とある三兄妹のデンドロ記録:Re   作:貴司崎

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前回のあらすじ:ひめひめ「と言うわけでハロウィンはデートね」兄「はいはい……妹達には『ひめひめと二人でイベントやる』って言っとけば大丈夫だろう。なんか騒ぐかもしれないが」


ハロウィンスレ/少女達の戦い

 □◾️地球 とある掲示板

 

 

 ◇◇◇

 

 

【トリックオア】<Infinite Dendrogram>ハロウィンイベントスレ【トリート!!!】

1:名無しの白氷術師[sage]:2043/10/31(土)

このスレは<Infinite Dendrogram>ハロウィンイベントに関する情報を書き込むスレです

イベント内容・イベントモンスター・イベント交換アイテムの質問などご自由に

荒らしはスルー推奨

 

 

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759:名無しの鎧巨人[sage]:2043/10/31(土)

アバー⁉︎ 雑魚イベントモンスターの攻撃防いだら状態異常食らってタコ殴りにされて死んだ!

なんだこのクソイベントォ!!!

 

 

760:名無しの炎忍[sage]:2043/10/31(土)

ご愁傷様www

しかし俺はそんな事無かったけど状態異常食らったって報告は結構聞くな

 

 

761:名無しの剛剣士[sage]:2043/10/31(土)

まあ、ハロウィンイベントのモンスターらしくアンデッド系統が多いからな

他にはご当地ジョブのスキルを使ってそれっぽい格好してる“仮装”系とかいるし

 

 

762:名無しの大海賊[sage]:2043/10/31(土)

総称すると昼は仮装パーティー、夜はアンデッド祭りなイベントだね

【海賊】や【船大工】の仮装をした魚人が何処で作ったのか船に乗って襲撃してきたのは驚いたけど

 

 

763:名無しの白氷術師[sage]:2043/10/31(土)

アルターの編集部のメンバーによる解析でイベントモンスターは共通スキルを持っていると判明

 

《トリック・オア・トリート》:パッシブスキル

与えたダメージの10%分だけHP・MP・SP回復する

与えたダメージが『1』以下の時は代わりに数十種類の中からランダムで一つの状態異常を掛ける

 

 

764:名無しの鎧巨人[sage]:2043/10/31(土)

これの所為か⁉︎ なんだこの耐久型殺し!!!

 

 

765:名無しの高位書士[sage]:2043/10/31(土)

レジェンダリア編集部でも同スキルを確認

どうもスキルが微妙な上に隠蔽が掛かってたから発見が遅れたらしい

 

 

766:名無しの疾風槍士[sage]:2043/10/31(土)

ドレイン割合も少ないしダメージ1以下なんて逆に滅多にないから大したスキルじゃないんじゃ?

 

 

767:名無しの大気功士[sage]:2043/10/31(土)

>>766

ダメージ軽減スキルがあって相手の実力が低ければダメージ0とかあるからな

ノーダメージ雑魚狩りポイント取得に対する罠スキルかね?

 

 

768:名無しの大銃士[sage]:2043/10/31(土)

つまりトリック(ドレイン)かトリート(状態異常)のどっちか選べって事か

実にハロウィンらしいスキルだな!(尚被害)

 

 

769:名無しの白氷術師[sage]:2043/10/31(土)

後、この状態異常交換は発動条件が厳しい+ランダムだからかかなりレジストし難い様だ

どうも状態異常の強度自体はそこまで強くない様だが要検証だな

 

 

770:名無しの高位書士[sage]:2043/10/31(土)

壁役のメンバーに弱めイベントモンスターの攻撃を受けさせ続けて状態異常の種類を調べるか

イベント日数も限りがあるし他の支部と協力した方が良いな

 

 

771:名無しの鎧巨人[sage]:2043/10/31(土)

>>769

【麻痺】と【猛毒】と【吸命】と【呪縛】と【拘束】と【混乱】その他諸々を食らったんですが

アイツら動けなくなった所を集中攻撃しやがって……!

 

 

772:名無しの炎忍[sage]:2043/10/31(土)

運が悪かったのでは?

 

 

773:名無しの大海賊[sage]:2043/10/31(土)

アンデッド系は普通の状態異常スキルも使って来るからねー

 

 

774:名無しの剛剣士[sage]:2043/10/31(土)

状態異常系の敵がいるのにソロ狩りするからだろ

 

 

775:名無しの疾風槍士[sage]:2043/10/31(土)

ハロウィンはパーティープレイ推奨イベント

 

 

776:名無しの鎧巨人[sage]:2043/10/31(土)

>>774>>775

うるせぇ!!! パーティー組んでくれるヤツなんていないんだよ! コミュ障舐めんな!!!

 

 

777:名無しの竜騎兵[sage]:2043/10/31(土)

レジェンダリアで空飛んどったら【ハイ・パンプキン・ドラゴン】っちゅう上位純竜レベルのイベモン見つけたで

なんか青い炎を吐いてきてステータスも高かったから逃げたけど

アレはソロじゃ無理やな

 

 

778:名無しの大銃士[sage]:2043/10/31(土)

似たような【パンプキン・ワイバーン】とかはドライフでも見かけた

でも単に体色がオレンジと頭部がカボチャ型なだけのドラゴンモンスターだったからこれじゃない感

 

 

779:名無しの青龍道士[sage]:2043/10/31(土)

【ジャック・オー・ランタン】とか【ウィル・オ・ウィスプ】とかはハロウィンらしいよ

……中華感満載な黄河に出ると違和感があるけど

 

 

780:名無しの炎忍[sage]:2043/10/31(土)

天地ではキュウリとナスに足が生えた植物系イベントモンスターを見かけたぞ

……ドロップは美味しかったけど、それはお盆じゃね?

 

 

781:名無しの高位書士[sage]:2043/10/31(土)

まあ運営もハロウィン系モンスターを考えるのが色々と大変なんだろう……多分

 

 

782:名無しの白氷術師[sage]:2043/10/31(土)

一応仮装系モンスターはご当地っぽい感じだったが

アルター・ドライフ・レジェンダリアの西方三国はゴブリンだったけど

 

 

783:名無しの大弓狩人[sage]:2043/10/31(土)

カルディナと黄河は【ディスガイズ・〇〇・アントマン】っていう魔蟲

見た目は二足歩行のアリだな

 

 

784:名無しの大海賊[sage]:2043/10/31(土)

さっきも言ったけどグランバロア……というか海には【マーマン】っていう魚人

夜は船幽霊とか幽霊船とかも出たよ

 

 

785:名無しの炎忍[sage]:2043/10/31(土)

天地は仮装鬼系……西方三国の名前変えただけな気もする

 

 

786:名無しの装甲操縦士[sage]:2043/10/31(土)

操縦士のジョブをあてがわれたのに乗る機体が普通の馬なんてゴブリンもいたけど

 

 

787:名無しの大銃士[sage]:2043/10/31(土)

逆に複数名で戦車を操縦するイベントボス的なヤツ等もいたが

 

 

788:名無しの大気功士[sage]:2043/10/31(土)

中位ぐらいの狩場だと仮装系複数名でジョブのシナジーが噛み合った連携をしてくる時があるからな

そこに他のイベントモンスターが加わったら侮れない

 

 

789:名無しの剛剣士[sage]:2043/10/31(土)

逆に初心者狩場付近の初級モンスターは連携してこないから歯応えのある丁度いい難易度なのかな

前述した通りに事故や罠とかもあるがそれは普通の狩りでも同じだし

 

 

790:名無しの長槍騎士[sage]:2043/10/31(土)

イベントボスを付与術師とかが強化して襲い掛からせて来たから全滅したんだけど

 

 

791:名無しの賢者[sage]:2043/10/31(土)

こっちは従魔師系統が野良モンスターをテイムから強化して来たのに遭遇したが

 

 

792:名無しの炎忍[sage]:2043/10/31(土)

俺も指揮官っぽい鬼が複数の小鬼と連携組んで戦ってるのは見た

 

 

793:名無しの白氷術師[sage]:2043/10/31(土)

仮装系は大多数が下級職をあてがわれた下級モンスターだが

数は少ないが上級職をあてがわれた上級ボスモンスターも確認されているな

 

 

794:名無しの高位霊術師[sage]:2043/10/31(土)

多分怨霊術師っぽい上位ゴブリンが辺りに沢山いた【ウィル・オ・ウィスプ】をコストにして

強力な呪術をばら撒いて狩場が阿鼻叫喚の地獄絵図になってるんですが

 

 

795:名無しの高位書士[sage]:2043/10/31(土)

こうして報告を聞いているだけでも面白いなwww

 

 

796:名無しの刀匠[sage]:2043/10/31(土)

しかし狩り系のイベントだから生産職的には暇なイベントだな

 

 

797:名無しの紡績職人[sage]:2043/10/31(土)

素材系イベントアイテムの持ち込みに期待かなー

 

 

798:名無しの高位技師[sage]:2043/10/31(土)

生産職が蚊帳の外気味なイベントな気もするが……初の大規模イベントならこんなものか

それよりこっちはロボット開発で忙しいし

 

 

799:名無しの白氷術師[sage]:2043/10/31(土)

情報だと装備品よりも素材アイテムの方が質が高くなっているから

生産職にもある程度考慮されている様だがな

 

 

800:名無しの鎧巨人[sage]:2043/10/31(土)

まあ結局デスペナになった俺にはもう関わりのない事ですけどねorz

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 □<魔霧の森> 【魔導拳(マジック・フィスト)】ミュウ・ウィステリア

 

 遂に始まったハロウィンイベント、私はアリマちゃんとその()()()だと言う人達とパーティーを組んで霊都から少し離れた所にある、自然魔力の関係で常に濃霧が立ち込めると言う場所──<魔霧の森>でイベントモンスター狩りを行なっていました。

 

『GYIAAAA!』

「おっと、中々鋭い拳ですね」

 

 そして今私はイベント上級モンスターの一体である格闘家の様な仮装をした筋骨隆々のゴブリン──【ディスガイズ・ハードパンチャー・ゴブリン】と一対一で戦っていました。掲示板などではハロウィンらしく“仮装系”などと呼ばれる彼等ですが、実際には与えられた職業のジョブスキルを身に付けているので、その実力は決して仮装(見掛け倒し)では無いのです。

 その証拠に()()()()()()()()()()()こちらと違って、魔力の篭った濃霧の所為で単純な視覚だけで無く探知系スキルも制限されるこの<魔霧の森>の中であっても【ハードパンチャー】の拳は正確に私を狙ってきていますし。

 

『GII! GAA!』

「ほう、ステータスは“バフ込み”で上位純竜級。加えて高い《拳術》のセンススキルと……確か【硬拳士(ハードパンチャー)】には攻撃力を上げるスキルがありましたね」

『《我が拳、巌の如く》だよミュウ。ENDの三倍分だけ拳の攻撃力と防御力を上げるスキル。《天威模倣(アビリティ・ミラーリング)》に干渉しない攻撃力と防御力を上げるスキルだから就く上級職候補にも上がったでしょ』

 

 最も流石に視界のハンデは大きいからか拳撃には余りキレが無く、ステータスも《天威模倣》のお陰でSTR・END・AGIが同じになっているので避けるには苦労しませんが。

 

「さて、そろそろ片付けましょうか」

『そうだね……【バイオハーデス】よりM()P()()1()0()()()()()()()()《エンハンスフィスト》起動』

『GIA⁉︎』

 

 直後、ミメが発動させたMPを消費して拳の攻撃力と防御力を強化する魔拳士系統の()()()()()に【霊樹冥冠 バイオハーデス】から汲み出されたカンスト魔法職<マスター>の最大MPに匹敵する魔力が注ぎ込まれ、相手の【硬拳士】の奥義に迫るレベルの強化を私の拳に齎しました。

 ……先も言った通り《天威模倣》はステータスだけに関わるスキルなので、この様に攻撃力や防御力を上昇させるスキルと併用が可能です。加えて自然魔力が豊富なレジェンダリアに居るお陰で【バイオハーデス】の蓄積も十分なので、この程度の消費なら特に問題は無いですしね。

 

『ついでに一万ぐらい使って《ダークネス・フィスト》も追加だ』

「では行きましょう……まずは片腕」

『GIIAAA⁉︎』

 

 更に追加で闇属性のオーラを纏わせた《スライスハンド》で私はすれ違いざまにハードパンチャーの片腕を切断しました……ちなみにネリルちゃんとの訓練の成果か、或いは第五形態に進化したお陰か融合しているミメは私の各種スキルを使う事が出来る様になってました。

 

「闇属性の拳はENDでの防御がし難くなりますので……これで終わりです」

『GAAAAA……⁉︎』

 

 そして私は片腕を失ってバランスを崩したハードパンチャーに対して強化された拳と《正拳突き》《リバーブロー》《掌底打ち》の連携で打ち据えた後、頭部を《ジェットアッパー》で吹き飛ばして蹴りを付けました……格闘スキルの無詠唱発動も中々様になって来ましたし、これなら十分に実践でも使えるでしょう。

 ……さて、今の【ディスガイズ・ハードパンチャー・ゴブリン】を()()()()()()()()()()()を倒しに行った他のパーティーメンバーへ連絡しておきましょう。

 

『……は、はい、こちらミマモリです……どうしたのミュウちゃん、まさかやられ……!』

「いえ、こちらはもうハードパンチャーを倒しました。そちらはどうですか?」

『え、上位純竜レベルまで強化された相手をあっさり? ……やだ濡れ……こっちはバフを掛けていた【ディスガイズ・エンチャンター】と【ディスガイズ・ドルイド】と【ディスガイズ・コマンダー】を見つけたよ。向こうも最大戦力がやられて動揺しているみたいだし今から叩くよ』

「分かりました、私もそちらに向かいますね」

 

 ……まあ、支援特化の相手なら私が来る前に終わるでしょうが。何せ向こうには新しい“特典武具”を手に入れておそらく私以上の実力になったアリマちゃんと、このレジェンダリアに於ける()()()()()()()()()()()()()()()()が居ますからね。

 

 

 ◇

 

 

「……やっぱり終わってましたね。予想通りです」

「あ、ミュウちゃん。あの強化された純竜級をあっさり倒すなんて流石だね! 出来ればもう少し早く支援役を見つけて倒したかったんだけど、連中の中にイリュージョニストも居たみたいで」

「そんなに気にしなくて良いですよ、普通に倒せましたし」

 

 そんなアリマちゃんでしたが戦闘を終えたばかりなのか手に持つ刀身が二股に分かれた剣──伝説級特典武具【音叉角剣 ヴァニフォーク】が細かく振動しながら甲高い音を発していました。

 

「それの使い心地はどうですか? まだ鳴ってますけど」

「あ、もうスキルはオフにしてるんだけど暫くは震え続けるみたい……ミュウちゃんを始めとするパーティーメンバーへ【強制睡眠】の対象から外してあるから大丈夫だけど」

 

 元となった【音響角鹿 ヴァニフォーク】は私達がアルターからレジェンダリアに向かう際に偶々遭遇した鹿型の<UBM(ユニーク・ボス・モンスター)>で、音叉の様なツノを振動させる事で発生させた音に触れた者に強力な【強制睡眠】の精神干渉を発生させたり、神話級金属に匹敵する強度の角による超振動打撃や音速の音響衝撃波によって戦う強敵でした。

 ……まあ精神干渉が効かない上、カリキュレーターである【シャカ】の特性から自分が受けている精神干渉の種類を看破出来るアリマちゃんが居たので早々に手の内を明らかにされて、スキル特化型だったから物理的な戦闘能力は純竜級レベルだった事もあり《転位》で状態異常が効かない私と彼女のタッグと他メンバーからの遠距離支援によって撃破されましたが。

 

「使い心地に関しては武器としても高性能だし、装備スキルも剣から出た音に触れた相手()()を【強制睡眠】にする《スリーピング・ソプラノ》はかなり強いよ。……その分、敵味方の区別は付かないからパーティー戦では【シャカ】の補助が必須だけど」

「そこは精神汚染が効かないアリマちゃんにアジャストされたからこそですね。デンドロのスキルはセーフティを取っ払って無制御にした方が高出力化するみたいですし」

 

 剣から出た音全てと言うのは、当然ながら【ヴァニフォーク】を手に持つアリマちゃん自身にも効果があるという事ですが、精神系状態異常を受けても一切問題なく行動出来る彼女にとってはデメリットになってませんものね。

 これと【ヴァニフォーク】の()()()()()()()()()()を組み合わせた今のアリマちゃんの戦闘能力は、推定ですが【バイオハーデス】を使う私をも上回るでしょう……ところで。

 

「……何故皆さんは私達から遠くへと離れているんですか?」

『ふふふ……それは再び友人に戻れた二人の尊い会話を邪魔しない為ですぞ。俺は空気の読める男ですのでな』

「ああ〜、少女達の無垢な絡みは最高なんじゃ〜。尊死ぬ〜」

「そんな尊みに溢れる空間に我々の様な不純物が踏み入って良い筈がない(断言)」

「見てるだけで現実(リアル)の汚濁に包まれた我が魂が浄化される……」

 

 そんな事を言いながら私達から30メートルぐらい離れた所に居るのはアリマちゃんのフレンドだと言うレジェンダリアの上位クラン<YLNT倶楽部>のオーナーの【高位呪術師(ハイ・ソーサラー)】LS・エルゴ・スムさんと、そのクランメンバーであるゴツいバイザーを付けた女性の【邪眼術師(イヴィルマンサー)】ミマモリさん、顔の下半分を覆うマスクを付けて手には翡翠色の杖を持った男性の【翆風術師(エアロマンサー)】KNKAさん、背後に大きな蟹型のガードナーを従えた男性の【獣戦鬼(ビーストオーガ)】剛雅さんの四人でした。

 ……少々個性的なメンバーですが、視界が封じられスキルによる探査が阻害される上に環境に適応した強力なモンスターが跋扈する<魔霧の森>で安定した狩りが出来る凄腕の<マスター>達なのです。

 

「……しかし、ミマモリさんの【ヴィルーパークシャ】は凄いですね。この数メートル先も見えない筈の濃霧の中でも普段と変わりなくものが見えるんですから」

「あっ……幼女に褒められた……ふへへへへへ〜……!」

『おっと、少々ロリショタの尊み成分を摂取し過ぎてトリップしておる様ですな。ほれ斜め45度チョップ!』

 

 ……そんな手刀を食らって再起動しているミマモリさんの【監視感撮 ヴィルーパークシャ】は強力な《透視》《遠視》《心眼》の効果を持つ強力かつ正確な視覚系固有スキル有するバイザー型の<エンブリオ>だそうです。

 更にその内の一つだけを自身のパーティーメンバーにも付与出来るスキルもあるという優れ物であり、彼女のお陰で濃霧が立ち込めるので狩りにはとても向かない<魔霧の森>でも私達は問題なく行動が出来ると言うわけなのです。

 

「LSさん達仲良いんですね、やっぱり上位クランだとメンバー同士の絆とかもしっかりとしてる感じ何ですか?」

『我々は同じ“(ロリショタ)”の元に集った同士達ですからな。仲は基本的に悪くないですぞ』

「……まあ偶に些細な意見(性癖)の不一致で喧嘩になる事はあるが、それでも目的(ロリショタ)の為になら皆で協力して行動するだろう」

「それに考え(性癖)が違っていても<魔法少女連盟>みたいに仲良く協力出来る所もある……どうしても合わない奴等も居るが」

 

 ……ちなみに彼等の様子を見てそんな質問が出て来るアリマちゃんは意外と呑気と言うかおおらかな性格してます。そんな些細な事を気にしない性格だから割と面倒臭い私と友達になってくれたとも言えるんですが……む。

 

「……何かいますね《人間探知》……十時の方向、高レベルの人間が五人ほどいます」

『何ですと? ……ミマモリ、KNKA、剛雅』

「了解《四天の読心眼》《四天の透視眼》並列起動。出力調整・隠蔽看破特化」

「《エアー・エクスプロレーション》……確かに居るな。起きろ【アイテール】」

「【カルキノス】前に出ろ、彼女達を庇え」

『KISYASYA!』

 

 その時、私はこちらを見る誰かの視線を感じ取ったので、直ぐに【ブラックォーツ】のスキルを使って霧に隠れながらこちらを伺っていた五人の人間を見つけ出しました。人間範疇生物の位置と大雑把に強さしか分からない《人間探知》ですが、効果が限定的なある分だけ殆どの隠蔽を看破可能な探知能力を有するのです。

 そして私の言葉を聞いた<YLNT倶楽部>のメンバーは先程までの緩んだ雰囲気から一変して、即座に探知スキルによる対象の補足と戦闘準備を整えました。そんな私達の様子を見て隠れていても無駄だと思ったのか、潜んでいた者達は《光学迷彩》を解いて姿を現します。

 

「……ふふふ……中々勘のいいお嬢さんだ」

『お前は……ペロセウス! まさか今回の一件を嗅ぎつけたと言うのか!』

「えーっと、お知り合いですか?」

「……彼奴等は<LPT小隊>。我らと同じ(カルマ)を背負いながらも決定的な部分で道を違えた宿敵よ」

 

 そして<YLNT倶楽部>の四人と、ペロセウスと言うらしい盾を持った<マスター>を先頭とした<LPT小隊>と言うクランの五人は、困惑する私とアリマちゃんを他所にお互いに戦闘態勢に入りつつ剣呑な雰囲気を放ちながら睨み合います。

 ……その光景を見てどうやらクラン同士の抗争に巻き込まれた様だと判断した私とアリマちゃんは、それぞれいつでも戦闘に入れる準備を整えながら彼等の様子を見守る事にしたのでした。




あとがき・各種設定解説

末妹:※次回はギャグ回です
・大量のMPを基本スキルに注ぎ込んだのは属性を纏わせるタイプのスキルだと、余りに多量のMPを使った際に制御しきれず自分の肉体にもダメージが行くケースがあったからで、それ故に単純に攻撃力が上がるスキルに使った形。
・尚、<YLNT倶楽部>のメンバーに対しては多少変わった人達だとは思っているが、アリマの紹介な事と悪意や敵意の類いが無い事もあって普通に接している。

アリマ・スカーレット:特典武具の獲得で更に酷い事に
・【ヴァニフォーク】の《スリーピング・ソプラノ》はMPを消費して催眠音波を出すスキルで、音波に触れたものへと効果を及ぼすので耳を塞ごうが意味は無く、振動している刀剣に触れても効果を発揮するので接近戦でも使える。
・その分無制御なので自分も【強制睡眠】になったりスキルを止めてもしばらく音が鳴り続けたりするが、能動的に精神干渉が出来る武器を手に入れたお陰で彼女の戦闘能力はかなり上がった。
・尚、末妹は『もう一つのスキルの方が数段タチが悪い、むしろそっちがアリマちゃんにアジャストされた本命のスキル』だと考えているが、そちらは目の前に生贄が出たので次回紹介。

<YLNT倶楽部>:ロリとパーティーが組めて内心凄まじくハッスルしている
・一応、彼女達に引かれない様に外面は(ある程度)取り繕っている(出来てないが)
・尚、兄と妹がそれぞれ別行動だったので末妹がアリマをハロウィンイベント誘ったら『折角だし他にもメンバーを募集しようよ』と、何故か偶々側にいたフレンドのLSに声を掛けたのがきっかけ。
・他のメンバーに関してはLSがクラン内の他のメンバーにロリに誘われたと声を掛け、その結果巻き起こった骨肉の内乱(クジ引き)の結果選ばれたメンバー。

【監視感撮 ヴィルーパークシャ】
<マスター>:ミマモリ
TYPE:カリキュレーター
到達形態:Ⅳ
能力特性:千里眼
固有スキル:《四天の千里眼》《四天の透視眼》《四天の解析眼》《四天の読心眼》《広目の天眼》
・モチーフは仏教の四天王の一角『広目天』の梵名にして、千里眼や尋常でない眼・特殊な力を持った眼とも解釈される“ヴィルーパークシャ”。
・見た目は大きな目のマークが描かれたゴツいバイザーで、それぞれ強力かつ高精度な『千里眼』『透視』『看破鑑定』『隠蔽看破』の固有スキルを有する。
・それぞれのスキルを同時に使用する事も出来て、その場合は個々の出力は落ちるが併用している個々のスキルの出力を状況に応じて変更させる事も出来る。
・また、現在自分が使っている固有スキルの効果を七割程度の出力でパーティーメンバーに付与する《広目の天眼》と言うスキルもあり、その出力でも<魔霧の森>内でも通常行動可能になるレベル。
・ちなみに通常の《透視》と違って服だけ透過出来るレベルの精度を有しているが、ミマモリ自身が『私如きが穢れなきロリショタの肢体を視姦するなど言語道断』として少年少女に透視は使わないので安全()
・その代わりそれ以外の相手には体内透視からの、目視した対象に効果を及ぼす魔眼系スキルの併用で内臓への直接攻撃とかしてくる。

<LPT小隊>:ネタ枠(断言)
・性癖と主義の違いによって<YLNT倶楽部>から分派したクランらしいが詳細は次回。


読了ありがとうございました。
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