寄稿文 『ドラゴンボールZ 真・超サイヤ人』 E’s story 作:Lton
改稿するかもしれませんが、とりあえずできた前編になります。
この回はほぼギャグなので、気軽に笑っていただけたら幸いです。
尚この話では、超(アニメ・漫画)・GT・ヒーローズ・レジェンズのネタを入れております。
前編ではGTとヒーローズですね。
ザマス編でベジータが言っていた「死に物狂い」と、その修行の方向性が決まるのは後半からになります。
それではどうぞ_φ(・_・
これは、とある日の地球―――ミスターサタンが娘夫婦に贈った豪邸に、サイヤ人の妻たちが子供を連れて集まっていた時の事である。
「ーぅわっ?!」
茶会によく合うのどかな昼過ぎの陽気の中、軽く吹いた風にビーデルが小さく悲鳴を上げた。チチが心配して声をかけ、パンを見ていたブルマも顔を向けると、体を竦ませている彼女の姿が見える。
「っー、すいません大丈夫です。今すごい気を感じて驚いちゃって。」
「何よあいつら。今日は大したことしないって言ってたくせに、また戦ってんの?」
「んだなぁ。」
呆れるブルマとチチに、慌ててビーデルが所見を述べた。
「えっと、たぶん違うと思います。これは……超サイヤ人に変身しているだけじゃないかと。」
「え?変身してるのに戦ってないの?」
「はい。さっきまでは、悟飯君が最近やってる変身の反復練習みたいに断続的に気が届いていたんです。だから、てっきり4人で変身の特訓をしているのかと思ってたんですけど……。」
「じゃあ何に驚いたべさ?」
その問いに口を詰まらせたビーデルだったが、自分を見つめる2対の目には抗えず言い淀みながら答えを発した。
「その……静かになったと思ったら突然ベジータさんの大きな気が届いて……それもなんか怒っているみたいで……。」
何かあったんでしょうか?と心配そうに言葉が続いたが、ブルマには心当たりがあったようだ。力を抜くように軽く答えた彼女の言葉には少しばかり呆れの感情が入っていた。
「あぁ、なら大丈夫よ。孫君かブロリーになんか言われちゃっただけだと思うわ。」
「悟空さならいつもの事だが、ブロリーさんもけ?」
「それがねー、ベジータったら今妙に上機嫌なのよ。元々あの2人が来てから嬉しそうだったんだけど、その後なんかあったみたい。」
「で、ブロリーがそれに納得してない感じだったの。まったく、せっかく地球に来てくれたんだから気持ち良く過ごして欲しいってのに、あの人ったらもう……。」
「どこも嬉しいのは
「そうね。うちも毎日トランクスがはしゃいでるわ。……そっかー。孫君、悟飯おじいさんの事でも話したのかしら?」
ブルマが占いババの試練を、チチは結婚式前の事件を、それぞれの思い出話を交えながら会話は続く。
さて、この時3夫人は気づかなかったが、冒頭の文章を覚えている方は恐らくこう考えている事だろう。
―――修行中の4人の気を感じる中で、なぜトランクスと悟天の反応が無いのか?ビーデルが驚いたベジータの気を、あの2人はいったいどこで感じているのか?―――と。
その答えは、今談笑する3夫人から離れた場所で、むしろ悟空達のいる場所の近くで木に引っかかっているゴテンクスがいると言えば大体分かるであろう。
だが、ベジータに何があったのかを説明する為に時を巻き戻してみよう。
◇◇◇◇◇◇
―――少し前、悟空の畑近くの山にて
「はぁーーーーー!」
超サイヤ人2の悟空が力をため込んでいる。筋肉が震え、顔に青筋を立てるその姿はかなり辛そうだ。
「ーーーーぐっ!……っく、うっ、だーもう無理だー!」
悲鳴を上げると同時に気が爆発し、悟空が超サイヤ人3になる。息をついた彼のそばには、惑星サイヤで再会した父親のバーダックが同じく3状態で直立していた。
「っち、やっぱダメか。悔しいが今一番“基本の超サイヤ人の引き上げ”に近いのは王子か。」
悔しそうに顔を横に向けると、そこには長い緑金髪の大男の前で高笑うベジータの姿があった。
「はーっはっはっは!どうしたブロリー!さしもの伝説様ではエネルギー制御もままならなかったか!」
「……」
―岩に叩きつけたい―と思っているのかは分からないが、ブロリーに反応は無い。
事実、超サイヤ人3が
“超サイヤ人2で超サイヤ人3の力を出している”ベジータには。
「……」
だがその現状にバーダックは納得できない。何故か受け入れている自分の息子に、ベジータを睨みながら小声で話しかけた。
「……おいカカロット、お前本当にあれの成り方知らねぇのか?」
「父ちゃん……。あれ未来のオラも出来なかった位、すげぇ難しい変身だぞ。」
「超サイヤ人4になったカカロットもか?」
驚くバーダックに悟空が頷いて答える。そこから紡がれたのは魔人ブゥとの闘いの後の、地獄にいたバーダックでは知りえない話であった。
「あっちのベジータが超サイヤ人3になったのは、パンとブラが生まれてからだ。3を慣らした後おらと勝負したけど、その時はおらが勝ったんだ。」
「その後しばらくしてからまた勝負したけど、その時にはもうベジータはあの変身になっててよ。おら全力で戦ったけど負けちまった。「俺は俺で力を得た」って、ベジータは宣言してたよ。」
「ほーぅ。」
流石サイヤ人の王子だと感心する父を見て、気分がよくなった悟空は更に未来のライバルの事を語りだした。
「まぁそれもあって
「ベジータならすぐ超サイヤ人4になれるとは思ってたけど、まさか初めてなった超サイヤ人4のフルパワーを、慣れてたおらに負けねぇレベルで使いこなせちまうとはな。やっぱすげぇや、あいつ。」
「流石にそこは少し悔しがれ。」
誇らしげに笑う息子にそんな言葉が届く訳がないと判断したバーダックは、先程の会話の中にあった事柄で一つ知らない事を尋ねた。
「ところでブラって誰だ?」
「あぁ、ベジータとブルマの娘だ。」
「は?」
「つってもおらも詳しく今は知らないんだけどな。」
「向こうのおらの記憶はあるはずなんだけど、『すぐにこっちでも起こるかもしれない未来は、この世界で起きてからじゃないと引き出せないのかも』って、プリカは言ってたからな。」
「未来の事ではっきり思い出せるのは、赤い神龍が弟子の修行を終えたおらを子供にしちまってからだな。」
「あーでもパンの顔は出てくんのに、弟子の名前も顔も出てこねぇんだよなー。戦ってる時の事は分かるのに!やっぱおらが弟子をとるってのがまだ分かんねぇからかなー?」
未来が楽しみだなーと、
ベジータとブロリーの方へ歩き出すバーダック。
悟空が声をかけるが背を向けたまま止まらず進み、すぐにベジータの――もう一度ブロリーに変身を見せようと力を込めている――後ろに着いた。
「ーーーなんだバーダック!集中の邪魔だぞ下がれ!」
「王子、あんた惑星サイヤじゃ超サイヤ人3になれなかったんだな。」
「 」
ベジータの気が解けた。
変身する力は抜けたが、そのままの体勢で固まっている。
悟空もまた、自分がやらかした事に気が付き固まった。だが、悟空はバーダックがなぜ怒ったのかは理解できていなかった。
バーダックは……『別の世界の自分の功績で傲るな』と、ベジータに対して言い様のない衝動に駆られてしまったのだ。
仮にこの世界のベジータが悟空同様、元々超サイヤ人3に成れていたか、または夢の世界での超サイヤ人4と戦闘力を得る為の激しい闘いを聞いていたならば。もしくは……悟空があまりにも嬉しそうに“未来のベジータ”の事を話さなければ、このような行動は取らなかっただろう。
それが息子の好敵手に対する親の感情なのか、サイヤ人の王族への敬仰であるのかはバーダック自身にも分からない。
だからこそ衝動のまま、彼は口を開こうとした。
すると予期せぬことが起きた。
「待てバーダック。気持ちは分かるが別段言うほどの事ではないぞ。」
なんと、ブロリーが止めに入ったのである。
「!お前が一番文句あるんじゃねぇのか?」
「……まぁ無くもないが、3になる前に
「あ?ゴッド?」
「……カカロット~。」
バーダックに説明していない事を名前を呼んで責めるブロリーに対して、硬直の解けた悟空は平素と変わらないように返事を返した。
「ぁ、あー……ブルーの前にも変身があるって位なら、おらも話したぞ?」
「……それしか話してないのか?」
「あぁ。父ちゃんがなるなら
ブロリーは浅いため息を深い意味を込めてついた。
だが大猿の修行を取った理由はバーダックに対しても、現状に対しても理屈が通っていた。
そして恐らく無自覚に大猿と分けて話したのだろう。聞きたいと言った
「簡単に言うぞ。超サイヤ人ゴッドは神の気を放つようになる変身だ。3より強化倍率が上、思考も冴える上に、体力の消耗が少ないそうだ。」
「ゴッドは名前に超サイヤ人とあるが、恐らく俺達サイヤ人にとっては大猿が近い。ノーマル状態を変更していると見ておけ。だからそれぞれにとっての超サイヤ人は、黄金大猿とブルーになる。」
「なるほど。3の上の神に、大猿の4と神のブルー……これが『変身のベクトルの違い』ってことか。」
「
納得するバーダックを見て、悟空もその説明に続く。
「ついでに言うと、ターニッブは4の事を『黄金大猿2なんじゃねぇか?』って言ってたぞ。向こうのおら達は鍛えてたからすぐ4になっちまったけど、『理性があっても黄金大猿にしかなれない段階があるかも?』ってな。」
平行世界の自分たちの修行を振り返りながら、軽く悟空が告げる。
「おら達も相当苦労してゴッドとブルーになったかんな。尻尾と理性があって超サイヤ人になれるだけで、すぐ『超サイヤ人4』になれるとは思えねぇ。」
「まぁ父ちゃんは真・超サイヤ人と統合した可能性があるから大丈夫だろ!」
「はっ!とっととなってやるから覚悟しとけ、ガキ共!」
決意とともに怒りを込めているバーダックに、なぜまた怒るのかを悟空が聞く。
「決まってるだろ。今4になれねぇ事と、今までその話を知らなかった事だ。」
「ったく、サイヤでおめぇらがぐーすか寝てる間にターニッブの野郎と知識も確認し合ってたとはな。知らずに王子の3に怒った俺が馬鹿みてぇだ。」
「確認っつっても、ちょっと戦いの反省した時のついでだぞ……。あれ?そう言えばそん時別に3の話してねぇよな?なんでブロリー、ベジータが3になれねぇって知ってたんだ?」
「あぁ、ブルマとトランクスから聞いた。」
「 」
―さて、ここでもう一度場面を思い出してほしい。
一連の会話は、バーダックがベジータに文句を言おうとした事から始まっている。
ベジータの正面には、変身を見せる為にブロリーがいた。そしてそのベジータの背後にバーダックが立ち、そのバーダックの近くに悟空が来たのだ。
つまりベジータは、会話に参加していないにも関わらず、ずっと中心で話を聞いていたのである。
自分がなっていない超サイヤ人3状態の3人の話を、ずっと黙って。
「 …………――――――――――――ッ!!」
我々にとっては当たり前だが――3人にとっては突如として気が爆発し、視界を砂埃と電撃が埋め尽くした。
その爆風と轟音は、驚かせて飛び入ろうと画策し、此処にこっそり近づいていた誰かを吹き飛ばし、その悲鳴を掻き消した。
しばしの静寂の後、そこには超サイヤ人3のベジータが立っていた。
はてさて、妻への言葉に反して戦闘が始まってしまうのだろうか?
そしてゴテンクスは見つけてもらえるのだろうか?
中編へ続く。
いかがでしたか?
後半(中編に変わりました)ではきちんとベジータに対するフォローが入ります。
フォローというより、『ベジータが3にならないのは当たり前』というような感じですね。
ブロリーの台詞の傍点を回収します。
前回書かせていただいた夢の世界のお話にも触れておりますので、お楽しみに。^^
P.S
今回、傍点・ルビ振りを使って書いたのですが、メッセージでも反映されているのかな……?
反映されていないときは、お手数ですが小説投稿機能にコピー&ペーストでお願いいたします。m(_ _)m
1/19
悟空が謝るシーンを訂正。理屈があってした事ならあまり慌てないし、冷静に返すだろう。だから知識のあるブロリーが悟空の言い分を補完する形で説明するようにした。