完全オリジナル回です。
楽しんで頂けると幸いです。
では本編どうぞ
26層が攻略された27層への道が開かれた。第一印象はとにかく何もないだった。都会のような感じでもなく田舎のように木が生い茂っている訳でもなくただ道路が整備されているだけだった。町を見てもほとんど何もなくやる事もないのでレベル上げをしようとしたの出ようとしたところで声を掛けられた。
「お兄さん!そこのお兄さん!」
振り返るとそこには髭を生やした50代くらいのおじさんがいた。そしてその人はプレイヤーではなくNPCだったのだ。何かのイベントかと思った悟空は立ち止まる。
「どうしたんですか?」
「いやーいきなり呼び止めて悪かったね。お兄さんの体があまりにも鍛えられていたもんで」
「ありがとうございます。普段から鍛えていたので」
「そんなに鍛えているのは強さに固執しているんだろ?もっと強くなりたくないかい?」
「まぁ強くなれるに越したことはないけど。どうすればいいんですか?」
「ずっと遠くの所に界王って言う神様がいるんだけどそこで修行つけてもらえるんだ。ただ凄く過酷な修行だ。どうだい?修行する気はあるかい?」
悟空は少し悩む。修行をつけてもらえるのは嬉しいことだが何か裏があったりしないかと。ここは現実ではなくゲームの世界。なにかしらアクシデントがあったときに対処が遅れて大変なことになるかもしれない。しかし、
「あります!どうやってそこまで行けますか?(強くなれるならいっか)」
「よく言った!ついておいで」
悟空は強くなれるなら多少の危険を願みずにひたすら突き進む。
NPCは町役場の様な建物に入り奥へ進んでく。それに悟空も付いていく。暗い道を進んでいくとおじさんが足を止める。どうしたのかと前を覗くと一つの扉があった。
「ここが界王様への扉さ。ここの扉を開けると蛇の道と言われる道がある。一本道だから迷う事はないだろうよ。それと注意点だが……」
「まあこんな感じだ。じゃあ検討を祈る」
そう言っておじさんは去っていく。
「どんなに困難なことがあろうとも強くならなくちゃいけないんだ。25層のボスピッコロ。もし俺の予想が正しければクォーターポイントと呼ばれる層のボスは孫悟空伝説の敵の可能性がある。茅場もあの話しにかなり詳しかったしな。なら今のままでは勝てない。強くなるんだ」
そう言って悟空はその扉を押す。まるで何年も使われていないかの様にギギギッとなりながら開かれる。するとその先に広がっていたのは先程までの暗さとは打って変わって明るかった。辺りには黄色い雲が一面に広がっており本当に先程の扉と繋がっているのかすら不安になったがそこはゲームの中だし放っておく。そして雲の上には蛇というより龍の様な模様をした道がくねくねしながら続いていた。道の端は見えない。
「確かに恐ろしく長そうな道のりだな。でもここでうだうだしてても仕方ねぇ。いっちょ張り切ってみっか!」
悟空はそう言って走り始める。ここから悟空は何日にもかけてこの道を渡るのだった。
アスナside
あのデートの後から彼の寝顔が忘れられない。別に好きになった訳ではない。ただ戦闘の時とのギャップが凄いのが印象的だっただけだ。断じて好きになった訳ではない!…とりあえず攻略のことを考えないとね。今でも彼の事を茅場の犬という人は多い。一部では彼がいなきゃ攻略はもっと遅いという事で信頼はしてなくても彼の強さを必要とは思ってる人もいる。何も知らないくせに彼の事を悪く言うのはやめて欲しいわ。彼も彼で誤解を解く気もないし今日もどうせフィールドに出てレベル上げでもしてるんでしょうね。
「驚かせに行こうかしら?急に後ろから現れたらどんな顔するのかな」
そう思ってファインの場所を探す。フレンド登録してると相手が今どこに分かる機能がある。ただ迷宮区の中だと分からない場合があるが基本分かる。しかしある事が起きていた。
「あれ?ファイン君の場所が映らない」
そうどこにも彼の場所がマップ映らないのだ。いくらなんでもアクティベートして初日で迷宮区に着くなんて早すぎる。しかし彼は規格外だ。もしかしたら辿り付いたのかもしれない。
「きっともう迷宮区まで辿り着いたのね。相変わらず速いこと。メッセージを送って私もレベルリングしよっかな」
アスナは迷宮区をもう見つけて凄いとメッセージを送り強くなるためにフィールドに出た。
数時間して日も暮れ始めたのでキリがいいところでレベリングを止める。帰路の途中である事に気付いた。
「あ!いっけない。メッセージ確認するの忘れてた。いつもすぐ返す様にしてるのに」
ファインからのメッセージだ。自分同様かれもすぐに返す人なので既にメッセージが届いてるはずなので直ぐに確認した 。 したのだが
「え?メッセージが届いてない?」
メッセージが届いていなかったのだ。こんな事は初めてだった。最初は自分の目を疑ったが何度見てもメッセージは届いていない。彼に何かしらのアクシデントがあったのかもと思ったが彼はどの人物がそんな目に遭うなんて想像も出来なかった。忙しくてメッセージを見る暇がないのだろう。きっと朝になれば返信が来ると思いその日はぐっすり眠った。
翌日アスナは朝一にメッセージを確認した。ギルドからの連絡や友人との連絡は出てくるが下へ行っても彼からのメッセージは見当たらない。とうとう全てを見終えるが彼からのメッセージはなかった。明らかにおかしい。なにかしら彼に起きていると。そう思って彼を知っていそうな人物のもとは向かった。
「え?ファインの居場所?」
まず最初に向かったのはキリトのもとだった。彼らはつい最近まで交流を避けていたのだが25層の件をきっかけにフレンド登録をしたのだ。
「そう!ファイン君のこと知らない?」
「別に会ったりしてないけど……何かあったのか?」
「実は…」
アスナは起きた事を説明した。その話しを聞いたキリトは腕を組んだ。
「確かにおかしいな。俺はまだファインとやりとりをして長くないけどあいつはメッセージを送ったら直ぐ返すはずだ」
「でしょ。もしかして彼に何かあったのかかしら」
「だがあいつ程の人物が普通何か起こるか?SAOで唯一コンボーナスが出来て最強の男だぞ?」
「でも!もし彼に何かあったら!」
アスナはキリトの体を激しく揺らす。最初はされるがままのキリトもアスナの両肩を掴み落ち着かせる。
「落ち着け!もしかしたら数日かけてのイベントかもしれないじゃないか。だから今はファインの帰りを待つんだ」
「…分かった。でもその前にエギルさんのとこに行ってみる」
「それはいい。エギルは俺よりもファインとの交流も深い。知ってるとしたらエギルだろうな」
「ありがとう。時間とらせちゃってごめんね」
「いいってことさ。それじゃ何か分かったらまた連絡してくれ」
アスナはキリトのもとを後にした。確かにエギルはファインと仲が良い。というかSAOで1番仲が良いと言っても過言ではないだろう。ファインは武器を使わずに戦うので基本武器がドロップした場合はオークションに出すかエギルの店に売っている。
アスナは急いでエギルのもとに走った。そして店に辿り着くと勢いよく扉を開ける。
「エギルさん!」
「うおぉ!なんだアスナか。脅かすなよ。それで一体どうしたんだ?そんなに慌てて」
「ファイン君の場所知らない?」
「ファイン?いや知らないがどうしたんだ?何かあったのか?」
「実は…」
エギルにも先程キリトにした説明をした。
「そうか。そんな事があったのか」
「エギルさんはどう思う?キリト君と同じ意見?」
「うーん。確かに俺もキリトと同じ意見だな。あいつがピンチに会うなんて想像つかねぇ」
「そう」
「だから数日は待ってみれば良いじゃねえか。それでも戻って来なかったらキリトと一緒についていくぜ」
「ついて行くってどこに?」
「黒鉄宮?……まさか⁉︎」
「俺だってファインが死ぬなんて思えないさ。だがもしものことがある。だがこれは最悪の場合だ。見に行って死んでない事を確認すれば良いじゃねぇか」
「そう…よね。うん。ありがとうエギルさん。もしもの時はよろしくお願いします。そうなったら私、歩けないかも知れないんで」
アスナはエギルに作り笑みを見せた。それを見たエギルは相当きてるのだと察した。それほど彼女の中では彼の存在がデカくなってるのだろう。
アスナはエギルに別れを言ってエギルの店を去った。
(そうよね。何も死んだ訳じゃないんだし。それにこんなところで立ち止まっていたらいつまでも彼に追いつかない。彼がいない間に少しでも彼に追いつくんだ!)
アスナはそう思いレベリングを行った。彼に追いつくために。
〜1週間後〜
彼は戻って来なかった。メッセージも返ってこない。彼がいない間に27層も被害を出さずにクリア出来た。攻略組では彼が居なくてもクリア出来ると盛り上がっていた。何も知らないくせに!
アスナはその日キリトとエギルを呼んだ。
「どうしたんだアスナ?」
「まさか行くのか?」
「え?行くってどこに」
「黒鉄宮」
アスナがそういうとエギルはまさかという表情し、キリトは驚いていた。
「黒鉄宮?ま、まさかファインが死んだなんて思ってる訳じゃないだろうな?もしそうだとしたらいくらアスナでも怒るぞ」
「そんな訳ないじゃない!私がどんな思いで!…ふう。ごめんなさい。取り乱しそうだったわ。私は別に彼が死んだなんて思ってない。黒鉄宮に行って彼の無事を確認したいだけだわ」
アスナは一瞬取り乱しそうだったが、直ぐに落ち着きを取り戻す。キリト達は一瞬だがアスナの怒った顔を見てもう余計な事は言わない事を肝に銘じたのだった。
三人は1層に転移して『黒鉄宮』を目指した。まだ行ったことがなかったため緊張が彼らに走る。そして『黒鉄宮』の『生命の碑』というところについた。『生命の碑』ここに全ての死者の名前が刻まれている。つまりここになければどこにしろ生きているということだ。名前は50音順に刻まれているのでフの列を見つけるまでに時間はかからなかった。そして2文字目がァなのでもしいたらすぐに見つかる。
「えっと、フ、フ。あった。………え?」
フの列を見つけて1番上にその名前があった。
『ヒロミ』『ヒロム』『ヒンバス』『ファイン』『ファイヤー(にらみつける)』
「う、うそ。うそよ。うそよ!うわぁぁぁ」
アスナはその名前を見た瞬間泣き崩れてしまった。キリトも大声で泣きはしないものの涙を浮かべていた。エギルも下を向いて静かに泣く。最も恐れていたことが起きてしまった。三人は1時間もの間その場から動く事はできなかった。
SAO最強プレイヤー孫悟空改めファイン 15歳 ここに眠る
すいません。悟空一度離脱です。さあこの後どうなるんでしょうか
次回もオリジナル回が続きます。
ではご愛読ありがとうございました。またね