翌日の昼過ぎ。
今日遂にグリフィンドールVSハッフルパフのクィディッチが開催される。
ロン、ハーマイオニーと共に更衣室の外で「幸運を祈る」とハリーを見送った。
グリフィンドール生の席を探しに行く。
ちらりと先生の席の方を見てみると、ダンブルドア先生が居た。
これじゃ、クィレル先生邪魔できないね。
ロンとハーマイオニーがスタンドに居るネビルの横に座る。
私達はその後ろの席に座る。
「いいこと、忘れちゃダメよ『ロコモーター モルティス』よ」
「分かってるってば」
前の席に座ったハーマイオニー達は先日ネビルとマルフォイとのやり取りを見てハリーに内緒で『足縛りの呪文』をひそかに練習していたのであった。
その練習は無意味になるとは知らずに。
クィディッチの選手達が入場してくる。
スネイプ先生が悔しそうな顔をしているが、クィレル先生の事だろうな。
もっとも、ロン達は誤解しているが。
「みて、スネイプがあんなに意地悪な顔をしたのを見た事ないわ」
「さぁ、プレイ・ボールだ!アイタッ」
ロンの頭をマルフォイが叩く。
「ああ、ごめん、ウィズリー。気が付かなかったよ。この試合ポッターはどのぐらい箒に乗っていられるかな?掛けるかい?ウィズリー」
クラップとゴイルに向かってニヤッと笑いながら言う。
ロンは答えない。
クィディッチの方はジョージがブラッジャーをスネイプの方に打ったとして、ハッフルパフにペナルティー・シュートが与えられた。
ハリーは高いところからスニッチを鷹のようにぐるぐる回りながら旋回している。
「グリフィンドールの選手がどのように選ばれたか知っているかい?」
マルフォイがしばらくしてから聞こえよがしに言った。
ちょうどスネイプ先生がなんの理由もなくハッフルパフにペナルティー・シュートを与えられた所だった。
「気の毒な人が選ばれてるんだよ。ポッターは両親がいないし、ウィズリー1家はお金が無いし。――ネビル・ロングボトムもチームに入るべきだね。脳みそがないから」
「マルフォイ、ぼ、僕は君が10人束になっても叶わないぐらい価値があるんだ」
どもりながらネビルがそう言ったのでドラコ、クラップ、ゴイルは大笑いだ。
…友達のどもりを大笑いするのは少し許せん。
なので、3人に足縛りを掛けた。
肩ぐらいの幅に広げていた足が急にピッタリとくっ付いた事で驚く3人だったが、口だけは達者のようでこの場から逃げようともしない。
…人が多すぎるからウサギ跳びしても逃げられないからだろうけど。
『マルフォイ、滑稽だな。終わるまでには解除したるから』
「ロン!!ネビル!」
ドラコに約束をした時ハーマイオニーが叫んだ。
ハリーは突然急降下を始める。
その潔さに観衆は息を飲み大歓声をあげる。
「運がいいぞ!ウィズリー、ポッターは地面にお金が落ちてるのを見つけたに違いない!」
周りからの反応を見て声を上げるドラコ。
『ある意味お金かもしれないけど――ロン、相手をよく見てみろ、動けない相手を更にノックアウトするのか?』
ドラコが言い終わった瞬間にロンはドラコに馬乗りになり殴ろうとするが、私が足縛りの呪いもとい、体全体を動かせれない呪文を掛けているため口しか動かすことが出来ないのである。
この騒動をハーマイオニーは気づいてない。
ハーマイオニーは椅子の上に飛び乗り、声をはりあげているからだ。
ロンとドラコが睨み合いをしている中、突如スタンドがわっと沸いた。
『どうやら、ハリーがスニッチを取ったようだね』
「ロン!ロン!どこ行ったの?試合終了よ!ハリーが勝った!グリフィンドールが首位に立ったわ!」
隣に居ないロンを心配しつつも椅子の上で飛び跳ね、前列にいたパーバディに抱きつくハーマイオニーだった。
ロンは未だにドラコと睨み合いをしている。
『はい、グリフィンドールの勝ち。『フィニート』』
5分程度で終わったクィディッチだった。
時刻は16時。
人に潰されない内に城に戻るか。
そして、少し厨房に行ってお菓子貰いに行こー。
厨房に行く途中ドラコと出くわした。
「アレキウルス、さっきのは悪かった」
『え、マルフォイが謝るなんて珍しい。何、体調崩した?大丈夫か?』
「体調とかは普通だ」
『そうなの?』
「体全体動かせなくて怖かったからな。あと…ロングボトムにもすまないとだけ伝えてくれないか?」
『伝えるけど、相手に真意が伝わるかなぁ。ドラコってネビル達から悪役扱いされてるよ…?』
「それでも構わない。僕は謝罪はあまりしなかったからな」
『分かった。今から厨房行くのだが、ドラコはどうだい?』
「行こう」