とあるオタク女の嶮難。   作:SUN'S

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第22話

⌒月↑日

 

今朝、商店街の福引きでティッシュを貰った。

 

まあ、そう簡単には当たらないよねと考えていると次にガラガラを回した人が温泉旅行を当てたことに驚き、思わずエコバックを持ってくれてる雪音さんに「うっそぉ…すごくない?」と聞いたら「まあ、ティッシュよりはな?」と言われた。

 

それはオバサンも思うけど、本人の前で言うのは控えてもらえないかな?わりとグサッと言葉の刃は突き刺さったりして悲しいんだけど。

 

とりあえず、この話は無かったことにしよう。

 

最近のティッシュは肌を傷付けないように柔らかな感じだって何処かで聞いたような気がするし、そんな怪しむような視線を向けるのはやめてね?

 

そういえば雪音さんって立花さん達と出掛けることが増えたけどさ、私に黙って危険なこととか始めようとしてたら流石に怒るよ?

 

まあ、こんなオバサンが怒ったところで半殺し程度にするだけだから怖くないわな。あと怖がられると私の硝子の心が傷付くから、さっきの言葉は冗談だから怖がらないで良いんだよ?

 

ありゃあ、櫻井さんとの喧嘩を見たからかな?

 

⌒月&日

 

なぜか立花さん達が「強くなりたいんです!」と少年漫画のようなセリフを言いながらクリーニング店に押し掛けてきた。そういうのは熱血少年漫画で間に合ってるんだけど。

 

オバサンから得るものなんて家庭の知恵だけよ?

 

そんな冗談を交えながら話そうとしたが、四人とも真剣な視線を向けてくる。確かに若ママさん達は強かったし、今の四人の連携じゃ勝てない。

 

あの三人を倒したいなら相手を倒す勇気を持たないとダメだ。どれだけ強くても、どれだけ弱くても、誰かを助けようと伸ばした、この手だけは自分を裏切らない。

 

それに覚悟も持たずに相手を倒そうとするのは絶対に違うんだ。向こうにも私達を敵とする理由もあるし、それぞれ違う志を胸の奥に秘めている。

 

風鳴さんは「防人」となるために生きてきたって話してたけど、それは何年も積み重ねてきた風鳴さんだけの覚悟の象徴だ。

 

立花さん、彼女達を止めるために人と争う覚悟を持たないといけない。偽善者と言われようと突き詰めれば正義と変わらない。なにより立花さんは偽善者じゃなくて、ただの優しい女の子なんだからさ…。

 

なんだか、ちょっとした口説き文句みたいね。

 

あんまり殺意を籠めた視線を立花さんに送るのはダメよ?なんて天羽さんを嗜めながら頭を撫でると殺意は霧散していき、嬉しそうに天羽さんが私の側に寄ってきた。

 

私って男運は無いけど、同性には好かれるのね。

 

⌒月±日

 

早朝、私は二課の所有するスポーツと化した建物の大きさにドン引きしていた。立花さんが風鳴くんに話したとは聞いてたけど、まさか半日で改装するのは思わなかった。

 

そんなことを考えながら最新のトレーニング道具を一式揃えたと楽しそうに話す風鳴くんが宝箱を見付けた少年のように見えてしまった。

 

そういえば風鳴くんって私と年齢層は近いのに、風鳴さん達と変わらない若々しい肌なのよね。ちょっとだけ妬ましく思えたけど、あんまり人を妬むのは良くないわね。

 

とりあえず、四人は今より柔軟な身体を手に入れることに専念しよう。勿論、私の作ったまたわり君ぐれ~いとを使ってだけど。

 

ある人は16時間もあれば一日で柔軟な身体を手に入れることが出来るとね。まあ、私は最初から柔らかな身体を持っていたから使ったことはないけど。

 

先ずは雪音さんの凝り固まった身体を解すとしようか。そんなに怯える必要はないよ、ほんの少しだけ筋肉を柔らかくするだけだ。

 

天羽さん達は軽く柔軟体操すれば問題ない。

 

そんなことを話していると「アイツらが問題ないならあたしも大丈夫だろ!?」と言ってきたので「あの三人は接近戦だから身体は柔らかいけど、雪音さんは体力もなくて筋肉もそれほどないわ。なにより柔軟性がないと関節技を受けたときに軽く動かしただけで脱臼する可能性って…」と親身になって話したおかげで理解してくれたようだ。

 

 

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