東方家執霊   作:紅い霧を吐く蟻

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第2話

私は、どうしたらいい?

 

 

たたりもっけは妖怪であり、幽霊のように成仏というものが無い。

だからこそ、家にとり憑く。そして、末代に至るまで呪い尽くして、やっと存在が消える。

ならば、祟るという選択をしなかったたたりもっけはどうなるのか?

 

「誰か、助けて」

 

不意に口から零れた求助の声。だが、こんな山奥で、真っ暗闇の中で誰が聴くだろう。

そもそも、私自身助かる方法が解らないのだ。

 

「誰か、助けてよぉ」

 

でも、私の口は勝手に動いて言葉を吐き出す。誰も聴いていないのに。

 

「ねぇ、さっきから誰が言ってるの?」

 

草陰から、声が聴こえた。

ガサリガサリと草が揺れ、現れたのは女性だった。耳と尻尾を持っているが。

 

「あぁ、貴女が言ってたのね。迷子にでもなったの?」

 

「......」

 

私はしばらく女性の顔を見つめて、そして。

 

「うぇぇぇん...」

 

誰かに会えたことが嬉しくて、泣いてしまった。

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「大丈夫?もう泣かない?」

 

「大丈夫...と思う」

 

いきなり泣き出した私を前に、女性はあたふたしながらも抱きしめて慰めてくれた。

今もまだ女性の腕の中にいる。やっぱり私の身長は子供のソレと大差ないらしい。

 

「で、なんで泣いちゃったの?お姉さんに話せる?」

 

「うん...」

 

私は今に至るまでの話を出来るだけ細かく話した。先祖の記憶やらは話さなかったけど。

記憶の中にしか存在しなかった温もりは、こんなに安らぐものだった。

 

「辛かったねー...よしよし...」

 

頭が撫ぜられる。優しい手つきで、なでなでと。

ちょっと情けない感じもするけど、とっても安心する。思わず抱きしめかえした。

 

「おっとっと、甘えんぼさんねー」

 

柔らかい。

温かい。

...眠い。

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「あらら、寝ちゃったかー」

 

胸の中ですやすや眠る子供。いや、妖怪。

最初出会った時に泣かれたのにはびっくりしたが、こうして眠っている姿は幼く愛くるしい。

 

「まだ自己紹介もしてないのになー」

 

取り敢えず、目を覚ますまで抱いておくことにした。

可愛いし。

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「...ん」

 

目を覚ましたら、布団の中だった。

隣にあの女性がいる。

 

「......」

 

思わず布団から逃げ出そうとしたが、なぜか女性に抱きしめられていて脱出できそうになかった。

諦めて元の体勢に戻ると、女性も体勢を変えながらよりぎゅっと抱き締めてきた。具体的には大きな胸が顔を挟みこんだ。

これは、まずい。

確かに今は女の体だが、前まで男だったせいで意識してしまう。もっと言うなら、長い長い記憶を持っている今ではそういう事も知ってるわけで。

 

「...あ、起きた?」

 

最悪なタイミングで女性が目を覚ました。

 




たたりもっけが主人公だけど、あんまり重い雰囲気はないようにするよ。
その方が書きやすいし。
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