木場side
僕はゼノヴィアさんとともに一足遅れて駒王学園に来た。
グラウンドではすでにやーさんのモンスターが数匹のケルベロスを倒しており、ほかの一体は部長たちが相手をしていた。
「ケルベロスは私がやっておこう」
「聖剣は…僕が壊す!」
ケルベロスのほうへ走るゼノヴィアさんと違い、僕は魔方陣の中心にいるフリードに向かっていった。
「ふははははは。ついに、ついに完成した!」
5本の聖剣が一つになった。
「バルパー・ガリレイ!お前は僕が許さない!」
「ついに私の長年の夢がかなったのだ。すばらしい…これほどまでにうれしいことはない。……ん?貴様はそうういえば聖剣計画の
「バルパー・ガリレイ!お前のせいで…みんなは!」
「計画の完成に協力してくれた礼にあの時の真実を教えてやろう。
ある日、私たちの研究チームは聖剣を扱うのに必要な因子があることを発見した。その時私たちは歓喜に酔いしれたよ。しかし、それも一転して絶望へと変わってしまった。因子は人工的に増やすことができなかったのだ!もともと私たちのチームの中に聖剣を扱えるものはいなかった。しかし、聖剣への夢をあきらめきれず、力を求めたのが私たちだ。因子の存在はわかった。しかし増やせない。そうなったとき私たちはあることに気が付いたんだ。増やせないなら集めればいいと。
木場祐斗だったか?そもそもあそこにいた子供たちには聖剣を扱う因子があったのだ。だが、悲しいことに量が少なすぎた。私たちはそれをかき集めて因子をそろえたのだ」
「そんな…僕たちはそんなことのために…」
「しかし、いざ研究が完成した途端!いまいましきミカエルどもは私を異端だとぬかして教会から追い出した!しかも、私たちの研究データをもとに聖剣に関する研究は今でも進められている。むしろ私たちの研究があったからこそ今の聖剣の研究があるというのに!」
バルパーは怒りをあらわにしながら、懐からおもむろに小さな瓶をとりだして僕にむかって放った。
それは僕の足元に転がった。
「それはわずかに残った因子だ。もう私には必要ないものだからな。くれてやる」
足元の瓶を手に取る。自然と涙が出てくる。
「僕は…ずっと思っていた。なんで僕だけが生き延びたんだろうって」
「僕だけが、逃げ延びて、リアス部長の眷属になって、友達ができて、笑って、日々を過ごしてきた…」
「でも…本当にいいのかなって。僕だけが幸せになって本当にいいのかなって何度も考えた」
「なんで僕はここにいるんだろう。なんで生きているんだろう。なんで僕だったんだろう」
「僕は………一人だ………」
『あなたは一人じゃない』
突然僕の頭上に声が響いた。一人の声じゃない。何人も何人もいる。
「みんな……どうして……」
僕の周りに、薄くなっているものの光が人の形を形成していく。大きいもの、小さいもの、男の子、女の子……それはかつて、僕があの教会でともに過ごした仲間たちだった。
『君は生きていいんだ。君は僕たちの希望なんだから』
「僕は…僕は、何もできなかった…みんなを見捨てて、今日まで平和にのうのうと生きてきてしまった」
『見捨ててなんかないよ』
『たとえそれが復讐という形であったとしても』
『君はいつも僕たちのことを想っていてくれた』
「忘れるわけない…忘れるわけないよ!だって……大切だったんだ!」
『なら私たちもあなたを大切に想う』
『あなたは一人じゃない』
『一人の力は弱くても』
『みんなと一緒なら大丈夫』
『だから受け入れよう』
『歌おう……みんなで歌ったあの歌を』
―――――――――――――――――――――――――――――!!!
声がやみ、空から歌が響く。やさしい、やさしい歌。その歌は、この戦場にいる全員に届く。
「……聖歌……」
誰のともわからないつぶやきが耳に届く。
『聖剣を受け入れよう』
『神が僕達を見放しても、君には神なんていらない』
『君には私達がいる』
『たとえ神が僕達を見ていなくても僕達はきっと・・・』
ああそうだね…僕たちはこれまでも、これからも、どこまでも…
「『一つだ…!』」
その言葉に反応するかのように僕の周りの人影が光の珠となって周りをただよう。
とても暖かく、やさしく、心地のいい光。
みんなの思いが僕に入ってくる……僕は、一人じゃない。
ふと仲間のほうを見る。
リアス部長、朱乃さん、子猫ちゃん、アーシアさん、やーさん、イッセーくん。
「木場!お前は俺たちの仲間だ!一人なんかじゃねえぞ!」
イッセーくんの言葉が勇気をくれる。力をくれる。そして強い気持ちをくれる。
「そうだねイッセーくん。……バルパー・ガリレイ。僕の仲間は復讐なんか望んではなかったみたいだ。だけど、今ここであなたを滅ぼさないと第二第三の僕たちの命が無視される」
「実験に犠牲はつきものだろう?」
「僕はあなたを倒し、仲間を守る剣になる!今こそ、僕の想いに応えてくれ!
僕は新たな剣を創り出す。もう復讐はしない。拒絶するんじゃない。受け入れるんだ。すべてを!
「
「だぁーもう!さっきから何がどうなっちゃってるんですかぁああ!?もういい!さっさとおれっちにこの聖剣エクスカリバーで斬られちまいなぁ!」
フリードが融合した聖剣で斬りかかってくる。
天閃のスピードで向かってくるそれをかわし、夢幻でくるそれをいなし、擬態してくるそれを流し、透明でくるそれをはじく。今の僕に負けはない!
お互いの剣が打ち合うたびに、だんだんと僕の聖魔剣のオーラが聖剣のオーラを塗りつぶしていく。
「本家本元がパチモンに負けんのかよ!?」
「それが本来のエクスカリバーだったら僕に勝ち目はなかっただろうね。でも、今の僕たちの想いにはそれでは勝てない!」
僕の剣が相手の剣をはじく。
「くそがくそがくそがくそがくそがぁあああ!!」
透明になり、擬態した聖剣が襲ってくるけどあたらない。僕はそれがどこにあるか手に取るように分かる。そんな中、横から右手を上に向けたゼノヴィアさんが走ってきた。
「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアと。我が声に耳を傾けてくれ」
言霊を唱えると、その右手にすさまじい力を持った剣が表れる。
「デュランダルだと!?まだ教会はデュランダル使いは作れていないはずだ!」
「ああ。人工のデュランダル使いは確かにいないよ。だが、あいにく希少な天然ものなんだ」
「なんだと!?」
さすがにこれはバルパーも驚いていた。
「こいつは何でもかんでも壊してしまおうとする暴れ馬でな。こうして異空間にでも収納していないと大変なことになっていしまう。現に私も扱いきれん。だが」
ゼノヴィアさんは僕と対峙する聖剣めがけてデュランダルを振り下ろした。
パキィィィイイン
きれいな音がしながら、デュランダルは聖剣をへし折った。
「しょせんは折れた聖剣。デュランダルの敵ではないな」
僕は天を仰いだ。
「みんな…僕は…やっと、聖剣を超えたよ…」
「ウソダウソダウソダウソダ!」
一方でバルパーは頭を抱えて悶え始めた。
「聖魔剣だと!?聖なる力と魔の力が合わさることなどあってはならないことだ!いったいどうなって……はっ、まさか……先の大戦で魔王だけでなく神も」
そこから先を言うことはなかった。コカビエルの槍がバルパーを貫いたのだ…。
木場sideout
どうもコクトーです
ちょっと遅れました
大学って帰りすごい遅くなってしまう…
そしてボウリングアベレージ70ってやばいよね?
今回木場君メインでした
初じゃないかな?
これで空気脱出できたかな……
とりあえず
次も続くよ
コカビエル
575でした
ではまた次回