怪獣娘(絶) 〜ウルトラマンZ参戦計画〜   作:ただのファンだよ。

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ウルトラマンZ 第26話の感想
(開幕バロッサ星人を追い掛けるシーン)
やってみせろよゼット!
(ブルトンに別次元に飛ばされるシーン)
なんとでもなるはずだ!
(オープニングが流れて)
トリガーだと!?

という事でお久しぶりです。
こちら前編となります。




怪獣の魂(前編)

「………」

 

 ティアさんと共にゼットンさんに連れられてGIRLS本部前。入るのはこれで二回目だな。前回は……確かバルタン星人事件の時だったな。バルタン星人と戦ってるゼットンさんの横をすり抜けて……。

 

(不法侵入じゃん!?火事場泥棒ならぬ火事場侵入じゃん!!)

 

 ヤバイヤベイヤーバメ☆ 本気と書いてマジと呼ぶくらい本気(マジ)ヤバい。

 

(……黙ってたらバレんやろ)

(なんでしょう?今、旗が立った気がしたのですが。……何故、旗なのでしょう?)

 

 隣で小さく首を傾げるシズク(ティア)さん。どうしたのだろうか?

 それにしても……うん、可愛い。

 

 

 

 GIRLS本部に入るとまず最初に清潔感のあるエントランスが広がる。バルタン星人の時は無我夢中で目に入らなかったけど、壁とかにゼットンさん、レットキング、キングジョーさん、それと初めての怪獣娘として認識されたベムラーさんと有名な怪獣娘の写真が大きく展示されてる。

 

「───ようこそおいでくださいましたウルトラウーマン様。私はこのGIRLS本部に所属しているピグモンの怪獣娘の『岡田 トモミ』と申します」

 

 あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロと周りを忙しなく見入っていると声が掛けられる。

 声の主に視線を向けると、GIRLS制服を着たボリューミーな赤いツインテールでどこか幼き印象の懐かせる容姿の女性、岡田さんが真剣な、けれど何処か緊張感を滲ませた表情を此方──正確にはシズクさん、いや、光の国のウルトラウーマンのティアさん──に向けていた。

 岡田さんが現れた事によりゼットンさんが一歩下がって俺達の後方に立った。もしかして逃げ道を塞ぐ為……的な意味の行動だろうか?

 

(警戒、されてるって事ですよね)

 

 俺は口を固く閉じ、シズクさんに視線を向ける。

 声を掛けられたシズクさんが岡田さんと目を合わせて数瞬経ってから口を開いた。

 

「ご丁寧にありがとうございます。私はこの宇宙とは別の宇宙にあるM78星雲、『光の国』出身の【涙を語り継ぐ者】。呼び難い様でしたら『ウルトラセイントティア』───既におわかりかもしれませんがこの姿の時は『シズク・ウルティア』と名乗らせていただいております」

「ではシズク様とお呼びしても?」

「様…は必要ありませんよ。“シズク”で構いません」

「では……“シズクさん”とお呼びしますね」

 

 そう、ティアさんの名前が柔らかな笑みと共に告げられる。

 ティアさんが友好的な性格と分かったからか岡田さんは露骨に安堵した様な表情をしている。

 

「それと、貴方もよく連絡してくださいました。貴方のお蔭で我々はシズクさんという地球を守ってくださった方を失わずに済みました」

「え?…あ。ど、どうもありがとうござい、ます?」

 

 しまった、シズクさんと岡田さんの会話に集中していたから急に話を振られた時に反応が遅れて間抜けな返事をしてしまった。

 

「ふふ、いえ。それではいつまでも立ち話なのも何なので奥の部屋にご案内しま」

「ゼツト!」

 

 岡田さんの言葉を別の声が遮った。

 聞き覚えのあるその声の方は振り返る。

 

「あ。アキじゃん」

 

 怪獣娘姿ではなくGIRLS職員の制服に身を包んだアキが息を荒げながら俺に詰め寄る。

 

「『アキじゃん』…じゃないでしょ!? 聞いたよ、また怪獣が現れた現場に居たって! 危ない事しないでって何度言ったらわかるんだよ!!」

「………」

「心配させないでよ…っ。ゼツトは()()()()、なんだから」

「………………悪い」

「謝るなら、最初から、しないで…!」

 

 アキの懇願(ことば)に俺は何も言えない。俺がウルトラマンである以上、“戦わない”なんて選択肢は無い。けれど、今のアキの様子を見れば、嘘なんかつけなかった。

 望んだ返事を返せない俺にアキは「バカッ、ばかっ」と胸を力無く叩く。

 

「無茶ばっかして。いつもいつも!」

「………」

「バルタン星人の時だってそう! ()()()()()()()()()()()()

「え?」

「あ」

「……もしかしてあの時の?」

「…?」

 

 アキの言葉に岡田さんが反応し、ゼットンさんは過去の出来事から俺を結び付け、シズクさんだけが何が何だかわかってないから首を傾げている。

 ───うん、可愛い(現実逃避)

 

「ーーーという事が以前」

「……ふふふ、なるほどぉ。そんな事が、あったんですね〜」

 

 ゼットンさんから説明を受けた岡田さんから凄みが放たれる。怒ってる、間違いなく怒ってらっしゃる。ヤベー、ウルトラ震えてきやがったぜ。

 絶対の大ピンチにとある単語が頭に浮かんだ。

 

「嗚呼、()()()()()。早かったな」

 

 俺は、きっとティアさんと話す為に用意されたであろう部屋に引き摺り込まれ、ティアさんとの会話よりも先に説教される事となった。

 中で待ってた人からの視線が痛かったです。ハイ。

 

 

 

 

 

「───ほら、依頼通りブツ、持ってきてやったぞ。えぇっと、何だっけソレ?」

 

 場所は変わり、無人地帯の今じゃ廃墟となり誰にも使われていない工場の中にて三人の人影が向き合っていた。白い髪をした不敵な笑みを浮かべる少女と少女の一歩後ろにまるで従者の様に立つ美女、対面するのは黒髪の青年。計三人、その内の女性二人は()()()だった。

 美女の怪獣娘は少女の怪獣娘の言葉に、手に持つケースの蓋を開け、男性に見せながら告げる。

 

()()()()()それと()()()()()の細胞、です」

「そう、それ。銀ギラ怪獣と金ピカ怪獣。銀ギラの方は、既に死体が散らばってたから簡単だったけど金ピカの方は大変だったんだぞ。ま、それでも摂ってくる辺り、流石アタシらって言った所だな、()()()()()()()?」

「ええ、その通りです()()()()御嬢様」

 

 自己自賛する白い髪に赤いレンズのゴーグルを額に上げる、胴体を晒した赤い結晶が散りばめられたコートの様なモフモフの獣殻(シェル)を見に纏う少女、暗殺宇宙人『ナックル星人』の怪獣娘。

 それと、ナックル星人よりも暗い灰よりの白髪に額にツノ、黒光りする怪獣と騎士をフュージョンアップさせた様な意味の感じられない鎧(ビキニアーマー)獣殻(シェル)を装う美女、用心棒怪獣『ブラックキング』の怪獣娘。

 

「それで、報酬の方だけど……」

「……」

 

 白髪の男は無言で懐からアイテムを取り出すと取手に付いてるトリガーを押した。

 

『ーーー』

 

 明かりの少ない暗い空間で、もぞもぞ、ぞぞぞ、と影が蠢き、膨れ、広がり、

 

『ーーー!』

 

()()()()()()

 

「──は?」

「なっ!?」

 

 二人の怪獣娘に影───『シャドウ』が覆い被さる。二人はシャドウに足掻くが完全に呑み込まれると、やがて動かなくなる。

 ナックル星人とブラックキングを呑み込んだそれぞれのシャドウは暫し、その場で佇んでいたが、男がもう一度アイテム───『シャドウゼットライザー』のトリガーを押すと、シャドウは溶ける様に地面に沈む。

 

「………」

「………」

 

 覆うシャドウが消え、二人の怪獣娘は朧げな瞳で立ち尽くしている。

 男が二人に歩み寄りながら右手の指先をこめかみに当てる。次の一瞬、男の顔半分がブレる様に変わった。金の髪と赤い瞳の怪人へ、だがすぐに何事もなかったかの様に戻ると、怪獣娘二人にとある写真を見せた。

 

こいつをつかまえろ

「………」

「………」

 

 エコーが掛かっているかの様な不気味な男の声に二人は無表情のまま頷くと男に背を向けて歩き出す。その後ろ姿を眺めながら男の口端が僅かに、けれど歪に吊り上がる。

 

次の、実験だ…

 

 

 

 

 

「───これが、私がこの地球に来た理由です」

 

 シズク(ティア)の口から事の端末がGIRLSのピグモン、ゼットン、エレキング、レッドキング、ゴモラのベテラン組。そして、アギラ、ウインダム、ミクラスの三人、最後にメンバーの中で一番最近GIRLSに所属したサンドリアス。計10人の怪獣娘が人に擬態したウルトラウーマンの宇宙規模(スケール)の話を聞き終えた。無限に広がる可能性世界(マルチ・ユニバース)による別次元の存在と光の国のウルトラマンにより構成された宇宙警備隊。侵略者連合と宇宙警備隊の諍いの果てに起こった次元を隔てた戦争。そしてティアの居る事による地球の現状の説明。

 

「つまり、今日現れた二体の怪獣、それと先日現れた怪獣は貴女がその厄介なストーカーみたいな宇宙人。ヴェンタリスタ星人によって送られた怪獣だという事ね」

「はい」

「……なんて無茶苦茶で傍迷惑な話。怪獣を送り出すヴェンタリスタ星人もそうだけど、貴女さえこの星に来なければ少なくとも三体の怪獣に街が脅かされる事はなかったわ」

「え、エレエレ。そんな言い方は…」

「いえ、構いませんトモミさん。彼女の言葉は正しいです、私が地球を巻き込んでしまった所為でこの星の人々を危険に晒してしまったのです。こんな事を言っても如何にもならない事はわかっています。ですが、どうか謝らせてください」

 

 深く頭を下げるシズクの様子に先程彼女に文句を叩き付けたエレキングを含めた全員が何も言えなくなった。

 彼女の瞳、行動、声音から彼女が心から謝っている事が伝わった。彼女が本気で地球の命を想ってくれているのがわかった。

 

「はぁ…いいわ。これ以上文句を言った所で如何にもなりはしないのだし」

「ですが」

「これ以上貴女の謝罪に時間を割いている暇は無いの。それよりも今は“これからどうするか”について話すべきよ」

 

 エレキングは合理的だ。シズクの謝罪を時間の無駄だとキッパリ遮り今、必要な情報を求めた。

 

「現在この地球で活躍している、あのウルトラマンについてわかっている事全てを教えて」

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