「行くよ……!!」
その声と共に赤々と燃え上がる弾丸と総数20以上のレーザーを威嚇で目の前の泊地棲姫に撃ち込む。
「これでどうです……ッ!」
偽
「ソンナ弾幕ッ! フキトバシテアゲル!!」
対する泊地棲姫は己を沈めんが為に飛来する凶弾を回避し、意味がわからないが空に翔んでいる人間を殺さんが為に主砲と艦載機を放つ。
「悪いけど、それに当たってはあげないよ」
僕が先程放った威嚇射撃を容易く避けて後に飛んできた砲弾を翼で方向転換して紙一重の所で避けると流石にお見通しだった様で回避した先に艦載機が進路を塞ぎに飛来していた。
ただ回避するだけなら横に捻ればどうにか避ける事は容易いだろう。
しかし注意せよ、敵との距離は既に600mを切っている為に、次再び砲撃を放たれたら必中、そのまま海の藻屑になるだろう。
ならば残る選択肢は一つのみ。
「艦載機程度でこの僕を止められると思うたかッ!!」
懐からスペルカードを1枚取り出し。必殺の名を告げる。
「炎彗
その必殺を呼び覚ますと優斗の身体を不滅の炎が包み込んだ。
かつて藤原氏のの1人はかの輝夜姫が残したとされる不死の霊薬、
炎の膜と炎の翼で文字通り彗星の様に目の前の敵に向かって空を翔けていく。自分の身体に残っている霊力から考えて、残るスペルカードはあと3枚と言ったところだろう。
それが尽きれば僕は泊地棲姫の餌食になるだろうと何処か他人目線で思う。だからこそ、絶対に勝たなくてはならないのだと理由は分からないけど確かにそう感じた。
どうして僕が提督なんて者になる必要があったのか。そして彼女たちから感じた違和感を識る為にも。
その為にも先ずはこの
「はァァァァァァ!!!」
飛んでくる艦載機など気にもとめずに一直線に遠くからでも熱過ぎる爆炎と弾幕をばら蒔いて突き進む。
泊地棲姫との距離が300mを切った途端。なんとも言い難い身体を内側から突き刺す様な悪寒を感じ、スペルカード「鳳翼天翔」のエネルギーを全て収束して目の前の敵に放出してなんとか目の前の敵から発する悪寒のする範囲からは逃れる事が出来た。
その直後、泊地棲姫が
呪■ ■■の■■■
その刹那、半球状に広がった無数の弾幕が僕に向かって降り注いだ。
「シズメッ!!
「ぐぅっ……」
結界 『炎天の璧に咲く薔薇』
咄嗟にスペルカードの霊力と己の霊力で編んだ盾を6層の花弁状に展開するが、彼女の恨み怨念マシマシの砲撃は止むどころか更に威力を増していき、じわりじわりと次第に展開する盾に綻びが出始める。
「提督……!!」
金剛が今も鳴り続く砲声と黒煙の中に消えた提督が死んでしまうのでは無いかと杞憂していると天龍が金剛の肩に触れてこう言った。
「……金剛、あの死なないトンデモ提督に話を聞きたいなら今はオレを遠距離からの援護を頼む」
いきなり天龍は何を言い出したのだろうと金剛は困惑したが、状況が状況なので大人しく頷いた。
「……別に大丈夫だわ、それにはNo problemネ」
彼女が戸惑い混じりに返事をすると、
「そう来なくっちゃな!!」と鋭い笑みを浮かべて天龍はそう言った。
「いいか、作戦はこうだ。____」
「確かにそれなら成功率は上がるけど……それじゃあ貴女がッ!」
天龍が金剛に伝えた内容は
「認めないわ……そんなの……そんな事して私達をかばって沈んでいった大和さんや陸奥の気持ちを裏切るの!?」
金剛はこの時ばかりは普段の似非英語では無くなる程に怒った。
「しょうがないだろ……これしか方法が思いつかなかったんだ。でも、ただで死んでやる気はない」
ここに来て初めて天龍の目に羅刹の光が灯った。
2人がこうしている間にも優斗を護る盾はどんどん削れていく。
「ぐ……さすがにそろそろキツイか」
今でこそどうにか拮抗しているがそれも次第に押されていき、盾に綻びが開き始める。全くもってあれは化け物だ。何なんだアレは。
いくら自分が不死身とは言えど霊力には限りがあるしこの後の反撃を考えると最早一つの予断も許さないだろう。故に、自身を守っている盾があと数秒で完全に崩れ去るの読み取った僕は内側から見ている大和さんにある
ただ耐えるのではなく、
「行くよ。泊地棲姫。不死身の僕が貴方を助けてあげるよ……!!」
盾の霊力を全て爆発させて弾幕を吹き飛ばして後ろに飛んだ後、スペルカードを引き出して告げる。
適合 『不沈の燈火』
そのスペルの効果は一時的な
使用者と疑似蘇生された人物との同意がなければ使用は出来ず、使用した場合は強大な力と引き換えに魂が摩耗し、肉体はその負荷で解除時に計り知れない激痛を伴う最強にして最凶の一枚。
切り札を使い、
「これはさっきのお返しですよッ!!」
優斗が放つ弾幕はさながら嵐のように激く放たれる。先に
しかし深海棲艦故に複雑な思考ができないためただでさえ思考力が低いのに躱すことに集中したため、彼女はそれが
「残念。それはブラフだよ」
彼女が気付いた頃には
それはかつて彼女がまだ■■だった頃に大■とある約束をしていた。
ある日の夕暮れ時。戦艦寮で休息を取っていた二人の■■。
「ねぇ…■■、お願いがあるのだけれど……」
「なにかしら?山■?」と彼女は首を傾げて答える。
「もしも私が沈んだ時は
〝沈む?そんなことないわ”、そう言いたかったが彼女は言うことが出来なかった。今の提督は正直言って最悪だ。何しろ
「……分かったわ……」
彼女、大和は苦渋の呻きを零しながらその願いを受け取った。
その翌日に大和は戦艦
「っア?コノ記憶ハ?ワタシは……誰なの?」
突然目の前の泊地棲姫が呻きながら
「嘘だろ……アレは山城じゃねぇか……」
信じられねぇと天龍は驚愕し、金剛は
「そんなmiracleもあるのネ……」
と天龍ほどではないが驚きの声を上げる。
咄嗟に僕は大和さんと身体と魂を入れ替えて大和を
「……!! 覚えていますか、私の事」
「その話し方…は、もしかして…大和なの?」
彼女、艦娘は震えながら私に確認するように聞いてきた。
「ええ、一度沈んでしまいましたが…確かに私はあなたが知っている大和です」
「そうなのね……ねぇ、あの提督はどうなったの?」
山城は生前に不安だった事を大和に尋ねた。
「大丈夫よ。もうあの人は聞いた話ではどこかに消えたらしいわ……もうあの日々に怯えなくていいのよ」
と大和が諭した。
「そうなの!?……なら私もッ!?」
その直後に山城の周りにイ級が50体出現し、私と山城は取り囲まれた。
「大和さん…すいません…どうやら私の身体はもう既に半分泊地棲姫と融合してしまっているのでここは私を捨てて退却してください…!」
山城は自分を捨てて逃げろと言ったけど、それだけは絶対にしない。絶対に貴女を
(あぁ、行って来なさい、君の望みを叶えるよ、大和)
「山城さん、私の傍を離れないで下さいね?」
_____吹き飛ぶかもしれませんので。
「え……はい…」
山城は大和のその有無を言わさぬ気迫に従わざるを得ない。だが何故だろうか、山城は
「さぁ行くわよ?高々駆逐程度で私を、
そう言うと
そう言って一番近くにいたイ級を力一杯に蹴り飛ばし、その軌道上にいた複数のイ級も巻き添えになって撃沈。
「この程度かしら?私の仲間を沈めたんだもの、八つ当たりだとしても貴方たちには沈んでもらうわ」
全砲門、ロック。目標イ級9隻。狙いは既に付いている。
「全砲門、一斉射ッ!!」
艦娘でなければ鼓膜が破裂するレベルの轟音が水面に響く。当然、ただの駆逐が大戦艦の砲撃に成すすべも無く撃沈する。
「天龍、金剛!!ぼさっと立ってないで
「あ、あぁ…もちろんだぜ!」(言えない……さっきの大和さんが凄すぎてドン引きしてたなんて……)
「そ、そうネ!」(大和ってキレるとあんなに怖いのネ……普段温厚だったから知らなかったネ……)
それからは展開は速かった。
まず天龍が魚雷と主砲の一斉射で7隻撃沈し、その後の金剛の連続砲撃により13隻撃沈。そして何より……大和はイ級を蹴り飛ばしたり炎の弾幕ぶちまけたりなどあの頃の鬱憤を晴らさんがためにバーサーカーソウルさながらの戦艦とは思えない速度で深海棲艦を海の藻屑にし、結果的に30隻撃沈というよその鎮守府が知れば卒倒するレベルの戦果を挙げ、
こうしてあまりにも濃すぎる僕の初陣が終わったのだった。
あぁぁぁ最後の方が雑になるうううう(´・ω・`)
次回お楽しみに!