東方短話録   作:あおのん

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ほぼ3k。長さは結構まばらになるかもです。

主人公の名前は全話◯◯でいきます。



だらだら霊夢と冬のある日

 

「今日も寒いな」

 

 

外は白銀の世界である。

 

幻想郷に雪が降るのは今冬三度目だが、今までの二度は粉雪レベルだった。

 

寒い。寒い。ただひたすら寒い。

 

 

それにしても、今日はよく降る。このままだと雪かきをする必要があるかもしれない。

 

 

……無理だ。寒い。

俺も霊夢も今朝からほとんどコタツから出れないんだもの。

 

 

 

コタツからは魅惑の魔力でも出てるんじゃないかしら、とは霊夢の言葉である。

 

 

 

冬は苦手だ。寒い。だがまあ嫌いというわけではない。理由としては……?

 

 

「霊夢、あーん」

 

「んあー……」

 

 

この巫女さんの存在である。

 

 

剥いた蜜柑を口に入れてやる。その際、霊夢の桜色の唇に少し指が触れた。

 

冬以外なら興奮するんだが……もぐもぐ口を動かしている幸せそうな霊夢の顔を見ると、どうも性欲よりも愛でる方が優先される。

 

 

今日も相変わらず霊夢は可愛かった。

 

 

 

 

 

 

 

冬の霊夢は甘えん坊である。

 

 

冬特有の空気が、それとも寒さが、はたまた気まぐれなのかはわからないが、何をするにもべったりだ。

 

 

産まれたての動物みたいで、俺の後ろをヒョコヒョコついてきて可愛い。

 

 

 

例えば今も俺の腕の中にいたり。まあ所謂あすなろ抱きといつやつだ。

 

 

「そろそろお昼だな」

 

「んー……そーね……」

 

「あれ、眠いのか?」

 

「ちょっと……」

 

 

暖まって眠くなったのだろうか。畜生可愛いやつめ。

 

抱きしめたい衝動を必死で押さえながらポーカーフェイスを保つ。

 

 

「寝ててもいいぞ。ご飯できたら起こしてやるから」

 

「うん……」

 

 

 

 

ゆっくり頭を撫でてやるとものの数分で静かな寝息が漏れ出した。

 

五分ほど寝ている霊夢のほっぺを弄ったり寝顔を眺めてほっこりしてから座布団に寝かせてやり、とうとうコタツから出る。

 

うぁぁ寒い。

 

 

本当はコタツで寝ると脱水症状になって危ないんだが……少しくらい平気か。

さっきまで蜜柑食べてたし水分少しは取れてるだろ。

 

 

……さて昼飯を作らねば。うぅ寒い。

 

 

 

 

 

 

 

 

「れーむー、おきろー」

 

「うーん……あと少し……」

 

「うどん伸びちゃうぞ。れーむー」

 

 

実際ちょっと伸びちゃってるかもしれない。

 

何故なら起こそうとしたら相変わらず霊夢の寝顔が可愛くて起こすのをためらってしまったからである。

 

 

渋々と言った顔で起き上がる霊夢。ぐぁぁ……その寝ぼけ眼可愛すぎんだろ。

 

自分の腕をつねりながら抱きしめたい衝動を必死で押さえる。

 

鎮まれマイハンド……!!

 

 

 

さすがにうどんを食べさせてあげるのは変なので、コタツを挟んで反対側に座り、いただきます。

 

 

冬はうどんがうまい。いや夏でもうまい。つまり、うどんは最強である。お手軽だし。

 

 

ずるずる……。

 

 

 

「あ、霊夢。一味いる?」

 

「うーん……そうね、欲しいわ」

 

「あいよ。ついでにお茶もいれてくるな」

 

 

あぁ寒い。しかしこれくらい霊夢の世話をするためと思えばどうってことないのである。……ごめん嘘やっぱ寒い。どうってことあるわ。

 

 

お湯を沸かしている間にお茶っ葉と急須を探す。えーと確かこっちの棚にしまったような……あったあった。ついでに一味も捕獲。

 

 

 

 

それにしても他人から見れば俺もはや小間使いだな。一応霊夢の彼氏なんですが。

 

 

だが俺自身それを全然苦に思っていないからいい。むしろ霊夢のためにやることだと思うと、楽しさ、満足感すらある。

 

 

なんて言うんだろう……まったくもう! 霊夢は俺がいないとダメなんだから!! 的な? なにこの誰得ツンデレ。

 

 

 

……とりあえず謎の独占欲らしき何かが満たされるので問題ない。

 

あと俺は夏が嫌いで、夏はほぼずーっとダラーッとしていて、逆に霊夢が俺の世話をする、なんてことが多々ある。

 

 

夏は嫌いだ。好きなのは一緒に川に水遊びに行く時の霊夢の水着姿くらいだ。

 

 

 

夏の霊夢の甲斐甲斐しい世話っぷりといえばもう…………天使である。なんでも目ざとく気付いてくれるし。

 

 

「ほい。一味」

 

「ありがとう。……うーむ」

 

「ん? どした?」

 

「……私このままじゃダメ人間になるわね」

 

 

急にそんなことを呟く霊夢。まあ確かに身の回りの世話は今は全部俺がやっているな、うん。

 

 

ていうか、

 

 

「自覚はあったんだな」

 

「なによ、失礼ね」

 

「まあいいんじゃないか? 俺は霊夢の世話するの好きだし。なんなら着替えからトイレまで俺がお世話しようか」

 

「……変態。ダメよ。これじゃ私どんどんあなたに依存しちゃうわ」

 

「ヘイカモン」

 

 

そんな会話をしながらうどんをすする。

 

霊夢に依存されるとか最高です。俺は束縛されたいタイプなんだ。あ、Mじゃないから縛るのは勘弁。逆に縛りたい。

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 

二人で揃ってごちそうさまをし、さりげなく霊夢の器を奪って流しに持って行く。

 

 

「む……流石に自分で運ぶわよ」

 

「いーからいーから」

 

 

ささっと洗ってしまおう。

 

手持ち無沙汰なのか霊夢は流しまで付いてきた。寒いだろうから戻っていいというのだが聞く耳持たずである。

 

邪魔にならないくらいにくっつく霊夢が可愛い。

 

 

「気にしなくていいのに」

 

「私が気にするのよ。ギブとテイクが成立してないわ」

 

「なら夜に布団の中で返してください」

 

「……変態」

 

 

ああ……そのゆっくり小さく変態って呟かれるのホントたまりません……!

 

 

「ねぇ、◯◯」

 

「ん?」

 

 

水が冷たいぃぃぃと感じているところで、霊夢が後ろからふわっと抱きついてくる。

 

 

「私、重荷になってない?」

 

「なってないよ。いつも言ってるだろ。霊夢の世話をするのは俺の趣味だってば」

 

「◯◯にはホントに感謝してるの。私みたいなぐうたらとずっと一緒にいてくれて……。でも、たまに怖くなるの。いつか愛想尽かされちゃうんじゃないかって」

 

 

抱きつかれているのでわからないが、霊夢はとても怖がっているようだった。

 

 

 

霊夢のためになることをしていたつもりが、いつの間にか、霊夢に劣等感を感じさせてしまっていたのか。

 

 

皿を洗い終わり、手を拭いてから霊夢に向き直って、抱き締める。

 

 

「ごめんな霊夢。そんな風に思ってたんだな……」

 

「◯◯が謝る理由なんてないわ……私が……」

 

 

霊夢のためにと思っていたことが霊夢を悩ませてしまっていた。

 

どう謝るべきなんだろう。いやまず俺がやることは……。

 

 

「はい、ストップ」

 

 

少し涙ぐんでしまっていた霊夢をできるだけ優しく撫でながら、一呼吸して、告げる。

 

俺の……熱い想いを!

 

 

 

「さっき、俺が霊夢に愛想を尽かすって言ったな。そんなの神に誓ってもないっての。霊夢はどんだけ俺が霊夢を好きかがわかってないな? 俺なんなら霊夢になら殺されていいくらい好きだからね? だいたい俺も霊夢に愛想尽かされそうで怖いんだよ。だからこうやって俺に依存させて俺がいないとダメな状態に仕上げてるんだから」

 

 

「………………バカなの?」

 

 

あああ、これで霊夢に俺の計画がバレてしまった……名付けて『いつの間にか霊夢は俺無しじゃ生きていけない体にしちゃおう作戦』が……。あれ、今思うとこれ結構エロくね? 果てし無くどうでもいいが。

 

 

「なんだか、悩んでたのが馬鹿らしくなってきたわ」

 

「そうか? ならよかった」

 

 

 

 

 

そのあとは霊夢とコタツに戻った。

 

隣に座っていたら、霊夢がいきなりコタツに潜って、俺の股のあたりから顔を出して、ほふぅ……となっていてめちゃくちゃ可愛かったです。

 

 

「◯◯」

 

「んー? どうした霊夢」

 

「好きよ」

 

「……俺にも限界というものがあってだな」

 

 

あー、辛抱たまらん。実を言うとさっき霊夢が泣きそうだったあたりからすげぇ我慢してたんだけど。涙目フェチなのかな、俺。

 

 

「え、ちょっと待って。コタツよ?」

 

「霊夢が可愛いのが悪い」

 

「もう……やっ、あっ……」

 

 

 






なんか最後の方急ぎ足になった感が絶えませんが。

◯◯かけよ!!などの要望や感想待ってます。


おそらく次はアリス。

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