少年エルフが前衛で戦いながら支援をするのは間違っているだろうか 作:さすらいの旅人
やっぱりユリウスでも倒しきれなかったか。それでもダメージをかなり与えてくれたが、ゴライアスには再生能力があったので振り出し状態となっている。
しかし、再生しても怒りまでは消えなかったようだ。その証拠に凄まじい咆哮をあげており、今まで以上に暴れ出し始めていた。それだけ幻獣にぶちのめされて相当頭に来たんだろう。
それはそうと、アスフィさんや他の冒険者達もそろそろ不味い。さっきまでユリウスの登場によって呆然と見ていたが、消えた後に再び応戦するも、殆どが瀕死状態に等しく劣勢となっている。
ベルや桜花の治療も終えた以上、此処に留まっていられないから再び参戦するとしよう。ゴライアスを余計に怒らせた原因を作ってしまったので、相応の責任を取らなければならない。
「ヘスティア様、時間を稼ぎますので、ベルを起こしといて下さい」
「ちょ、リヴァン君!?」
「待ちなさい、ウィリディスさん!」
言うべき事を言った俺は急いで戦場へ向かった。後からリューさんも引き止めるように追ってくるが、俺は振り切るように
前方から別のモンスターが道を阻むが、フォトンの帯を纏って高速移動してる俺に轢かれて吹っ飛んでいった。雑魚モンスターに用はないから邪魔するな。
「貴方は……!」
数分もしない内にゴライアスの元へ辿り着くと、現在はアスフィさん一人で相手取っていた。
戸惑う様子を見せる彼女に俺は気にせず、プリズムサーキュラーの帯を解除して衝撃波を巨人の足に向けて放つ。
『!』
突然の痛みにゴライアスは下にいる俺の方へと視線を向ける。直後に『
それによって巨人が放った魔力塊に命中してもバリアに守られている俺は、ダメージを一切負うこと無く無傷のままだ。俺は無事でも地面は抉れていたが。
「バカな! ゴライアスの『
今まで他の冒険者達が直撃して重傷だった筈の攻撃を、俺には全く効いてない光景を見たアスフィさんが信じられないように驚愕していた。
けど、そんな事を気にしてない俺はバリアを展開したまま再度前進する。
『オオオオォォォォッ!』
「っ!」
巨人も俺が全く無傷のまま前進する事が信じられないように、立ち止まったまま何度も『
とはいえ、流石に連続攻撃を受け続けてる俺も少しばかり眉を顰める。防いでるとは言え、襲い掛かってくる衝撃が凄まじく、下手に気を抜いてしまえば吹っ飛ばされてしまいそうだった。
それでも如何にか耐えきった結果、ゴライアスの片足に近付く事が出来た。直後――
「プロテクトリリース!」
『~~~~~~~~!!』
バリアを解除したと同時に、球状の強力な衝撃波を放った。
俺が放った攻撃により、ゴライアスの片足は六発全ての攻撃を受けて、ズタズタに等しい状態へとなっていく。
余りの激痛だったようで、怯んだゴライアスは思わず片足を上げてフラフラとなっていた。
攻撃が止んだのを見た俺は好機と見なし、即座にエールスターライトの
『オアァァァァァ!』
横薙ぎの動作をした瞬間、大き目な四本のフォトンの剣が出現し、そのまま軸にしているゴライアスの片足に思いっきり突き刺さった。
軸足から襲い掛かる激痛にゴライアスは悲鳴をあげ、体勢が維持出来なくなったみたいで尻餅を付く。完全に倒れないよう、咄嗟に地面を両手で付いて上半身を支えている。
倒れるゴライアスの被害を免れようと、既に避難し回り込んでいた俺は更なる攻撃を仕掛けようとする。
『ゴァァアアアアアッ!』
移動している俺が攻撃を仕掛けようとしているのを見たゴライアスは、させんと言わんばかりに左手を上げて振り下ろそうとする。
小さいモノを叩き落とそうとする巨人の攻撃は、他の冒険者から見れば死の一撃だろう。もし直撃すれば最後、あのでかい手で虫みたいに潰されてしまうかもしれない。
「不味い! あんな攻撃を受けたら……!」
「ウィリディスッ、すぐに逃げなさい!」
俺が臆せず前進するのを見たアスフィさんとリューさんが叫んでいた。
しかし、二人の声を無視している俺は武器アクション――ディフレクトを発動させる。
降り注ぐゴライアスの手が当たる瞬間、紙一重に躱した俺は素早く動いた。ディフレクトのカウンター攻撃――クイックテイクが発動したので、一瞬でゴライアスの左手首へ急接近し速攻で斬り裂いた。
クイックテイクは通常攻撃の倍以上のダメージを与える。その為、切り裂かれた硬そうな巨人の手首が半分を切断。
そのまま攻撃を続けようと、以前に地上でトロールを仕留めた時に使った、大きなフォトン刃を目標に蹴り放つ
これは本来最初に踵落としをやるが、エトワール用の
因みにさっき使ったシューティングスターも本来は飛び上がって大きく薙ぎ払う動作をしなければならない接近技だが、それをスキップした事でフォトンの剣だけと言う遠距離攻撃技となる。少々扱い辛いのが難点だが、それを使いこなせば臨機応変に対応出来る。
『~~~~~~~!!』
左手を切断された事でけたたましい悲鳴を上げるゴライアス。だが、ほんの僅かだった。
ベルが魔法で頭を吹き飛ばしても自己再生していた。今も見る見る内に失った左手が元に戻っていく。
セレスティアルコライドを使った反動で宙返りしていた俺が着地した後に見上げると、ゴライアスは完全に俺を見ていた。それどころか、足に刺さっていたフォトンの剣を片手で勢いよく抜いてすぐに立ち上がろうとしている。
「ちっ。また振り出しに戻ったか……」
やはり一部分を切断、もしくは吹っ飛ばしたところで瞬時に再生されてしまう。
通常のゴライアスとは違うのは既に分かっているが、何事も無かったかのように戻っていく自己再生は本当に鬱陶しい。
倒すとするなら……自己再生が追い付かないほどの大ダメージを与えるか、力の源であろう魔石を砕くかのどちらかをやらなければ無理だ。
効率を考えるとするなら、魔石を砕いた方が手っ取り早い。しかし、肝心の魔石がどこにあるのかが分からなかった。普通に考えれば、アレは人型だから心臓がある胸の辺りにあるかもしれない。けど、ゴライアスはモンスターなので人間と構造が違う。どこにあるかなんて分からない。
こうなればもう自棄だ。俺のエトワールクラス全ての力を使って必ず倒してやる。幸いにも、体力と体内フォトンを全回復させるアクティブスキル――オーバードライブが既に二回使える状態になるまで溜まっている。俺とゴライアスのどちらかが力尽きるかの根競べだ。
すぐに襲い掛かって来るであろうゴライアスに、
『!』
鐘の音にゴライアスも反応していた。直後、発生源と思わしき方へ振り向いている。
俺も一緒にその方向へ向けると、そこには大剣を持ち構えているベルがいた。
「まさか……」
目覚めていた事に安堵する俺だが、それとは全く別の事を考えていた。
ベルは今
そう考えると、もしも最大限までに溜まれば、とんでもない威力になるだろう。ゴライアスの身体を吹き飛ばせるかもしれない。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
恐らく本能的に察したんだろう。ベルのやっている事は自分にとって非常に危険だと。それは即ち、ゴライアスはベルを非常に厄介な『敵』と認めた事だ。
ならば俺のやる事はもう決まった。
俺の決意とは他所に、先程から止まっていたリューさんやアスフィさんも漸く動き出した。
~ベルがチャージする前~
「……リオン。つかぬ事を聞きたいのですが、貴方達エルフはあのような詠唱無しの魔法も使えるのですか?」
「寧ろ私が知りたいぐらいですよ、アンドロメダ」
リヴァンが一人でゴライアス相手に奮戦しているのを見ていたアスフィとリューは、未だ信じられないように見ていた。
振り下ろす巨人の手が当たるかと思いきや、彼は咄嗟に躱したどころかカウンターを仕掛けていた。加えて、魔力で形作られたと思われる剣を何の詠唱も無しに出現させ、それをゴライアスに当ててダメージを与えている。
そんな中、突如
音の正体が分かったゴライアスはベルの元へ向かったのを見た事に、リューは確信する。奴は間違いなくベルを『敵』と認めた。同時に途轍もない一撃に襲われるから止めようとしているのだと。
「私達も行きましょう。死守します。彼の元には行かせない。何より、ウィリディスさんだけ戦わせる訳にはいきません!」
「ちょっ、リオン……!」
そう言ってリューは疾走した。ゴライアスの進行を阻止する為に。
相変わらずダラダラ感が出ています。
次回で何とか倒せるようにしたいです。
感想お待ちしています。