漸く平穏な日常へ戻ることが出来たと思えば未来の説教を受けたりと散々な出迎えだった。確かに半月も連絡どころか学生寮にも伝言を残さなかったのは謝るけど、それなりに深い事情が有りまして、なんと言いますか。
未来も知ってると思うけど、ちょっとだけ世界を守るために戦ってたりしました。いや、そんな大それたことはしてないよ?強いて言えば悪者の手先みたいな女の子と友達になったり、実は信頼していた科学者が悪の組織のボスだったとか数日とはいえ凄まじい体験だったりしたけど。
「響、誤魔化さないで教えて」
「あ、はい」
こう、なんと言えば良いのかな?私の心臓に刺さってる欠片は「ガングニール」っていう特別な物質の欠片で、その欠片と共鳴してスーパーヒロインみたいなパワーを使えるようになったりとか、そういう感じだったんだけど。
元々は奏さんのアームドギアだったんだけど。えと、アームドギアっていうのは簡単に言えばプリキュアの使ってる個別の武器みたいヤツで、なんと言いますか。そう、あれなの、魔法少女の持ってる杖って例えると分かりやすい。
「まあ、こういうのは作った人に聞いた方が早いんだろうけど。私と同じで聖遺物の欠片が身体の中に入っちゃってた人がいたんだ」
その人は普段はクリーニング店を経営してるんだけど、私達のピンチに必ず駆け付けてくれる人なんだ。それに翼さん達が信頼してる凄い人で、私も未来と流星群を見るために頑張ってるときも助けてくれたし、あの人が居なかったら危ない時も沢山あった。
「そんな人が友達に怒ってたんだ」
どれだけ失敗しても怒らないような人が本気で、それだけ悲しくて苦しかったんだと思う。あ、いや、未来とのすれ違いを責めてる訳じゃないよ?
「うん、でも、あの時は響の事情も聞かずに一人で怒ったりしてごめんね?」
「私こそ未来のことを考えずに修行ばっかりしようとしてたから……」
ちょっとの間だけ未来と見詰め合って照れたように笑う未来が可愛くて仕方なかった。あの人もクリスちゃんの頭を撫でるときは楽しそうだったし、たまには私も未来の頭を撫でてみようかな?
「こほん、話の続きなんだけどね」
その人は完全聖遺物っていう私や翼さん達が持ってるモノとは比べ物にならない鎧を纏った友達と殴り合って本当の気持ちを聞き出そうとしてた。
たぶん、今の私じゃ真似することも出来ない。
それこそ間違えば死んじゃうかもしれない武器も何も持ってない状況だった。
それでも友達を止めるために拳を握り締めて。ずっと了子さんが溜め込んでいた想いを受け止めるために一歩も後退らなかった、まともに受ければ身体を引き裂かれるかもしれない攻撃を受けてもだよ?
「すごいんだね、響の話してくれた人は…」
「えへへっ」
「その人は私も知ってる人なの?」
「うん、商店街のクリーニング店さんだよ?」
「うそぉ!?」
あはは、未来は気付いてると思ったんだけど。やっぱり表向きは普通のクリーニング店さんだもんね。そういう荒っぽいことは似合わないよね。