ハイスクールDQM   作:コクトー

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魔女と雨

やーさんside

「ん?そこにいるのはアーシア・アルジェントか?」

 

 ゼノヴィアが部屋の隅にいたアーシアに気が付いた。

 

「まさかこんなところで『魔女(・・)』に会うとはな」

 

 『魔女』という言葉にアーシアはビクッと反応した。アーシアにとってつらいものだ。

 

「あなたが噂になってた元『聖女』さん?追放されてどこかに流されたとは聞いてたけど悪魔になってるのは予想外ね」

 

「あ、あの…私は………」

 

「大丈夫よ。あなたが悪魔になったことは誰にも言わないわ。『聖女(・・)』アーシア・アルジェントの周囲にいた人に今の状況を話せばショックを受けるもの」

 

「……」

 

 イリナの言葉に黙り込むアーシア。

 

「しかし悪魔か…。『聖女』が堕ちるところまで堕ちたな。まだ我らが神を信仰してるのか?」

 

「そんなわけないでしょゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信仰してるはずがないじゃない。毒にしかならないのよ?」

 

 呆れながらイリナが答える。

 

「いや、彼女からたしかに信仰の香りがする。背信行為をする輩でも罪だと感じていながら信仰心を忘れないものがいてね。そいつらと同じ感じがするのだよ」

 

「……捨てきれないんです………ずっと信じてきたから…」

 

「そうか、なら今すぐ私たちに斬られるといい。神の名のもとに断罪してやろう。罪深いと言えど神も許してくださるだろう」

 

 ゼノヴィアはエクスカリバーに手をかけた。そこで俺らはもう耐えきれなかった。

 

「ふざけるなよ、アーシアを斬るだって?そんなこと俺がさせねぇ!」

 

「右に同じ。『ドラゴン』に食われたいか?」

 

 魔力をためて俺とイッセーが間に入る。イッセーは『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を発動している。

 

「なんだ?悪魔ども?」

 

「イッセー!?やーさん!?」

 

 リアス部長から静止の声がかかる。だが俺らは聞こうとしなかった。理由は単純だ。

 

「……イッセーさん…やーさん…」

 

 アーシアが泣いている。それだけで俺らが動くには十分すぎる。

 

「アーシアを魔女といったな!」

 

「正しいことしか言ってないが?実際にそうだろう。挙句今となっては悪魔にまで堕ちているのだ」

 

「ふざけるなよ。癒しの力を持っているからと勝手に聖女だ聖女だと祭り上げられて悪魔でさえ治せてしまうから異端で魔女だと突き放す。そんなのがお前らの信じる神か?」

 

「聖女と呼ばれたのも、神に見捨てられたのも彼女の信仰が足りなかったからだろう?」

 

「どこまで勝手なんだ!こんな優しい子を不幸にする信仰なんて間違ってる!」

 

「アーシアは、多くの人を救って、救って、救い続けて、それで友達が全然できなくて、ただ泣いていた子なんだぞ?アーシアを見捨てて一人にし続けたのは貴様らだろうが!」

 

「聖女は神に愛される存在だ。他人からの愛や友情を求めている時点で聖女の資格はない」

 

「何が資格だ!どいつもこいつも、アーシアの優しさを理解しようとしない愚か者ばかりじゃねぇか!」

 

「……君達はアーシア・アルジェントのなんだ?我々を愚か者だと言い切るくらいだ。それほどのものなのだろう?」

 

「仲間だ!家族だ!友達だ!とても優しい、俺の大切な存在だ!アーシアを傷つけるというなら、俺はお前ら全員を敵に回してでも、神を殺してでもアーシアを守る!」

 

「イッセーと同じだ。俺はお前ら全員を敵に回すのになんの抵抗もない」

 

「……ほう、ただの悪魔がそこまで言いはるか。さすがは赤龍帝といったところか。いいだろう」

 

 ゼノヴィアがエクスカリバーを入れた袋の口をあける。

 

「イッセー、やーさんやめなさ」

 

「二人の言うとおりだね」

 

 リアス部長の言葉をさえぎって木場が前に出る。魔力も乱れてるしどう見ても冷静じゃない。

 

「僕が相手になるよ。ちょうどいいしね」

 

「……誰だ貴様は?」

 

「君たちの先輩だよ――――――失敗作だけどね」

 

 木場は一本の真黒な剣を作り出した。それは黒というにはひどく淀んで見えた。

 

「どれだけ待ったことか……僕はエクスカリバーを壊す…」

 

「祐斗……」

 

 リアス部長は悲しそうにつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 俺と木場、イリナとゼノヴィアは校舎裏の広場で向かい合っていた。

 三人は剣を構えており、俺はこっそりと『スカラ』『ピオラ』『バイキルト』『インテ』をかけて強化していた。

 

「木場、あのゼノヴィアってやつを頼む。もう一人は俺がやる」

 

「ほんとは二人ともと言いたいけど任せるよ」

 

 沈黙があたりを覆う。俺はイリナ、木場はゼノヴィアを見据える。

 イッセーがごくりとつばを飲み込んだ。それが開戦の合図となった。

 

 イリナとゼノヴィアは着ていたローブを脱ぎ去る。下に戦闘服を着込んでいたらしい。

 それからイリナのもつエクスカリバーが日本刀に姿を変える。

 

擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)か。姿を変える力、やっかいそうだな」

 

「そうでしょう!久しぶりに会った幼馴染が悪魔になっていたショック、あんたではらさせてもらうわ!」

 

「僕を忘れてもらっては困るよ『魔剣創造(ソード・バース)』!」

 

 地面から無数の剣がはえゼノヴィアに襲い掛かる。

 

「イッセーへの不満を俺ではらすとかなめてんのか?」

 

 俺の周りから三つの魔方陣が現れ、それらから『ドラキー』『キメラ』『デンデン竜』が現れた。

 

「なによこいつら!」

 

 計26体のモンスターがイリナに襲い掛かった。

 

「モンスターたちだ。ドラキー、キメラ、デンデン竜。ランクはそれぞれF、E、Eだ」

 

 襲いかかるモンスターを擬態の聖剣で切っていくイリナ。俺はその間にもエンチャントをかけていく。

 それから少しして最後のデンデン竜が切り倒された。

 

「どうよ!もういないわよ!」

 

 自信満々に言うイリナ。

 

「おーすごいな」

 

「そうでしょうそうでしょう!」

 

「追加してやろう」

 

「へ?」

 

 再び26体のモンスターが現れる。

 

「いやーーーーーーー!!!!!」

 

 今度は魔方陣を設置して発動したので倒されたそばからまた現れる。そろそろ潮時かな?

 俺はモンスターをすべて消し、『ヒャド応用』籠でイリナを囲う。

 

「まだやるか?」

 

「………まいったわ」

 

「俺の神器なんだよ。これ」

 

「ストレス発散によさそうね」

 

「そうもいかんさ。やばいのたくさんいるしな」

 

 こっちは終わった。特に敵対したってわけでもないし程よい感じじゃないかな?

 心配なのは木場の方だ。

 

「あれは強力だな。無限にモンスターを作り出す力か。いくら擬態の聖剣でもつらいだろうな」

 

「次は君の番だよ!」

 

 木場は黒い剣を構えてゼノヴィアに切りかかった。『騎士』のスピードで襲いかかる木場をゼノヴィアはなんなくいなしていた。とゆうのも木場の攻撃が単調になっているのだ。エクスカリバーへの怒りで我を忘れている。

 

「ふん!」

 

 ゼノヴィアが破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)を振り切った。

 するとグラウンドにクレーターができる。さすがは破壊と名のつくだけあるな。

 

 木場は次々と魔剣を作り出してはゼノヴィアに向かわせる。が、ゼノヴィアはそれをものともせず向かっていく。

 

「僕は、エクスカリバーに負けるわけには行けないんだ!魔剣創造(ソード・バース)!!」

 

 木場の手に3メートルにもなる大剣が生まれる。

 

「木場、ダメだ!それじゃあ!」

 

「ふん、魔剣創造、こんなものか」

 

 ゼノヴィアは軽々とその大剣をへし折り、剣の柄を木場の腹部に入れた。勝負はついた。

 

「騎士の力を生かすのにその大剣は大きすぎる。貴様にそれを扱うだけの筋力はないよ。冷静だったなら危なかったかもしれないが、今の貴様に負ける要素はない」

 

 その後ゼノヴィアはエクスカリバーをしまい、イリナと一緒に去って行った。

 

「待ちなさい祐斗!」

 

 その後一人去ろうとする木場にリアス部長が声を上げた。

 

「………………それでも、僕は許せない」

 

「祐斗!あなたは私の『騎士』よ!ほっとけないわ!」

 

「………」

 

 木場は降り始めた雨の向こうに消えていった。

やーさんsideout

 

 

 




どうもコクトーです

大学の授業が本格的に始まりました。面倒です…


木場君はどう書こうとしても空気になってしまう…
誰か!木場君に光を!!!

与えないでください。危険です


なにがでしょうか?


と一ネタやったところで新作の話
書き直すつもりですが、10話で聖剣編まで終わりました
おかしいな…



ではまた次回
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