とある三兄妹のデンドロ記録:Re   作:貴司崎

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前回のあらすじ:妹「ここは任せて先に行って! なぁに、アイツを倒したら直ぐに追いつくから!」兄「フラグ乙」末妹「お約束ですね」


VS【熱態己竜 ヒートライザ】

 □<クルエラ山岳地帯>

 

『GUUUUAAAA!!!』

 

 そんな雄叫びを上げながら逸話級<UBM(ユニーク・ボス・モンスター)>【熱態己竜 ヒートライザ】は逃げていった乗り物に乗った人間達を追撃すべく、周囲にある木々を高熱で焼き払いながら<クルエラ山岳地帯>を駆けていた。

 ……ちなみに木々を焼いているのは戦闘中故に発動し続けている《熱態圏》の効果であり、雄叫びも《熱態圏》の所為で位置を隠せないのもあり獲物を追い立てる意味も兼ねて敢えて上げているだけで彼自身は冷静であり、だからこそ()()()()()()()()()()()()()()()()の気配を感知しても特に動じる事なく即座に行動に移せたのだ。

 

『GAA!!!』

 

 その気配に向かって【ヒートライザ】は口から熱光球《ヒートブラスト・スフィア》を撃ち放つ……これは最初に使った《ヒートブラスト・コンバージェンス》と比べると威力・弾速は低いがほぼノータイムで使えて、更に着弾と同時に爆発して高熱を撒き散らして広範囲を攻撃出来るスキルなのだ。

 ……加えて《熱態圏》の()()()()である“効果範囲内での熱系スキル効果上昇”によって直撃すれば亜竜級にも致命傷を与えられるので、初手としては非常に使いやすいスキルであり……。

 

「……そちらから熱量(エネルギー)を供給してくれるとは有り難い」

『葵ちゃんナイス!』

『GUA⁉︎』

 

 ……故に放たれた《ヒートブラスト・スフィア》が前に居た人間に()()された際には、いかに【ヒートライザ】といえど驚きの感情を露わにしてしまった。

 

「これだけ熱に満ちた場所ならスキル使いたい放題……《日天吸蓄(サンシャイン・アブソーブション)》解放《ブーステッド・ストレングス》《ブーステッド・エンデュランス》《ブーステッド・アジリティ》」

『こっちも行くよ! 《ブラスト・スウィング》!』

 

 そして、高熱を吸収した人間──日向葵は【日天鎧皮 カルナ】に蓄積された大量の熱エネルギーをスキルを介して、サブジョブに入れた【付与術師(エンチャンター)】の単体バフに注ぎ込み自身の物理ステータスを大幅に強化し、その後ろに居たミカ・ウィステリアは素早く前に出て【ギガース】を振るって【ヒートライザ】の顔面を狙って衝撃波を放った。

 

『ッ⁉︎ GAAA!!!』

『おっとぉ!』

 

 だが、それを見た【ヒートライザ】は首を振って衝撃波を躱すと同時に、再びの《ヒートブラスト・スフィア》を着ぐるみ(ミカ)の方に向けて撃ち放った……その攻撃自体は“直感”によって発生を先読みしたミカに回避されたが、その()()()()()()()()()だけで次に取る行動を決めるには十分だった。

 

『GAAA! GUAAAAA!!!』

『うおっとぉ⁉︎ ……葵ちゃん! そっち行ったよ!』

「む、そう来る」

 

 【ヒートライザ】は追加でいくつかの高熱球をミカに放って牽制しながら自身に高熱を纏わせるスキル《ヒートボディ》を使って、そのまま葵に接近しての肉体を使った物理攻撃を仕掛けたのだ。

 ……詳しい理屈こそ分からなかったが片方の人間が自分と同じ様に高熱を無効化しているが、もう片方の着ぐるみが高熱攻撃を避けた以上は高熱無効スキルはそちらしか保持していないと判断しての行動だった。

 

『(……見た所、あの人間の速さ(AGI)は俺よりも下──であれば、接近して爪牙による格闘で叩き潰せば「《月面徐算結界・薄明》」GIA⁉︎』

 

 そうして【ヒートライザ】が葵に近付こうとした瞬間、その周辺一帯が『曇り空の夜』へと切り替わると同時に彼のAGIが()()()()になる……その結果、亜音速域だった彼の速度は千未満にまで下がり、自身から離れて行く彼女よりも低くなったので格闘に持ち込む事は出来なかった。

 

『GIAA! GAAA!』

「本当にあのオーナーは実力に関しては文句の付け所が無いんだよな……《マッドクラップ》」

『ふむ、動きが止まったのでまずは足狙いかな』

 

 まるで鉛の様に重くなった自分の身体から、この『夜』がAGIに対するデバフ効果のスキルだと判断した【ヒートライザ】はその発生源を探そうとしたが、それよりも早く葵が発動した大量の熱エネルギー(MP)を込めた《詠唱》付き地属性の拘束魔法が彼の片脚を捉えた。

 ……そして、それを隙と見たミカが拘束された足を潰そうと接近するが、【ヒートライザ】も全身から熱波を放つスキル《ヒートブラスト》で接近を牽制……それも先読みで後方に飛ぶ事でダメージを抑えたミカだったが、彼はその間に拘束された足を(STR)付くで外してしまった。

 

『……むぅ、私の炎熱耐性は葵ちゃん程万全じゃないから、“接近する程に温度が上がる”らしいアレに近づくのは難しいか。……まあ、()()()()()()()()()()()()()()するけど』

『……バルドル、撃て』

了解(ラージャ)

 

 ……彼女がそう言った瞬間、拘束から抜けた直後で体勢が崩れていた【ヒートライザ】の脚部に()()()()()()()()()()が直撃し、そのまま彼はバランスを崩して地面に倒れこんでしまったのだ。

 

『GYAAAAAA!?』

『流石はシュウさん、狙いとタイミングが正確過ぎるね。《インパクト・ストライク》!』

「そのまま倒れていて欲しい、無理だろうけど……《グランド・ホールダー》!」

 

 そうして倒れ込んだ【ヒートライザ】を葵が発動した地属性拘束魔法によって地面から生えた腕が押さえ込み、そこに接近したミカが頭部を狙って大型メイスを振り下ろした……が、倒れた【ヒートライザ】は振り下ろされたメイスを咄嗟に拘束させていなかった腕で防ぎつつ、再び全身から熱波を発生させて周囲一帯を攻撃しながら拘束を破壊した。

 ……だが、【ヒートライザ】が立ち上がった時には葵とミカはその場から離れており、同時にAGIが下がった彼には回避できないタイミングで再びの砲撃が次々とぶち当たっていく。

 

『GUU⁉︎ ……GAAAAA!!!』

 

 ……しかし、【ヒートライザ】の一万程あるENDと三十万はあるHPの前ではその砲撃も大したダメージにはならず、それを自覚した彼はまず鬱陶しい砲撃とデバフを掛ける相手を潰そうと砲撃がやって来る方向に顔を向けて、そこに居た砲撃を放つ戦車と周囲にいる三人の人間に狙いを定めた。

 

「熱で土が溶ける……けど、向こうに行かせる訳にはいかない。《ライトニング・ジャベリン》!」

『そうだね。……殴った【ギガース】も赤熱するぐらい体表の温度はヤバい事になってる。熱対策は念入りにしたつもりだけど長く持たないよ月夜さん……《竜尾剣》!』

『GAAAAAAOOOO!!!』

 

 それを阻止しようと雷の槍と伸びる剣尾が襲い来るが、【ヒートライザ】はそれらの攻撃を捌きながら《ヒートブラスト》と《ヒートブラスト・スフィア》を周囲にばら撒いて二人を攻撃、それによって彼女達に攻撃する余裕を無くさせた隙に減ったAGIではなくSTRによる踏み込みを駆使して砲撃する戦車に多少のダメージを無視して突っ込んで行った。

 

 

 ◇

 

 

『バルドル、後退しながら砲撃を続行。……あの【ヒートライザ】、最初の奇襲といい俺が戦った<UBM>の中でもかなり戦い慣れてる部類だな。少なくとも固有スキル頼りとかじゃなさそうだ』

「せやねー、二人とも下がるえー」

「分かりました」

「了解」

 

 戦闘が起きている地点から50メートル程離れた場所、そこには戦車形態の【バルドル】に乗ったシュウ・スターリングとその上部に腰掛けている扶桑月夜、その横には<月世の会>メンバーの立花翔と鈴木健太が居て、自分達に向かって来る【ヒートライザ】から離れる様に移動していた。

 ……彼等は“ある事情”で離れた場所から月夜の<エンブリオ>【カグヤ】の《月面徐算結界・薄明》とバルドルの砲撃によって前線で戦う彼女達の援護をしていたのだ。

 

「さて、砲撃あんまり効いてないみたいやけど徐算はこのままAGIのままでええ? ENDかSTRの方がええかな?」

『いや、このままAGIで良いだろう。ヤツが展開しているこの()()()()()()()()を考えると追い付かれたら熱耐性が少ない俺達では詰みかねん』

「ミカちゃんからの報告やとアレに近づけば近づく程に温度が上昇するらしいしな。……けど、アレに近付いた()()に気温が高温に変化したのは驚いたなぁ。事前に健太の処方した耐熱ポーションが無ければ危なかったわ。今もめっちゃ暑いけどー」

『おそらく高熱を発生させるだけじゃなく、一定空間内の熱量を保持する……<エンブリオ>で言えばテリトリー系列のスキルを使っているみたいだな』

 

 そう、それこそが【熱態己竜 ヒートライザ】の《熱態圏》──自身を中心とした半径100メートル圏内に熱量を保持するスキルである……これにより【ヒートライザ】が放った熱量は霧散する事なく《熱態圏》の内側に篭り続けて内部温度を上昇させ続けている訳である。

 更に《熱態圏》内の温度は【ヒートライザ】に近づく毎に急上昇する仕組みになっており、現在では50メートル以上離れた彼等の位置なら約50℃程度だが、彼女達が居た半径20メートル以内なら200℃を超え、そして【ヒートライザ】自身の体表面ともなれば使用している《ヒートボディ》の効果も合わせて2000℃を優に超えているのだ。

 

「それに気温も徐々に上がってきとるな。……まあ、温度を保持するフィールドなら熱量を放てば当然その分だけ気温も上がるわなぁ」

『時間を掛けすぎると俺達の熱耐性を突破して来るだろうな。その前に片を付けたいところだが……』

「熱耐性特化の【カルナ】がある葵ちゃんはともかく、ミカやんの方は不味いかな。……それはウチらもやけど」

 

 ちなみに【カルナ】のスキルで《熱態圏》を無効化している葵と違い、ミカの方は特典武具【どらぐている】の古代伝説級冷房スキルを始めとして、事前に処方された飲んだ者に《炎熱耐性》を与える【耐熱ポーション】、《炎熱耐性》付きアクセサリー、【重戦士(ヘビーファイター)】の装備の炎熱耐性を上昇させる《アームズ・ファイア・レジスト》の重ねがけで辛うじて熱を防御している状態である。

 ……そうやって【ヒートライザ】への対策を話し合っていたシュウと月夜だったが、そこで横にいた鈴木健太が手に持った短銃の様な物を掲げながら月夜に声を掛けた。

 

「オーナー、《皆癒の落涙》のクールタイムが終わりました。次はどうしましょうか?」

「んー、あの二人が戦いやすい様にAGIバフかなぁ。どうせ短期決戦するしか無いし、効果がキッツいおクスリ頼むで」

「……オーナー、その言い方だと色々誤解を招くのでやめてくれると……《瞬間充薬》【アジリティ・ドーピング】セット。《霊薬は口に易し》《皆癒の落涙》」

 

 そうして健太は短銃の様な物──“無針注射器”の中に摂取した物のAGIを上昇させるドーピングポーションを入れ、それを上に向けて引き金を引いた……すると、まるで輝く噴水の様な光が上空に打ち上がり、それが光の雨なって辺り一面に降り注いでそれに触れた味方全員に内部のポーションの効果が()()()()()()()()上で適応された。

 ……これが<月世の会>メンバー鈴木健太が有する無針注射器型<エンブリオ>【良薬来効 ヒュギエイア】のスキル、“装填した薬品の効果・持続時間の上昇と副作用・悪性効果の軽減を行う”《霊薬は口に易し》、及び“薬品の効果を周囲の味方全体に付与する”《皆癒の落涙》の効果である。

 

『よっしゃ! AGIバフ感謝! 《ライトニング・インパクト》!』

「お陰で追い付いた。《ウィンド・ジャベリン》!」

『GUUAAA⁉︎』

 

 それによってAGIが上昇したミカと葵が【ヒートライザ】に追い付き、各々雷を纏ったメイスと風の槍で後方支援役である月夜達に接近されない様に攻撃を仕掛けて行った。

 ……ちなみに彼等が《熱態圏》内部で活動出来るのは、事前に製薬特化<エンブリオ>持ちの<月世の会>メンバーが作った【耐熱ポーション】を【ヒュギエイア】によって効果を増強した上で処方されている事が大きい。

 

「……さて、あの二人が頑張っとるけど、このまま熱圏の温度が上がり続ければ先に参るのはこっちやね。ウチの結界もクマやんの砲撃も距離を取り過ぎると届かへんから熱圏の外に出る訳にもいかんし……クマやん、なんか都合のいい弱点とか見つからんの?」

『強いて言うならあの“翼”だな。さっきからアイツは翼への攻撃だけは全力で回避してやがる。……多分だが、あれは放熱板じゃないのか?』

「あー、翼があるのに飛ばへんと思っとったらそう言う事か? アレが熱圏の中心におるのに無事なんも……ミカやん、葵ちゃん」

 

 その仮説を聞いた月夜は即座に【テレパシーカフス】を使って前線で戦っている二人に『翼』についての確認を取った……すると、二人も翼に攻撃しようとしたら全力で防がれていると答え、更に葵が翼から常に熱が発せられているみたいだと言う報告もあった事で仮説は確信へと変わった。

 

「ほんならあの翼を壊せば熱で自滅するかな。そうでなくとも高熱の発生はある程度抑えられそうか」

『問題はどうやって翼を破壊するかだが……さっきから翼を狙って砲撃してるのに上手く避けられてる。しまいには蜃気楼まで使って来るし』

 

 そう、AGIが下がった所為で砲撃を避け難くなった【ヒートライザ】は、それに対抗して熱で光を屈折させて自身の蜃気楼を作り上げる《ヒート・ミラージュ》というスキルを使っているのだ。

 ……他の熱系スキルと違って練度が低いので一歩ズレた場所に像を結ばせる程度しか出来ず、接近すれば直ぐに見破られる代物だったのでシュウは即座に見破ったが、それでもお互いに動いている事もあって遠距離からピンポイントで砲撃の命中率を下げる効果は十分に発揮していた。

 

『俺の“切り札”を当てられればアイツを倒せる可能性がある……最悪でも翼を奪うぐらいは出来るだろうが、その為にはどうしても接近する必要があるな。遠間からでは当てられん』

「あの翼が排熱版なら破壊した上でウチの【カグヤ】と葵ちゃんの“必殺スキル”を使えば倒せるかもやけど……カケやんの【コロッセウム】ならアレの熱量は下げられるか?」

「不可能ではないと思いますが必殺スキルは“数の問題”がありますし、そもそも【コロッセウム】の効果は無差別ですから葵君のスキルまで制限するかと。それに内部に取り込むにはアイツに接近しないと……」

『GAAAAAAAAAAA!!!』

 

 そうこうしている間にも《熱態圏》の温度は更に上昇を続け、砲撃に慣れてきた【ヒートライザ】も徐々に後方支援役への距離を詰め始めていた……これ以上時間を掛ければ近く事すらままならなくなると判断した彼等は、【テレパシーカフス】を使って手早く【ヒートライザ】を撃破する算段を立てて行く。

 

「とりあえず多少のダメージは覚悟で接近してからクマやんが特攻、それでダメならウチと葵ちゃんで仕掛ける、それでまだ仕留められんならカケやんの【コロッセウム】で囲って殴るって感じで。後は高度な柔軟性を保ちつつ臨機応変に対応してこか」

『……まあそれしか無いか。後特攻言うな、算段はあるワン』

 

 そうして全員が乾坤一擲の決戦を【ヒートライザ】に挑もうとした……その直後、“直感”によって『新たな脅威』を感じ取ったミカが焦った声で全員に警告を飛ばした。

 

『ッ⁉︎ 新しい敵が来る! 下から……! 『コドクショウキ(蠱毒瘴気)』なっ……!』

 

 その警告とほぼ同時に()()()()()()()()()()()()毒々しい色合いの瘴気を勢いよく吹き出して彼等を覆い尽くし、その瘴気を吸った彼等と【ヒートライザ】を【猛毒】【魔毒】【魂毒】【衰弱】【酩酊】【麻痺】の六重状態異常に陥れた。

 

『GUUUU⁉︎』

「これは……六重の状態異常やと⁉︎」

『まさか新手か⁉︎』

 

 継続して吹き出し続ける瘴気によって状態異常を受けた【ヒートライザ】は【衰弱】【麻痺】【酩酊】の効果の所為で勢いよく地面に倒れ込み、人間側もそれらの状態異常の効果で動く事もままならずにその場に蹲ってしまい……そんな中で【ヒートライザ】の近くの地面が盛り上がりそこから一体の人型の魔蟲──<UBM>【蠱毒狩蟲 ラーゼクター】が地上に這い出てきた。

 ……彼は人間達と【ヒートライザ】の戦いを《熱態圏》の効果を受け難い地中で監視しながら、彼等の進行方向先に瘴気を吹き出させる罠を仕込んで待ち構えていたのだ。

 そして自身にラーニングした《炎熱耐性》《ファイア・レジスト》《コールド・フィールド》と言った炎熱対策スキルと、《害毒反転》《ブーステッド・エンデュランス》《セルフ・リジェネレーション》と言った防御・回復スキルを重ねがけにして《熱態圏》を突破したのである。

 

『GUUAAA……』

コドクゼッサツ(蠱毒絶殺)

 

 そして【ラーゼクター】は左腕の一部を鉢の腹と針の様な形状に変えて、そこに《蠱毒瘴気》を集中して行く……これは【ラーゼクター】が編み出した《蠱毒瘴気》の病毒系状態異常を一つに絞り、更に自身の肉体の一点に圧縮する事で効果を大幅に引き上げるバリエーション《蠱毒絶殺》である。

 

『……TIE!!!』

 

 ……そうして【ラーゼクター】は【猛毒】を圧縮した対HP用の《蠱毒絶殺》でもって一撃で葬らんと、全速力走りながらで左腕の針による刺突を【ヒートライザ】の喉元に突き立て様としたのだった……。




あとがき・各種設定解説

【良薬来効 ヒュギエイア】
<マスター>:鈴木健太
TYPE:テリトリー・アームズ
到達形態:Ⅳ
能力特性:薬品強化
固有スキル:《瞬間充薬》《瞬時注射》《霊薬は口に易し》《皆癒の落涙》
・モチーフはギリシャ神話の医神アスクレピオスの娘で健康の維持や衛生を司る女神ヒュギエイア……が持つ、薬学のシンボルにも用いられている“ヒュギエイアの杯”。
・形状は短銃サイズの無針注射器で中に入れたポーションを人体に注射する事で最高効率で効果を発揮させる《瞬時注射》というパッシブスキルを持つ。
・《瞬間充薬》はSPを消費して所有しているポーションを【ヒュギエイア】内に瞬時に装填する《瞬間装備》とかの薬品版スキル。
・《霊薬は口に易し》はMPを消費して装填したポーションの効果・持続時間強化と副作用・デメリットの大幅軽減を行うスキル。
・《皆癒の落涙》はMPを消費して想定したポーションの効果を範囲内の味方に付与するスキルで、消費するMP量は味方の数に比例するがパーティーメンバーやクランメンバーと設定してスキルを使う事で消費MP量を減らす効果もある。
・この際に雨の様なエフェクトが発生してそれに当たった味方に効果が付与される仕様だが、これはテリトリーとしての効果を視覚化したものなので液体では無いから高温で蒸発とかはせず、物体に遮られる事も無い。
・マスターである鈴木健太はリアルだと複数の副作用がキツイ薬を飲まなければならない状態であり、そんなパーソナルだからか効果上昇よりも副作用の軽減にリソースが多く使われている。

【耐熱ポーション】【アジリティ・ドーピング】:安心と安全の<月世の会>製
・これらの薬品は鈴木健太の【ヒュギエイア】用に作られた物なので、彼の<エンブリオ>に合わせて効果を高める代わりにそれぞれ“氷耐性低下”や“効果時間終了後にAGI大幅低下のデメリットがある。
・ちなみに彼の戦闘方法はこれらデメリットのある薬品を自分に打ち、<エンブリオ>と【薬効戦士】のジョブがそれぞれ『効果上昇・デメリット軽減』スキルで最大限活かすスタイル。
・その成り立ちから<月世の会>にはこの手の医療・回復系<エンブリオ>持ちが多い。

【熱態己竜 ヒートライザ】:ステータスだけでなく小技も駆使するタイプ
・これらの小技は<UBM>になる前の“地を這う天竜”だった時代に磨いたものであり、<UBM>化による大幅なステータス上昇に伴って非常に倒し難くなっている。
・《熱態圏》は熱で地面を溶かさない様に周囲と上方向に範囲が偏っている他、保温によって熱量が維持されるので熱系スキル効果が上がったり、熱が篭るので《熱羽》なくよる排熱がないと自傷ダメージを食らうデメリットがある。
・ちなみに彼が<UBM>化によって獲得した新スキルは“三つ”である。

【蠱毒狩蟲 ラーゼクター】:人間の言葉も話せる
・腕を蜂型に変形させたのはキメラ魔蟲<UBM>を倒した際にラーニングした“捕食した魔蟲の形質を肉体に自由に反映する”スキル《混蟲代百化》による物。
・更に彼はこのスキルに《高速再生》《脱皮》《分体生成》などのラーニングスキルを複合させて、“欠損した部位を再生させる”や“肉体の一部切り離して自立して動く様にする”事すら可能になっている。
・今回の複数の地中からの瘴気も生成した《蠱毒瘴気》の発生器官を分離させて地中にいくつか配置し、それらを遠隔操作したものである。


読了ありがとうございました。
ちなみに【ラーゼクター】のモチーフは“敵ポジション仮面ライダー”だったり。スキル名も最新のヤツを参考にしました。

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