ロリ艦隊と異世界転生司令官   作:Red_stone

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第24話 海辺

 

 

 

 魔王は帰った。

 そして、羊娘のメアは残されていった。別に人質と言うわけでもない。とはいえ指揮官に口説くなと言っているわけでもなく、つまりはまあなるようになれと言うわけだ。

 魔族の国に一々何かに介入しているだけの余裕はない。

 

「……えと、宜しくお願いします?」

 

 ちょこん、と首をかしげる姿が可愛らしい。

 頭についている丸まった角の横で、髪の毛がぴょこんとはねている。

 

「なにかあったら、私に言ってください。……あの、私、これでも魔術は使えるので空間転移は使えますから」

 

 それは裏を返せばいつでも逃げられるということだ。もっとも、それを攻撃に転用しようにもレベル差の恩恵で転移自体が完全に無効化されてしまう。

 逆に言えば、逃走の異能を持っていても無理やり”できる”。

 

「……ほう」

 

 指揮官が反応した。

 

「「……」」

 

 横に立っている綾波とエレバスが指揮官の足を踏んで止めた。

 指揮官にとっては純粋に空間転移についての興味だったのだが、まあ――長門に手を出している上にユニコーンとも約束している以上、信頼なんてないだろう。

 ちなみに、艦船はレベルが高すぎて空間転移なんて阻害してしまうから、タクシー代わりになることはない。

 

「あの、メアちゃん。……あそぼ?」

 

 ユニコーンがうずうずしている。

 目線はちらちらと砂浜の方を見ている。

 泳ぎたがっているのかとも思うが、残念なことに水着はなかった。まあ、艦船としての本能で顔を水につけることに忌避感を持っているから、砂浜で十分遊べるだろうが。

 

「……エルドリッジも」

 

 そのまま二人の手を引いて歩き出してしまう。

 羊娘は戸惑いながらも手を引かれるままついていく。

 砂遊びを楽しみにできるあたり、実年齢は分からないが、精神年齢はと言うとユニコーンとそれほど変わらなそうだ。

 

 やがてきゃっきゃと笑いながら砂浜で遊び始めた。服が汚れるのもおかまいなしだ。

 

「無邪気だね」

 

 指揮官は苦笑する。

 さすがにあれに混ざれるほど子供ではない。

 とはいえ、綾波やラフィーのようにゲームに興じる気もない。

 ねだられたならともかく、今はこの子たちを眺めていた方がよほど有意義だ。現代であったら通報されかねない絵面である。

 

「たしか、倉庫の方にビーチチェアーがあったかな」

 

「うむ」

 

 ちょこちょこと長門がひよこ=饅頭を引き連れてついてくる。

 親ガモについてくる子ガモ、についていくひよこと……中々に可愛らしい。

 ときおり腰をさすっているのが、少し年寄り臭いが。

 

「……何を見ておる//」

 

 顔を赤くして、恥ずかし気に抗議された。

 まあ、原因は昨日やりすぎたことだろう。指揮官はまったくダメージを受けた様子もないから、これもチートなのだろうが。

 お決まりとはいえ、夜のチートは少々あれだななどと指揮官は思う。

 

「長門はどれがいい?」

 

 倉庫はよく手入れされていて万全の状態だ。

 注意深く見るとほのかに燐光が走って魔術式が見える。魔族の卓越したテクノロジーの賜物だった。

 すさまじい技術だが、審美眼の方はそれほど変わっていないらしい。

 指揮官としてはよく見るようなビーチチェアーとしか思えなかった。特に美術品に興味もなければ、見る目もない。

 

「……ほう。これは中々。……おおう、これも良いな」

 

 だが、長門のはしゃぎっぷりが中々に愛らしい。

 スカートを気にせずしゃがみこんだり、ものを踏み台にして上がったりするものだからスカートの中身がちらちらと見えてしまう。

 

「余を飾り立てるには少々足らんが、まあ及第点ではあるか。うむ、余はこれにするぞ! 饅頭よ、これを持てい!」

 

 長門は胸を張って意気揚々と歩いていく。

 その後ろを数匹の饅頭がビーチチェアを神輿のようにかつぎつつついていく。

 饅頭たちは翼を器用に手足のように動かして、危なげもなく歩いている。

 

「と、これにするか」

 

 指揮官は適当に見繕ったものを持って長門に並ぶ。

 人間にとっては一苦労でも、艦船ならばこの程度の重量は綿と同じだ。

 

「……さすがに、饅頭たちにパラソルを立てるのは難しいかな」

 

 その小さな翼では砂浜に突き立てると言う行為は難しかったらしい。

 ちょこちょこ動いてどうしようかと仲間うちで相談らしきものをしていたが、指揮官が受け取って突き立てた。

 

 二人、パラソルを挟んでビーチチェアに寝そべる。

 二つが近すぎて、傘の柄を挟んだダブルベッドみたいになっているが突っ込む者は誰もいない。

 半分おしくらまんじゅうのようなものだ。見るものが見れば悲鳴を上げるかもしれない。このロリコンめ、と。

 並んで砂浜で遊ぶ三人を見る。

 

「エルドリッジとユニコーンも楽しんでいるみたいだね」

 

「うむ。メアという小娘も溶け込んでおるな。ようも三人で仲良く砂の山を作っておる。……微笑ましいな」

 

「砂山、というには少し形が歪つだね。……あれは定番だと、お城かな?」

 

「いや、アレは違うのではないか? 余は饅頭に見える」

 

「饅頭はメアが知らないだろう。妙に凸凹している。……もしかして、羊を作ろうとしているのかな」

 

「いや……それは……アリなのかの。というか、可能か? ラフィーあたりならば、しれっと作り上げても驚かんが」

 

 無駄話をしている。

 ちなみに、日光に関しては問題がない。艦船は人間ほど肌が弱くない。太陽光ごときに後々まで残るようなダメージを負わない。

 逆に日焼け姿を見れないと言うことになるが、指揮官にそういう趣向はなかった。

 

「どうぞ、指揮官」

 

 エレバスが南国のようなドリンクを持ってきた。

 フルーツが飾り付けられていて、割と本格的である。最近、彼女は中二キャラからロリお母さんキャラになってきている。

 まあ、こういう面倒を見るようなことができるのが彼女だけなのだ。指揮官? 三食を魚雷てんぷらと水だけで過ごしかねない奴には無理だ。

 

「はい、長門も」

 

「うむ、礼を言おう」

 

「いえいえ」

 

 エレバスは自分の分を持って、指揮官の隣に腰を下ろす。

 ビーチチェアはそこそこ大きな造りをしているが、指揮官は大人だ。その横には子供一人分の隙間もない。

 そこに無理やり乗るから、お尻が指揮官に押し付けられる。

 

 なお、長門のビーチチェアは本人が指揮官の方に寄っているから、詰めるまでもなく子供一人分のスペースは空いているのだが、エレバスにはその選択肢はないらしい。

 

「……エレバス?」

 

「なにかしら、指揮官」

 

 聞いた方が疑問に感じるような、自然な態度だった。

 指揮官はまあいいか、と腕をエレバスのお腹に回す。本来の肘を置く場所はエレバスが足をかけていた。

 それに落ちそうであぶなっかしい。まあ、別の意図もあるが。

 

「……指揮官。余を無視するでない」

 

 長門がぷっくりと頬を膨らませて、指揮官の逆の手を突っついている。

 捕まえて、握りしめてやった。

 

「ぶ、無礼者め。……じゃが、指揮官ならゆるしてやろう。……特別じゃぞ?」

 

 小さな手が握り返した。

 昨日散々むさぼった身体は、今日もとても魅力的だった。普段から露出の多い服を着ているが、水着でないのが残念だった。

 それでも、突き出した真っ白で小さな足は魅力的でまばゆい。

 

 もしかしたら、部外者の羊娘がいて良かったのかもしれない。

 そうでなかったら、暴走していたかもしれないから。

 

「……のどかだな」

 

 指揮官がつぶやく。

 飽きることなく三人の砂遊びを身ながら、手は離さない。これ以上はないくらい贅沢な時間の使い方だった。

 ……ロリコンにとっては、だが。

 

 そして、2時間が立った。

 

 きゅう、と可愛らしい音が長門のお腹から聞こえた。

 

「……ッ// にゃ、にゃあ……」

 

 顔を真っ赤にして呻いている。

 

「ち……ちが……! これは違うのじゃ! えと……あの……そうじゃ、主じゃ! 主の腹の音じゃ、饅頭!」

 

 チェアの横でうつらうつらしている饅頭を指さした。

 饅頭は指さされて驚いて、飛び上がってしまう。

 

「……」

 

 饅頭はぶるぶると首を振っている。

 ひよこの首でそんなに激しく振ったら折れてしまいそうな気もする。

 

「お前も腹が減ったか? 3人も呼んで昼食にしよう」

 

 指揮官はその饅頭を掴んでついでにエレバスも小脇に抱えて歩く。

 昼食はメアの空間転移魔法を宅配代わりに使った。

 

 

 早々に食べ終わったユニコーンが甘えるように抱き着いてくる。

 

「ーーお兄ちゃんも、いっしょに遊ぼ?」

 

 上目遣い、中々に威力が高い。

 

「ああ。いいぞ」

 

 もちろん、指揮官は断らない。

 エルドリッジとメア。そして回復したらしい長門も一緒に水遊びをする。

 ぱしゃぱしゃと水をかけあう遊び。

 たわいもないが、彼女たちは楽しそうだ。

 

「……? どうしたの、お兄ちゃん」

 

 その中で、ユニコーンが指揮官の方を見つめる。

 では、指揮官が何を見つめていたかというと……ユニコーンの透けた胸なのだが。

 全員、ブラなどしていない。明らかにユニコーンだけは必要な気がするが、好みではないのか付けていない。

 薄いキャミソールくらいでは隠せない。しかも、無邪気に遊んでびしょびしょになっているのだから、なおさら。

 

「ーー」

 

 指揮官はどうしようかと悩んで。

 

「ユニコーン、ちょっと向こうの岩陰に行こうか」

 

 すでに吹っ切れている。

 もう人として終わっているのだからなおさらだし、そういう意味では最悪な発言までしていて。

 しかし……それを聞いてユニコーンは浮かれ呆けているのだから。

 ーーつまり、まあ指揮官を邪魔するものなど何もない。

 

「……あっち?」

 

 彼女は疑問符を浮かべて、向こうを見る。

 人の一人や二人は完全に隠せるような大きさの岩を見て。

 

「うん。分かったよ、行こ」

 

 顔を赤くして、けれど精一杯気付いていないふりをして指揮官の腕をとる。

 そのまま恋人がやるように腕をからめて胸を押し付ける。

 濡れて張り付いてる服の下の感触が伝わってくる。

 

「指揮官、疲れた?」

 

「いや、エルドリッジはこちらじゃ。ほれ、そっちで遊ぼう。メアも、な」

 

「うん」

 

「え? え?」

 

 哀れ、小さなメアは意味も分からず連れていかれる。

 まあ、普通に考えて教えるようなことでもないだろう。間違えなくても長門はメアより小さい子に見えるのが、指揮官は少々どころでもないアレな証だが。

 

「ーーユニコーン、分かってるだろう?」

 

「な、なんのことだかわからないよ。お兄ちゃん。ユニコーン、いい子だから分からない……ほんとだよ?」

 

 むしろ自発的に岩場の影まで連れてこられたユニコーンは顔を赤くしてあたふたしている。

 今更、だし何も抵抗していない。むしろ煽るような真似までしておいて。

 

「期待しているくせに」

 

 指揮官はユニコーンを拘束するような真似はしない。逃げようとしたら、そのままやめるつもりだった。

 それが指揮官なりの倫理観。もちろん、そもそも襲う時点で言い訳は聞かない犯罪者だ。

 ユニコーンの顎を軽く持ち上げて目線を合わせる。

 

「……き、期待ってなんのこと……かな……?」

 

 彼女は目をぎゅっとつむっている。

 唇は震えて……端から見れば怯えているような光景だが、小さな手で指揮官の服の端をつかんでいる。

 うるんだ目は隠しきれない期待を伝えてくる。

 

「じゃあ、このままやめてもいい?」

 

「それは、やだ……ユニコーン、悪い子でいいから、してほし……ッ! ンッ」

 

 顔色を窺うようにほんの少しだけ目を開いた一瞬に唇を奪った。

 むさぼるように小さな唇に吸い付いて離さない。

 ユニコーンの小さな手は指揮官の服を掴んだまま離さない。

 

「ユニコーンは悪い子なんだ?」

 

 ニヤニヤと笑う指揮官がユニコーンの服に手をかける。

 

「うん……! 指揮官がしてくれるなら、ユニコーン悪い子でいいよ。……たっぷりお仕置きして?」

 

 する、とそのまま服を落とす。

 ユニコーンが自らそういうふうにした。

 

「罰をねだるなんて、ユニコーンは本当に悪い子だね。夜に教えてあげると約束した分も含めて、たくさん身体に刻んであげる」

 

「……」

 

 彼女は顔を真っ赤にして、こくりと頷いた。

 

 

 

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