少年エルフが前衛で戦いながら支援をするのは間違っているだろうか 作:さすらいの旅人
「ヘ、ヘスティア! ミアハは何処にいる!?」
オラリオ中が驚愕の絶叫を響かせている中、バベルの塔の広間で観戦してるアポロンがヘスティアに問い詰めていた。
リヴァンの実力は明らかに『Lv.2』でないと結論に至ったのか、アポロンはこの場にいないミアハに問い詰めようと、ヘスティアから居場所を聞き出そうとしていた。
「生憎僕は知らないよ」
「惚けるな! ミアハの
アポロンがそう捲し立てるも、ヘスティアは本当に知らないのだ。正しくは正確な居場所を知らないと言った方が正しい。
「ミアハがリヴァン・ウィリディスに【
「はぁ?」
ヘスティアからすれば、アポロンの言い分は支離滅裂なモノだった。
「何を言うかと思えば、そんなわけないじゃないか。仮にリヴァン君の実力が【
「ぐっ……」
全知全能である神が下界へ降臨する際、【
その条件を無視して【
だけど、ミアハが違反行為をして天界送還された情報が無い他、リヴァンは今も
☆
「何だ、何なんだお前はっ!?」
「はぁっ!」
白い塔の最上階にイル・フォイエを撃った後、俺は
辿り着くと玉座の間だったと思われる周囲一帯は瓦礫の山と化して、敵大将であるヒュアキントスはボロボロな姿だった。尤も、あくまで服装だけで、身体的なダメージはそこまで見当たらない。
【アポロン・ファミリア】の眷族達はヒュアキントスと違い、瓦礫に埋もれて意識を失っている。それを見た俺は少々やり過ぎたかと思うも、今は
相手側が完全に浮足立ってる中、俺はベルとヴェルフを指定の位置へ下ろしていた。ベルはヒュアキントスの元へ、ヴェルフは
本当なら俺も
そして現在、俺はベルとヒュアキントスの戦いを見守っている。余計な邪魔が入らないよう、周囲を警戒しながら。
大将同士の一騎打ちを繰り広げている中、状況が変わろうとする。ベルの手にしてる武器――二振りの
「そんな! 私は、『Lv.3』だぞ!?」
ベルに武器を両断された事が信じられないのか、ヒュアキントスは現実逃避するような台詞を口にしていた。
一週間もぶっ続けで『
俺が一昨日にミアハ様から【ステイタス】した際、あの二人と特訓した事もあって
(でもそうなればティオナさんやベート・ローガも……いや、流石に無理か)
俺と
そんな中、ベルに押されていたヒュアキントスが突如、全力の跳躍で矢のように後方へ下がっていた。
「――【我が名は愛、光の寵児。我が太陽にこの身を捧ぐ】!」
ヒュアキントスが詠唱らしき言葉を紡いでいた。
「【我が名は罪、風の悋気。一陣の突風をこの身に呼ぶ】!」
どうやらヒュアキントスは起死回生を図ろうと、自身の切り札である魔法を使うようだ。
しかし――
「【ファイアボルト】!」
ベルはそれを阻止しようと、すぐに武器を鞘に戻し、左手を突き出しながら
黒いゴライアス戦の時に見せてくれたチャージスキルを使わずとも、今のベルが放つ魔法は相当な威力だった。もし完全にチャージした状態で放てば、ヒュアキントスは確実に死んでいるだろう。
だがそれとは別に、威力が高い理由は他にもあった。この最上階へ来る寸前、俺はベルとヴェルフに能力強化をしようと、
「ぐっ……【――
ベルから放たれたファイアボルトの威力にヒュアキントスの身体は仰け反り、全身がボロボロになりながらも必死に耐え抜いていた。
同時に『魔力』制御の手綱を離さず、歯を食い縛りながら詠唱を続行していた。
「やぁー!?」
ベルが再び速攻魔法の連射を押し切ろうとするも、いきなり瓦礫の中から這い出た長髪の女性が体当たりを仕掛けて阻止しようとする。
この場にいるのがベルだけなら確実に阻害されてるだろうが――
「邪魔はさせませんよ」
「きゃっ!?」
戦いを見守っている俺が割って入り込むように、プリズムサーキュラーを使って女性の体をはね飛ばした。
「【ファイアボルト】!!」
ヒュアキントスの方に集中しているベルが再び速攻魔法を撃ち出した。
さっきと違って今度は連射で放たれた事により――
「う、ぐっ………がはっ……!」
先程まで必死に耐え抜いてた筈のヒュアキントスは限界だったのか、魔法名を言う前に意識が途切れ、そのまま倒れてしまう。
うつ伏せとなっている敵大将は、立ち上がる事はなかった。
遠くから観ているオラリオの観戦者達は、【アポロン・ファミリア】が敗北したと言う決定的瞬間を目にした事で、今頃大騒ぎになっているだろう。
リヴァンがいる事でベルはヒュアキントスの魔法を受ける事無く勝利しました。
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