お前のような哲学者が居るか   作:神撃のカツウォヌス

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 無事に10話まで続けられたのでここから感想返信をすることにしました


第10話

 

「はい。という訳で、一年一組のクラス代表は織斑一夏くんに決まりました!一つながりで縁起がいいですね」

「ちょ、ちょっと待ってください!俺は試合に負けたんです。クラス代表はセシリアになるんじゃ」

 

 織斑は試合に負けたがクラス代表となった。

 その理由だが、

 

「それはわたくしが辞退したからですわ」

 

 とのことだ。

 詳しくは本人が勝手に話してくれるだろう。

 

「今にして思えば、代表候補生であるわたくしが素人のあなたと戦うのは弱いものいじめと同じことでした。にも関わらずわたくしをあと一歩の所まで追い詰めたあなたこそが、このクラスの代表に相応しいと思った次第ですわ」

 

 以前までの高慢さは何処へやら。

 所々に少々の驕りが見受けられるが、相手を敬えるようになったようだ。

 

「そしてこの場を借りて皆様に謝罪致します。この度はわたくしの不躾な発言のせいで皆様に不快な思いをさせてしまい本当に申し訳ありませんでした。もし皆様が許してくださるのなら今一度、わたくしと仲良くしてくださいませんか?」

 

―――もちろんだよー!

―――ちゃんと謝ってくれたからね~。

―――こっちこそよろしくね。

 

 誠意を込めた謝罪によりクラスメイトとの確執も無くなり、本人も憑き物が落ちたような明るい雰囲気だ。

 かなりの罵詈雑言の嵐だったはずだが、全員がこうも簡単に許せるのは学生ゆえだろうな。

 各国の汚い大人達ならば、幸いとばかりに責め立てて利益を得ようとする。

 

「それとシーク先生」

「ん?」

 

 何だ?

 私は特に何かを言われてはいないが。

 

「その、あの時わたくし、先生の事をISも使えないくせに偉そうな男だ、と思って内心で見下しておりましたの。そのことについて謝罪をさせてください」

「なんだそんなことか。黙っていれば誰も分からなかっただろうに、正直だな」

「いえ、黙っているのはわたくしのプライドが許しません。それに失礼なことを思っていたのは事実ですし」

 

 真面目というか融通が利かないというか。

 自身の誇りを大切にするタイプなんだろうが、なんというか不器用な奴だな。

 

「そうか、いや。別に害があったわけではないからな、気にしなくとも良い」

「そう言っていただきありがとうございます」

 

 今更他人からどう思われようが気にしないし、普段の生活に支障がなければ一切構わない。

 

 その後、織斑のコーチの話で篠ノ之とオルコットが揉めたり、クラスで織斑を祝うことが決まったりしたが、何事も無く時間が過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生の言っていた通りになったわね……」

 

 クラス代表は織斑君になった。

 それだけじゃない。

 試合もシーク先生の言ってた通りになった。

 

「まさか土壇場で第一次移行するなんてね。しかも単一仕様能力まで発現させるなんて…」

 

 そこから動きがよくなったが、あと一歩のところで自滅。

 結局試合には負けたが一方的ではなかった。

 ただでは負けなかった。

 

「まるでこうなることを知っていた…?でも……」

 

 未来を知るなんてできるはずがない。

 ある程度は結果を予測することは可能でも、それは前提として情報が無ければならない。

 性格やセンス、癖、ISの性能や兵装。セシリアちゃんはともかくとして織斑君はこれと言った情報は無いし、機体なんて専用機なうえ到着がギリギリだったのだから知りようが無いわ。

 そもそも細かく情報収集して試合内容や結果を予想する必要がないし…。

 

「……そういえばたしか」

 

 ”そういう因果の下に生きている”。

 

 そう言ってたわね。

 言葉の意味自体はわかる。でも何でそんなのがわかるのかしら。

 考えられるとすれば、

 

「いわゆる”共感覚”、というものでしょうか」

 

 虚が言う。

 それならわからないこともない。

 普通じゃわからない何かを感覚的に捉えていて、そこに培ってきた知識や経験を併せる事で結果を導き出している、とか。

 もしくは、

 

「本当にそういうのがわかる、かしらね」

 

 最初からそういうもの、と言うならば辻褄は合う。

 でも、

 

「そんな超常的なこと信じられないわね……。あぁもう!何であんな得体の知れないのが教師やってんのよ!」

「お嬢様、失礼ですよ」

「だってしょうがないでしょ!?」

 

 いくら調べても怪しい情報は一切出てこないし、そのくせ監視には全て気付くし普段の振る舞いも一般人とは思えないくらい隙はないし!

 しかも無表情なせいで何考えてるのかわからないし容姿含めて全てが高スペックだしキャラ盛りすぎなのよ!チャレンジメニューなの!?

 

「…前半はわかりますが後半は関係ありませんよね?」

 

 虚が何か言ってるけどそんなのどうでもいいわ!

 こうなったら何が何でも絶対に…!

 

「絶対に正体を突き止めてみせるんだから!覚悟してなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。やっと着いたわね」

 

 ここに来るまで長かったわね…。

 でもこれでようやく、ようやくあいつに会えるわね。

 

「ふふっ、待ってなさい一夏。それにしても……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「広すぎじゃないのよーーー!」

 

 

 

 

 

  




薊(tbistle)さん、誤字報告ありがとうございます
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