仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

12 / 56
カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダー達が使えるカードは?

ブレイド ♠︎A、2、5、6、8、9 ♦︎9
ハジメ  ♥2、3、5、6、8、9、10
レンゲル ♣︎A、2、4、5、6、7、10♥A
ギャレン ♦︎A、2、3、6、8(以下1枚所持)


♠︎Q

1

絶対に離さないとばかりにバックルを抱えたままキャルはひたすらあの場から離れようと走った。

 

(私が、レンゲル。私がレンゲルなんだ!

バックルは誰にも渡さない!)

 

その為には早急に強くならねばならなかった。

2度とカテゴリーAが目移りしない様に。

もしあのままブレイドがレンゲルに変身してしまっていたら、自分は昔の、陛下に言われるままの自分に戻っていただろう。

 

(まだ私はバックルやカードについて詳しく無いからしばらくは飼い猫のフリしてやるけど…いずれ倒す。

もう私を気に留めなかった奴らや私を見下してる奴らなんか要らない!

必ず全員倒して全てを手に入れる!)

 

その為には何よりラウズカードがもっと必要だ。

 

(カテゴリーもスートも関係ない。

私の力になるカードならなんでもいい。

いないの?どこかにアンデッド…)

 

そう思って歩いていると背後から何かを掘り進める様な音がする。

 

「██▅▅▃▄▅▅▃▃▄▅!」

 

地面から現れたのはシェルアンデッドだった。

ちょうど良い。まずはコイツから封印してやる。

 

「変「あ、キャルちゃん危ない!」ペコリーヌ!?」

 

バックルを展開しようとした瞬間、シェルアンデッドの背後から一太刀浴びせながらペコリーヌが現れた。

 

(チッ!余計な事を!)

 

「キャルちゃん大丈夫ですか?

こっからは私も一緒に戦います。」

 

顔についた緑色の返り血を拭いながら笑顔で言うペコリーヌ。

 

「(来ちゃったもんは仕方ないか。)

精々流れ弾に気を付けなさい。」

 

「了解です!」

 

ペコリーヌが前衛を務め、キャルは素早い動きで後方から魔法攻撃で援護する。

 

「ブレイドにばっかいいカッコさせないわ!

アーマーダウン!ウォーターバレット!」

 

防御力弱体化からの水魔法攻撃!

怯んだ所にペコリーヌのボディブローが決まる!

 

「どきなさいペコリーヌ!サンダーボール!」

 

そしてペコリーヌとシェルの間に入り雷攻撃!

全身を駆け抜ける電撃に吹っ飛ぶシェル。

 

「コイツでトドメ!アビスバースト!」

 

空中、防御不能、防御力弱体化中に漆黒の激流を受けたシェルは火柱を上げて倒れた。

バックルが開き呻き声一つ上げない。

 

「やったぁ!やりましたよキャルちゃん!

アンデッドをやっつけました!」

 

「だーー!アンデッドの気色悪い返り血まみれで抱きつくな!ぶっ殺すぞ!」

 

「……私はキャルちゃんのこと大好きなのに、

キャルちゃんは私の事嫌いなんですか?」

 

「そうは言ってな…あーもーまずはアンデッドの封印が優先!」

 

そう言ってポケットからコモンブランクを出そうとした時、屋根の上からプロパーブランクが投げつけられる。

 

屋根にいたのは焦げたロングコートを自身の血で真赤に染めた四条ハジメだった。

 

「え!?もう追いつかれた!

て言うかあの傷……」

 

「気にしてる場合じゃないでしょ!

逃げられるわよ!」

 

戻って来たカードを確認したハジメは2人に威嚇と煙幕を兼ねて緑色の怪光線を放つ。

 

2人が顔を上げた時、その姿はすでに消えていた。

 

 

 

2

「クソ……クソクソクソクソ!」

 

苛立ち気に地面を蹴飛ばす。

なんとか止血だけは出来た腹部を撫でながら四条ハジメは血塗れのコートを脱ぎ捨てた。

 

「あーあ。一張羅が台無しだ。」

 

♥のアンデッドを封印されなかっただけ僥倖だったが、

今本気で悩んでいるのはブレイドを殺すか否かだ。

 

(合理的に考えて断然、否!

流石にあいつ以外にトゥインクルウィッシュのお嬢さん方やレディにチビ助まで相手にして勝てるとは思えない。)

 

だが今ハジメは物理的にも気持ち的にもハラワタが煮えくり返っていた。

 

「……なら仕方ない。

精々カリスを手に入れるまで遊び相手になって貰うか。」

 

深いため息を吐くとハジメは誰も寄り付かない、気にも留めない硬い地面で眠りに付いた。

 

 

 

 

3

翌日、サレンディア救護院にて。

朝食を食べ終えたころ見計らった様に珍しく客がやって来た。

 

喉の辺りまで伸ばした紫の髪に青い目のクール系の美人だ。

 

「私はタチハラ。

美食殿というギルドがここを中心に活動してると聞いた。

私をギルドに入れて欲しい。」

 

断る理由は無かったが、一応ギルドマスターであるペコリーヌのお伺いを立てようという事で待ってもらう事にした。

 

「お茶でもどうぞ。」

 

「ありがとう。ブレイド、だったか?

最近街を騒がせてる仮面の騎士と同じ名前だな。」

 

「ええ。実は僕、記憶喪失なんで、

昔を思い出せないからあやかって名乗ってるんです。

タチハラさんはなんでこの街に?」

 

「仕事を探しに。

一回ぐらい一人暮らしでもしてみようかと思ったが、

ギルドに入ってないと出来ないことが多くてね。」

 

「僕も同じ理由で宿屋に入れなかったことあったな。」

 

「そうか…お互い大変だったな。これからよろしく。」

 

「はい。」

 

そう言って握手を交わすとコッコロがペコリーヌとキャルを連れて戻って来た。

 

「主様、タチハラ様、お待たせいたしました。」

 

「ブレイド君にタチハラさん!オイッスー!」

 

「アンタがウチのギルドに入りたいって物好きね。」

 

「ああ。タチハラという。」

 

「はい!私はコッコロちゃんに付けてもらった渾名ペコリーヌちゃんです!

よろしくお願いしますね!」

 

「私はキャル。」

 

「コッコロと申します。

そしてこちらが私の主のブレイド様です。」

 

今日は特にバイトも無かったのでタチハラの歓迎も兼ねて遠出をする事になった。

今までもアンデッド封印祝いとか理由付けてペコリーヌの行きたい店に行ったりしていたが、街の外に出たことはなかった。

 

「それで、街の外の店に行くのか?」

 

「いえ!行くのはお店じゃなくてデッドポイゾナスタランチュラの生息地です!」

 

「はぁ!?いやちょっと待って何その名前だけでヤバイって分かるモンスター!?

それを、まさか狩りに行くの!?」

 

「はい!大きさは、大体キャルちゃん3人分ぐらいの大きさで、毒々しい紫色をしてて、牙と唾液には熊型モンスターを一撃で殺せる毒を持った上級モンスターです!

ヤバイですね☆」

 

「ヤバイわよ!ヤバすぎるわよ!

ヤダヤダ辞めましょう!

珍味のために命をかける必要ないわよ!

ねえ新入り!」

 

タチハラに同意を求めるキャル。

しかしタチハラは澄ました顔で

 

「逆に言えば牙と唾液以外はただのデカイ蜘蛛だ。

流石に毒までは私の防御スキルでも防ぎきれんが十分勝算はある様に見えるぞ?」

 

「見えるだけだから!

コロ助アンタからもなんか言ってやってよ!」

 

「あの…コロ助とは私の事でしょうか?

ハジメ様にもチビ助呼びです…みんな私の様なチンチクリンは女の子として見てないのでしょうか?」

 

獣人だったら耳がペタン…ってなってそうなぐらい目に見えて落ち込むコッコロ。

ブレイドはキャルに非難の目を向けた。

 

「や、そういう訳じゃないから!

てか滲み出て来たワードをそのまま具現化させたみたいな怪物と戦おうって時に気にする事!?」

 

「怪物とは失礼ですよキャル様。

これから頂く命なんですから。」

 

「熊を噛み殺せる巨大蜘蛛が怪物じゃなきゃアンデッドだって怪人じゃないわよ!

てかそんなヤバイのがアンタの大事な主様の腹に収まるのは良いわけ!?」

 

「豊かな生活は豊かな食事から。

美味しいものならなんでも食べて頂きたいです。」

 

「嘘でしょ!?ブレイド!アンタはどうなのよ!」

 

「うーん。カブトムシなら遠慮したけど、蜘蛛ならまあ。」

 

「なによその判断基準。」

 

「ほらカブトムシは、日頃からお世話になってるから。」

 

そう言えばコイツの変身に使ってるカードはチェンジビートル、ヘラクレスオオカブトのアンデッドのカードだったなと思い出すキャル。

もう、何を言っても無駄だろう。

 

「さあ!皆のやる気も十分な様なので!

出発ましょう!レッツゴー!」

 

「「「オー!」」」

 

私のやる気だけ十分じゃないわよ。

と心で思いながらキャルも力なくオーと拳を上げた。

 

 

 

 

4

「嫌ぁああああーーー!

取って取って取ってぇええエええエエエ!!」

 

顔の上半分を蜘蛛糸で塞がれたキャルを引っ張りながらブレイドは撤退していた。

 

なんとかあの冗談みたいな名前の毒蜘蛛は倒せたのだが、血の匂いに引きつけられた他のモンスターが寄って来たのだ。

 

(散り散りに逃げたは良いけどなんで僕しか追いかけてこないんだよ!

ペコリーヌの魔物に狙われやすいって設定はどこ行った!?

てか僕だけでどうにかなるか?)

 

仮面ライダーに変身して戦っても、自分だけは切り抜けられるだろうがキャルを守れるかと言われれば否だ。

 

「最悪だ。」

 

小さくつぶやき、腰の剣を引き抜く。

なんとか降りかかる火の粉ぐらいは払えるけど街まではまだまだ距離がある。

 

(変身してない僕の体力が尽きる方が早い!)

 

いよいよ追いついて来たモンスターの攻撃がブレイド達に当たろうとした時、

 

「そりゃあ!」

 

「はぁぁ…ああ!」

 

タチハラの華麗なオーバーヘッドキックが先頭のモンスターの眉間を的確に捉え、怯んだところをペコリーヌに首を切り落とされた。

 

「ブレイド君、キャルちゃん!

助けに来ましたよ!」

 

「助かった!コッコロ!キャルを頼む!」

 

「はい!キャル様、こちらに。」

 

コッコロに手を引かれてキャルが無事退避したのを確認するとブレイドはバックルを装着し、

 

「変身 !」

 

<TURN UP ♠︎A>

 

仮面ライダーに変身。

ブレイラウザーを構え、走りながら敵を斬り捨てて行く。

 

「タチハラさんはそのまま前衛!

俺とペコリーヌのヒットアンドアウェイで削ってコッコロとペコリーヌのユニオンバーストで決める!」

 

「了解だ!」

 

「はい!」

 

指示を飛ばし作戦を伝える。

だがこれをペコリーヌが潰れないうちにやるにはブレイドがかなり頑張らないといけない。

 

<SLASH ♠︎2 THUNDER ♠︎6 MACH ♠︎9 GEMINI ♦︎9>

 

2人に分身し、高速で駆け抜けながら敵を一か所に集める様に切りつけて行く。

 

「はあああぁぁ……ウェイ!」

 

最後の敵を切りつけジャンプするとタチハラの隣に降り立つ。

 

「タチハラさん!俺と腕組んで!

打ち上げ台になりますよ!」

 

「わかった。」

 

「ペコリーヌ、コッコロ!」

 

「はい!オーロラ!」

 

コッコロのパワーでペコリーヌに加護が与えられる。

 

「よーし!コッコロちゃんの為にもいつもより全力、全開!プリンセスストライク!!」

 

2人の腕を踏み台に跳躍したペコリーヌのユニオンバーストが一番先頭のモンスターに叩き込まれる。

面白い様に吹っ飛んだモンスターは他のモンスターを吹き飛ばしながら彼方に飛んで行った。

 

「やったぁ〜〜……うぅ、お腹が、空いて……」

 

着地の瞬間膝から崩れ落ちるペコリーヌ。

変身解除しながら慌てて支えるブレイドとタチハラ。

すると少し離れた所からゆっくりと拍手をしながら男が近づいて来た。

 

身長はすらりと高く、灰色の長袖に青いターバンを頭に巻いた穏やかな顔の男性だ。

……背後に巨大な蜘蛛足を引きずってるのは一旦無視しよう。

 

「見事な連帯だ。

今まで数々のアンデッドを封印して来たという話も納得できる。」

 

アンデッドを知っている?

身構えるブレイドにタチハラも警戒する。

 

「あ、主様!武器を収めてください。

あの方は先ほど荷物の番を引き受けてくださった通りすがりの方で……」

 

(しま)(のぼる)という。

またの名を、♣︎のカテゴリーK。」

 

周囲の風景ごと嶋昇の姿が歪み、現れたのは紫色の身体に♣︎をあしらったオレンジの宝石のついた皮の鎧を纏った頭骨の様な顔の怪人。

 

背中の左右で色の異なる8本の蜘蛛足に、

半透明のオレンジのバイザーが目を引くその姿は

 

「タランチュラアンデッドだ。」




ペコリーヌ「ペコリーヌと!」

キャル「キャルの!」

2人「ラウズカードアーカイブ!」

ペコリーヌ「今回紹介するのはこちら!」

<GEMINI ♦︎9>

キャル「♦︎のカテゴリー9、
ジェミニゼブラのカードよ!」

ペコリーヌ「仮面ライダーブレイド10話から登場したラウズカードです。」

キャル「仮面ライダーギャレン、ブレイドのカードで、ラウザーにラウズして使う事で使用者の分身を作る事が出来るわ。」

ペコリーヌ「しかも本物は任意で選べるので、ダメージがあった方を偽物に出来ます。ヤバいですね!」

キャル「次回もお楽しみに!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。