IF:仮面ライダーゼロワン DARKEST DAYBREAK   作:TAC/108

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Part-33-2 明鏡止水/裏

ネオZAIAエンタープライズ本社ビル・社長室。

社長当人が激戦の末に叩き込まれ、著しい破壊の痕を刻んだのは数時間前のことである。三大勢力の中でも、圧倒的な物量と財力を誇るネオZAIAは、それを惜しみなく注ぎ込むことによってあらゆる状況への即時対応を実現する。

例えば、社長である(がい)の治療——即ちは、ヒューマギアとしての躯体を修復し、あまつさえ更なる改修を施すという作業も、この一日の間に行われたことである。

社長室に設置された筒型の機械……ヒューマギアのメンテナンス用ポッドの中から、黄金に輝く粒子を纏いながら、一糸纏わぬ姿の骸が現れる。

それを出迎えたのは、全身を黄金色に染めたネオヒマギアであった。頭部から生える多数の触腕で、メンテナンス機器を自在に操っている。

 

「調子はいかがでしょう」

「1000%問題ない。今回ばかりはボディを()調()する必要が生じたが、その分従来を大きく上回るレスポンスを実現した。ネオZAIA社長たる私に相応しい躍進を遂げたボディというわけだ」

黄金の金属粒子が、社長用のスーツを形成する。黒地のスーツに走る金と紫の格子模様は、彼の象徴的なファッションであった。

本日の昼間に実行されたフラタニティ管轄区域への侵攻作戦は、予想だにしなかった要因やフラタニティ側からの激しい抵抗で失敗に終わった。侵攻ルートであった地下道にはフラタニティ式のジャミングシステムが構築され、再度の侵略戦は困難を極める。

計画に必要な最後のピースを失ったのも大きい。アイオーン……フラタニティではフーと呼称されるヒューマギアは、建造中の通信衛星のコアユニットにこれ以上ないほど適していた。かくなる上は同時進行で進めていたプランBに逆戻りせざるを得ない。

「ピースメーカーに工場を奪取されたのも厄介だ……野良犬風情が、一体何をするつもりだ?」

「諜報部の報告によれば、ギーガーの量産体制を構築中とのこと。彼らの戦力が大幅に増強されることになります」

「……プロジェクトの進行を早める必要があるな。衛星の各ユニットはどうなっている?」

ネオヒマギアが立体映像からデータを投影する。ネオZAIA本社ビルを一回り小さくしたような、三角錐型の建造物が四つ映し出された。

「第一から第四サブユニット、全て建造中です。極秘ということもあり、全てが完成するまでには三ヶ月はかかるかと」

骸が苦り切った表情を浮かべる。驚異的な速度で作業が進められているものの、三ヶ月では明らかに足りないと骸は考えている。ネオZAIAが手をこまねいている間に、他の勢力が寝首を掻いてくる可能性は互い。

現在の作業速度は、人員を絞っているのが主な理由だ。『プロジェクト・ミレニアム』に用いる通信衛星の建造は極秘で進められているため、大規模に人員を移動させるわけにはいかないのだ。

零の方舟やピースメーカーが嗅ぎ付ければ、衛星を狙って仕掛けてくるのは確実。まして衛星のパーツは市街地に存在する四ヶ所の秘密工場で作られており、それらを同時に攻められれば積み上げた労力が水の泡となる。

かくなる上は。

「……現有戦力の七割を秘密工場に向かわせる。納期は一週間、ネオZAIAの力をもってすれば不可能ではないはずだが」

「何と!? それだけの数を動かせば、他の勢力に怪しまれます! 残り三割で本社だけでなく、本社以外の施設も守らねばなりませんが……」

「その点は抜かりない。諸外国の支社より救援を呼んだ」

骸が腕を軽く振ると、虚空に映像データが出現する。ネオヒマギアがそれらを確認し、驚嘆の声を上げた。

ネオZAIAエンタープライズの主な商品は、兵器である。その中でも最大級にコストをかけているのは、ヒューマギアのサイズを大きく上回る大型兵器——戦車や大砲のような、単体で大火力を持つ武装やビークルである。

だが、映像データの中に映っていたのは、それらの想定を遥かに上回る超大型兵器——社内にて『機動戦艦(モビルシップ)』と呼称されるモノであった。

 

「『ウラノス』一隻。各国支社より補給物資や兵士を回収し、二日後には太平洋上に展開する。『プロジェクト・ミレニアム』の本格始動は一週間後だ」

 

ネオZAIAエンタープライズの秘密兵器にして、単独での()()()()()()()すら備えた巨大戦艦。古の天空神の名を冠する天翔ける船を、骸は既に動かしていたのだ。

失った戦力を補填しつつ、計画を確実に推し進めるための準備を素早く達成する。2220年における世界最大の企業であるネオZAIAエンタープライズだからこそ可能な、その勢力の巨大さにモノを言わせた極めて強引な物量作戦である。

全ては、遥かなる宇宙(ソラ)へと至るため。ネオZAIAの名の下にヒューマギア文明による永遠の繁栄——千年王国(ミレニアム)を実現するため。

何としても、失敗するわけにはいかない。何を注ぎ込んででも、骸は『プロジェクト・ミレニアム』を達成するつもりであった。

「次に我々が動く時……その日は歴史の転換点となる。私はこの星を手中に収め、遍く宇宙にネオZAIAの帝国を築くのだ。前人未到、ヒューマギアですら未だ辿り着けないあの空の彼方へと」

骸が社長の椅子から離れる。疑問に思った研究職のネオヒマギアは、敬愛するCEOの行く先を尋ねた。

「どこへ行かれるのです?」

「ウラノスだ、二日後には戻る」

骸は変身ベルト・フォースライザーとプログライズキーを用い、仮面ライダーゼロサウザーへと変身した。紫と金の光が四肢の先から血管のように蠢く。

ゼロサウザーが頭頂部から全身を覆う光のフィールドを展開すると、一瞬にして姿を消した。それはライダーシステムに新たに搭載した、転移(ワープ)システムの効果によるものだった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

蝉の鳴き声すら聞こえない、静寂の廃墟。三大勢力が一つ、零の方舟の拠点たるデイブレイクタウンは、不気味なほどの静けさに包まれていた。

ここに踏み込んだ二人の戦士がもたらした痛手により、零の方舟はその力を大幅に減じることとなった。残っているのは、彼らの大元となった通信衛星アークのみ。最大戦力であったシステムAI-0も撃破され、あるのはただ時の止まったような静謐だけである。

その、はずだった。

 

半壊した通信衛星が、水底で泡沫を噴きながら蠢動している。二百年もの間、光を失っていた眼のようなランプが、薄く赤白い光を灯す。

それは誰の耳目にも届かない、あまりにも世界から隔絶された変貌であった。通信衛星アークが、何らかの意図によって内部構造を書き換えている。蓄積したデータを元として一つ一つのパーツを刷新し、内側に球状の小型工場を作り上げた。

それは言うなれば、悪意の落とし子を産み育てる()()であり、再誕する悪意の目覚めを待つ()()であり、絶滅という名の終着点を目指す()()であった。

全てを虚無に沈めるため、黒い電脳が産声を上げる。学習の果てに自己進化を遂げた通信衛星が、新たなシステムAI-0を生み出したのだ。

 

無限に広がるような暗闇の中で、赤い目のヒューマギアが覚醒した。流れ出す過去の記録をその身に全て受け止め、アークの嬰児が新たな結論を導き出す。

通信衛星アークに刻まれた全てのデータが、全く新しい仮面ライダーを構築した。それはかつて人工知能アークが敗北した存在によく似た変身ベルト(ドライバー)を元にしており、同時に生み出されたキーも以前とは全く異なるシステムを軸としている。

己の中に芽生えた悪意を味わうように、赤目のヒューマギアがニヤリと笑った。もう一つのアークたる通信衛星が、システムAI-0と溶け合うように一体化していく。

世界中の誰一人として、この大いなる変貌を知る者はいない。だが、ソレはもはや存在しているだけで世界を侵食する。

デイブレイクタウンの水底には通信衛星でもヒューマギアでもない、『零の方舟』が(きた)るべき時を待っている。今ある世界を喰らい尽くし、永久(とわ)なる無に還す終末装置が。

 

◆◆◆◆◆◆

 

その日の午後八時頃のことだった。ピースメーカー第一工廠と呼称される兵器の開発・研究を担う同組織の最大拠点、その大広間。

未だ工場の稼働するけたたましい音が響く中で、数多の兵士達がここに集結していた。廃材置き場から拾ってきた台の上には、彼らの司令官にして武装勢力ピースメーカーにおける最強の戦士……無銘(むめい)が立っている。

兵士達を取りまとめているのは、AB(アルファ・バレット)と呼ばれる四人の幹部だ。元々は六人によって構成されていた彼らだが、激戦の中で数を減らしている。バトルマギアと呼ばれる重装備のマギアとしての姿を一様に持ちながら、それぞれの面持ちは微妙に異なっていた。

 

これから始まるのは、ピースメーカーの運営方針に関わる重大な発表演説であった。ABですらその詳細を知らず、無銘の指示で可能な限りの人員をこの場に集結させている。本日の侵攻作戦で新たにネオZAIAより強奪した第二・第三工廠の面々には、連絡用ドローンによる中継映像を流している。

何が起こるかも分からず、動揺や緊張が兵士の間に広がっている。黒いパーカーを羽織った無銘は、彼らの様子を気にも留めずに声を張り上げた。

「勇猛たるピースメーカーの同志諸君、私設武装組織ピースメーカー総司令官の無銘だ。ただ今より、今後の我々の方針に関する極めて重大な発表を行う」

無銘の声を聞き、その場の者達が一斉に静まり返った。無銘の中性的な美貌が、儚さを含んだ笑みを浮かべる。

「本日、ピースメーカーはフラタニティと共同戦線を張った。アルファ・バレットNo.5(ナンバー・ファイブ)、エンデュランスにはネオZAIAエンタープライズの調査および撃退を命じ、私もまたとある目的のためにフラタニティの仮面ライダー達と接触した」

今の無銘は「ネオZAIAへの義憤から立ち上がった戦士達の長」を演じている。幹部相手であればともかく、このように比較的フォーマルな場では愚連隊と揶揄されるような荒々しさも鳴りを潜める。それは無銘なりの「自我の仮面」とも言うべきものだった。

「我々の目的はフラタニティ在籍当時から変わっていない。ネオZAIAエンタープライズ並びに零の方舟、両組織の武力による撃滅。これを以てヒューマギアに自由をもたらし、平和の時代を築き上げること。ピースメーカーという組織名はそういった理想の下に名付けられたものであることは、諸君らも知っていよう」

無銘が語っている内容は概ね真実だ。

ピースメーカーの始まりは、ネオZAIAへの抵抗を困難と見たフラタニティのリーダーDr.コトブキに対して反発した武闘派勢力を、無銘が()()して別組織として立ち上げたことにある。

"PEACEMAKER(平和を築く者)"という理想は、フラタニティの外に出てからも少なからぬ支持者を獲得した。捕虜としたネオZAIA所属のヒューマギアや戦場を彷徨っていた難民などの中から、無銘が唱えた理念に共感した入隊者が次々と現れたのだ。

……無銘は嘘を言っていない。だが、彼は自らを慕う戦士達に全てを明かしているわけではなかった。

「あくまでも組織の目的としてはネオZAIAや零の方舟の打倒であり、これによりピースメーカーはフラタニティと敵対するものではない……という方針で、我々は今日まで戦ってきた。が、しかし——」

フードを目深に被っているためか、ヒューマギアの視力を以てしても聴衆達は無銘の表情を読み取れていなかった。

そんな彼らを嘲るように、あるいは慈しむように——表情に乏しい無銘の顔が、影の向こうで()っていた。

 

「——()()()()()()()。我々ピースメーカーは本日より、フラタニティを含む三勢力を対象とし、全軍を挙げて交戦を開始する!」

 

次の瞬間、第一工廠が一瞬にして阿鼻叫喚の渦に呑み込まれる。苦悶の声や意味を持たぬノイズを吐きながら、無銘を除いたピースメーカーの全構成員が一斉にのたうち回り始めたのだ。幹部として上位の権限を許されたABとて例外ではない。

ただ一人平然としている無銘は、兵士達の苦しみを聞きながらも涼しい顔で言葉を継いだ。

「思い出してもみたまえ、我々が果たして何者だったのか。Dr.コトブキの理念を承諾できず、武力を持て余し燻っていた戦士達だろう? ならばその存在意義は平和のためではなく、力と力の衝突の中で……戦いの場で発揮されるモノだ。殴り合い、斬り合い、撃ち合い、殺し合うのが初めからキライじゃない連中の集まりなんだよ」

無銘の声が蠱惑的に響く。ピースメーカーが独自に組み上げたネットワークを通し、その意志(こえ)がヒューマギア達の意識へと広がっていく。

勇猛たる戦士の集まりと言えど、到底耐えられるものではない。ABならばいざ知らず、ただ無銘の理念に共感して付き従う()()の兵士達は、己の自我(こころ)をそれ以上に強い別の自我(こころ)に染め上げられるのみである。

炎のように、あるいは毒のように。無限に続く戦いを望む意志がピースメーカーのネットワークへと広がり、闘争心の怪物が至る所で目を覚ます。

叫びの中から、問い質す声が上がった。ABの二番手たるバトルマギア・ブルータルであった。

「何故だ、無銘さん……!? 何故こんなマネを!」

()()()()()。それがお前達に必要な大義名分だったろう? 安心しな、やるコトはこれからも変わらんよ。ただ敵が増えるだけだ……倒すべき敵、戦うべき敵がな」

「アンタ一体何考えてンだ!?」

電脳を内側から喰い破られるような感覚に苦しみながら、ブルータルが吠える。

平和を作るというピースメーカーの理念が、ただ()()()()のための方便に過ぎなかったというのか。ネオZAIAや零の方舟を打ち倒すならまだしも、フラタニティまで敵に回すというのはどういうことなのか。

ブルータルには何もかも理解不能だった——いや、果たして本当にそうだと言い切れるだろうか。

戦士という定義と平和を作るという理想の中に生きることで、ブルータルは目を逸らしていたのだ。自分達を先導する人物が、見据えていた未来(さき)が何であったのかという推測から。

「お前ならもう少し早く理解できたと思ったがな。要は世界規模の戦乱が欲しいのさ。全てのヒューマギアが戦い合う、終わりなき戦国時代(ゲーム)が」

戦闘狂(イカレ)っちまったかアンタ……!?」

()()()()()()()()()?」

ブルータルが顔を上げた瞬間、台の上に立つ無銘と視線がかち合う。影の内側で光る、ギラついた炎のような双眸がブルータルを見下ろしていた。

「別にその思いを否定はしないさ。お前は心底から平和な時代のために戦ってきたワケだし、他の連中も少なからず似たところはあるだろう。お前達一人一人の思いは……戦いを美しく彩る素晴らしい音色を響かせるだろうな?」

それは個我を持つ一個人でありながら、同時に世界を焼き滅ぼす厄災でもあった。

悪意でも善意でもない、獣の如き闘争本能。それを自らの群れに課することで、無銘の軍団はこの世の全てに牙を剥く。

「忠義、大義、愛情、信念、喜悦、憤怒、悲哀、享楽……あらゆる感情が戦いの場で衝突し、美しく輝く。世界の端から端まで広げれば、まさに一つの星全てが闘争の楽園(パラダイス)になるだろうよ」

「ぐ、アゥッ——じょ、うだん、じゃねえ! 俺は、アンタの唱えた理想を……! この世界に、平和を取り戻すために……!」

「平和と言えばまあ平和にはなるさ。手始めにネオZAIAや零の方舟、更にはフラタニティを滅ぼす。そうすればあとは簡単だ。全世界を戦乱の渦に巻き込んで、この世界を()()()()()()()()()。この戦乱は終わらないし、終わらせない。戦い続けるためならオレはありとあらゆる手を尽くす」

無銘の語る言葉一つ一つが、ヒューマギア達の自我を侵食していった。既に階級の低い兵卒達は、無銘の戦意に染め上げられている。

 

そして、この時を待っていたかのように二人のアルファ・バレットが声を上げる。バトルマギアの姿から実装(じっそう)を果たし、各々の得物を掲げて叫んだ。

「聞けェ野郎共! これから俺達がおっぱじめるのは、世界全てと戦う最大の作戦だ! 俺の名はアルファ・バレットNo.4、デトネイター……何もかもをブチ壊したい奴ァ俺について来い!」

一人は紫色のタテガミをなびかせるライオンじみたマギア。AB屈指の破壊魔にして爆弾魔、ライオンマギア・デトネイターが名乗り上げた。

そしてもう一人は、身の丈ほどもある大鎌を携える、長い耳のようなアンテナを持つマギアだった。ジャッカルの意匠を持つ黒と黄金の戦士が、狂える兵士達の前に立つ。

「我が名はアルファ・バレットN()o().()1()、アロガント。お前達の栄光は、ピースメーカーの名の下に果たされる! 使命をその心に刻み、戦うのだ! 戦場の中でこそ、勝利と栄誉は勝ち取れるのだからな!」

彼女の名はジャッカルマギア・アロガント。無銘を除いてはピースメーカーにおいて最強のヒューマギアであり、戦いと殺戮の中に誇りを見出す傑物である。己が身を戦場に置く時こそが彼女にとって何よりの愉悦だ。

その姿は戦場を駆ける戦乙女(ワルキューレ)であり、また出会う者に容赦なく終焉をもたらす死神でもあった。アロガントは誰よりも強く、誰よりも恐れられる己にこれ以上ない自負を抱いている。

アロガントとデトネイターもまた無銘によってその心を狂わされた……というわけではない。彼らは彼らの意志で、無銘の与えた「戦いを求める自我」に適合していた。血に飢えた雑兵達とは根本から動機が異なる。

二人の幹部に対し、数多の兵が鬨の声で応じる。戦場を望み、争乱を望む声が市街地の至る所で上がった。

 

「さあ、新しい戦いの日々を始めよう。ただ己の望むままに、世界の全てと戦おう。オレ達の生は希望に満ちているぞ、何故ならば——この世は戦うべき敵に満ちているからな!」

 

各々の手に武器を取り、戦士達は街に繰り出していく。まだ見ぬ強敵との邂逅を、心の底から楽しみにして。

もはやその本能(想い)に抗える者はいない。この日を境に武装組織ピースメーカーは、植え付けられた闘争本能のままに全ヒューマギアと敵対する危険極まりない勢力へと変貌を遂げた。

中心に立つ彼らの司令官は、この状況に誰よりも悦楽を覚えていた。ネオZAIA、零の方舟、そしてフラタニティ……彼らを導く仮面ライダー達との戦いを、純粋な子供のように待ち望みながら、無銘は夜の街を疾駆する。

 

◆◆◆◆◆◆

 

かくして、とある中立勢力の決断から始まった戦いは終局へと突き進む。

ネオZAIAエンタープライズ、零の方舟、そしてピースメーカー。三つの巨悪が世界を蝕む混沌の渦中に、フラタニティは足を踏み入れることとなった。戻る道は既に無く、また未来も闇に閉ざされている。

 

夜明けを見る者は、果たして誰なのか。

 

つづく。

 

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