怪獣娘(絶) 〜ウルトラマンZ参戦計画〜 作:ただのファンだよ。
【宇宙警備隊新人】ウルトラマンゼット登場!!
【若き最強戦士】ウルトラマンゼロ登場!!
【凶暴宇宙鮫】ゲネガーグ登場!?
【四次元怪獣】ブルトン登場!?
地球の周辺の宇宙。地球の衛星である月の月面にて閃光が幾つも弾け、大きな爆発が起こる。そして爆発の中心地から一体の
それは凶暴宇宙鮫と呼ばれる怪獣、『ゲネガーグ』だ。
ゲネガーグは背中のバーニアの様な器官からエネルギー噴射する事で宇宙を高速で移動している。
そしてゲネガーグを横から攻撃する巨大な影。銀と青、そして少しの赤いカラーリングの巨人。胸の中心には青く光る『Z』の様なマークが。
その巨人の名は『ウルトラマンゼット』。様々な宇宙の平和を守る宇宙警備隊の若き新人メンバーだ。
「ゴアアアァァァア!!?!」
「デュアッ!」
ゼットの攻撃を受けたゲネガーグは正面にゼットを捉えると別名にも表記されてる凶暴性を遺憾無く発揮してゼットに襲い掛かる。鼻先の大角でゼット刺し貫かんと突撃し、大きな顎でゼットを噛み砕こうと迫る。
ゼットも負けじと格闘戦で応戦し、頭部にあるナイフの様な形のトサカにエネルギーを集結させて光の刃を幾つも飛ばす。
「ギュオアアア!!」
ゲネガーグがゼットから距離を離すとその巨体が赤く光る。恐ろしい破壊的な光を帯びたゲネガーグは幾条もの光線を背中のバーニアの様な器官とは別の器官から放った。
「ジュ…ア」
赤い光線群全てが曲線を描きながらゼットに迫る。まだ未熟なゼットは避けられない事を悟り、せめてと腕で頭部を守る。
「シャァッ!!」
ゲネガーグの放った光線群がゼットのすぐ目の前へと迫る瞬間、ゼットの前に割り込む新たなウルトラマンの姿。新たなウルトラマンは身に付けていた青いマントで光線群を全て受け切るとマントを翻し残光を払った。
『危ねーから手ぇだすな!』
新たなウルトラマン、『ウルトラマンゼロ』は新人であるゼットには荷が重いと下がらせようとする。
そしてそれに反論するのはゼットだ。
『また半人前扱いして!俺も宇宙警備隊ですよ師匠』
二人のウルトラマンの会話など興味などない──言葉を解する知能があるのかすらわからない──ゲネガーグは大口を上げて咆哮と共にエネルギーブレスを放った。
二人のウルトラマンは左右別々に分かれてゲネガーグへ向かう。
『お前を弟子にとった覚えは
『さ、三分の一!?う、ウルトラショック…!?』
「オガアァ!!」
光線群、エネルギーブレスときて次にゲネガーグは体内に呑み込んでいた物を吐き出した。
『こいつ、小惑星を飲み込んでやがる…!?』
ゲネガーグが吐き出した物、それはまさかの小惑星!
まだ怪獣との戦闘経験の少ないゼットは予想外の出来事にゲネガーグに背を向け硬直していた。
───そして、ここが運命の
本来ならゲネガーグは次の攻撃をゼットにではなく、自身に迫るゼロに向けて放つのだが。
『ゼット!
『ッ!!なっ!?』
ゼロの言葉にゼットは急いで振り返る。すると目前に迫る不思議なエネルギーを放つ物体。
なんと、ゲネガーグはゼロにではなく隙を見せるゼットに向けて攻撃を放ったのだ。
『うおっウルトラ危なっグッ!?』
ゼットはなんとか紙一重で避ける事に成功するが、なんとゲネガーグがゼットに突撃した。ゲネガーグはゼットを超えて自身が吐き出した物に向かって飛び、ゼットもゲネガーグと同じ方角に吹っ飛ぶ。
『アレは、まさか
ゲネガーグの向かう先、それは次元を狂わせ操る隕石の様な形をした『ブルトン』という怪獣だった。
ゲネガーグはブルトンを
吹っ飛んでいたゼットも巻き込まれる。
『うわー!?し、師匠!?!?』
『クソッ今からじゃ間に合わねぇ!だったらせめて!』
ゼロが自身が持っていたアイテムをブルトンの開けた異次元穴に向けて投げた。
ギリギリゼロの放ったアイテムが異次元穴に入った瞬間、ブルトン共に姿を消した。
『……クソ、待ってろよゼット。すぐに行く』
ゼロはいつまでも弟子だと言い張る新人ウルトラマンの為に左腕の白銀の神々しいブレスレットを輝かせた。
『ウルティメイトイージス!!』
ボク、アギラの怪獣娘だとゼツトに告白してから暫く経ったある日。ボクはゼツトと一緒に渋谷にやってきた。
「以前、同じ怪獣娘のミクちゃんとウインちゃんの二人と一緒に来たんだ」
「へぇ、確かミクラスとウインダムの怪獣娘なんだよな」
「うん」
「凄い偶然だよな、同じカプセル怪獣の魂を宿した怪獣娘が揃うなんて」
ゼツトは「いや、寧ろこれは必然なのか?」なんて呟きながら前回ミクちゃんとウインちゃんと寄ったのと同じ店のクレープをかぶりついていた。因みにゼツトの頼んだクレープは生クリームとチョコソースだけのシンプルなもの。
「………ふふ」
「ん?」
「なんでもないよ♪」
最近あった話をなんて事のない様に話しながら二人で街を歩く。なんだか、その、デート…してるみたいで嬉しい。
昨日、ボクから誘い悩む事なく了承したゼツト。いつもは巣鴨で遊んでるんだけど、今回勇気を出して“若者の街”って感じの渋谷に来て良かった。
「むぐむぐ、んっぐ!……良し!じゃあ次どこ行くよ?」
「うーん、そうだなぁ…」
「じゃあ、色々見て周ろうぜ!渋谷は広いからこのままじゃ周り切れないぞ、ほれ急げ急げ」
「え、あ、ちょっと!」
ゼツトは手を差し出してボクの手を取ると駆け出す。ゼツトに引っ張られる形になったけどボク、手を繋いでるんだ。
「も、もう。どれだけ急いでも全部は周れな」
その時だった。空に
「な…に、あれ?」
穴の中はまるで宇宙の様だ。黒の中を光の粒が高速で動きぐにゃぐにゃと歪んでいる。なんだかテレビの砂嵐を連想させる様な見た目をしている穴。
「アキ、離れるぞ」
「ぜ、ゼツト?」
周りの人達皆が空の穴を見上げ、沢山の人がスマホを向けて撮影してたりして足を止めてる中、ゼツトだけはボクの手を引いてその場から離れようしている。
「イヤな予感がするんだ。少しでも遠くに離れるべきだ」
「……でも」
ゼツトはボクを連れて離れようするけど、ボクは怪獣娘だ。もしもゼツトのイヤな予感が当たったのならボクが皆を守らないと!
ボクがそう決意した瞬間、ポケットからバイブ音と振動が伝わる。
「ごめんゼツト」
「あ、おい!アキ!」
ゼツトと繋いだ手を離してポケットからスマホの様な機器『ソウルライザー』──怪獣娘の変身を安定させ暴走を抑制する機能が備わっている──を取り出して駆け出す。
ソウルライザーの画面にはWARNINGの文字が点滅している。
「ソウルライド、『アギラ』!!」
ボクはソウルライザーを使い怪獣娘の姿へと変身した。
「あいつ……ああ、くそッ」
怪獣娘へと変化したアキが人間離れしたスピードで走り、もう豆粒程の姿も見えなくなった。……あいつには怪獣娘としての力があるから何かあったとしても大丈夫だと信じよう。
「それにしても、なんだよアレ」
俺は更に穴を見上げる。やっぱりイヤな予感がする。
「……ん?」
ふと何かを蹴り目線を足元に向ける。……なんだ、これ?
俺は足元に落ちてる物を拾った。黒と青の不思議な機械?それと三枚のメダル。メダルにはそれぞれ横顔が描かれて……ってこれは!?
「すげぇ!ウルトラマンの横顔だ!」
この三枚のメダルに描かれている三人を俺は知ってる。
ウルトラセブンとウルトラマンレオ、それにウルトラマンゼロだ!
「なんかのグッズか?こんなの知らねぇ、レアもんだ!」
空の穴の事などすっかり頭から抜け出してメダルに夢中になっていた、その時だった。
空の穴から巨大な影が大きな音を立てて渋谷の街に落ちたのは。
「ギュゴオオオオアアアアア!!」
砕けた道路や建物の粉塵が舞い、直後に穴から現れたソレの咆哮によって吹き飛んだ。
「で、でけぇ」
それは、怪獣だった。巨大で凶暴な人類の脅威となる存在。
地球から居なくなった怪獣が、再び地球に現れた。
国際怪獣救助指導組織、通称『GIRLS』。
GIRLSとはその名の通り何も知らない怪獣娘を暴走しない様に保護、カウンセリングを行い、同時に怪獣娘の研究。更に怪獣娘が社会に溶け込めるように支援する組織である。
そんなGIRLS東京本部司令室にて、本部の最高責任者である、左右に分けて結ばれた赤い長髪と服と呼んでいいのか怪しい格好の
「一体、何が……!?」
「どこからどう見ても怪獣、ね」
ピグモンの横に立つのは、僅かに黒が混じった桜色の長髪にアンテナの様な角、白と黒の独創的な
「現場近く、アギラさんから連絡です!!」
「アギアギから!?」
「出て」
「はい!」
アギラからの連絡、それは渋谷に現れた怪獣による破壊活動の様子。ピグモンはアギラに住民の救助を任命し、エレキングは司令部の職員にGIRLS所属の怪獣娘達、その中から住民の救助活動と避難指示。そして怪獣と
「頼むわよ、
「───了解」
ソウルライザーを耳から離して仕舞うと、自身が立つとあるビルの屋上から暴れる怪獣に目線を向ける。倒すべき敵、明らかに
──何故なら、彼女こそが最強。世界中の怪獣娘の中でも最も強力な怪獣の魂を宿しているから。
黒い髪(額には黄色の結晶)、黒い姿(豊かな胸のみ主張する様に黄色)、黒を基色とする
嘗て、ウルトラマンを倒した事のある最強の宇宙恐竜の怪獣娘だ。
「これより、怪獣と交戦を開始する」
ビルの屋上から忽然と姿を消すゼットン。
その直後、街で暴れる怪獣を幾つかの爆発が襲った。
「ギュオオオオ!!」
感じるのは熱と衝撃。突然の
「………!」
身に宿す怪獣の魂のチカラにて空に浮かぶゼットンは、自身の周りに複数の火炎弾を生成すると一斉に怪獣に向けて放った。
ドンドンドドン!!と爆音を立てて怪獣の身体を火球が打つ。火球が迫る方角を振り返る事で怪獣は漸く
───こんな小さき者が我に歯向かっているのか?ッ許さん!!
「ゴオオオオ!!!!」
怪獣、ゲネガーグは大きな顎を開きゼットンを喰らおうと口を閉じる。が、
ゲネガーグの背後を取ったゼットンが額の結晶にエネルギーを終結させる。『ピポポポポ…』と独特の音を鳴らしながらチャージし、放たれるのは、
「一兆度の火球、アナタは耐えられる?」
『トリリオン・メテオ』
巨大怪獣の悲鳴が轟き響く。頭が割れそうな程の大音量に耳を押さえながらも怪獣娘の一人が行う避難指示に従って歩く。
振り返れば見えるのは巨大怪獣と戦う怪獣娘ゼットンの姿。
「……」
比べるのもバカバカしい程のサイズの差。50m級のバケモノと2mに満たない少女。だというのに戦闘が成立している。それだけ怪獣娘の異常さが浮き彫りになる。
「…………」
やっぱり、心配なのは
空も飛べなければ炎を吐く事も出来ない、身体能力も数多の怪獣の中では並レベルだろう。あるのは俊敏な動きと鋭い角。
(怪獣娘に成ったばかりのお前に出来る事なんか限られてんだ。…頼むから無理、すんなよ)
俺は、何故かさっき拾った変な機械に手を伸ばしていた。自分ですら訳もわからないが置いていてはいけない気がした。
「───え?」
拾った機械から手を伝って何かが流れ込んだ。ドクンと、心臓が一度大きく鼓動し無意識に空を見上げた。
空に浮かぶ穴から
「……シェァ」
それは巨人だった。
鉄仮面の様な顔に煌めく銀色のボディ。胸には赤く点滅するZの様な文字。
その姿は、間違いなく。
「ウルトラ、マン」
膝を突いた姿勢から立ち上がり、怪獣に向かってファイティングポーズを取るウルトラマン。
「……はぁ…はぁ」
胸が熱い、心臓が痛い程に煩い。俺じゃない俺が叫ぶ。「何やってんだよ早く走れよ!!」と。
「っ!」
「あ!ちょっと君!!」
俺はこの胸の叫びに抗う事なく列から抜けて走り出した。怪獣娘さんの制止の声も耳に入らない。
「ジュアッ!!」
ウルトラマンが拳を怪獣に叩き付ける。拳から始まり、チョップに蹴り、組み付いてからの膝蹴りや肘打ち。格闘戦を果敢に仕掛けるウルトラマン。
「グオオオッ!!」
「デュア!?」
勿論怪獣もやられっぱなしにはならない、反撃する。首を振ってウルトラマンを弾き距離を離したところで怪獣の背中が発光する。
「ジャア!?…ディア!」
ウルトラマンは怪獣の背中の光に反応して駆け出す。けれど、一瞬足りず光が解放され───ようとした瞬間、飛来した複数の火球が着弾し爆発した。怪獣が悲鳴を上げ、光が収まる。
「……アナタは味方、でいいのね?」
火球を放ったのは勿論、ゼットンだ。ゼットンはウルトラマンに目線を合わせるとウルトラマンの肩に降り立つ。
「私が援護するわ」
一言、告げると彼女の姿が消える。またテレポートしたのだろう。
「グゥ…グゴォォォ」
戦いはウルトラマンとゼットンの優勢だった。ゼットンの援護は的確で、怪獣に思い通りの攻撃をさせなかった。
このまま、ウルトラマンとゼットンが怪獣を倒してくれるかと思った矢先、ウルトラマンが
その意味は即ち、ウルトラマンの活動限界を告げていた。
「なっ!?」
これにはゼットンも驚き動きが固まった。
本能か、それとも策略か、その隙を怪獣は逃さなかった。
「ゴオオオオ!!」
「!?ジャア!?」
「ッ!!」
背中から炎を噴射して怪獣がウルトラマンに突進する。ウルトラマンは避ける事が出来ずに直撃し倒れる。
そして怪獣は、すかさず次の手に移る。背中を発光させて光弾をゼットンに向けてばら撒く。
「……づぅ!」
ゼットンは火球を複数生成して放ち、光弾を相殺する。一発でも撃ち漏らせば街に、住民に被害がいく。ゼットンは端正な顔を歪ませて火球を放ち続ける。空中で弾ける火と光の花が幾つも咲く。
「グゥゥ、ゴオオオオッ!!!」
「はぁ…はぁ…、くっ!」
顎を大きく開いてエネルギーが集結する。ゼットンは疲労を隠す事が出来ない状態ながらも上空へ飛んだ。自分を狙っているのなら被害を無くす為に空に撃たせる必要があり、自身はテレポートで回避すればいい。
「グゥ……グフ」
が、怪獣は知っていた。彼女が何を守っていたのかを!
怪獣がゼットンから背を向ける、そして振り向いた先は
「!!」
「ゴガアアアアッ!!!!」
一切の慈悲無く、怪獣のエネルギー砲が放たれた。ゼットンはテレポートで割り込むと巨大なバリアを張ってエネルギー砲を受ける。
「ぐぅぅぅ……ッ!?」
受けた瞬間に全身をとてつもない衝撃が掛かり、バリアに罅が入る。ピキピキと音を立て罅は広がり小さな穴が空いて、エネルギーが漏れる。
「う、ああ、くぅ…」
バリアの全体に罅が走る、全身を圧し潰される様な衝撃。純粋な質量の差がここで響く。寧ろゼットンはよく耐えた方だろう。
だが、それもここまで。意識が薄れゆく、もうダメだ。弱音が生まれジワジワと広がる。何故耐える?もう諦めたらいい、大丈夫、痛みは感じる間も無く自分を構成する全てが消えて無くなる。責任も、関係も、全て失くなる。
───トン…ん、ゼットンさん!
「ッッ!!」
アギラの声、自分に真っ直ぐな目を向けてくれる彼女の声が聞こえた。
小さく目線を下に向けた。
アギラだ、真下のビルの屋上からこちらを見上げていた。その瞳には揺るぎない信頼があった。
「頑張ってください!ゼットンさーーん!!!」
私の為じゃない、知らない誰かの為でもない。私は、私を信じてくれる
「ッッ!アアアアアァァァアああアアァァあアあああア!?!!?!」
───気合でどうにかなる程、現実は甘くは無い。彼女が成したのは数秒多く保たせただけだ。
光が満ちる、希望が煌めく。
───…しょ……ださい、……を。
新たなウルトラマン伝説、その幕開けを告げる閃光。
───…昌和…ください、我…を!
刮目せよ、鮮烈な光の巨人の姿を!
───ご唱和ください、我の名を!!
始まりの刃をその身に刻め!
ふーん、エッジじゃん。