困ったなぁ。
サラトガが掘れません。
資材4万つぎ込んだのに!
砂浜にゴムボートを着けて、島に上陸し、回りを見渡してみました。
すると、砂浜だと思っていましたが、そこはちょっと違っていました。
押し寄せる波に運ばれた砂がかぶっていたり、海藻がくっついているけれど、良く見ると、そこはだいぶ、崩れたり、壊れたりしていたもののコンクリートで舗装されていて、まるで艦船や水上機を海上へ押し出したりする斜路のようでした。
「提督…」
私は傍らにいた提督に声をかけると、提督は
「ここは砂浜かと思いましたが、この斜路は自然によるものではなく、明らかに人の手が入れられたものですね。
と、同時にこの荒れ具合からして、かなりの年月の間、ここは使われずに放棄されている場所なのである事も確かでしょう。
すなわち、ここはかつて人がいて、コンクリートで大規模な工事までして手を加えるほどの所であったにも関わらず、すでに放置されて久しい場所であると思われます。」
と、言いました。
「どうなさいますか?」
と、私が問いかけると、
「島を探索してみましょう。
可能性は低いかもしれないけれど、人がいるかもしれない。
もしくは、何か連絡を取れるような設備があるかもしれない。」
と、提督は答えました。
少し広まっている海岸部の奥には草木が生い茂りながらも、島の奥へと続くであろう道だったものの跡が残っており、私達はちょっと登坂になっているその道の跡を歩き始めました。
道の脇の木の壁は傷付き、崩れ、壊れており、草木に包まれていましたが、それでも舗装された道はそこそこに歩きやすく、気がつくと目前にはちょっとした山があって、その山中に煉瓦作りの短いトンネルがあって、道はその奥へと続いていました。
そのトンネルを通りすぎると、広まった場所に出ました。
回りの土壁はボコボコに穴があいていて、苔むしてたり草木が茂って緑色に染まっており、所々に岩盤の中に倉庫かなにかのような煉瓦造りの部屋らしきものがありますが、入り口や窓は鍵付きの頑丈な扉で閉ざされたり、板で塞がれたりしています。
「提督、ここって倉庫の跡ですかね?」
私がそう問いかけると、
「おそらくそうだろうね。
しかも、なるべく冷やしておきたい物をいれておく倉庫の跡だったんじゃないかな?」
「冷却用ですか?」
「ここが魚なんかを捕るための漁業施設なら、捕った海産物を置いておくのだろうが、ちょっとそうとは考えられないな…」
「それじゃあ、ここはいったい…」
「定かでない事は言えないよ。
でも、こんな倉庫らしき建物があるようなら、きっと、集会所みたいな所があるはずだ。
そこを探そう。」
と言って、提督は再び歩き始めました。
艦娘紀行
今回の冒頭の画像の島は愛知県美浜町にある河和海軍航空隊基地跡の水上機用のスリップ跡です。
昭和18年に小松島海軍航空隊知多分遣隊として設置された水上機基地ですが、搭乗教育を推進する訓練場であったそうです。
現在の河和基地の施設設備跡は戦後の産業基盤にすっかり取り込まれてしまい、施設らしきものはほとんど取り壊されてしまいましたが、水上機用スリップは民間に活用されることなかったので、そのまま放置され、基地の痕跡を現在も伝えています。
次回予告
島の奥地へと進む榛名と提督ですが、海沿いにある砲台跡や、蔦が絡み廃墟と化した指令部を見つけ、この島が廃棄されて立ち入り禁止になっていた無人の要塞島だった事を知ります。
いつ助けが来るかわからない、二人きりの無人島。
二人はお互いにお互いを意識せざるを得ず。
次回、「第三話 」迷い艦娘オーバーラン!
追記、ネタばらしのコーナー
今回のタイトルの元ネタは、ようこそ実力至上主義の教室へです。