イッセーside
木場のやつが雨の中に消えて行った後、俺たちは部室に戻っていた。
「部長、木場のやつ、いったいどうしたんですか?なんか普通じゃないっていうか…」
「ああ、おかしかったな。リアス部長、あいつの…木場の過去に何があったんだ?」
俺たちの質問に対して部長はうつむいていた顔を少し上げポツリという。
「……裕斗は『聖剣計画』の生き残りなのよ」
「…聖剣…計画?」
聞きなれないその単語につい聞き返した。でもなんだろうな…なんか頭がひっかかるんだよな…。なんだろ?知ってるけど忘れてるって感じ?
「数年前、教会はとある実験をしていたの。その実験は人口の聖剣使いを作り出す実験。でもその実験台になった幼い子供たちが全員殺されたの。教会内に閉じ込めて毒で皆殺し」
「そんな!?教会がそんなことを!?」
「信じられないかもしれないけど事実よ。祐斗はその生き残りなの」
「なんだよそれ!」
想像以上に壮絶な話の後、部室は沈黙に包まれその日は解散となった。
次の日、俺たちは街でゼノヴィアたちを探していた。メンバーは俺、やーさん、小猫ちゃん、それから
「いやなんで俺まで連れてこられたんだよ」
匙だ。ちょっとイッセーが交渉し拉致してきた。
「いいだろ?同じ駒王の仲間じゃないか」
「いや俺会長の眷族だからお前らと関係ねえんだが…」
「まあまあ、そこはいいじゃないか。まずはあいつらを探さないとな」
「それにしても小猫ちゃんまで来てくれるとは思わなかったよ」
「…先輩がいなくなるのはさびしいし嫌です」
「そうか…それにしてもイッセー、何か手がかりはあるのか?ただやみくもに探してても見つからないだろ?」
「それなんだよなぁ……」
そう、今俺たちには二人を探す手がかりがまるでない。だからただ街をぶらついているだけなのだが、それをいつまでも続けるわけにもいかないだろう。
「つかお前ら誰探してんの?木場のやつか?」
「「教会から来た二人」」
「はぁ!?ふざけんなよ!俺を巻き込むなって!」
「匙、あきらめろ」
「いやだぁぁぁぁぁぁあああ!!俺は帰るんだぁぁぁぁぁあああ!」
いきなり叫びだした匙をやーさんと小猫ちゃんがつかみ連れて行く。そんなとき
「えー迷える子羊に天の恵みを~」
「えー天の父に代わって哀れなわれわれに慈悲を~」
二人が道端で物乞いしてました。いやなにやってんだあれ?
「あーもう!まったく集まんない」
「これが異教徒の国か。信仰の違いを感じる」
「もう、なんでこんなことに…」
「お前がそんなわけのわからない絵を買ったからだろうが!そんな贋作に騙されおって。だいたい、なんなのだその落書きは」
「贋作とは何よ!展示会の人も言ってたじゃないの!これはかの有名な聖人様のありのままの姿を描いたものだって!」
「じゃあいったいどなただというのだ!私には落書きにしか見えん!」
「…ペドロ様?」
「侮辱するなぁぁぁぁぁあああ!」
ぐ~
「くぅ、余計におなかがすいてきた…こうなったらその辺にいる異教徒を脅して金を巻き上げるか」
「それなら寺にある賽銭箱を狙ったほうがいいんじゃない?異教徒のなら神様も許してくれるはず!」
「許されねえよ」ゴンッ
なにやら物騒なことを話す彼女たちにやーさんの拳が振り下ろされた。
「なにをする!」
「なにをするじゃねえよ。なに物騒なこと話してやがる。人や寺から金を巻き上げるなんざダメに決まってんだろ。話がある。来てくれ」
「ど、どこに行くというのだ!?」
ゼノヴィアが問いかける。それに対してやーさんは真剣な顔になって答えた。
「そこのファミレスだよ。昼飯イッセーがおごるから話を聞いてくれ」
二人は即答で「「いく」」と答えた。よかった。これで話ができる……って俺がおごるの?
「うまいうまい!」
「うん!これが故郷の味よ!」
「いやファミレスでハンバーグ食べながら故郷の味と言われてもな…。そこは和食だろ」
運ばれてきた大量の料理が次々と消えていく。財布の中身残ってくれるかな?
「ふー、まさか悪魔に助けられることになるとはな」
「この国の信仰も捨てたもんじゃないわね!」
「「アーメン」」
「「「「うっ!」」」」
十字を切る二人に対して俺たち悪魔組が一斉に頭を押さえる。
「ん?ああそういえば悪魔には毒だったな。それで、なぜ私たちと接触した」
「エクスカリバーの破壊に協力したい」
ゼノヴィアの言葉に俺はくい気味に答えた。さて、どう出るか。
「ふむ、一本くらいだったら構わんだろう」
「ちょっとゼノヴィア、本気なの!?」
「ああ本気さ。どちらにしろ私たち二人だけではコカビエルには勝てん。犬死するのが関の山だ。相手は堕天使の幹部クラスだ。いくら聖剣を持っていると言えど勝てる見込みはほぼない」
「だからって、イッセーくんといえど彼らは悪魔なんだよ!?」
「私たちの任務は死ぬことではないだろう?それに、神を信仰するならなんとしてでも任務を終えて生きて帰ることこそが大事だろう」
「あなたの信仰ひねくれてるわね…」
「なんとでも言ってくれればいい。私はここで死ぬつもりはない。かといって任務を放棄する気もない。ならば悪魔だろうがなんだろうが協力を頼むのがいいだろう。それに、だれも悪魔の力を借りるとは言っていない」
ゼノヴィアは俺とやーさんを見て少し笑う。
「ドラゴンの力を借りるだけだ。教会もドラゴンの力を借りるなとはいっていないだろう?」
「ま、決定ってことでいいな。じゃあ俺たちの協力者を呼ぶから待っててくれ」
俺は協力者…木場を呼び出した。
「…話は分かったよ。まさかエクスカリバー使いに破壊を了承されるとはね」
「やっぱり恨んでいるの?教会と……エクスカリバーを」
「もちろんさ。僕は聖剣を許さない」
「でもね、あれのおかげで聖剣に関する研究は飛躍的に進んだわ」
「だからって被験者を全員殺してもいいのか?」
「それは…」
イリナは答えに詰まってそのまま黙り込んでしまった。
「あの事件は我々の間でも最大限に嫌悪されたものだ。あのときの首謀者は背信の烙印を押されていまとなっては堕天使側の人間だよ」
「それはいったい―――」
「バルパー・ガリレイ。皆殺しの大司教と呼ばれる男だ」
「……そうか…堕天使を追い続ければいづれその男にもたどりつくのかな…」
木場の瞳にかすかだが光が戻った気がした。今はなにやら決意のようなものを感じる。
「さて、私たちはそろそろ行くとしよう。あまりおおっぴらにはしてくれるなよ?」
「もちろん。俺たちも部長にばれるとまずいからな」
そして二人は出て行った。
「そういえば、木場はなんかエクスカリバーと関係があるのか?」
匙が聞いてきた。そういや匙は木場のことも聖剣計画のことも知らないんだよな。
俺は匙に説明した。木場は少し暗い表情をしたけどやむを得ないよな。
「うぉぉおおおおお!木場ぁぁぁぁあああ!お前そんなことがあったのかぁぁぁ!!!」
なんかすげえなき始めた。つらかっただろうとかいって泣きながら木場の肩を抱く。
「俺お前のことずっといけすかねえ野郎だって思ってたけど、やっぱりお前のこと大好きだぁぁああ!俺も全力で協力するぜ!それとイッセー!お前に俺の夢を教えてやる!」
「なんだ?」
「俺の夢は…会長とできちゃった結婚することだ!」
「な…なんだって!?」
「ただの結婚じゃねえぞ?できちゃった結婚だ!」
「お、お前…それがどれだけつらいことかわかっているのか!?」
「当たり前よ!それでも…俺はやってみせる!」
「匙!俺の夢も教えてやる!俺の夢は…部長のおっぱいを吸うことだ!」
「なっ!す、吸うだと!?」
「そうだ!ただもむんじゃなくて吸うんだ!」
「お前…それって…」
「あぁ。これもそうとう厳しい道だろう…だが!俺もあきらめねえ!やるぞ匙!」
「おお!」
俺らは肩を組み決意を固める。もうなにも恐れねえ!まってろおっぱい!
「…先輩方不潔です」
「俺には関係ないかな」
「やー兄さんはもうやってますしね」
「やらされてるの間違いじゃないか?」
「ははは、やーさんも大変だね」
「木場、他人事みたいに言ってんじゃねえよ」
やーさんたちは俺たちをよそにそんな話をしていたが、俺たちには聞こえなかった。
イッセーsideout
どうもコクトーです
今回は戦闘なしですねー
次回は戦闘もアルヨ!
イッセーと匙の夢って正直どうなんでしょうか?
個人的にはひどいなーとか思ったりしてます
できちゃった結婚とか相手の気持ちはどうなんだろ?
そして会長はレヴィアタンの妹ってことで婚約者とかいそうだよね
DQMが切りつくか、作者が耐え切れなくなったら新作も始めるからお楽しみに!
ではまた次回