少年エルフが前衛で戦いながら支援をするのは間違っているだろうか 作:さすらいの旅人
凄く短いですが、内容が内容だったので区切る事にしました。
今回はフライング投稿です。
(あのゴライアス、俺が17階層で倒したのと違うな……)
ゴライアスの外見に俺は違和感を感じた。
17階層で見たのは灰褐色の皮膚で黒髪だったが、目の前のアレは黒い皮膚で白髪だ。見ただけで色違いのモンスターである事は分かる。
しかし、そんな事はどうでもいい。俺にとって一番気になる事は、アレの強さだった。
黒いゴライアスは
これはどうやら一筋縄で勝てる相手じゃなさそうだ。不謹慎なのは重々承知しているんだが、久しぶりに本気で戦える相手だと気持ちが高揚していた。戦闘狂と呼ばれる六芒均衡のマリアさん程じゃなくても、久しぶりに強い相手と戦えるのは嬉しく思う。
俺がアークスの任務中に元の世界へ戻り、オラリオで冒険者となって二ヵ月程となるが、全力で戦える相手が全然いなくて退屈な日々を送っていた。上層のモンスターは通常攻撃やフォトンアーツ一発だけで簡単に倒せて作業同然だった。それでもミアハ様達に迷惑を掛けないよう、『Lv.1』の振る舞いをするよう上層に留まり続けていた。
その途中、ベルと友達となり、更には他の仲間と一緒にパーティ探索をして中層に進出し、俺は退屈な日々から段々抜け出せそうになっている。そして今は、未知の強敵と遭遇している状況だ。
俺一人だけでは、こんな展開にはならないだろう。そうでなければ、今頃ずっと上層でモンスターを狩り続けているだけの作業を続けている筈だ。そう考えると、俺は友達になってくれたベルに感謝しなければならない。
だからその恩義に報いる為、ここから先は全力で戦わせてもらう。ミアハ様の言いつけを破ってしまうが、この状況では黒いゴライアスを倒さない限り、生きて戻る事は出来ない。そして、ベルやリリルカ達を死なせたくはない。例え俺の力を気味悪がって嫌われたとしてもな。
(まぁ、
出来れば初めて出来た異種族の友達に嫌われないで欲しいなぁと願い――
「――ァン、リヴァン!」
「ん?」
すると、誰かが俺を呼んでるのが聞こえた。呼んだのはベルで、俺の近くにいる。
「行こう!」
「……ああ、分かった」
何を言っているのかと思われるだろうが、俺は既に分かってる。黒いゴライアスが落ちた付近にいる冒険者達を助けようとしている事を。
考え事をしながらも、話はちゃんと聞いていた。あの黒いゴライアスは神であるヘスティア様を抹殺する為に送られた刺客であり、奴の周囲にはベルを好き勝手に甚振っていた連中もいるが、助けに行こうと行動する事を全て。
普通なら助ける必要は無いと言うべきだが、パーティのリーダーであるベルの決断に、ヘスティア様達は異を唱えずに笑みを浮かべて頷いていた。全員が了承している意味だ。勿論、俺もその一人である。因みにリューさんは既に森から飛び出して、この場にはいない。
さて、本来であれば全員が悲鳴と爆音が起こる階層中央地帯へ向かう為の森を抜けなければならないが――
「ベル、悪いが俺だけ先に近道させてもらうよ」
「近道って……え?」
軽く跳躍した直後にプリズムサーキュラーを発動させ、フォトンの帯を纏ったまま、落下する事無く黒いゴライアスの所へと向かっていく。
「リ、リ……リヴァンが空を飛んでる~~~~~!!」
『えぇぇぇぇぇ~~~~~~~~!!??』
ベルの叫びに他の面々が吃驚するように叫ぶも、取り敢えず気にしないでおく事にした。
今年もよろしくお願いします。