超弩級戦艦駿河、推して参ります!   作:気まぐれ猫

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どうしよう・・・こっちの方がなんだが筆が進むぞ・・・?
いったいどういうことか理解不能デース!
というか、まぜこぜになってきてマース!


第三話「始まったイレギュラー」

「コンゴウがやられた?」

 

『コンゴウだけではなく、マヤもやられた。そこでお前に代役を命ずる』

 

 概念伝達でヒエイはナガトから衝撃の通達を受ける。向こうも同じらしく、信じられないというような顔をしていた。

 ナガトがいうには、コンゴウからの定時連絡がないことを不審に思った400がコンゴウに呼びかけてみようとしたが、コアの反応がないことに気が付く。彼女がいる海域へ向かうと、そこには大破して沈没寸前のコンゴウとマヤがいた。理由を聞こうとしたが、コアの内部まで破壊されかけていたため、会話することは不可能と判断。理由を聞くために曳航して本格的な修理に入るため、コンゴウの穴を埋めるためにヒエイに代役が回ってきたんだそうだ。

 

「いったいどういうことだ? あのコンゴウがやられるなんて」

 

「まさか401にやられたと言うの?」

 

 彼女の艦隊にいるアシガラやナチ達が騒ぎ始める。以前にもヒュウガがやられたことを知った時もこのようなことになったが、今回は別だった。ヒュウガも同じ大戦艦級だが、性能はコンゴウよりも劣っており、メンタルモデルを持っていなかった。そのヒュウガよりも性能が遥かに優れており、旗艦を務める彼女がやられるのは限りなく0に近いはずだった。

 

「一体どういうこと? まさか401にやられたと言うの?」

 

『いや、401は現在横須賀に向けて進行中で、コンゴウがいる海域とは違う場所にいた。よってあいつらをやったのは他の船だと考えられる』

 

「まさか、人類が401に変わる新兵器を開発した・・・?」

 

 ヒエイは即座に軍のネットワークにアクセスしたが、目ぼしいもの振動弾頭と試作白鯨についてだけだった。しかし、白鯨がコンゴウを率いる艦隊を撃沈したという情報はない。

 

『人類が開発した振動弾頭と試作白鯨。今のところそれらしいのはその二つだが、その案も却下された』

 

「日本は海上封鎖がされていて、コンゴウ達が見張っていた。それに人類が私達のレーダーに探知されないものを造るのは不可能。そうなると一体誰がコンゴウたちを撃沈したというの?」

 

『現在、400と402が原因を調べている。お前はコンゴウが直るまでの間、東洋方面第一巡航艦隊旗艦を命ずる。いいな?』

 

「了解しました。これよりコンゴウのいた海域へ向かいます」

 

 ヒエイがナガトとの概念伝達を切ると、隣にいたミョウコウが考え込んでいた。

 

「どうしました、副会長?」

 

「ヒエ・・・いえ、生徒会長。今回の件、ナガトたちは何か隠していませんか?」

 

「隠し事?」

 

 ヒエイは不思議そうにミョウコウの疑問を反復する。ヒエイの艦隊は人間たちの学校で作られている生徒会をまねしようとしている。そのため、生徒会に必要な映像や資料を豊富に読んでいるのだ。その中でミョウコウは人間の心理について調べている。

 

「ナガトはこう言いましたね、『現在400と402が原因を調べている』と。これは人類の中で嘘を誤魔化すために使われる言葉です」

 

「何・・・?」

 

 ミョウコウの言葉に艦隊は静まり返る。武闘派のアシガラでさえも大人しく耳を傾けていた。今、艦隊の眼は全てミョウコウにむいている。

 

「本当は原因が分かっているのに『原因を調べている』というのは、その情報がよっぽどナガトたちにとって悪い事か。もしくは本当に見当がついていないか。後者であるとしたら後釜にはいれなんて言わずに私達に警告をするはずです。それをしないという事は、手に入れた情報がよっぽどナガトたち、いえ、私達霧の艦隊にとって最悪の物なのでしょう」

 

「ミョウコウ。他の艦隊はどうなんですか? このことは伝えられていますか?」

 

「ちょっと待ってください・・・」

 

 ミョウコウは日本近海にいる霧の艦隊へ概念伝達を使って会話を試みると、皆同じようなことが聴かされていたが原因は調査中とのことだった。

 

「おかしいですね。もし副会長が言っていることが本当だとしたら・・・」

 

 ヒエイは霧の艦隊を生徒会ルールで『霧とは本来美しいユニオンを誇る存在である』ということを他の艦隊に教えようとしている。その中で唯一彼女が許せないのは、隠し事をされることだ。隠し事をされると、それによって思わぬことが起きて今まで築いてきたことが崩れ去ってしまうことがある。だから、ヒエイは間違った情報を嫌い、正体を確かめようとする。ナガトから言われたことが嘘だとしたら、本当は何を掴んだのか。彼女の中で、その思いがむくむくと湧き上がってきた。

 

「ねぇねぇ、副会長。ちょっと質問があるんだけどいいかな?」

 

「なんだ、アシガラ。いつも突っ走るばかりのお前が動く前に質問とは珍しい」

 

「コンゴウがやられたってことはさ、やった奴はコンゴウより強いってことになるでしょ?」

 

「まぁ、必然的にそうなるな。コンゴウ型は大戦艦級でもトップクラスに入る性能を持ち合わせている。ナガト型には敵わないがな」

 

「~~~~~っ!!」

 

「ア、アシガラ?」

 

 今まで黙っていたアシガラがミョウコウの答えを聞くと、何かを貯めるように震え始めた。感情エミュレーターが徐々に上がっていくことに気付いたアシガラの姉妹艦が不安そうな声を出す。彼女は人間でいうところの『脳筋』『お馬鹿キャラ』『残念な美少女』に分類されているため、非常に感情の動きが激しい。そのため、今までこんなに貯めることがなかった。そして数値が限界まで上がった途端に、奴は・・・弾けた。

 

「いやっほー!! これこれ、この瞬間を待っていたのよーー!!」

 

「待っていた?」

 

「だって今まで人類の船なんてすぐに片付けられるでしょ? それに向こうの兵器なんてものは全然効かないし、物足りなかったのよね。あのコンゴウを倒したってことはよほど強いってことになるわ!!」

 

「ああ・・・やっぱりいつものアシガラだ」

 

 はしゃぎまわるアシガラを見て、他の面々は安心して息をつく。アシガラはバトルジャンキーでもあるため、非常に好戦的だ。ヒエイは彼女を第二のキリシマと思っている。

 

「姉さん、少しは落ち着こうよ。またミョウコウ姉さんに拳骨されるよ?」

 

「あんたは分かってないわね! 来る日も来る日も海をただただ回っているだけで戦えない。前は人類も仕掛けてきたんだけど、こっちのワンサイドゲームで終わっちゃって不完全燃焼なの! もうこっちから仕掛けに行きたいの!」

 

「落ち着けアシガラ。確かにその通りだが、我々にはアドミラリティ・コードがある。逆らえば処分されるぞ」

 

「分かってるわよ! でもね、ここで腐っているのは面白くないの! コードとヒエイがいなければすぐにコンゴウをやった奴を探し出して勝負してやるわ! きっと今までにないスリルになるわよ~~」

 

「401はどうなんだ? あいつもお前の標的になると思うが」

 

「あ? だめ、潜水艦はパス。私はね、艦隊決戦って奴をやりたいの。まさに船と船の小細工なしのガチンコ勝負を望んでいるの!」

 

 うっとりとした顔をして力説しているアシガラをミョウコウはあきれた目で見ていた。ヒエイは黙って生徒会名簿を見ていたが、静かに閉じるとアシガラに話しかけた。

 

「アシガラ、あなたは戦いたいのですか?」

 

「ええ、戦いたいわ。私達は軍艦という兵器。戦いの他に存在価値はないし、戦いの中でしか輝けない。それにナガトが言っていることが嘘だとしたら、真実を見てみたいでしょう」

 

「ええ、私も真実を知りたい。もし、ミョウコウの言っていることが当たっているとすれば、ナガトは何を隠しているのか。実に興味があります」

 

「会長!?」

 

 今までにないヒエイの言動にミョウコウは驚くが、同時に喜んでもいた。彼女も心の奥底ではこんな海を徘徊するだけではなく、人類と砲火を交えてみたかったが自分たちと人類とでは圧倒的に性能が違いすぎる。そのため、ずっと抑えてきたがようやく解放されるかもしれないと思った。

 

「それなら探しに行けばいいじゃない。コンゴウがいた海域までの通り道で探し見ましょう。最終的にはそこに行くから道中で調べれば何の問題もないわ。仮に原因を見つけられたとしたらナガトかヤマトに聞けばいいし、本当に分かっていなかったら詳細を教えればいい。どう、悪い事じゃないでしょ?」

 

「ね、姉さん。ごめんなさい、生徒会長。うちの馬鹿姉がご迷惑をおかけします」

 

「馬鹿姉とは何よ馬鹿姉とは!」

 

「まぁまぁ、二人とも落ち着け」

 

 喧嘩になりそうなハグロとアシガラをナチがなだめている中、ヒエイは演算をフル回転で行っていた。その証拠に電子サークルが現れて様々な数値が示されては消えていく。やがてサークルが消えた時、ヒエイの船が動き出した。

 

「生徒会長・・・?」

 

「これより、コンゴウのいた海域へ航路をとる。ただし、コンゴウを大破させた正体不明の敵がその海域にいる可能性が高いため、少し遠回りをしていくことにする」

 

 ヒエイの言葉を聞くと、自分の欲求が叶いそうなことに歓喜の声を上げて喜んでいた。他の船も同じように喜んでおり、退屈から解放されると思っていた。

 

「いいのですか? このような行動をとってしまって」

 

「いいのです。これも生徒会ルールとしておけば、ナガトも納得するでしょう。いざとなれば生徒会に引き込めばいいのですから。副会長、ナガトに相応しい役職はありますか?」

 

「え、え~と・・・」

 

 ミョウコウが適切な役職を考えている間にも、ヒエイは進んでいく。彼女を動かしているのは何なのか、ミョウコウは全く分からなかった。

 

 

 一方その頃、自分の撃ったミサイルが敵の旗艦に大ダメージを与えたことに全く気付いていない駿河はと言うと・・・

 

 

「むむむ。牡丹鍋もなかなかいいな」

 

 すっかり暗くなった島に家を建てて、牡丹鍋を食していた。鍋の中では少し前にとれた猪の肉が入っており、おいしそうな匂いを部屋中に充満させていた。島に着いた俺は、島全体の様子を調べることにした。すると、おそらく島の住人が飼っていた牛や豚などが野生化していたり、畑で作物が乱雑に生えている。どうやら人が去った後でもたくましく生き抜いていたようだが、安定した暮らしをするのには少々難しかった。そこで島の一部をくり抜いて艦艇をしまう様に妖精さんにお願いすると、島の整備を始めた。食料が取れやすいように田畑を直したり、野生化して増えすぎた個体の間引きを行って住みやすいように整備していった。これも妖精さん達のおかげで分からなかった作業もスムーズに進み、とりあえず生きる環境を作り終わった時には夕方で雨が降ってきた。そこで、畑で採れた作物や猪の狩りをして夕飯を食べていたというわけだ。

 

「とりあえず、これで生きる環境はできたな。工廠の方はどうかな?」

 

 意識を船体の方へ移すと、ガントリーロックで固定された状態の船体の横で作業着を着た妖精(以後工廠妖精)がどこから出したのかお酒や料理を食べてくつろいでいた。中には酔っぱらって倒れていたり、走り回っていたりしている。

 それは彼女たちが一仕事終わらせたことを示していた。妖精さん達は遊ぶ時は遊んでいるが、ちゃんと仕事をしてから遊んでいる。つまり、めりはりがしっかりとして切り替えが早いのだ。周りを見回せば岩肌が一つもなく、すべてナノナイトで構成された特殊金属で覆われており、船を直すための重機が点々と存在していた。どれもこれも最高水準でまとまっており、これだけでも工廠妖精の力を見せつけられていた。

 

「もう終わったのか。妖精さんの技術は世界一ぃいいいいいい・・・ってか?」

 

 某腹に機関銃を備えた男の台詞を言っているが、まさにその通りだ。これだけの設備を作り上げるのには何年もかかるはずだ。それを僅か一日で作り上げるなんて、技術者から見たらポルナレフ状態へなることは必至。それほど凄い設備だった。

 しかし、完成しているのは工廠だけであり、防衛システムは完成していない。もし、霧がこの島を見つけた場合は人類の秘密基地として襲い掛かってくるだろう。そうなってしまっては、せっかく作った設備が台無しになる。

 

「どうしようかね~~・・・」

 

 ステルスシステムで霧の目を欺くことが出来るとはいえ、もし有視界戦闘で自分の姿を捉えられてしまったら霧全体が襲い掛かってくることは容易に想像できる。人類が霧に対抗するための技術を得てしまったら、戦略が組めない霧にとって最悪の相手になりうる。そうならないようにするために401を駆る千早群像を倒そうとしており、対抗馬をなくそうとしている。

 それに波動エンジンで振り切れるとはいえ、すぐに概念伝達という奴で居場所を探知されて攻撃を仕掛けられるだろう。攻撃手段を封じられている以上、防御に徹するしかない。しかし、いくら防御力が高いとはいえ、物量で押された場合はどうなるか。クラインフィールドの上位版である波動フィールド(これも俺が名付けた)を破壊されてしまったとしたら、船体そのもので攻撃を受けることにある。それでも計算上では浸食弾頭を5000発以上、超重力砲を一発だけ受けれるとあるが、5000発以上浸食弾頭を受けてから超重力砲を受けた場合はどうなるのか。想像もつかなかったが、おそらく沈むだろう。そうならないためにもいち早く攻撃機能を回復させたいのだが、さっきあった連絡でも攻撃機能はロックされて使うことが出来ないと言ってきた。未だに原因は不明で、まさに

『主砲なんて飾りなのです! 偉い人にはそれが分からないのです!!』状態だ。

 

「よし、明日は実際に武装を見に行ってみよう。そうすればなにか分かるかもしれない」

 

 まだ俺は船を少ししか見て回っていない。まだ行っていない主砲部分に行ってみれば何か分かるかもしれない。

 そうしているうちにご飯と鍋が空になってきた。

 

「う~ん。流石に多すぎたかな・・・」

 

 食糧にあり付けたことが大きかったのか、思ったよりもたくさん作ってしまったようだ。捨てようにももったいないし、どうしようかな。よし、タッパーに詰めて明日の朝ご飯にしよう。そうすれば何とかなるな。となるとナノナイトを船体の方から取ってこないと・・・

 工廠に向かってナノナイトをとってくるために激しい雨に濡れながら小屋から出ると、水平線の先に何かが見えたような気がした。

 

「ん?」

 

 思わず足を止めて双眼鏡を袖から取り出して覗いてみるが激しい雨と風のせいか何も見えない。

 

「気のせいだったのかな・・・」

 

 双眼鏡を降ろそうとした時、いくつもの光が見えた。倍率を一気に上げて見てみると、そこで霧のナガラ級が必死に逃げている日本の護衛艦に攻撃を仕掛けていた

 逃げ回る護衛艦に次々と攻撃を仕掛けていくが、巧みな回避運動のおかげでまだ一発も当っていない。だが、使っているのは主砲だけで魚雷はまだ使っていないようだ。その様子はまるで、逃げ惑う兎を虎が面白半分に逃がしているようなものだった。

 

「おいおい、何やってんだよ・・・」

 

 あれじゃその内魚雷を発射されて終わりだぞ。それにどうして護衛艦がこんなところにいるんだ? 大海戦で海が閉鎖されたからこんなところまで船が来れるはずがない。それなのにどうして?

 疑問が次々と浮かんでくるが、そんなこと考えている場合じゃないことに気付く。早く何とかしないとあの護衛艦は沈められてしまう。

 

「・・・助けなきゃ」

 

 無意識の内に言葉がでるが、どうしようもない。攻撃機能はロックされているため、壁程度の役割しかできない。そんな自分にはどうしようもできない。

 

「でも、でも・・・!」

 

 でも、このままだと護衛艦に載っている人たちは死んでしまう。そう思ったらもう、いてもたってもいられなかった。

 

「ええい! もうどうにでもなれ!!」

 

 俺は急いで工廠へ走っていった。自分にやれることをやるために。

 




はい。第三話でした。
なんだが思わぬ方向に動き出したぞ・・・というか、平和に過ごすっていうのはどうなった!?
まぁ、仕方ないね!

では、また次回
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