怪獣娘(絶) 〜ウルトラマンZ参戦計画〜   作:ただのファンだよ。

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遅れて申し訳ありません。
それと久しぶりの投稿なのに感想貰えてウレシイウレシイ。本当にありがとうございます!

前編と中編がありますので、まだの方はそちらから先にどうぞ。
※独自解釈、オリジナル設定が有ります。しかも結構雑です()





怪獣の魂(後編)

 うーん。なんだか不思議な人───怪獣娘さんだ。

 彼女は背凭れの無い椅子を用意すると俺の対面に座る。

 

「それでは、少しの間ですがお話でもしましょうか」

「“お話”ですか?」

「ええ。貴方の活躍は識った時に、()()()()()()と」

「えー、まぁ、……俺は構いませんよ」

 

 ……むぅ、なんだろう。俺を見つめる怪獣娘さんの目が、何か、見透かされてる様な?……怪獣娘の容姿が優れているからそう感じるだけなんだろうか?

 ま、取り敢えず気にしていてもしょうがないので俺は怪獣娘さんとの談笑に花を咲かせる事にした。

 

 

 

「───だよねぇ。やっぱ二度寝の気持ちよさは格別だよね」

「わかります。休みの日とかついついしちゃうんですよね」

 

 なんか、打ち解けたわ。

 怪獣娘さんも初めの頃の敬語が綺麗さっぱりなくなり砕けた口調で話してくれる様になり、俺もついつい他愛もない話に笑ってしまう。

 

「そうそれ!二度寝どころか四度寝、五度寝とかしちゃって。寝てばっかの所為で昼なのか夜なのかわからない時があって、私って普段は引き篭もりがちなのよねぇ」

「あ、あはは。それは……凄い、デスネ」

 

 怪獣娘さんとしてる話の内容は「好きなものは何か」とか「普段は何してるのか」とか。

 その結果わかったのは怪獣娘さんは取り敢えず寝る事が好きだという事。多分だけどほっておくと一日中寝てるんじゃないかと思うぐらい寝る事が好きだという事がわかる。

 

「ふふふ、あぁ、こんなに誰かと話したのは本当に久しぶり」

「え?他の怪獣娘の方や職員さん達とかとは話したりされないんですか?」

「ん?…んん。実は私、世界中の怪獣娘の中でも最古参なの。だから近くの人達は私を怖がってしまうから、離れた所に住んでるのよね」

「………」

「こうして人が居る所にやってくるのも本当に稀な事だし、話し相手がいないの」

 

 寂しそうな顔だ。最古参の怪獣娘、きっと色々大変だったのだろう。本人からしたらいきなり自分の姿が変わって普通だとありえない様な力を持ってしまって戸惑った事だろうし、周りも完全に未知な存在の彼女を恐れてしまった。誰が悪い訳でもない、唯、間が悪かっただけ。

 

「じゃあ、俺が話し相手になりますよ」

「え?」

「少し待ってください」

 

 鞄からノートを取り出しビリッと破く。紙片に数字を書いていき、書き終えると怪獣娘さんに手渡す。

 

「これ、俺の連絡先です。話したい時にでも電話してくれたら話し相手になりますし、暇な時にでも連絡してくれたら応えます。俺の幼馴染もここに所属してる怪獣娘なんで、そいつや他の怪獣娘の子と一緒にでも遊べば貴女の友達も増えますよ。そうすれば、もっと楽しいですよきっと」

「…………ふふ、はは、あはははは!」

 

 ポカン、と口を開けて呆けた顔をする怪獣娘さん。けれど、すぐに笑い出し目尻に涙を溜める。

 

「ふふ、ふふふ。何だか、ナンパみたい」

「!? いや!ちがっ!別にそんなつもりじゃ」

「冗談だよ、冗談。貴方が私の事を想って言ってくれた事はよくわかってる」

 

 くすくすと笑う彼女になんだかなぁ、と思い後頭部をがりがりと掻く。

 

「ふ、ふふ、ふふふふふ」

「笑い過ぎですよ」

「ご、ごめん。ふふ、でもありがとね。……連絡先(これ)、貰うね。…多分、すぐには連絡出来ないけど」

「大丈夫ですよ。余裕ができた時や暇な時にでも連絡してくれれば」

「……うん。ありがとう、大切にするよ。代わりに私も、今すぐは無理だけど、いつか大切なモノを君に渡すよ」

 

 怪獣娘さんは、俺が渡した連絡先を胸の谷間にしまう。…え? マジ? 現実(リアル)でそんな事する人いるんだ。

 ハッ!いかんいかん!あんまり女性の胸元をガン見するのは失礼だ。俺はあえて目線を逸らしてから返答する。

 

「……た、大切な物って、そんな大袈裟な」

「いや、きっと()()()()()()()()()()()()()()

「………? それってどういう?」

「おや、どうやら終わったみたいだね。それじゃあね」

「え?……あ!?」

 

 彼女の言葉通り会議中だった部屋の扉が開き、一瞬そちらに意識が逸れ、視線を戻した時には彼女の姿は無かった。

 

「い、居ない」

 

 な、なんなんだあの人? ……岡田さんに聞いてみようか。あの人なら此処に所属している怪獣娘の事ならなんでもわかりそうだし。えっと、名前は───

 

「あれ?……そういえば名前、聞いてないや」

 

 

 

 

 

「ふふふ、イイね彼」

 

 トコトコトコ、歩く足音が響く。

 

──……?

「ん?うん、気に入っちゃった」

──……!

「え?『じゃあどうして渡さなかったのか』って?もう、それとこれとは話が別だよ。……此れは私個人の感情でどうにかしていいものではないんだ」

 

 一体誰と話しているのだろうか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「でも、大丈夫。彼は誰かの為に動く事が出来る、きっと手にする資格を持っているよ。あとはその時を待つだけ」

 

 左手に少年から受け取った紙片(れんらくさき)を持ったまま、右手を胸の前に運び掌を開く。

 手の上には()()()()()()()()()()()()()()

 

「邪悪な神を討ち祓った大いなる古代の光(ウルトラマンティガ)、鋼の魔神を撃ち砕いた遥かなる宇宙の光(ウルトラマンダイナ)。そして()()()()()()()()()()偉大なる大地の光(ウルトラマンガイア)。この、神秘の光が輝けるその時を」

 

 ぎゅっ、と掌のメダルを再び握り締め、少年へと想いを馳せる。

 

「彼は『光に選ばれた人間』、その一人なんだから」

 

 彼女が見上げる、視線の先には()()。其処はとある湖の底にある洞窟。地球が創った、大地の守護者の褥である。

 

「ただ一つ、不安な事があるとすれば───」

 

 嘗てと違い、今の自分に出来る事などたかが知れてる。それでも彼女の顔には憂いが浮かぶ。心配を表す表情で見詰めるが見えるのは水面越しの夕空だけ。嗚呼、嘆き、自分に───身体を共有する八つの頭に吐露する。

 

───彼は若過ぎる、事かな。

 

 五十年以上の月日を経てた。これまでも、これからも、自分の為す事は何も変わりはしない。ヒトの型にまで堕ちた大地の守護者は何を視る。

 

 

 

 

───時と場所は変わる。

 ピグモンの問いを光の国の聖女(涙を語り継ぐ者)が拒否した、その直後へ。

 

「…な、ぜ、です、か……?」

 

 震える声をなんとか抑えようとしながら、ピグモンはティアに問い掛ける。だが、涙を語り継ぐ者は申し訳なさそうにしながらも言葉を返す。

 

「───彼は、私の言葉に応えてくれないからです」

「……は? どういうことだよ?」

 

 ティアの言葉にいち早く問いを返したのはレッドキングだった。そしてその疑問はこの場の全員の総意でもあった。

 

「私は、光の国では『聖職者』と呼ばれる立場に居ます」

「………?」

「『聖職者』、というのはただの役職ではありません。『聖職者』というのは私達が聖者であると同時に種族を表す呼び名でもあるのです。そして私達は別種族のウルトラマン(宇宙警備隊のウルトラ戦士)にとっては()()()()()()()()なのです」

『『『……!』』』

 

 それは予想出来なかった答えだった。

 ティアは続ける。

 

「私達聖者は宇宙警備隊のウルトラ戦士と異なり戦闘能力の低い種族です。ですが、それは能力がないのではなく戦闘行為を禁じているからです」

 

 元々、光の国の聖者には他のウルトラマンには無い超能力(チカラ)があった。訓練次第では似た能力を習得出来るかもしれないが聖者のチカラとは精度も強さも異なるチカラが。

 

「私達───ウルトラ聖者には、他の生物から()()()()()()()()を有しています」

『『『!?』』』

 

 ティアが言い放ったそれは、ピグモン達の想像を絶する恐ろしいチカラであった。

 

「ウルトラ聖者には戦う事を禁じられています。例えこのチカラを使っていないとしても戦いとは相手の命を奪う為の行為に他なりません。……ですが、ウルトラ戦士にとってウルトラ聖者は『大いなる力』を持っているにも関わらず、宇宙の平和の為に使わない集団として見られているのです」

 

 一応謂っておくと完全に禁じられている訳ではなく、たった一つの条件を満たせば使用する事が許される。だが、その条件というのが『悪に堕ちたウルトラマンを殺す時』なのだ。

 宇宙警備隊員からすれば同族を殺す事にしか能力を使わず、そしてウルトラ聖者の能力が必要な時に()()()()()()()()()()()。それは嘗て光の国の歴史で唯一の叛逆者、悪に染まり復讐心に狂った闇の巨人『ウルトラマンベリアル』の襲撃時にウルトラ聖者達は能力を使う事すら出来ていなかったのだ。

 一度目のベリアルの襲撃時、ギガバトルナイザーより召喚された100体もの怪獣が行手を阻みベリアルの元まで辿り着く事が叶わず、結局ウルトラマンにとっても伝説の超人である『ウルトラマンキング』によってベリアルが封印された。

 二度目のベリアルの襲撃時、ウルトラ聖者達はベリアルにより力の源でもありM78星雲を照らす人工太陽であるプラズマスパークを奪われ、それにより発生した寒波により星ごと凍らされた。

 ()()()()()()()()()()()。光の国の聖職者は己が定めた使命を果たせていない。

 

「………」

「………」

 

 沈黙が流れる。ティアの沈んだ雰囲気にピグモンや他の怪獣娘達も何も言う事が出来ない。

 この時、ティアは嘘を付いた。“真実”を()()()()()()()()()()()()()。ウルトラマンが()()()()()()()()()()()()()()()()()()に。

 ウルトラマンは確かに人類の味方だ。だが、それは人類を守る為であり、人類を侵略者に仕立て上げる為でもない。人類の戦力として他惑星を攻撃する為でもない。

 

「で、ですが! あの方がこの星を守る為に戦っている事に変わりはありませんし、私も力の限り助力させていただくつもりです。戦う事は出来ませんが、治癒や防御、それに拘束などの光線は修得しています。それに怪獣に対する知識もあります!」

「…! はい、是非」

 

 そして別に彼女達に手助けを施す事で先の話の続きを断つ。こうする事でティアは彼女達から『ウルトラマンZとコンタクトは取れなかったがウルトラセイントティアを味方に迎え入れる事ができた』というひとまず安堵出来る状況を築き上げた。

 

「それで、一つお尋ねしたい事があるのですが?」

「……? はい、一体なんでしょう?」

「スペースジョーズ・ザキラ。……私を追って地球に現れた怪獣の残骸に取り憑いた『怨念』をアナタ方はどう認識していますか?」

「───……もしかして、『シャドウ』の事?」

 

 今、この時、この瞬間、怪獣娘は『人類の天敵』、怪獣娘にしか倒せない怪物の()()()()()事になる。

 

「アレは、怪獣の怨念。ウルトラマンに倒され、肉体を失い、行き先もなく佇む“怪獣の魂”の負の面です」

 

 ティアやゼットが元々居た宇宙。

 ティガ、そしてダイナが戦った宇宙。

 ガイアの生まれた宇宙。

 コスモスが守る宇宙に、ネクサス(ノア)がスペースビーストと戦った宇宙、ニュージェネレーションズ(エックス、オーブ、ジード)と呼ばれる新世代のウルトラマンが各々で活躍した宇宙。

 宇宙とは人智を、遥かに超えた広さと可能性を内包している。そして、それらの宇宙の数少ない共通点の内の一つに怪獣墓場に繋がる門という物が在る。コレは死した怪獣の魂が行き着く終着点。あらゆる宇宙とはズレた狭間にあり全ての宇宙と門を通じて繋がり怪獣の魂が亡霊となって悠久の眠りに付く亜空間。

 

「ですが、この宇宙にはその門が無いんです。ですので怪獣の亡霊は行き場を失いその場に留まる。そして何十年と長い時を重ね、その星に根付き、生命の流れ(サイクル)の一部と成ったのでしょう。……ですが、地球は怪獣の亡霊から純粋な魂と星に不純物と判断されて弾かれた怨念に別れた。アナタ方の言う『シャドウ』とは怪獣の魂から分離させられた───怪獣という媒介(原型)を失った暗黒面」

 

 シャドウは怪獣(かたち)の無い亡霊。怨念(シャドウ)が人間を襲うのは復讐だ。怒りと憎悪で形成された意思なき本能に近い在り方そのものだ。

 そして怪獣娘がシャドウを倒す事が出来るのは根源的には同じ存在であったからだ。怪獣を斃せるのは怪獣の、或いは巨人の力だけだ。もしかしたら車など大岩といった質量をぶつければ倒す事はできるかもしれないが、それもただの人間にできる事ではない。

 怪獣娘の内に宿るカイジューソウルが人類の敵たるシャドウと元は同じ存在。その事実を識った者の内には気付いた者もいるだろう。元々が同じだったのなら怪獣娘とシャドウが合わさった時、一体どうなってしまうのだろうか、と。

 そしてその事実を知り、暗躍する者は居る。ウルトラマンと同じく別宇宙から現れ、自身の愉悦の為だけに蠢く邪悪な魔物が。

 

 

 

 

 

 ウルトラマンゼットがブルトンに転移させられた地球がある宇宙。他の宇宙には無い『怪獣娘』が居る宇宙──以後『GIRLS(ガールズ) SPACE(スペース)』と仮称する──にて暗黒の宇宙空間を眩く照らす程の極光が爆ぜた。

 

「ギィィィィッッ!!!」

『ぐぅぅっ……ガッ!?』

 

 極光の正体は電撃であった。

 電撃の中心に苦痛に喘ぐ人型の巨人───ウルトラマンが。そのウルトラマンに巻き付く鈍い鉛に近い銀色の尾。どうやらウルトラマンを襲う電撃はこの尾を伝い放たれている様だ。

 

『ぐぅ……ハァァ!!』

「キィィィィィ…!」

 

 ウルトラマンが無しかしらの方法で自身に巻き付く尾に傷を付け、締め付けが弛んだ瞬間にエネルギーを解放、電撃をレジストして弾き飛ばす。

 

『ッッ!アアアアアッ!!!』

 

 そしてウルトラマンは電撃を発した尻尾を敢えて掴み掛かり、全身の捻りを使い大きく振り回(ジャイアントスイング)し、近くの衛星へと叩き付けた。

 ウルトラマンから離れた事でその全貌を目視出来る。それはとても巨大───巨人と呼ばれるウルトラマンが見上げる程の巨体の大怪獣であった。

 尻尾と同様鈍い銀色の身体に金色の横長の目とその左右に小さな目があり、計三つの金眼がウルトラマンを睨む。背中には対となる大きな翼を生やし手足には青く光る爪。ファンタジーによくある西洋のドラゴンの様な姿形をした怪獣。

 

「キィィ、ギイイイイ!!」

『くっ…!』

 

 衛星へと叩き付けられた大怪獣にウルトラマンは背を向けて宇宙空間を飛翔する。大怪獣も金切り声の如き咆哮を上げてウルトラマンを追い掛ける。

 

『くそっ、コイツに構っている場合じゃないのに……!』

 

 このウルトラマンは、とある人物(ウルトラマン)を探していた。

 宇宙警備隊大隊長───『ウルトラの父』から護衛の任務を受け、だが、途中で侵略者連合の襲撃に遭い、逸れてしまった。なんとか連合を退け痕跡を探しながらここまで来たが、大怪獣の追撃により捜索は困難を極めている。

 

「キィィィィイイイ!!!」

『ッッ! こうなったら!!』

 

 背後から迫る大怪獣にウルトラマンは振り返り、覚悟を決めた。

 大怪獣に立ち向かい倒す、戦う覚悟だ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ウルトラマンと大怪獣の姿が重なり閃光が爆ぜた。

 




次の更新は、まぁ、ウルトラマンZの映画が公開されるよりは早く出します()


次回予告(CV.ウルトラマンゼット)

『空から紫電を放つ超強力な巨大怪獣ハイパーエレキングが飛んで来た。ハイパーエレキングを止める為に現れたのは過去にこの地球で戦った事のあるウルトラマン、ってジード先輩!?

次回!

怪獣娘(絶) 〜ウルトラマンZ参戦計画〜

還ってきた男


ウルトラ戦うぜ!!』
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