茅場!テメェは俺を裏切った!   作:やってられないんだぜい

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 お久しぶりです。皆さん元気にしてますか?

 もう何ヶ月も投稿してなかったsao。本当にすみません。YouTubeでたまたまオススメでSAOの動画出てきて『そういえば最近投稿してないな』と思って投稿しました。一応最近止まってましたが必ず完結はさせるので応援よろしくお願いします。

 では本編どうぞ!


超強化されてんだけど

 

 ファインはまず、フィールドに出て今の自分にどの程度の能力があるのか確認しようとした。界王様との戦闘で上がっていると思われるが正直なところ、実感が湧かない。確かにゲームのスキルでは無い、本当の戦闘スキルは学べただろう。界王様との特訓は確実に自分を成長させてくれた。しかしここはゲームだ。肉体的にも成長しないこの世界で本当に能力が成長しているのか、数値ではここに来た時と一切変化していない。それでは適当なボス程度なら勝てるかも、知れないがピッコロ大魔王の様な先祖の敵が相手だと勝てない。

 

 ファインがいるのは27層。最前線では無いからコンボボーナスは加算されない。界王との修行でとっくにコンボは切れているのでそこは気にしていない。だがもし能力になんの変化も無かったら、いくら技術が上がっても、この数ヶ月が有意義であったとは言い難い。なので今回確認するのは敵を何発で倒せるのかだ。他にも、動体視力などは向上しているか、そして防御力。最後に、先程の言った事を気を纏いながら行うと、どれ程の違いがあるのか。

 

 「現実だと確認しなくても分かるけど、これはゲームだからな。試さないでいざ本番の時に酷い目にあったら洒落になんないし」

 

 と言ってもファインはこの27層を殆ど知らない。初日にこの層に足を踏み入れた初日で界王様へ修行に行った。そのため何処に迷宮区があるかも全く分からない。フィールドで戦う理由はそこだ。何処にあるかも分からない迷宮区を探すのは時間の無駄だ。こういう時は手っ取り早く、その辺で済ませるのに限る。

 

 思った通り、ファインが数分歩くとモンスターがポップされていた。まずはスキル『挑発』を発動する。その名の通りモンスターを挑発してヘイトを稼ぎ、自分に集中させるスキルだ。本来タンク役などが覚えるスキルだが、これがあるのとないのではレベル上げ効率が段違いだ。モンスターが自ら襲ってくるのだから。モンスター達は一斉にファインに突撃して来る。それを見て、ある事に気付く。界王様のところに行く前と今での圧倒的な違い。それは、

 

 「……遅くね?」

 

 明らかに遅いのだ。骸骨のモンスターなのだが、まるで歩いているかの様に錯覚した。何かのバグでは無いか疑ったが、モンスターの足を見て走っているのは明らか。なら何故か?自分の動体視力が遥かに上昇しているのだ。ファインは、あの8ヶ月の修行は無駄ではなかったと確信し、あの道を教えてくれたNPCと自分を育ててくれた界王様に心の底から感謝する。俄然、テンションが上がったファインは試しに勢いよく彼等の間をすり抜けようとする。すると予想の何倍も高速に敵の間をすり抜けた。あまりの強化具合に制御が難しく、敵の真後ろで止まろうとしたのが5mオーバーしてしまった。敵はファインを目で追うことが出来ず、急に目の前から姿を消した。そのため折角挑発でタゲを取っていたのが外れてしまった。

 

 「動体視力視力だけじゃなくてスピードも強化されているのか」

 

 この調子だと攻撃も大幅強化されてるだろうと思い、タゲが外れたため、フィールドをうろついている敵の後頭部を殴ると、1体は粉々に砕けちった。それに怒ったもう1体が襲いかかってくるので今度は防御力のテストをする。両腕を左右に開き、『どうぞ斬って下さい』と言わんばかりだ。敵は遠慮なくファインに一太刀を入れようとする。しかし刃がファインの身体を通る事ほ無かった。

 

 「………なんですと?」

 

 ファインは自分が斬られ無かった事に驚く。剣はファインの肩で止められていた。敵が止めたのでは無い。ファインの防御力がモンスターの攻撃を受け付け無かったのだ。しかし全くダメージが無い訳では無い。10ダメージ入っていた。斬られてなくても、打撃は受けたとシステムが判断したのだろう。それにしても驚きである。これではフィールドで死ねと言われても無理だろう。これにはワクワクを通り越して引いてしまう。だが今の考えを消し去る為、頭を左右に振る。

 

 「逆に考えるんだ。強くなっても良いと」

 

 この程度の敵が対処出来る程の強化では、自分が生き残る事も、囚われたプレイヤー達を救う事も出来る訳が無い。だからファインはこの強化に甘んじる事は無かった。

 

 「まぁこれでも現実の足元にも及ばないんだけどな」

 

 流石にこれでは、経験値も微々たるものだし、戦闘にならないのでこのフィールドでの戦闘を止め、街に に引き返す事にした。

 

 

 街に帰るとファインは悩む。

 

 「どうするか?一気に最上階に行っても良いけど、」

 

 どこまで層を飛ばして進むかだ。一気に最前線まで転移するのも考えたが果たしてそれで良いのかと考える。このゲームは確かにデスゲームだ。しかし制作スタッフ全員が自分達が使っているのはデスゲームだと知らなかった筈だ。恐らく茅場1人だろう。ゲームクリエイターはゲームを心から愛している。そんな人達がこんな血まみれたゲームを作る為に茅場に集まったとはとても思えない。彼等は純粋にこのゲーム楽しんでもらいたかっただろう。そしてさまざまな評価を受けて、高評価なら喜び、不評なら悲しむ。それがゲームクリエイターだ。しかもログアウトを消すなんて作業をしたっぱが思いついても、必ずデバッグでバレる。これは最終確認をするであろう責任者にしか出来ないだろう。しかも茅場の相棒と呼べる存在はいなかった筈。だからファインは、このデスゲームは茅場の独断と決めつけた。

 

 話を戻すが、層をどれくらい飛ばして進むかだ。彼等が使って一生懸命作ったからと言って1層1層周る程のんびりしていられないし、飛ばし過ぎる茅場以外のSAO製作者に悪い。それにまともに攻略してない癖に最前線に行くのはそれまで頑張ったプレイヤー達なら申し訳無い気持ちが残る。

 

 

 ファインは悩んだ末に35層まで飛ばす事にした。27層から35層、そして50層へと階段を踏む様にして。

 

 

 

 転移を終えて、ファインは35層へ来た。街を歩いていると妙な違和感に襲われる。それはすれ違う人が皆、こちらを見て不快そうな表情をする。しかもちらほら噂話している様だ。だがそこで思い出した。自分はプレイヤー達に嫌われているのだったと。

 

 (しばらく界王様以外の人と会わなかったんで忘れてたが、プレイヤーの悪意の標的だったのすっかり忘れてたぜ)

 

 この状況を懐かしむ。そして、自分は帰って来たのだと再認識した。すると声を掛けて来る人物がいた。どうせまた文句を言われるのだろうと思っていたファインだが予想外の言葉をぶつけられた。

 

 「テメェ、茅場の犬の真似なんかしてんじゃねぇよ」

 「茅場の犬の真似?」

 「ああそうだ。お前、武器はどうした?何で装備してねぇ?茅場の犬にでも憧れたか?俺はあいつの事が頭によぎるだけで虫唾が走るんだよ!とっとと失せやがれ!」

 

 どうやら彼等は自分がファインだと言う事に気付いて無い様子だった。周りのみんなもどうやら同じ意見の様だ。彼の言葉に皆頷いている。『不謹慎』だとか、『犯罪者に憧れるなんて中二病かよ』と悪口を言われる始末。まぁバレてないだけマシな方だ。圏内は戦闘ダメージが発生しない分、オレンジプレイヤーになら心配が無いので襲って来る輩は容赦無く襲って来る。

 

 「悪かったな。武器の耐久度が切れて命からがらこの街に辿り着いたんだ」

 「何?そいつは悪かった。そんな状況とは知らずにあんな奴の信者かと思っちまって」

 

 彼の言葉で聞き慣れない単語があった。

 

 「茅場の犬の信者だって?そんな奴いるのか?」

 「あんた知らねぇのか?頭の可笑しい奴らの中に、あの犯罪者の生き方に憧れたとか言う輩が出て来たんだよ。そんでそいつらは犯罪者ギルドを結成しやがったんだ。いつも複数で行動して自分より弱い奴らの金品を目的に闇討ちするんだよ。中には装備全てを取られて、その後に遭遇したモンスターに殺されたって輩がいるらしい。あいつらは容赦ねぇからな。あんたも気をつけろよ。それと、紛らわしい格好するんじゃねぇぞ」

 

 そう言って男は去っていく。どうやら男は悪い人では無いようだ。それにしても、まさか自分が姿を消していた間に、そんな輩が出て来るなんて思いもしなかった。自分という共通の悪を作る事でプレイヤーを一致団結させようしたのに裏目に出た。まさか自分の所為で犯罪者を生み出すと思わなかったファインは酷く公開し、犠牲になった人へ心の底から謝罪した。

 

 

 

 

 

 

 「ふぇーん!此処どこ?」

 





 ご愛読ありがとうございました。

 界王様の所で超強化されたファイン。もうクウォーターボス以外では無双状態ですね。

 そして最後に出て来た人物は一体誰でしょう?ヒントはビーストテイマー

 次回もお楽しみに。またね

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