ゴリラ的人生哲学   作:ヤン・デ・レェ

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ソロソロ激しくしていきたい。
悪いな原作主人公、お前の分もゴリラが理不尽を粉砕するぞ!

原作は大好きです。
ただ、心穏やかな幸せを自分の好きなキャラクターたちに捧げたい。
痛みで強くなるのは道理かもしれません。しかし、歪ながらも平穏を貪らことを許された生を望むことはそれ以上の道理だと思うのです。


枯れ木に水をあげましょう

「…ぁ。あ…こ。こ…は?」

 

間接照明の照らす天井に清潔な白色、薬品やアルコールの匂い。

ここは病室のようだった。

 

「いたたた…うぅ。」

両の脚には分厚く包帯に覆われていた。

血のにじみは無く、どこか包帯の居心地の悪さを感じる。

どうやら包帯を取り替えてもらった後に起きたらしく、部屋には人の姿がなかった。

 

強烈な風圧と直前の両足から来る激痛に意識を手放してしまった。

そのことは覚えています。

けれど、あの状況で彼は私を救ってくれるだけの余裕があったのでしょうか。

いえ、あったのでしょうね。

だから今こうして胸が呼吸で膨らむのを感じられるのでしょう。

 

病室の扉をスライドする時に聞こえる独特の音が聞こえた。

私の相棒が扉を潜るようにして身を縮こませて入ってきた。

 

「目が覚めたな。…すまんっ。私が気を緩めたから、君に大きな苦痛を与えてしまった。本当に、すまない。」

 

彼は私を見ると、見舞いの品だろうバナナを心底申し訳なさそうに渡してから、私に向き直り頭を下げた。

 

「あ、えぇ。いいえ、貴方は悪くありませんよ。私など貴方が戦っている間棒立ちでしたから。いやはや情けない。」

 

「……すまない。彼らは取り逃してしまった。」

 

グールの集団のことだ。

だが彼がどれほど強くてもあの状況下で私を放って捕縛に当たるほど私の負傷は彼に時間を許さなかったらしい。

誰かに連絡を取ればよかったのに、私など置いて、グールわ即殺していれば……考えてもたらればだが、彼を責める意見ばかりが私の中で盛り上がる。

私は自身の命の恩人への恩知らずな思考に憤りを感じたが、勤めて明るく彼の顔を見て言い放った。

 

「…そうですか。…謝りにいかなければいけませんね。ハハハ!」

「連帯責任、というやつですよフレッド君。我々はパートナーですから、相棒、相方が互いに失態を共有するものです。今回は…ちと規模が大きくはありますが…」

 

「そん時は頼みます!まぁ、今は仕事のことはいい。何より、クレオの命を救えて良かった。捜査官とはいえヒトだろう?命の貴賎は無い。本当に良かった!」

 

貴方が命がけで救ったヒトの命。

自分の命の価値を思い出した。

 

「…ありがとう。私は貴方を見誤っていました。あなたがパートナーでよかった。むしろ私がお礼を言いたいくらいです。」

 

「うん、うん。ありがとう。そう、だな、俺たちはパートナーだな。これからは俺がクレオの苦手なところををカバーしてやらんとな!」

 

「ええ、そうです。これから、改めてよろしくお願いしますね。」

 

「あぁ、事務仕事は任せたぞっ!」

 

「そこですかっ、あなたもたまにはお願いしますよ!」

 

ヒトが身一つで凶悪なグールの身を砕く。

私はその光景を生涯忘れることは無いでしょう。

絶体絶命の瞬間にみた貴方の剛力には正に理不尽を感じました。

しかし誰かのために振るわれた理不尽は、紛れもなく熱をはらんでいました。

私もヒトです。

社会、人間、自然、何の感慨も抱かない冷たい理不尽を味わってきました。

しかし貴方の見せた理不尽は今までの私の理不尽全てを嘲笑うように破壊してくれました。

これまで貴方に対して何処か壁を感じていましたが、壁は私が作っていたようです。

 

怪我が治ったらどこかに食事にいきましょう。

外回りでは頼みますよフレッド君。

 

 

 

 

あっ、バナナは貴方が食べるんですね…

なんとも面白い相棒だ、きみにはいつも笑わされている気がしますねクククッ…。




ヒトとの絡みは結構出てきたので、功善と喰種達との親睦を深めるとしましょう。
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