【ぬら孫】双子の兄妹は我が道を行く【奴良リクオ】【氷麗】   作:月華綾響

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双子は奴良家へ

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婚約者となったあの日、翌日には遠野の方へと挨拶に行って泊まり…その翌日に家に帰って来た。

 

しかし、その後に両親は羽衣狐によって殺された。

 

双子が家に帰って来た時には手遅れだったのだ。小学生になった頃、一通の手紙が届いた。

 

ぬらりひょんから、"我が家へ移り住め。使いの者は出す"という指示。双子はそれに従う事にした。

 

 

夜──…

 

 

「お迎えに上がりました。大翔様、水月様」

 

「三羽鴉様」

 

「ふふ、水月様…いえ、姫様。私の事はささ美とお呼び下さいませ。敬語も要りません。総大将と"あのお方"から姫様の側近に任命されましたので」

 

「ささ美…分かったわ。宜しくね」

 

「はい」

 

 

「大翔様、我々の事は黒羽丸とトサカ丸とお呼びくだされ」

 

「側近に任命されましたので、宜しくお願いします」

 

「ああ、宜しく頼む。黒羽丸、トサカ丸」

 

 

「では、参りましょう」

 

ささ美は水月を、黒羽丸は大翔を抱える。トサカ丸は緊急の戦闘係であった。

 

家にある家具等は既に奴良家に配送済みである為、荷物は少なかった。

 

「ささ美」

 

「はい、姫様」

 

「…頼りにしてるからね」

 

「!…お任せを、姫様」

 

ささ美の返答に満足した水月。

 

そうこうしてる内に奴良家に着いた。

 

「大翔君!水月ちゃん!」

 

双子は降ろしてもらい、若菜に抱き締められる。

 

「良かった、良かったわ…2人だけでも、無事で」

 

親友の優菜を亡くした悲しみと、双子が無事でいる事に対する喜びとで涙を流す若菜。

 

「若菜、様」

 

「っ、我慢しなくていいのよ。泣いたって、いいの」

 

「「っ、」」ポロポロ

 

静かに泣く双子を強く、優しく抱き締める若菜は心に誓う。

 

必ず、この子達の笑顔を守り続ける。と。

 

 

 

そのまま疲れて眠った双子。

 

翌日に目を覚ますと、隣には其々の婚約者が眠っていた。

 

「っ、ちょ…リ、リクオ君?リクオ君ってば!」

 

「ん、んん…?

あ!おはよ水月!」

 

「え、お…おは、よ?」

 

 

「氷麗、起きてくれ氷麗」

 

「んん…?

あ、大翔様!おはようございます!」

 

「え、あ…おはよ」

 

双子は顔を見合わせて首を傾げた。

 

その時、障子が開く。

 

「あらあら、居ないと思ったらここに居たのね。リクオ、氷麗ちゃん」

 

「あ、若菜様!」

 

「ほらほら、今日は学校でしょう?早く準備して来なさいな。氷麗ちゃん、お願いね」

 

「はーい!」

「はい!」

 

2人が退出した後、若菜は双子に向き直る。

 

「よく、眠れたかしら?」

 

「…一応は」

 

「そう…」

 

再び来訪者が現れた。

奴良鯉伴、奴良組二代目だった。

 

「どっかで見た事があると思えば、お前さん…"あの人"と一緒に居た娘だろ?」

 

「「"あの人"…??」」

 

「名前で言わないと分からないか…」

 

「ふふ、綾響様の事よ。黒崎綾響様。水月ちゃんなら、会った事があるんじゃないかしら?優菜や月様の恩人」

 

「!あの人の事なのですか!?」

 

「大翔君はどう?」

 

「俺は、名前だけならよく聞かされてたので分かります」

 

信じられないという表情の水月と首を傾げている大翔。2人はクスクスと笑っている。

 

「今呼んだら来てくれるかもな」

 

「なんだ親父、呼べんのか?あの人を」

 

「お義父さん、出来るんですか?」

 

「ええ機会やからの、呼び出したるわい」

 

「「え?」」

 

これは本人から教えられた唯一の術式。扱えるかどうかはソイツ次第。

 

さて、現れるか否か。


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