ゴリラ的人生哲学   作:ヤン・デ・レェ

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慈善活動家のゴリフレッド氏。
彼の休日は二日ありますからね。
週休2日制、真っ白いハトなんだから当たり前だよなぁ?


ネズミ小僧とゴリラ坊主

「うっぷ…う…うっぷ…。」

 

「大丈夫なのかい?なんだか触れてはいけない気もするけど、スゴイ顔をしているようだが?」

 

「た、たべすぎで…うっぷ…け、けど、わたしにはやらなければいけないことォォろ……うっ…ハァハァ!っぶない!危なかった…」

 

「君の前で食事をしている私のことを忘れていないだろうね?」

 

「ごめんよ、クレオ…だが、ほんとに、ここの、りょうり、は……おおいしいな!アハ!アハハ!」

 

「ふーむ、なんだか納得いかないが、さっきまで美味しそうに食べていたのは事実だからね。私は相棒を信じるよ。さ、そろそろ会計にしよう。」

 

休日2日目、週休2日制に感謝である。

 

問題は今朝まで肉を腕から生産し続けていたせいで死にはしないとはおもいつつも空腹がマックスだったこと、これから更に動く必要があり食べられるのは今しかないと詰め込み過ぎたことだ。

 

「これ、君の飲食代が8割を占めているね…私が4割払うよ、なんだか君は君で大変そうだからね。それにしても、本当によく食べたね…その体だから納得できる量だよ。」

 

カラカラカラカラ…ジャカン!!

 

39050円になりまーす!

 

へあっ⁉︎

 

そ、そんなに食べていただろうか……

 

 

 

日は中天に登り、街ゆく人々から恨みを買っている。

 

「あ、暑い…今日はアイスクリームが売れるだろうな…」

 

「同感だよ。私たちは薄着になるにも自分の命は惜しいからね。少しでも生存確率は上げておこう。」

 

「あ、あ…そうだな。」

 

まさか、まさかの出来事である。

偶々ターゲットを捕捉したクレオ捜査官はわざわざ食事会の帰りにボランティアを行おうと言うのだ。

 

端的に言って勘弁である。

 

 

職質的な乗りで問い詰めたら案の定逃げたので追い詰めることにした。

追跡する間にクレオとはなれたが私一人でも捕縛は可能だろう。

 

男のグールはレートは低いのに対して残虐な性分で危険度の高い個体らしく、この前読み聞かせてもらったレポート通り、短気ですぐに暴発したらしい。

 

私へ振り返ると同時に躍りかかってきた。

 

「うおおおおおぉぉぉぉ!?!?」

 

ぐあっっっ…ごひゅぅっ!

 

甲赫による豪快な一振りが高速かつ正確に私の体を打つのがわかる。

 

ごががきかかカカ!!

 

ふぉんッ!

腕を一振り

 

ガリッガリリリららら

甲赫の硬さをゴリラの黒々とした右の丸太腕で受け止める。

明らかに異常な音が響くが私はいつものごとく力を込めた左腕で反撃する。

 

グおぉおん!

 

「⁉︎ッチィィ!クソがぁぁぁ!」

ピッと退く男の腹を左の人差し指と中指と薬指で抉り裂く。

手応えを感じて相手を見ると、男は腹から腸がはみ出ていた。

相変わらずの威力である。

 

ギャラリリららッ!

 

鋭く私を穿とうと突き出された歪な剣の形を模したそれを右手でしかと握りしめた。

 

「ッッひ、やめっ…ぎゃみウウウウウウーーーーーブブブ…」

 

右腕から伸びているソレを軸に、マラソンの応援のために沿道で幼児が持たされる旗の如く振り回した。

 

右、前、左、右、後、最後に肩のもとを掴んで頭から地べたへ叩きつけた。

 

奇声を発した男は暫くののち目と鼻と耳から血を吹き出して沈黙した。

 

…死んではいない、と思う。

 

「…はぁ、はぁ、やっと追いつきました!フレッド君!大丈夫ですッ⁉︎…よねぇ、えぇ知ってましたとも。さっきいきなりコンビニのトイレの壁

を突き破って追いかけ出したときは驚きましたけど、流石ですね。」

 

「俺もそろそろ仮一等捜査官に昇格してもいいと思うんだけどなぁー。」

 

「実力ではない部分がからっきしなのでは??」

 

「そう言われると痛いな!」

 

二人で談笑しながらテキパキ男を捕縛していく。

駆逐駆逐と上はうるさいが、私が戦闘不能に追い込むと随分品行方正なグールになる、とコクリアからはとても好評なのが複雑だ。

まぁ、今回はBとかCの小物だったからな。

あ、無論いつも通りクインケは使っていない。

 

 

 

 

 

 

夜になったことを喧騒の消えた街の通りが教えてくれる。

あの後いつもどおりコクリアへ引き渡し、証書やらレポートやらを嫌々休日出勤でオフィスに出向いて終わした。

周りの目は相変わらず痛い。

丸手君という毒舌というかリアリストといか、そんな雰囲気の子と廊下であって後ずさられた後、「いつもご活躍は耳にしております!」とかなんとか言われた。

照れまくったのは秘密だ。

それにしても最近の子は礼儀がなっているなぁ(*満7歳のゴリラ)

彼は一等捜査官だった気がするのだが…。

ウチのクレオも一等になったんだったらしい…らしいだけど。

 

 

「この通りには三人…」

 

「このマンションには二人、しかも親子…」

 

「この通りには四人…内二人は兄弟…なるへそ…」

 

いま、夜の街を駆け回っております。

 

上下真っ暗のドデカ合羽に、真っ黒のゴリラの顔がゆるーくプリントされたお面をつけて、全速力で20区を走り回っとります。

 

いやねぇ、あどでぇ、ぼぐね"ぇ"、昨日から夜通し溜め込み続けたゴリラミート(命名ロマちゃん)をヤモリ一家に調べてもらって地図に書かれたグールの分布をもとに配達しとるんです。

はい。

ゴリラデリバリーですよ!

 

働き始めてかれこれ1ヶ月、功善とも何度か食事に行ったり、クレオとかと飲みに行ったり、ロマとゴロゴロしたり、ヤモリ一家の先生(給食と国数)したり、外回りしてグールとかヒトのチンピラとかヤクザとかボッコボコにしたり……思ったよりも色々してるな。

 

まぁ、ただフラフラしてたわけじゃぁないんだぜッ!ビシッ

 

私の天才的ゴリラブレインはこう考えたんですよ…

 

…腹を空かせたグールに私のゴリラミートを食べさせれば食人件数が激減するのでは?…と。

 

どうよ!この完璧な証明は!!ドヤァ(驚異の脳筋100%QEDである)

 

まぁ、そのために場所を割り出したりと色々大変だったがな。

 

これで20区の完全掃討カッコカリは実現され、私も職場でタダの変なゴリラ扱いを改善できると言う訳だよ!!

 

フハハハ!笑いが止まらぬわぁ!

 

拾え拾えぇい!

 

我がゴ慈悲に感涙し咽ぶがいい!!

 

次の外回りでの目標グールと事件の立件数がどれだけ絞られるか楽しみだわい!

 

HAHAHAHA…………

 

 

 

 

 

 

 

 

この日から20区の喰種によると考えられる食人事件の立件数は往年の一割以下へと激減。

CCG上層部はなんらかの大規模なグールの集団失踪による他区での被害増大、もしくは組織的なグールによる襲撃を警戒したが杞憂に終わった。

 

本局の局長は、今回の件に伴い該当地域での大々的な活躍が知られていながらも外見の威圧感などによるイメージダウンを恐れ保留となっていた仮二等捜査官フレッド氏を公的に表彰し、仮では無く正式に一等捜査官としての昇格が通達された。

 

 

一方で、東京一の安全地帯、グールとヒトとの共存地帯などともてはやされた20区では、大声で笑い声を上げるゴリラそのままの大男が夜の街を駆けるという通報、噂が多発し、都警はパトロールの時間帯を集中させるなどの警戒及び原因究明に務めるとの旨を発表した。

 

 

 

 

ひとり喜びと困惑に胸を跳ねさせた新任一等捜査官がいたことはゴリラの隣人と本人の溝知ることである。

 




面白く書けたかなー…と思います。
今回はこーのんというかー…イイ感じにまとめられたと思います。
次回から新しい章に入ります。

まだ1週間も経っていませんが、今後とも宜しくお願いします。
水星フレッド

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