少年エルフが前衛で戦いながら支援をするのは間違っているだろうか   作:さすらいの旅人

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今回は凄く短い内容です。


少年エルフ、ベルと再会する

「へぇ、凄いじゃないか。おめでとう」

 

「ありがとう、リヴァン」

 

 久しぶりに会ったベルの話を聞いて俺は祝福した。

 

 何日か前、ベルは『Lv.2』にランクアップしたそうだ。しかも到達期間が約一ヵ月半で。

 

 ミアハ様やナァーザさんの話では、レベルの上昇には相応の【経験値(エクセリア)】を獲得の他、『偉業』を成し遂げなければならない。『Lv.1』の冒険者がランクアップする際、数年掛かるのが常識となっている。因みにナァーザさんが『Lv.2』になるのには六年掛かったらしい。

 

 だと言うのに、ベルはそんな常識を物の見事に壊すような偉業を達成してランクアップした。はっきり言って異常としか言いようがない。後でミアハ様達に確認する必要がある。

 

 何でもダンジョン9階層でミノタウロスと遭遇し、これを撃破した事で『Lv.2』に至ったらしい。

 

 それを聞いて俺は疑問に思った。何故中層にしかいない筈のモンスターが、またしても上層に現れたのかと。

 

 以前にあった宴の時、【ロキ・ファミリア】が17階層でミノタウロスを逃がした不手際を起こしたの事を急に思い出したが、それは無いかと判断する。何しろあれは一ヵ月前の出来事だ。既に【ロキ・ファミリア】が対処済みだと、ギルドのミィシャさんが言っていた。

 

 となれば、何か別の要因でミノタウロスが上層に出現した事になるが……当事者じゃない俺が彼是(あれこれ)と考えたところで分かりはしない。それはもう隅っこに置いておくとする。

 

 『Lv.2』のランクアップの際、神々から二つ名も与えられる事になっている。昨日にあった神会(デナトゥス)で、ベルの二つ名は【リトル・ルーキー】になった。俺としては無難であるが、当の本人が少しばかりお気に召さないようだ。ベル曰く、【漆黒の堕天使(ダークエンジェル)】みたいな強そうな二つ名を期待していたらしい。

 

 少々痛々しい二つ名に、俺は思わずある人物を思い出した。オラクル船団にいた頃、他のアークスとは違う独特な感性を持ったファントムクラスの提唱者――キョクヤ氏の事を。もしベルがその人と出会ったら、意外と馬が合うんじゃないかと思う。主に二つ名関連で。

 

 まぁそんな事は良いとして、ベルはランクアップの他に仲間も出来たようだ。しかも二人も。

 

 一人目は【ソーマ・ファミリア】に所属しているリリルカ・アーデと言うサポーターだが、諸事情で死亡扱いにしているらしい。

 

 ベルや他の冒険者から武器や報酬を盗むと言う盗賊行為を行っていたが、今は改心して裏切らないと誓っているそうだ。今後はベル専属のサポーターになると。

 

 聞いてて思わず騙されているんじゃないかと確認するも、ベルの主神――ヘスティア様の前で言い切ったんだと。神の前で嘘を吐く事は出来ないのを知っているので、今のところ問題無さそうだと判断した。と言っても、ベルの友達である俺としては、一度直接会って本当に信用出来るか確認しなければいけないが。

 

 次に二人目は【ヘファイストス・ファミリア】の眷族――ヴェルフ・クロッゾと言う()()()。ついさっき会ったばかりで、直接契約を結んだらしい。

 

 因みに直接契約とは、()()()が特定冒険者の武器や防具を作成して格安で譲る、と言う一種の助け合いだ。そうする事で特別な威力を発揮するらしい。尤も、俺は()()()の誰かと契約を結ぶ必要は今のところないが。

 

 あとヴェルフ・クロッゾは事情として、発展アビリティ『鍛冶』を獲得したい為、ベルのパーティに加わる予定となっている。

 

 ベルの話を一通り聞いた俺は、ある事を尋ねようとする。

 

「なぁベル、次にダンジョン探索するのはいつだ?」

 

「え? 明日だけど……。もしかして、リヴァンも参加するの?」

 

「ああ。ウチの【ファミリア】も漸く一段落したからな。ナァーザさんからも許可は貰ってある」

 

「ホントに!? リヴァンがいてくれると凄く心強いよ!」

 

 俺のダンジョン探索参加にベルは凄く喜んでくれた。嬉しい事をしてくれる。

 

 リリルカ・アーデとヴェルフ・クロッゾには明日、ベルを通して紹介する予定となった。久しぶりのパーティ探索に、俺としては非常に楽しみだ。まぁその分、分け前は四等分になるので報酬は格段に低くなるが。

 

 それにしても……ヴェルフのファミリーネーム――『クロッゾ』と言う名はどこかで聞いた事があるような気がするんだよなぁ。主に悪い意味として。オラクル船団での生活が長かった所為で、こっちの世界についての記憶が所々抜けている。まぁ、もし重要な事であればその内思い出すだろう。

 

 しかし明日に彼と出会って俺は思い出す。エルフにとって『クロッゾ』は蛇蝎の如く嫌悪している存在である事を。




原作の二巻、三巻の内容はリヴァンと余り接点がない為、思いっきりすっ飛ばしてます。

次回はリリとヴェルフの出会いとなります。
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