怪獣娘(絶) 〜ウルトラマンZ参戦計画〜 作:ただのファンだよ。
最高やな!
感想ありがとうございます!ウルトラうれしいです!!
高評価してくれても、いいんですよ?(チラッチラッ)
(……嘘、だろ?)
シルバゴンがゼスティウム光線をマトモに受けたというのにピンピンしてやがる。ただ、シルバゴンも流石にノーダメージとはいかなかったのだろう。ふらついているが、すぐに持ち直した。
「ギィィ…、ガアアア!!……ギィゴオ!!」
シルバゴンは俺と同じ様に光線でも撃てるとでも思ったのか、ゼスティウム光線の動きを真似てから十字に腕を組むが当然何も起きず、怒って地団駄を踏んでる。
(いくら溜めの少ない即席だからってあの光線はゲネガーグ、それにバルタン星人だって倒した技だぞ!?)
だが、俺はそれどころじゃなかった。
ゼスティウム光線で倒し切れなかったのは兎も角、大したダメージにならず平然と起き上がられた事のショックで茫然としていた。
「ギィガァオオオオ!!!」
『ボケッとするなゼツト!」
「ッ!?ジィアァァ!?」
うぐッッ、ゼットさんの声に我に返ったが既に遅く、奴の突進頭突きをモロに受けて後退する。シルバゴンが続けて殴り掛かり、俺は奴の拳を受けて吹っ飛び背中から地面に倒れる。
「ギィアゴオオオ!」
「ジェアァ!?」
「そんな、ウルトラマンが負けてるぞ」
それは誰の言葉か、或いは全員の心の内か。ゲネガーグ、バルタン星人を倒した光の巨人があの怪獣に苦戦しているじゃないか。
確かに前回のバルタン星人を相手にした時も苦戦していたが、それはバルタン星人が分身や瞬間移動などでウルトラマンを翻弄したからだ。攻撃が当たりさえすれば有効打となった。
だが、今はどうだ。バルタン星人を相手にした時とは違いウルトラマンの攻撃は怪獣に直撃している、それも何度も。なのに効果が無い。あの穴から出てきた大顎の怪獣とバルタン星人、両方を倒した光線もあの怪獣には有効打には成り得なかったら。
「ゼット…様…」
「隊長、大変です!!」
「!?…どうした、何があった?」
誰もが、怪獣娘達ですらショックを受けている中、ヘリが彼らの側に降り立つと、一人の自衛隊員が慌てた様子で飛び出し大声で叫んだ。大山はなんとか精神を落ち着かせるとヘリから降りた部下に訊ねる。
「に、虹が、異次元空間の入り口の虹が、消え掛かっています!」
『『『!?』』』
「な、なんだと!?」
隊員が指差す方に向けば、確かに薄くなっている虹が見えた。
もし、あの虹が消えれば?全員が最悪を想像した。───即ち帰り道の消失、一生この空間に閉じ込められるという事を。
「総員、可能な限りヘリに乗り込め!脱出するぞ!!君達」
大山は部下を数人ヘリに乗せるとゼットン達怪獣娘に頭を下げて頼み込む。
「すまない、どうか我々を運んでもらえないだろうか!?」
「おう!」
「任せといて!」
「……ええ」
大山の言葉にレッドキング、ゴモラ、エレキングが了承する。
しかし、
「待って」
「……ゼットン?」
ゼットンだけは大山の言葉に応えなかった。
「……何かね?」
「ゼットさm───ウルトラマンはどうするの?」
「………」
ゼットンの言葉にレッドキングやゴモラ、エレキングは未だ怪獣と戦っているウルトラマンZに目を向ける。
「ジィヤァ!」
「ギオオォォ!!」
「……彼には、ここで怪獣を、食い止めてもらう」
「置いていく、という事?」
「…………………そうだ」
「「!?」」
「……そう、ね」
大山の言葉にレッドキングとゴモラは驚いた表情をする。エレキングは大山の指示の意味を理解し、納得
「そりゃあねぇだろ!アイツはオレ達の為に戦ってんだぞ!」
「そうだよ!それなのに彼を此処に置き去りにしていくの!?」
「……私だって本意ではない。だがあの怪獣はウルトラマンでも手に余るバケモノだ。あんなヤツがもしも地球に来てしまえば大惨事になる。それは許容出来ない。幸い、入り口さえなくなればヤツはこの空間から出る事はない」
「その為にウルトラマンを見捨てるのかよ!?」
「落ち着き、なさい。彼の言葉が正しい事ぐらい……貴方達も、わかっているでしょう」
「お前も助けてもらったんだろ!それでいいのかよ!!」
「……っ」
レッドキングの言葉にエレキングが動揺する。レッドキングの言う通り、エレキングはつい先程命を救われている。なのに、取り残していく事に思う所があるのだろう。
「喧嘩している暇はない、兎に角今は脱出する事に集中するんだ!」
「納得出来るか!!」
「今作戦での指揮権は私にある!」
「ふざけんな!!」
ウルトラマンを見捨てる事が出来ないレッドキングとあくまで自衛隊員として行動する大山。話は平行線のまま終わりそうになかった。
「…レッドキング、大山隊長の指示に従って」
「ゼットン!?」
なんとゼットンが大山の指示に肯定した。ウルトラマンの戦いを一番食い入る様に見ていたのはゼットンだ。バルタン星人の事件でウルトラマンZに救われてから彼女はウルトラマンZに異様に執着する様子を見せる事も多々あった。
この中で一番、ウルトラマンZに好感を抱いていたゼットンだと思っていた。だが、違ったのか?
「私がゼットさ───ウルトラマンを援護する」
「ゼットン君!?」
否だ。ゼットンはウルトラマンと共に戦う事を選んだ。
もしかすると、ウルトラマンと共に永遠にこの異次元空間に閉じ込められるかもしれないと云うのに。
「何を言ってるんだ、そんな危険な事を認められる訳がないだろっ!?」
「おう、わかった。任せたぜゼットン!」
「こ、こら!離しなさい!!」
レッドキングが大山を片腕で抱え、もう片方の腕をゼットンに向けて伸ばし親指を立てた。
周りを見ればゴモラとエレキングは既に大山以外の隊員を運んだ様で、この場にはゼットン、レッドキング、大山の三人しか居ない。
「まだリベンジを果たしてねぇ、勝ち逃げは許さねぇぞ?───絶対ウルトラマンと一緒に帰ってこい」
「ええ、任せて」
「そんな危険な事はやめるんだ!いくら君達に特別な力があると言っても君達はまだ子供なんだ!!」
「おら、暴れんな。行くぞ」
「話を聞きなさーーーアアァあああァァぁアああ!?!?」
大山の言葉には耳を傾けずレッドキングがジャンプする。常人にはあり得ない跳躍力に大山はジェットコースターにでも乗ってるかの様に声を上げた。
あっという間に小さくなっていく大山の絶叫から意識を外すとゼットンはテレポートを行った。
(がふっ!?…ッックソ!)
シルバゴンに投げ飛ばされて背中から地面に落ちる、がすぐさま起き上がってシルバゴンに向かい合う。
クソッタレ!わかってはいたけどなんて馬鹿力だよ、完全にパワー負けしてる。しかも体力的にはまだ余裕があるが、制限時間的にはそうじゃないみたいで胸のカラータイマーが鳴り始めた。
「ゼット様」
(え?あ、ゼットンさん……ゑ?)
立ち上がった俺の肩にゼットンさんが立っていた。い、いつの間に。しかもめっちゃナチュラルに立ってるし、まったく気付かんかったわ。
「私が援護します」
じっ、と強い意思が籠もった瞳で見つめてくる。俺も肩のゼットンさんを見つめ返し、互いに見つめ合っている形になる。……決意は固そうだな。それに、正直有難い。
(お願いします、ゼットンさん)
「ジェア」
「………ッッ」
俺はゼットンさんに向けて頷く。…ってあれ?ゼットンさんが突然顔を晒し俺に背を向けて蹲み込んだ。……肩の上で。
(…ち、近いぃ…顔が、熱い)
俺にはよく見えなかったけどこの時ゼットンさんの頬は紅に染め、両手で頬に触れていた。
「ジ、ジィァ?」
(だ、大丈夫かな?)
「……グ、グモー」
更には身体をばたつかせた。
え、ホントに大丈夫?育成方針の違いで太っちょで薄汚くなった怪獣みたいな声が聞こえたんだけど。
「ッ……あ」
すると、体を揺らす拍子にポロッと何かを落とした。……ポケットがある様には見えないけど何処から落としたのそれ?
「あ、あ!」
(よっと)
慌てた様子で手を伸ばすが取りこぼし、落下しようとする所を俺が掌で受け止める。
なんだこれ、元々が摘める様な大きさな上に俺が
『ウルトラマンのメダルだ!!』
インナースペース内にゼットさんの驚愕した声が響く、ゼットさんの反応も合わさって確信する。
これは、この地球に初めてやってきた始まりの巨人、『ウルトラマン』だ!
「……ゼット様?」
驚きのあまり硬直してしまった俺をゼットンさんが不思議そうな目で見詰めている。
「…もしかして、それが必要なんですね?」
「ジ、ジィヤァ…」
いや、まだわからないのについ頷いてしまった。でも、ゼットンさんは何かを確信した様な目をすると俺に目を合わせて言った。
「だったら、使ってください。そのメダルが貴方の力に成るのなら」
……ゼットンさん。
『ゼツト、お言葉に甘えるとしよう。真っ赤に燃える勇気の心を手に入れるんだ!!』
(……ッ!
ありがとうございます、ゼットンさん!!
ウルトラマンのメダルをぐっと握り締める。するとインナースペース内に居る俺の手の中にソレが現れるのを感じ、俺はすぐさま腰のホルダーを開いて二枚のメダルと共に掌に広げた。
『マン兄さん、エース兄さん、タロウ兄さんのメダルだ!!』
「真っ赤に燃える、勇気の力!」
《Ultraman.》《Ace.》《Taro.》
いつも通りゼットさんが現れ、腕を広げて胸を張る。
『ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼェェット!!』
「ウルトラマン!ゼェェェット!!!!」
上に翳したゼットライザーのトリガーを押す。
偉大な三人のウルトラマンの
「ウルドラマァァンゼッドォッ!ベーダズマッジュ!!」
変身した時に飛び上がり、空中にて
「デュゥワッ」
ドロップキックをくらわせた際にシルバゴンと一緒に倒れ込むが、奴より先に立ち上がる。
「ィイチ」
オリジナルやアルファエッジの時とは比べ物にならない屈強で筋肉質な体型。
「ニィ…ッ』
カラーリングは他の形態とは一変して赤と銀を基色とし、頭部───と言うよりは顔の上半分だけ覆う覆面レスラーのマスクの様な装飾が施され、耳?が尖っている。
「スゥワン!!」
ぶ厚い筋肉の鎧を見に纏い背中から胸のカラータイマーの周りを掛けて、ウルトラマンタロウの様なプロテクターを身に付けたウルトラマンが右腕を掲げ高らかに咆えた。
「ダアアアアッッ!!!」
ウルトラマンZ第三の姿。
赤いパワータイプの『ベータスマッシュ』。
力強い叫びと赤き力の波動が遠くに見える山を噴火させ、まるで入場の
「ギガァ、ギィオ、ガァア!ギャガァオオオ!!………ガアアアッッ!?!?」
シルバゴンがウルトラマンZの真似をする様に吠えて右腕を掲げた。けれど当然何も起きないし起こる訳がない。
姿が変わる事も、噴火する事も無い。シルバゴンは悔しがっているのか怒っているのか、その場で地団駄を踏んで暴れる。
「ギィゴオオオ!!」
「ディィヤッ!」
やがてシルバゴンの暴力の矛先がウルトラマンZに向く。それに対してウルトラマンZはなんとシルバゴンと同じ様に走り出し真正面からぶつかり、力比べを行った。技も駆け引きもない、純粋な力と力の勝負。
腕に、腹に、脚に、全身に力を込めて緩める事なく取っ組み合う。
(力比べじゃオラァァア!!!!)
「ジィ…ッ、ディアアアッ!」
「ギギャ!?」
ベータスマッシュのパワーは剛力を誇るシルバゴンにも負けていない。均等───いや、僅かにウルトラマンZが勝っており一歩前に踏み出した。
「デュゥワァア!!」
ウルトラマンZが突き進む、シルバゴンは押されて後ろへ退がる一方。やがて、その超パワーで豪快にシルバゴンを押し除けた。
シルバゴンは蹈鞴を踏んで後退し、そこにすかさずベータスマッシュの剛の拳が顔面にぶちかまされる。続けて首元にチョップ、シルバゴンの右側に周ってから延髄蹴り。更にはシルバゴンを背後から持ち上げ、頭から落とし脳天を地面に叩き付ける。これがウルトラヘッドクラッシャーだ!(違います)
「ギガアアアアッ!!」
シルバゴンも反撃する。
両腕で殴り付け、頭突きをかまし、最後にぐるんと反転して尻尾を振るう。
「ッッ、ディィアッ!」
(よいっしょォォオ!!)
───が、掴まれ、更に力を込めて振り回される。シルバゴンの足が地面から離れてぐるんぐるんと回る事、一周、二周、そして三周目で投げ飛ばす。
「ジャッ!」
ウルトラマンZの身体の銀の部分、それに胸部のプロテクターが光を発する。光は両手へ伝わり、手を合わせて左腰に置いてから右腕を大きく右上へ広げた。
放たれる三日月状の光刃、ウルトラマンエースのバーチカルギロチンに似た切断光線『ベータクレセントスラッシュ』が、立ち上がったばかりのシルバゴンの背中を深く切り付けた。
「ギィィギァァアア!?!?」
シルバゴンの悲鳴が轟く。
(これで終わらせてやるよ!)
「ジィィ…ッヤア!!」
ウルトラマンZがシルバゴンを掴み、上空高く投げ飛ばすと追う様に飛ぶ。直後、ウルトラマンZの身体から紅蓮の光が放たれる。特に右腕の肘から先は一層強く激しく輝き、もはや炎の様であった。
『ゼスティウムアッパー!!!』
燃え盛る剛拳を突き上げる、拳の直線状にはシルバゴン。空を飛ぶ術を持たないシルバゴンにはその一撃からは逃れることは出来なかった。
ウルトラマンZのゼスティウムアッパーがシルバゴンに直撃する。ゼスティウムアッパーの威力はシルバゴンの装甲じみた防御力をも打ち砕いて大爆発を起こし、シルバゴンは断末魔すら叫ぶ事が出来ずに爆散した。
「……流石、ゼット様」
うっとりとした顔でウルトラマンZの近くに寄るゼットン。
「……ジィヤ」
「え?……?」
「ディア」
「……乗れって事ですか?」
ウルトラマンZはゼットンに手を伸ばした。
一体どういう意思なのか理解出来なかったゼットンだが、ウルトラマンZがもう片方の手で掌を指差す事でなんとなくだが通じた。試しに訊ねてみたら頷いてくれた。
「……っ、し、失礼します」
どこか緊張した様子でウルトラマンZの掌の上に乗ったゼットン。
ゲネガーグ、それにバルタン星人から救ってくれた時と同じ構図だと思い出してゼットンの頬が赤くなる。
「ジィィヤ、シュッワッチ!!」
ゼットンを手に乗せたウルトラマンZが空を見上げて飛び立った。
眩い光がゼットンの視界を埋め尽くしたのはそのすぐ後の事だった。
結果的に言えば、俺とゼットンさんは地球に返ってこれた。
異次元空間の出入り口が完全に閉じていた為、俺は赤いパワータイプの新形態ベータスマッシュの超パワーで次元の壁をブチ破って脱出する事が出来た。
「あー、疲れた、もうムリィ」
現在、俺は情けない声を出しながら自室のベッドの上に倒れている。
シルバゴンとの戦いはバルタン星人程傷だらけになった訳じゃないが、とても体力を使う相手だった。堅いし、力強いし、タフだし。ベータスマッシュに成らなかったら正直勝ててたかわからん!ゼットンさんには感謝してもしきれない、もうGIRLSに足向けて寝れねぇわ。
「ゼットさんもお疲れ様です」
重い目蓋を開けて、机の上に置いてあるゼットライザーに目を向ける。
ゼットさんも異次元空間へ行く為に単身で変身させてしまったし、その後の戦闘も大苦戦だった。相方として恥ずかしい限りだ、選んで貰ったんだからもっと強くならないと……!
「これからも宜しくお願いします」
そう声を掛けると、返事をしてくれたのかゼットライザーのライト部分が小さくキラリと光った様に感じた。……へへ。
よいしょっと、仰向けに態勢を変える。ああ、明日も学校だな。まだ六時過ぎだけど寝よかな。アキにも心配掛けるだ……ろ…う、し。
「はっ!?」
バッとベッドから飛び起きて充電器に挿したスマホを見る。
「………Oh」
『ねぇ、まだ?』『今、何処にいるの』『無視しないで!』『大丈夫?何かあった?』『お願い、返事して』『ぜつと』『ねぇ』『こわいよ』『へんじください』『ぜつと』『ぜつと』『ぜつと』etc.
スマホのロック画面に映される百に至る数のアキからのUNITE。
「やっべー」
何も見なかった事にして寝ようか、なんて考えが浮かぶがアキからのUNITEを見れば心配を掛けたのは一目瞭然。返事をしないなんて事は出来ない。
暫く考えたが上手い言い訳が浮かばない、本当の事を言う訳にも行かないし。
「えぇい!為る様に成れだ!」
俺は『ごめん、充電切れてた』って書いて返信した。───直後に電話が掛かってきた。ビクッと震えたが決心して電話に出た。
『………ぜつと?』
耳に当てたスマホからアキの声が聴こえる。かなり心配させてしまったんだろう、声からかなり疲労した様子だとわかる。
『今、何処にいるの!?』
「ごめんアキ!スマホの充電切れて…家で充電してたん」
『───…帰ったの?何も言わずに?GIRLSで待って直接言ってくれればよかったんじゃないの?』
「…………」
やっべー、マジでヤベーんだけど。
アキ、ガチでキレてるぞこれ。
「………ごめんなさい」
取り敢えず謝ろう。うん、謝罪大事、最近の若者はまず最初に謝る事が出来ないからな。
『
「ゑ?」
『許さない赦さないユルさないユルサナイゆるさない、絶対赦さない!!』
「あ、アキさん?」
『───
ぷつんと通話が途切れる、というか一方的に切られた。
現状を理解するのに数秒、理解すると同時にぶわっと冷や汗が吹き出す。タシケテ…タチケテ、ゼットサン。
油の指していないブリキ人形の様なぎこちない動きでゼットライザーに顔を向ける。でも、ゼットライザーはピクリとも動かず何の反応も無い。
「ゼットさん?いや、何無視してるんですか、聞こえてますよね?貴方の相方が命の危機ですよ。過剰表現でも何でもないんですよ!!」
俺は慌ててゼットライザーを持ってトリガーを押す、が何の反応も無い。
ちょっ、ちょっと!?ゼットさん!?いつもみたいにヒーローズゲート出してくださいよ、もしくはゼットさんが単独変身して助けてください!ゼットさん?ゼットさん!ゼットさん、いや、ゼット様。何卒、何卒お救いください!!
その時だった、ピンポーンと玄関のインターホンが鳴ったのは。
「……あば、あばば、アバッバッバッバババ!?」
ヤバい、来たッ!アキが来た!?
どうしよう、どうすればいい?ゼットさんは相変わらず物言わぬゼットライザーの中に引き籠もっている。出なきゃ後が怖い、が、今も十分怖い。今の俺は怪獣を前にした一般人に過ぎない。
「ぜつと」
「ヒィッ!?」
背後から声が聞こえた。咄嗟に振り返ってしまい、見てしまった。
「ぜつと、開けて」
窓の外に怪獣娘姿のアキが居た。腰が抜けるかと思った。
「ゼツト、開けて。じゃないと、
「」
いつも以上に眠そうな───否、全てを否定してそうな冷たいジト目。
口端が僅かに吊り上がって微笑みを浮かべているが、恐怖しか感じさせない顔。
フードの様な
俺は恐る恐る、窓の鍵を開ける。逃げられないのがわかっていたから、だからせめて、少しでもアキの機嫌を損ねない様に。
「ゼツト!」
「うっぷっ!?」
窓を開けた瞬間にアキが飛び込んできた。俺はアキに押されて倒れる。
「ゼツト」
「アキ」
「そこに正座して」
「……………はい」
その後、俺はアキに二時間説教された。
深夜、カタカタとキーボードを叩く音がする。
自作のパソコンの画面だけが明かりとなった部屋で一心不乱に調べる一人の女性が居た。
彼女は画面の情報を読み解き、またしても自身が求めている情報が無い事に察して手を止める。
「………ウルトラマン、Z」
薄紫色の長髪に黄色と黒の三日月型のヘアピンを付け、眼鏡を掛けた彼女の名は『
彼女は眼鏡を外して眉間を揉む、怪獣娘となった時は感覚が強化されて不要なそれを机に置くと椅子に凭れて目を瞑る。そうすれば目蓋の裏に鮮明に浮かぶ光景が。
シルバゴンに踏み潰されそうになった時、救ってくれたウルトラマンZの姿。その後、自身に向けられた熱い視線。人間とは違う鉄仮面の様な顔と発光する銀色の目にじっと見詰められた時を思い出して身体が熱く為るのを感じる。
ぎゅっと自身の身体を抱きしめて圧迫すればより一層高鳴る心臓の音が嫌でもわかる。
「……いえ、これは唯の吊り橋効果。一時の気の迷いよ」
他に誰も居ないというのに態々声に出して言うのは、まるで自分に言い聞かせる様に見える。───事実、その通りなのだろう。
まさか自分が、『命を救われて惚れる』なんて今じゃ使い古された事態──それも創作の中で──に陥るなだんてあり得ない。
「………チラッ」
けれど、彼女は今一度パソコンに目を向ける。
正確にはパソコンに映るウルトラマンZ(アルファエッジ)の画像を、だが。
「……〜〜〜ッ」
眼鏡を掛けていないのにも関わらず、はっきりと視える姿は彼女自身がウルトラマンZの姿をイメージで補っているからだろう。
その事実に気がつくのに数分の時間を要したのはまた彼女だけの秘密だ。
ゼツト「バレテーラ」
Q.ウルトラマンの目って銀色?
A.メビウスのオープニング二番。
心残りはダルマさんが転んだ戦法ができなかった事。
次回予告《CV.光国ゼツト)
「空に浮かぶウルトラサイン、怪獣に追われ地球に堕ちたウルトラウーマン。助けを求める声に俺とゼットさんが立ち上がる!ってなんで乗り気じゃ無いんですかゼットさん!?
次回!
ウルトラ救うぜ!」