碧弾の守り人   作:水流

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闘技場(コロシアム)

 

「姉さん!」

 

リアンは刀を背中に背負った瞬間にゆっくりとアリアの元へと駆け出す

中には男と一緒に居るアリアの姿が見えるがアリアは跳び箱の中に入っている

 

狭い所、跳び箱の中が気に入ったのか

 

変な解釈をして近寄っていく

 

「お、恩になんか着ないわよ。あんな玩具、リアンと私の2人だけでなんとか出来た。これは本当。本当の本当よ」

 

実際、リアンとアリアの2名なら可能だろう

この程度の玩具ならばリアン1人でも相手は出来る

 

「そ、それに今のでさっきの件をうやむやにしようったってそうはいかないからね!」

 

リアンは首を傾げた

さっきの件とは何事だ

まさか、姉が見知らぬ男性に無礼を働いたのか

そんな考えに至り、顔面が段々と青くなる

 

「あれは強制猥褻!ちゃんとした犯罪よ!」

 

跳び箱の中で何やらモゾモゾしているアリア

リアンは一体何があったのか本当にわからなくなっている

 

「は?姉さん、何を言って「それは悲しい誤解だ」

 

質問をしようとした所で男が喋り出す

何が誤解なのかは分からないが聞くべきだろう

 

ベルトを外して投げ入れる男の動きに爆風でスカートが壊れた事を察したリアン

 

扉の付近に盗聴器を仕掛けたリアンが次に取った行動は車の中へと戻る事だった

 

何故なら、こうなった場合には必ず段階があるのでそれを覚えている

双子とは恐ろしい物で相手が次に取る行動が大体、予想できるのが凄い所だ

 

「ふ、服を脱がそうとしてたじゃない!」

 

段々、男が哀れに思えてきた

爆風によって服が巻かれていて、目が覚めるとその状況が目の前に

固まっている間にアリアが起きてしまう・・・

 

そんな様子が簡単に予想ができたリアンは手を合わせた

 

「そ、それに・・・胸、見てたー!これは事実!強猥の現行犯!」

 

チラリと後ろを振り向くと独特な地団駄を踏み出すアリア

 

急ぎながら日本での愛車ロールス・ロイスに乗った

 

スピーカーで盗聴器の音声を拾いながら、体育倉庫の様子が見えるように車を少しだけ前に出した

 

『逃げられないわよ!あたしは逃走する犯人を逃がした事は1度もないんだから!あれ?あれれ?』

 

スカートの内側のホルスターを漁るアリア

だが、お望みのマガジンが無いようだ

 

『ごめんよ』

 

マガジンをアリアから取っていた男は一言だけ謝ってからマガジンを木に向けて投げた

 

リアンはアリアの癇癪を後で貰うのは嫌なので車を発進させ、武偵高校へと向かうのだった

 


 

 

レインボーブリッジ南方に浮かぶ南北およそ2Km

東西500メートルの人工浮島に設立された武偵を育成する総合教育機関

校則により校内での拳銃・刀剣の携帯が義務付けられている

制服は男女共に防弾繊維を使用した“防弾制服”だ

 

「あの男を私のパートナーにしたいんだけどリアンはどう思う?」

 

学校に着いてアリアと会った時

リアンは激怒されるだろうな

そう思ったが案外、平気そうだった

しかもさっきの男をパートナーってどんだけ気に入ったんだろう

 

「別に・・・姉さんがやりたいようにやれば?」

 

こういう時に止めたとしても大抵やるのがアリアだ

それを知っているリアンは止めることはない

無茶な場合はスケットとして姉の手助けをする

それが日常的であり、それ以上もそれ以下も望まない

 

先生の後に続いて、教室に入る

 

中はざわついていたが先生が来ると静かになった

どこの武偵高でもこんな物なんだな

 

「うふふ、じゃあ今日は3学期に転向してきたカッワイイ双子ちゃん自己紹介してもらいまーす」

 

クラスを見渡すとさっきの男を発見した

探す手間が省けて助かったな

1日中、アリアに引きずられる所だった

 

「神崎・H・アリアちゃんと神崎・H・リアン君です」

 

この世の終わりのような顔をした男にリアンは笑みを浮かべた

 

面白い

 

単純にそう思ったのだ

彼が笑うことは滅多にない事で、それこそアリアでもあまり見た事が無いくらいだ

 

黒い狐の面を付けて、顔を隠したリアン

常時、リアンはこうでなければならないのだ

 

聖痕

そう言われる物が超能力を使う際に現れる

痛みを伴うと言われているのだが、リアンの場合は痛みは無い

キリスト教かと言われるとリアンはキリストの考え方が大嫌いだ

 

何故か浮かび上がる紋様は自然消滅するし使えば出現する

 

だから、最初から顔を隠して過ごす

 

そういう結論に至ったのだ

 

「アタシ、アイツの隣に座りたい」

 

アリアが堂々とみんなの前で宣言した

それによってクラスは静寂に包まれたがすぐに騒めく

 

「あらあら、最近の子は積極的なのねー」

 

主にパートナーを作る事には積極的ですよ

 

そう思ったリアンは空いている席に座った

どこでも良いのだろう

隣の人は・・・

 

「峰 理子でーす!よろしくね、リアン君」

 

金髪のツインテールの女性

この後、すぐにアリアを怒らせた為にアリアは発砲

ユニークな人

そういう発想に至ったリアンだった

 


 

パートナー・・・仲間、同等の関係

 

俺の実力についていける奴なんて早々、居ないか

取り敢えず奴隷を探す事にしよう

 

こう言う発想をする所はアリアにそっくりである

 

「げっ!おい、あそこ」

 

「『ロボット』が歩いてるぞ』

 

「あいつ、狙撃科(スナイプ)なんだってよ」

 

「マジ?あんなぼっーとしてる奴で良いなら俺も出来そうだわー」

 

「馬鹿、お前は強襲科(アサルト)のAなんだから辞めんなよ?」

 

ヒソヒソ話す男子の声

何事だろうか、一体・・・

 

その方向を見ると歩いているのは少女でロボットなんて歩いてない

 

こういうの俺は嫌いだ

 

男子生徒を後ろから踏み倒した

 

「何すんだ!・・・・あっ」

 

仮面を見た瞬間に顔を青くする男子生徒2人

 

その襟首を持って強襲科(アサルト)の体育館という名前の闘技場(コロッセオ)に向かう

 

楕円形のフィールドの5メートルくらい離れた場所に2人を置いた途端に離れた

 

背に背負った刀を抜刀する必要は・・・・ない

徒手格闘で勝負しよう

 

処刑執行(Execution)

 

「も、もうどうにでもなれ!!」

 

ヤケ糞気味に発砲した

 

発砲した弾丸は()()()を引いてこっちへと来る

赤い尾に当たらないように横へと避けて、ぬらりくらりと相手へと迫っていく

 

「冷静さも気品も無い攻撃だ。そんなんじゃ誰も守れない」

 

まだ、アリアのEランクの時の方が使えるな

他の人と比べたらアリアが可哀想だけど

 

手刀を相手の脳天に叩き込む

 

「1つ言うので有れば相手に銃を見せない方が良い。見せたら装弾数まで分かってしまうからね」

 

当然ながら下に下がった頭

 

顎を下から上に掌底打ちすると相手は後ろへとよろめく

 

「あがっ!?」

 

体の耐久性はあるようだ

痛さも当然あるのだろうが、それよりも我慢強い

それだけでは弱くて使い物にならないんだ

 

鳩尾に蹴りを入れると両手を使って足を掴む

 

「・・・へへっ。Sランクも・・・大した事、ねぇな」

 

痛い

握力がかなりあるのだろうか

ミシミシと骨が鳴っている気がするぞ

遊び過ぎたようだ

 

足を掴んで離さないので、そのまま後ろへとバク転する

 

人間は部位的に頭が1番重い

この状況で頭が後ろへと移動し、重心も完全に後ろに置くとどうなるか

 

「うっ!」

 

答えは先程、掴んで居た足

 

それを思わず離してしまい、顎に足が当たって蹴られて倒れる

 

目潰しでもすれば良かったのだろうが、そんなことはしたくない

未来あるAランクらしいし?

 

倒れて動かなくなっている

手加減はしたので死んではないだろう

 

さて、もう1人は・・・

 

「ま、待て!!別にお前が言われた訳じゃないだろ!?」

 

無様に焦りながらも弁明している

その弁明を聞くほど俺も甘くはない

 

弁明しようとした男を殴った

 

だが、相手は目を白黒させて倒れている

 

何が起きたのかを理解していないのだ

実際、その場に居た全員が目を丸くしているのがわかる

 

「聞いていて不快だったんだけど?」

 

截拳道(ジークンドー)そう呼ばれる武術が中国に存在する

どっちかって言うとストリートファイトとかの方で使う確率は高い技

最小限の動きで相手を戦闘不能に陥れる為の技であり、この場においては丁度いい

 

「君達、武偵は向いてないから辞めなよ」

 

ポケットから取ったハンカチで自分の手を拭きながらコロシアムを出た

 

「君は・・・・さっきの」

 

先程、ロボット

そう言われていた少女が無表情て扉の前に立っている

怖っ

何か不快な事をしたのだろうか

 

内心で焦る俺を他所に相手は無表情で

 

「貴方の写真を要望します」

 

そう告げてきたのだった

 

 

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