お前のような哲学者が居るか   作:神撃のカツウォヌス

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 弱体化しているといったな、あれは嘘だ()

 途中これは流石に、と思うかもしれませんがちゃんと元ネタがあるのでどうかご勘弁を。


第14話

 

 時は少し遡り、一夏と箒が福音と、そしてシークと会敵した頃。

 作戦本部の旅館、花月荘の大広間では束が勝手に設置した特製のディスプレイによって状況を見ていた。

 

「な、なんでいきなりシーク先生が!?」

「てかなんで浮いてるのよ!?」

「…助けに来た、ってわけじゃないよね?」

「……」

 

 セシリア、鈴、シャルロットが順に疑問を口にし、ラウラは何も言わない。

 自身の部下のクラリッサと親しい以外は殆ど何も知らず、VTシステムの件でも、後から映像を確認しただけだ。未だクラリッサに事実を伝えられていないまま、こうして再び目の前に現れたのだ。何か感じるところがあるのだろう。

 

「お!まさかシーくんの方から来てくれるなんてね。束さんは運がいいなぁ!」

「…おい、アイツについて何かわかるのか?」

 

 束が何度も楽しませてくれた、といったのを憶えていた千冬が聞く。

 お前ならあの得体の知れない何かがわかるんじゃないのか、と。

 

「残念ながら私にも殆どわかんないんだよね。特にあの瞬間移動(仮)は全然」

 

 いつものおどけた様子は一切無く、真剣に答える束。

 それがよりシークの異質さを醸し出す。

 

「戦闘が始まったみたい」

 

 誰が言ったかその言葉にディスプレイに注目する一同。

 シークが福音に攻撃し、その反撃の弾幕にようやく動き出す二人。

 

「二人とも何を呆けている!すでに戦闘は始まっているのだぞ!」

 

 渇を飛ばす千冬。

 

 その言葉にいい加減覚悟を決めた一夏と箒だが、一向に攻撃が当たらない。

 見ているこちらにも焦りが伝わってくる。

 

「馬鹿共が、主目的は福音なんだぞ…!」

 

 福音からの攻撃が襲い、一夏と箒は回避を余儀なくされる。

 すると一夏から通信。

 

『船だ!漁船がいる!』

「海域は封鎖している。それにも関わらず入ってきたのだから無視しろ。作戦を優先させるんだ」

『でも…!』

 

 密漁船と作戦の成功。

 どちらが優先かは誰にだってわかるが、一夏はたとえ犯罪者でも切り捨てられない。

 

 結局、一夏が福音の流れ弾から密漁船を庇い撃墜。

 箒に回収と撤退を命ずる。

 

「作戦は失敗だ…」

「そんな…!」

「一夏…」

「一夏さん…」

 

 セシリア達が部屋を出て迎えに行く。

 ディスプレイは未だ戦場を映し出している。

 

 やがて撤退していた箒が帰ってき、重体の一夏を寝かせたところ。

 山田は一夏の怪我の対処に向かっており、ここに残っているのは千冬と束のみ。

 千冬は新しい作戦を考えるが、いい案が浮かばない。

 

 と、戦場で動きがあり、初めてシークが攻撃を食らう。

 

「おっと。まともに食らったねぇ。でも全然平気なのは流石かな?」

「…もう何もつっこまんぞ」

 

 再び銀の鐘の弾幕。

 それを今度は近づかずに回避し続けていると、何やら手を銃の形にして福音に向ける。

 初めて見る千冬はその行動を怪訝に思うが、隣の束は笑っている。

 

「来るよ。私が興味を持ったきっかけが」

 

 すると福音が突如爆発し吹き飛ばされる。

 その規模は凄まじく、映像で見るに直径500メートル程と推測できる。

 

「今のはいったい…」

「あれは目視できない程に圧縮された超密度のエネルギー弾による攻撃だよ。どこからそのエネルギーが来てるとかどうやって圧縮しているとかはわかんないけど。あれを食らえば余程のISじゃない限り致命的なダメージだよ」

 

 福音は所々装甲にひびが入っており、最大の特徴である大型ウィングスラスターは見るも無残なほどボロボロになっていた。

 どうやらあの翼で防御したことで、本体へのダメージを抑えたようだ。

 

「流石は軍用ISだね。無事じゃないけどあれを食らってまだ動けるなんて」

 

 思わぬところで束の評価を貰う福音だったが、それは届かず。

 

 このまま戦闘を続ければ確実に福音は墜ちる。

 もうこのままシークが倒すのを待つのが最善策では?と思う千冬だったが、そこに山田が慌てて報告に来る。

 

「大変です!オルコットさん達が勝手に出撃してしまいました!戻ってきたばかりの篠ノ之さんも一緒にです!」

「何だと!?あいつら…!」

 

 まだ作戦が決まっておらず、更には福音を圧倒するシークがいるのだ。

 そのまま向かわせるのは危険極まりない。

 

「全員今すぐ戻れ!」

『すみませんがそれはできません』

『一夏がやられて黙っていられるわけ無いでしょ!』

『すみません、織斑先生』

『命令違反は重々承知していますが、行かせてください』

「……はぁ」

 

 こうなってはテコでも動かない。

 これまで何度も同じ事をしているし、まともに作戦を立てられていないのだから彼女たちに任せるしかない。

 

「…わかった。ただし、全員無事に戻ってこい。いいな?」

『『『はい!』』』

「では新しく情報を伝える。福音はダメージが激しく、油断しなければお前たちなら撃破可能だが気を付けるべきは福音ではなくシークだ。速さもそうだがヤツが手を銃の形にしたら絶対に避けろ。福音を墜としかけた一撃が飛んでくる」

『何よそれ。デタラメじゃない』

『レーゲンのAICでも無理ですか』

「束曰く、目視不可な超密度のエネルギー弾らしい。動き自体は止められるだろうが弾は止められないだろう」

『了解、十分に留意します』

「では、戦場ではボーデヴィッヒが指揮を取れ。健闘を祈る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わって福音とシーク。

 よくその状態で飛んでいられるというほどにボロボロの福音。

 

「防御したとはいえよく耐えたな。やはりISといえどむざむざ墜ちたくは無いのか」

 

 ここで忘れてはいけないのが無人機はIS学園を襲ったあの1機しか確認されておらず、技術的にも一人を除いて不可能とされているということ。

 つまり、

 

「それとも、その操縦者がそれほど大切か?」

 

 暴走中の銀の福音にはまだ操縦者がいる。

 この激しい戦闘の中、操縦者の命はおろか意識があるのかもわからないが、どちらにせよ無事ではないはずだ。

 

 ここで専用機持ちの五人が到着する。

 彼女たちはボロボロの福音を見て驚きを隠せない。

 

「聞いてはいたけど本当にボロボロだね」

「てことは要注意なのはシーク先生ね」

「操縦者は大丈夫でしょうか…」

「今度は慢心しない…!」

「全員、動き続けろ!足を止めれば一撃で落とされるぞ!」

 

 戦闘が始まる。

 セシリアは後方からの狙撃で味方の援護。

 シャルロットはその多彩さで前線での援護。

 鈴は双天牙月による近接戦闘がメイン。龍砲は隙が大きく、混戦状態では使いにくいため基本使用せず。

 箒は接近戦とそのエネルギー攻撃で遊撃にまわり、ラウラは全体を把握し指示を出しながらワイヤーで戦闘を行い、ここぞという時にAICで動きを止める。

 

「最優先は福音の撃破!その後帰還すればシーク先生を相手せずにすむ!」 

「いつまで俺を教師と呼ぶ?」

「先生は先生ですから…!」

 

 鈴と箒は福音に集中し、ラウラがシークの足止めをする。

 シャルロットがラウラの援護をし、セシリアが福音、シーク両名の隙を狙撃する。

 

 ボロボロとはいえ軍用IS。シークと比べるとぬるい鈴と箒の攻撃をさばき、打撃を混ぜながら門数の減った銀の鐘で攻撃する。

 シークはラウラの多角的なワイヤーによる攻撃とシャルロットの射撃、そして時々とんでくるセシリアの狙撃を紙一重で、しかし余裕に回避する。まるで攻撃がすり抜けているかのように。

 

 回避にまわっていたシークの姿がブレる。

 一気に加速しラウラの背後に回りこむが、そこをセシリアが狙撃する。

 当たる寸前で回避しセシリアのもとに向かうがシャルロットが弾幕を張り近づかせない。

 その時間で再びセシリアが距離をとり、ラウラとシャルロットによる波状攻撃が始まり、振り出しに戻る。

 回避の最中に手を銃の形にし、今度は福音側を狙うが、常に動き続け狙いがすぐには定まらない。

 

 いくら空中での動きが不慣れとはいえ、彼女たちが何とかついていけるのは何故か。

 それはシークが常に演算中だからである。

 そもそも彼がこうやって浮いているのは、足元の空気を固定し立っているからである。

 そして固定された空気の足場を蹴ることで移動しており、方向転換や停止の度にそこの空気を固める必要がある。

 その都合上常に意識を分散させる必要があり、その結果、全力で動けない彼の動きに食らいついている訳である。

 

 

 

 鈴と箒は果敢に福音を攻め立てるが、この二人に満足な連携ができるはずもなく、隙をついて福音が間合いから離脱。

 銀の鐘による広域射撃を行おうとするが、そこをセシリアが狙撃。

 体勢を崩した福音に再び接近戦をしかける。

 今度は攻撃をさばきながらシーク側に寄っていき、混戦に持ち込もうとする福音。だが正確無比な狙撃がそれを許さない。

 結果、ジリ貧となる福音。

 

 そしてついに福音のエネルギーが尽きる。

 撃破したかと一瞬浮かれるが、ここで誰もが予想外のことが起きる。

 

 福音が眩い光に包まれる。

 そしてその中から出てきた福音は姿が僅かに変わっていた。

 全身からエネルギーの翼が生え、しかもそこから威力が格段に上がっているエネルギー弾を乱射する。

 

「まさか、第二次移行(セカンドシフト)…!?」

「くっ…この土壇場でか!」

「まるであの時の一夏さんみたいですわ…!」

 

 流石の弾幕に誰もが距離を取り回避に専念する。

 だが無駄の無い回避を行うシークはその隙を逃さない。

 上空へ移動し、下に向けて攻撃する。

 

―――バン

 

 誰に命中するでもないソレは海面に当たり大爆発。

 爆発の衝撃による巨大な水飛沫がその熱で一気に気化し水蒸気爆発を起こす。この場にはいない生徒会長の専用機”霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)”の得意技、”清き熱情(クリア・パッション)”を彷彿とさせるが、誰も知る由は無い。

 

 視界が晴れない中、福音の背中にシークの蹴りが入り、他の者も同様に攻撃を食らう。

 まともに攻撃を受け体勢を崩した彼女たちに再び指を向ける。

 今度こそ直撃する、そう覚悟するが乱入者が斬りかかり攻撃を中断させる。

 

 思わぬ横槍に、回避せずとっさに防御を選択したシークが驚きに目を見開く。

 

「何故お前がここにいる…」

「一夏!?」

「ちょっと大丈夫なの!?」

 

 織斑一夏である。

 確かに重体でしばらくは絶対安静だったはずだ。それが何故。

 

「俺が見間違えた?違う。俺の眼に間違いはない…」

「はぁぁぁぁあ!」

 

 戸惑っているシークを一気に力を込めて飛ばす一夏。

 彼の戦線復帰に士気が上がる彼女たち。

 飛ばされたシークの隙を狙いラウラとセシリアが追撃を仕掛け、残りは脅威度の増した福音へと向かう。

 

 想像外の出来事で動きが鈍っているシークにワイヤーと狙撃が襲い掛かる。

 辛うじて反応するが、躱しきれず何発かがクリーンヒット、海へと叩きつけられる。

 

 戦闘しながら一夏の容態を伺う一行。

 最大の脅威のシークが居なくなり余裕が出てきたのだ。

 

「身体は平気なの!?」

「あぁ。なんか白式には生体再生能力があったみたいなんだ」

「しかも第二次移行してるじゃないか!」

 

 織斑一夏の奇跡の復活と第二次移行。

 それは確かに風向きが追い風になったことを意味する。

 全員で福音の撃破にかかるが下からシークが昇ってくる

 

「…生体再生能力か。理由がわかれば十分だ」

 

 それを聞けば誰もが信じられないと思うが、シークにとっては織斑一夏の復活の理由でしかない。

 第一、

 

「た、たしかにダメージを与えたはず…」

「何故無傷なのだ…!」

 

 肉体の再生が出来るシークにとって然程驚くことではない。

 

「織斑もやっていただろう?致命傷でなければ再生は可能だ。そもそも生物には自然治癒能力があるだろう。何を驚くことがある?」

 

 違う、そうじゃない。

 たしかに自然治癒があるがそれは時間をかけて少しずつである。数十秒でどうこうなる次元ではない。

 

「さて、呆けている暇があるのか?敵は健在だぞ?」

 

 最初に動き出すのは福音。

 この中で一番墜としやすいと思われるセシリアを狙うが、寸でのところでラウラのAICで動きを止めることに成功する。そしてその間に福音を撃破しようとするが、敵はもう一人。

 シークがAIC使用中の隙だらけなラウラに攻撃を仕掛けようとするが、それに気づいた一夏が増設された左手の多機能武装”雪羅”の荷電粒子砲で牽制する。その後再びシークに斬りかかり、福音撃破までの時間を稼ぐ。

 

「先生!頼むから邪魔しないでくれ!」

「何故俺がお前たちに配慮せねばならん」

 

 右手の雪片弐型。

 零落白夜のエネルギー爪の左手の雪羅。

 単純に手数が2倍に増えた連続攻撃は並みのISなら掠るだけで大ダメージは必至。だが相手はISではないのでその特製はただエネルギーを大量消費するデメリットだけの愚物へと成り下がる。

 だが利点はある。

 

 一夏を蹴り飛ばし超密度エネルギー弾を撃つ。

 

―――バン

 

「…!雪羅ァ!」

 

 ここへ来るまでに自身のISから送られてきた情報で、まともに食らえば致命的なダメージなのは理解している。

 とっさに雪羅の機能で()()()()のバリアシールドを展開しガードする。

 衝撃に備える一夏だったが爆発は小さく僅かによろける程度、一瞬だけ零落白夜の出力が低下する。

 

「なんともない…?」

「何?……そういうことか」

 

 零落白夜。

 その特製は()()()()()()()()()()()()()()()()

 ゆえに、相手のエネルギー兵器による攻撃の無力化やSEに直接ダメージを与えられる。

 そしてシークの超密度エネルギー弾。

 威力は凄まじいがエネルギーの塊であることに変わりない。結果、零落白夜との接触により殆どが消滅し爆発が小規模に、そしてその膨大なエネルギーを一瞬で消した反動で出力が低下したのだ。

 

 この事実を確認した一夏が全員に伝える。

 

「みんな!なんか零落白夜ならシーク先生の攻撃を無力化できるみたいだ!」

「それは本当か!」

「あぁ!俺が足止めするからみんなは福音を」

「話す余裕があるのか?」

「…くっ!」

 

 攻撃はアレだけではない。

 そもそもシークが厄介なのはその速さとISに簡単にダメージを通す打撃にある。

 殴。蹴殴殴。殴蹴。

 この短時間で何度も見てきたおかげか、何とか防げている。

 反撃しようと剣を振るうが避けられ、あの構えをする。

 

―――バン

 

 雪羅で防ぐ。

 僅かによろけるがすぐに背後を振り向く。

 

 回りこんできたシークが再び、今度は至近距離で撃つ。

 ギリギリでシールドの展開が間に合うが、今度は何も起きない。

 今度は完璧に防いだのか?一瞬だけ思考にとらわれ、その隙におもいっきり蹴り飛ばされる。

 

「ぐっ…重い!ホントに人間なのか…!」

 

―――バン

 

「く…!雪羅!」

 

 やはり何ともない。

 

「へ…それはもう効かないぜ!」

「……」

 

 余裕が出てきた一夏。

 一撃で墜とされる可能性がなくなり、あとは福音を撃破するまで時間を稼ぐだけである。

 

―――バン

 

 防御。

 流石に一夏が疑問に思う。

 何故、効かないとわかっているのに連発するのか。

 

「(俺が何か見落としているのか?でも何を…)!」

 

 気付いた、SEの残量が少ないことに。

 それもそうだ。

 零落白夜をあれだけ使用していたのだ。加えて、第二次移行によるスラスター増設のせいで更にエネルギー消費が激しくなっている。

 

 シークはこれを狙っていたのだ。

 完全に防げていたと思っていたのは、単純にその攻撃がブラフだっただけ。実際にエネルギー弾は飛んできていない。

 もともとシークの速さは直進だけなら瞬時加速(イグニッション・ブースト)で並べるのだ。そこにスラスター増設により完全についていけるまでの機動力になったのだ。

 零落白夜よりもその機動力が面倒だったため、SEを無駄に消費させていたのだ。

 

 そして追い詰められる一夏。

 いつ必殺の一撃が飛んでくるか気が気でなく、いつ撃沈されるかわからない。

 その様子に気付いた箒がたまらず一夏のもとへ向かう。

 

「箒!どこへ行く!?」

「(私が…!私が一夏を支えられるようになれれば…!)」

 

 そんな箒の想いに紅椿が応える。

 展開装甲から黄金色の粒子が放出され、機体が金色に輝く。

 自身のSEがフルにまで回復したのを確認する。

 

【単一仕様能力、”絢爛舞踏”発動】

 

「機体が金色に…!?」

「一夏ぁぁぁ!」

「箒!?」

 

 雨月の刺突と空裂の斬撃でシークをはがし、一夏の横に並び立つ。

 

「!…SEが回復していく!?」 

「これが紅椿の単一仕様能力、絢爛舞踏だ!」

「次から次へと…」

 

 カラに近かった雪羅のSEが全回復する。

 それを確認した箒が叫ぶ。

 

「みんな!この状態なら近くにいればエネルギーが回復する!残量を気にせず戦える!」

「「「わかった!」」」

 

 福音の攻撃力を前に攻めあぐねていて、このままではジリ貧だと思っていたところに聞こえてきた朗報。

 帰りの分の残量すら気にしなくていいとなれば、十分に戦える。

 そして雪羅が回復したことにより、続けて対シーク戦に集中できる一夏。

 

 戦況が動く。

 福音組は武装全てを使い、一夏は消費を気にせずしかし無駄な垂れ流しを控えながら戦える。

 箒が飛び回り、全員のエネルギーを回復させながら自信も戦闘に参加する。

 

 そしてついに福音が墜ちる。

 

『福音の撃墜を確認!操縦者を直ちに保護し即帰還しろ!』

 

 まだ終わりじゃない。

 ここにいる限りシークは止まらない。

 急いで福音が墜ちた地点へ向かい操縦者を救助。

 

「一夏!作戦成功だ!戻るぞ!」

「あぁ!くっ…ぅぅうらぁ!」

 

 大振りの一撃でシークから離れ、急加速で一瞬で離脱。全員で旅館へ帰る。

 

「……邪魔者は消えたか」

 

 一人残ったシークはゆっくり海中へ潜っていき、海底にて作業を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、その海域一帯では謎の磁気異常が発生。

 原因解明まで空域、海域が封鎖されることになった。

 

 

 

 

 




 
 ラスボスの唯一の天敵が主人公、みたいな展開にしたかった…。

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