く叫んだ。
「サンダースマッシャー!!!!」
「デイバイン バスター!!!!!!」
フェイトとなのはの放ったビームはそれぞれ龍に直撃する、それでも二人は残りの魔力を更に込める、二人が魔力を込めるにつれ二つのビームはどんどん太くなっていき、やがて龍の全体を包み込み、大爆発を起こした。
「ハァ、ハァ、ハァ」
(手応えはあった...倒せた、の)
なのは達は爆煙を見下ろす、暫く燃え盛る火の音だけが続き、その時間がなのはやフェイトの警戒心を削いでいき
突然、爆煙の中からフェイトに向かって炎弾が放たれる。
「!?」
「フェイト!!」
炎弾に反応したアルフが割って入り、アルフは炎弾に直撃する。
「アルフ!!」
ユーノは突然の事態になのはの元に行こうとするが、爆煙の中から
ユーノは攻撃を食らい朦朧とする意識の中、
(あぁ、なのは...やっぱり君をジュエルシード集めに巻き込むんじゃ無かった...!!)
ユーノの意識はそこで途絶える。
一方、空中にいるなのはとフェイトも龍の姿を見て理解する。
「そんな、全身を硬い甲羅で纏って..私達の攻撃を防いだ....そんな事できるなんて!!」
龍は甲羅で出来たハサミを鈍器として、なのはとフェイトに振り抜く。
二人は障壁を張って防御するが、二人に残った魔力は殆ど無く、障壁は呆気なく破壊され、二人は攻撃をモロに食らい地面に叩きつけられる。
「ぐぅ、あぁぁぁあああ!!!?」
「がぁ、ぐぅ」
地面に叩きつけられ、フェイトは左足がひしゃげて、なのはは左腕があらぬ方向に向いており激痛が二人を襲った、さらに周りの炎がさらに息苦しさを二人に与えていた。
それに追い討ちを掛けるように、魔法で作られた服は解除されて二人は私服に戻る。
なのはは激痛に顔を歪ませながら前を見る。
そこにはなのはとフェイトを見下ろす、龍の怪獣がいた。
カイは尚もオーブリングに手を伸ばすが、それでも届かない。
カイは地面を叩き、燃え上がる旅館を見る。
「このままじゃ、みんな死ぬ...なら」
カイは数メートル亀裂から離れる、そしてカイは覚悟を決める。
「俺の命くらい賭けてやる!!!」
そう叫びながらカイは亀裂に飛び込み、オーブリングに手を伸ばすが、オーブリングは掴めずに掠り、その衝撃でオーブリングは亀裂の奥に落ちていく。
「まだだ!!」
カイは落下しながら体制を調節して、オーブリングに向かっていく。
「うおぉぉぉぉおおおおおおおおぉぉぉおおおおお!!!!!」
カイは雄叫びを上げながら、落下しているオーブリングに手を伸ばし、掴む。
「よし!!!」
そして亀裂の奥にある岩盤まであと数センチの所でオーブリングを掲げる。
オーブリングの光がカイを包み込んだ。
紫色に光る異空間に移動したカイは直ぐにウルトラマンのカードを手に取る。
「ウルトラマンさん!!!」
[ウルトラマン! ヘアッ!!!]
カイがカードをオーブリングにリードすると、カードは青い粒子となり、カイの左隣にウルトラマンとして現れる。
カイは続けざまティガのカードを手に取る。
「ティガさん!!!」
[ウルトラマンティガ! ジャ!!!]
カイがティガのカードをリードすると、カードは黄色い粒子となり、カイの右隣にウルトラマンティガとして現れる。
そしてカイは力強く叫んだ。
「光の力.......お借りします!!!!!!!!!」
[フュージョンアップ!!!!]
[ウルトラマンオーブ!!! スペシウムゼペリオン!!!!]
光の球体は亀裂から出て高速で旅館に向かって行った。
龍は全身を覆った甲羅を解除して足を上げる。
なのはとフェイトはそこで死を悟った、さっきまでは魔法で作られた服を着ていたので、なんとか攻撃に耐えてきたが、もうそれは解除されて、この攻撃を耐える耐久性は二人には無い、魔法少女と言えど、二人も少女なのだ、そう少女なのだ。
だからこそ、なのはは死を悟るのと同時に思った、それは九歳の少女として当たり前の思いだった。
(私、これで終わり? いやだ、いやだ、終わりたくない! 私まだ何もしてない、出来てない!!)
なのはの頬に一つの涙が流れ、なのはは呟く。
「誰か助けて...」
龍が上げた足がなのはとフェイトに下ろされるが、突然現れた光の球体が龍を吹っ飛ばす。
光の球体は、そのままなのはとフェイトを回収し地面に降り立つ。
なのはとフェイトは突然の事に混乱するが、側にアルフとユーノが居るのを確認すると、フェイトはアルフになのははユーノの元に行く。
「っっ、アルフ、アルフ!!」
「ユーノ君、大丈夫..?」
『二人...いや、
「「え?」」
ふとなのはとフェイトは声を掛けられて周りをキョロキョロし、そして気付いた、今自分達が
なのはとフェイトは光を見上げる、光は徐々に弱くなりその者の全体が見えてくる、そこには
「オーブ....さん!?」
五十メートル程のデカさがある、ウルトラマンオーブがいた。
なのはとフェイトがそのデカさに驚いていると、オーブがなのは達に左手を向けて光を浴びせる。
すると不思議な事になのは達の傷は治っていく、その事に気付いてフェイトは驚く。
「傷が...!!」
ある程度まで治ると、オーブは光の掃射を止めて、なのは達を地面に戻し、話し掛ける。
『君達のお陰で...犠牲を出さずにすんだ....それは君達四人のお陰だ、ありがとう』
「オーブさん..」
「....」
表情の無い鉄仮面、なのになのはとフェイトにはオーブが微笑んでるように見えた、それはとても暖かい物だった。
そこで今までの苦しみや痛みが一斉に来たのかなのはは大粒の涙を流し始める。
「うぐっ、止まら、ひっく、ない、よぉぉ」
オーブはそんななのはに手を向けて、人差し指でそっと頭を撫でて、続けざまフェイトの頭も撫でる。
そして、優しく語り掛ける。
『よく頑張ったね...本当に.......後は任せて』
そこまで言ってオーブは龍に向き直る、龍はオーブを睨み付け威嚇する、オーブはそれに怯まず構えて名乗りを上げた。
「俺はオーブ!! 闇を照らして 悪を討つ!!!」
子ども達「「ウルトラマンオーブだ!!」」
恭也「ウルトラマンだと!?」
士郎「あれに、俺達の命運が懸かっている」
なのは「がんばって、オーブさん!!」
フェイト「.....」
オーブ「シュワ!!!」
次回「行こうぜ温泉旅館!! 後編」