今回からは、人間の中で、社会的ゴリラとして彼は生きようと思い行動します。次か、次の次あたりでゴリラの吐露を挟みたいと思います。
「お前は一体何なのだ、何が目的だ?」
グールに襲われた可哀想なゴリラということにするために、私の寝床を程よく功善に荒らしてもらっていると、落ち着いてきたのか、そんなことを話しかけられた。
まぁ、隠すものでも無いし教えてやることにする。
無論、直近の問題だが。
「まずは、社会的基盤を作りこの東京で暮らすことだな。」
「ふむ、そうか。」
「お前は…私の何を知っている?」
ほんの少し前まで私によって青息吐息だったというのに、グールというのは思ったよりもお元気さんなのかも知れない。
「Vに所属する功善という男喰種、これぐらいだな。」
「…どこで、とは聞かないでおこう。」
「もう一ついいだろうか?」
「構わない、私は寛大なゴリラ故。」
「それだ…、そのゴリラというのはなんなのだ?」
??私はゴリラじゃないか。
まさかッ!コイツはゴリラを知らないのか⁉︎
な、何なのだその明らかなる、常識の欠如!
グール達の教養的な問題は思いの外根深く、かつ残酷だということか…
この時のゴリラの勘違いがのちにグール全体に大きな影響を及ぼすのはまた別のハナシ。
「お前はゴリラを知らないのか?」
「知っている。だが、お前はどう見ても…明らかに人間ではないか!」
「お前の姿は確かに厳ついかもしれん、しかし…うぅむ、むしろ並の偉丈夫以上に整った容姿があるように見えるのだが?」
「お前こそ、自分の容姿を自ら見たことがないのではないか?」
「あと服を着てくれ…」
え°ぇ°(2度目)
「俺がっ、ゴリラじゃ無くて人間⁉︎」
「しかも、偉丈夫⁉︎」
人間だった時も言われたことないぞ…なんだなんだ、ややこしくなってきたな。
こいつからは俺が人間、しかもとびきりの偉丈夫に見えると。
だが、俺は何度展示窓の反射に写る自分を鑑みても、ゴリラにしか見えなかったぞ。
百歩譲って黒い巨躯の大男だし、断じて偉丈夫ではない。
コイツ…俺を騙そうというのか?
偉丈夫(笑)ってか?オ?
なんだぁ、てめぇ(ドッポキレる)
なぁるほど、ほうほうほう。
そうきましたか。
勝てないからと、精神的に潰してしまおうと?
ガラスのハートは認めるが、ゴリラの心を砕きたいんだったらロードローラーでも持ってくるんだったな‼️
まぁいい、君のそれに乗ってやろうじゃあないか。
ん?そういえば…どうして普通に意思疎通できてるんだ?
いやいやいや、待てよ待てよ!今までを思い出してみろ俺!
功善と話してた時!
だっ、誰も俺たちに対して驚くそぶりも何にもなかったな…
なぜ?目の前のコイツは俺としっかり会話してるってのに?
な、なんでなんだよォ!おかしい!オカシイ!可笑しい!
…そういえば、あの白衣の男もずいぶん人間に接するみたいな仕草が多かったな…
文明の力をやたらと使わせようとしたり、人間の服を着せようと少し躍起になったり。
…最後まで俺の身体を真っ直ぐ見てなかったな…ゴリラに恥じらいとは恐れ入ったよ笑、とか言ってる場合じゃない事実が浮上しちまった。
俺や、ほとんどの他の人間は俺のことを人間だと認識できない。
だが、何かしらの条件が揃った奴には俺が人間に見えてしまう、という事実がな。
俺はゴリラだが、どうやらヒトやぐーるを選ぶ人間らしい。
衝撃の事実発覚。
悲報 俺はゴリラだった
悲報 俺は人間だった
俺はどうあるべきか