お前のような哲学者が居るか   作:神撃のカツウォヌス

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 あけましておめでとうございます。

 お待たせして申し訳ありません。
 断じて展開に詰まったとか、サボってたとかではないです。はい。

 そして亡国機業が完全に空気だった()

 今回は短めです。


第16話

 

 IS学園、第1アリーナ。

 そこで生徒会長の更識楯無と織斑一夏が戦っている。

 

「うおぉぉぉぉ!」

「よっと♪」

 

 一夏が斬りかかるが簡単に躱され、勢いよく突っ込んだのですぐには止まれない。

 そのがら空きになった背中をランスで突かれるが、身を翻し辛うじて回避する。だがそのせいで体勢が崩れ、連続で放たれる突きが立て直しを許さない。

 みるみるSEが削られていき焦りが出てくる。すると一瞬だけ攻撃が緩み、その隙をついて一度離脱する。

 だが、

 

「あら、逃げられちゃった。でも残念♪」

「何を―――!?」

 

 一夏の周りで爆発が起こり、防御体勢が出来ていなかったこともありSEが0になる。

 ナノマシンによる水蒸気爆発”清き熱情(クリア・パッション)”だ。

 

「くそ、また勝てなかった…!」

「動きは大分マシになってきたけどまだまだね」

 

 一夏たち専用機持ちが特訓を始めて3日が経った。

 ひたすら模擬戦を繰り返し、見つかった反省点を意識しながらまた模擬戦。基本は楯無がコーチをし、千冬と山田は都合がつけばそれぞれブレードの扱いや銃火器の扱いを教えている。

 代表候補生はそれなりの地盤があり、動きがちゃんと良くなっていくのだが問題は一夏と箒の二人。

 

「一夏君は動きのキレは良くなってきてるんだけど…」

「その突っ込み癖を直せ。直線的な動きでは簡単に見切られると何度言ったらわかる。それと戦闘中は常に冷静でいろ」

「焦るのは分かるけど、そういう時に慌てて動くと簡単に罠に嵌るわよ、さっきみたいに」

「え?じゃあ一瞬攻撃が緩んだのも」

「わざとよ。案の定、見事にだまされて大技くらったってこと♪」

 

 一夏はとにかく最短距離で突撃する癖があり、余程の素人が相手では無い限り簡単に避けられる。そして攻撃が当たらない焦りのせいですぐに旗色が悪くなってしまう。

 

「そして篠ノ之もだ」

「私もですか!?」

「箒ちゃんは剣道で全国優勝しただけあって攻撃の鋭さは十分あるわ。でも」

「一夏と、特に篠ノ之は正々堂々に拘りすぎている。武士道、騎士道は結構だが相手は違うのだぞ?」

 

 箒は攻撃自体は十分通用するのだが搦手に弱い。自分はやらないからと、相手のブラフに引っかかったり思わぬ攻撃でやられやすい。

 そして二人とも、真っ直ぐな性格なのでそれが戦闘にも出てる。

 所謂、”正面からぶつかり合おうぜ”タイプなのだ。

 

「要はもっと攻撃を工夫しなさいってことよ。一夏君は多用は出来ないけど、雪羅の荷電粒子砲をチラつかせれば相手は下がりにくくなるし、箒ちゃんは雨月と空裂をこっそり持ち替えて相手を混乱させたり。ほらどっちも同じ見た目だし」

「搦め手というほどではないが、あの時の戦いでシークはやっていただろう」

 

 話を聞いていた全員が福音戦を思い出す。

 自分たちの上から海面に向かって撃ったエネルギー弾。攻撃の爆発とその衝撃でできた水飛沫の気化による水蒸気爆発の二重攻撃、そしてそれによる目晦ましの二段構え。事実、あの時に一夏が来なければ誰か墜とされていた。

 

「今思い返してみてもやっぱり反則よ。普通に強いのに更に頭もキレるし…」

「たしか、篠ノ之博士がシーク先生の資料の解読をしてるんですよね?」

「そうだ。一筋縄ではいかないと言っていたがな」

「…もしかして、博士以上の頭脳だったりして…」

 

 シャルロットがポツリと呟いた一言に誰も意義を唱えない。全員がそう思っているから。

 そもそもISの知識をたった10日で教えられるまでに憶えられ、幾つもの分野で一番の専門家と言われる程の人物は普通ではない。独自の言語を編み出すなど最早変態の領域だ。

 

「わかったか?これから立ちはだかるかもしれないのはそんなヤツなんだ。勝ち方に拘る前にまず勝てる程度の実力を身に付けろ」

「…わかりました」

「わかったぜ」

 

 特訓を再開する一同。

 彼女達を見ながら千冬は考え込む。何となく胸騒ぎがするのだ。

 あのシークが自身の研究成果であろうもの、その一部を自室に置いておくだろうか?簡単には解読できないようにされてはいたが、時間をかければいつかは分かる。

 罠か、あるいは知られても全く問題のないものか。どちらにせよ手掛かりが他にない以上どうしようもないが。

 国際IS委員会は、束が動いているなら結果を聞いてからにしようと完全に待ちの姿勢をとっている。

 福音事件の直後に起きた異常現象を最後に、世界では特に騒ぎになるようなことは起きていない。

 まるで嵐の前の静けさのようだが、

 

「今悩んだ所で仕方がない、か…」

 

 束は休まずに解読を続けている。

 ならば自分は出来ることを、時間の許す限り彼女達を強くするしかない。

 

「無闇に突っ込むなと言ってるだろう!何度言えばわかる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今頃は俺の残した物を解読しているところだな」

 

 とある施設の中で誰に聞かせるでもなく一人呟く男。

 その周りには死体が転がっており、床や壁、天井は今にも崩れそうなほどボロボロ。その様相はいつかのテロリストのアジトを想起させるほどの凄惨さである。

 

 ここは亡国機業の本拠点。

 行方知れずのシークは計画を完成させるにあたって一番の不安要素であるこの組織を潰して回っていたのだ。

 テロリストである以上、何をやらかしても不思議ではない。世界中の核ミサイルを発射されでもしたら自身の目的が一気に遠ざかる。

 それにこれほどの規模の組織が壊滅したと知れれば、裏の関係者は少なくとも動きが慎重になる。

 故に、やらかされる前に先に消してしまおうと判断した。

 

 しかし、各国が手を焼いていた程の亡国機業の拠点をどうやって見つけたのか。

 その方法は然程難しいものではない。

 見知らぬ土地で見知らぬ目的地へ辿り着く為に、地図を開き現在位置から行ける場所を全部訪れればいつかは辿り着く。

 

 しらみつぶし、である。

 

 北は北極、南は南極、上はエベレスト、下はマリアナ海溝まで。

 本来なら入念な下調べと準備、そして時間が必要だがシークにはそんなもの必要無い。座標さえ分かればその身一つで何所へでも一瞬で行ける。

 

 そうして拠点を探し出しては潰し、また探し出しては潰し。それを繰り返して漸くこの本拠点にたどり着き、つい先程殲滅を完了した。

 玩具が何機かいたがそのどれもが瞬殺。あの三つ巴の戦いから更に研鑽を積んだ自身の前では、どれほど性能が良かろうが操縦者の技量が高かろうが、少しの脅威にもならない。

 

 各地に仕組んだ術式が完全に馴染むまで時間の問題。

 そして…。

 

「計画はまもなく成就する…」

 

 世界の終わりまで、残り時間350。

 

 

 

 

 




 亡国機業は犠牲になったのだ…話の都合のな…。

 ・残り時間を100時間から350時間に修正

決戦の舞台に相応しいのは?

  • IS学園
  • 宇宙(成層圏~)
  • 異空間
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