相方登場。ゴリラの愛は万人の理不尽を捻り潰します。
時系列的に大丈夫やろ。
「はっ はっ はっ はっ!!」
タカタカタカタカッ!(革靴の足音)
ゴリフレッド捜査官がロマとゴリラ肉の実験をしている時!
同時刻、真戸呉緒捜査官は今月最高に焦っていた!
「しまった、しまった、しまったッ!」
ゴリラとの待ち合わせ場所について、よく聞いていなかったゴリラが勘違いしたにもかかわらず。
彼、真戸呉緒青年は自分のミスかもしれないと探してくれていたのだ。
そんな最中、唐突に周囲に響くコンクリートの破砕音!
彼の頭の中に浮上したのは最悪の可能性であった。
相方と初日にして死別!しかも面識ゼロ!
正に永遠のゼロを一つ人生に刻んでしまうかもしれないということもあり、彼は必死であった。
痩せ気味の見た目に反して、対喰種用の武器であるクインケの扱いはすでに目を見張るものがある彼が、今まさに目を見開いてヤツを探しているのである、かわいそうにな!
彼の人生最高の走りの一つに今後数えられるであろうこのダッシュは、虚しくも人の気配を吐き出しきった戦闘の足跡に辿り着いたところで停止した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、フ、ふ、フレっツッつッドクーーーーーーん!!!!」
彼の絶叫は目の前のコンクリートに多量の血液の染みを残して姿を消してしまった、相方フレッド仮二等捜査官(身元など、不明確な点が多く今後の功績に依るが、順調な出世は難しい)に捧げられた。
「へっぷし!…誰かが私について噂しているらしい…そういえばまだ相方の顔すら見ていないなぁ、これで良いのか全く…新人の教育がなっとりませんな和修局長〜ニチャってか!HAHAHA!!」
「相方さんに会いにいくっていう選択肢は無いのね〜…あはは…」
悲しいかな!彼、即ちこのゴリラに一切の悪気はないのであるぅ。
「ここかい?ほお〜、初めて見たぞ廃マンション。ココは比較的綺麗なんだな。おっ、扉もしっかりしてるな。それに、天井もそこまで低くないし。いいな、ワクワクするぞ。」
「……さっきからの話を聞く限りだと、ゴリさんはココに住もうとしてるの?」
「勿論だとも!じゃなきゃ、ここまで来ない…いや、仕事だから結局来ることにはなるんだよな、うん。うんうん、ままま、住むつもりは満々だぞ。ここの方が何かと都合がいいだろうしな。」
「……ここに他のグールが住んでいたとしても?…ふぅ、あれだけ強いんだから寧ろ快適かもね〜。でも本当に変わりもんだな…本当は同族だったりする?アハハヒヒッ」
彼女が楽しそうで何よりだ、素直に今の気持ちをそう落とし込んだ。
彼女と私はさっき出会って、互いに命を奪われかけた程度の仲であるが、どうにも私のことが嫌いではないらしい。
なんだかんだと言いながらも、私のふざけた実験にも付き合ってくれた。
さらにいえば、立場上捜査官の私に家まで紹介してくれたのだ、変わり者はどちらだと思う。
自分が彼女から見てどう写っているのかは分からない、けれど彼女もいろんな辛苦の上で必死に命を燃やしているのだ。
自分が反駁すべき理不尽の線路上に彼女は打ち捨てられている者の一人ではないか?
あの場で出会って、短くはあるが確かに共に命を謳歌した仲である。
これからが楽しみになった。
原作で暗がりにいらっしゃったものですから。
ゴリラが絶対に幸せにします(断定)。
ロマ氏が堕ちるのはまだ先かな?