仮面ライダー剣 サンドリオンウォーリアーズ   作:伊勢村誠三

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カウント・ザ・ラウズカード
現在ライダー達が使えるカードは?

ブレイド ♠︎A、2、3、5、6、8、9、J
カリス  ♥A、2
レンゲル ♣︎A、2、3、4、5、6、7、9、10
ギャレン ♦︎A、2、3、5、6、8、9
オーキッド♥3、5、6、8、9、10


♦︎10

1

ランドソルの外、モンスターの姿も少なく、

人もあまり来ない一角に貼られたテント。

中身は椅子とテーブルだけという極めてシンプルな物で、中央に置かれたテーブルの上にはアロマポットの様な物があり、そこから絶えず香りが焚かれている。

 

それの正面に座らされているのはユイだ。

椅子に半ば体を埋めながら力抜けた身体でぼーっと天井を見つめている。

 

「これでカリスの殺気に当てられた分は大丈夫かしら?」

 

ユイの目を見つめながらオーキッドアンデッドは呟いた。

香りを使って洗脳する。

自身の力と上級アンデッドの特性を利用した技だが弱点がないわけじゃない。

 

強く脳内麻薬やアドレナリンが分泌されれば相殺されてしまう、つまり一定量のダメージを受けるか、さっきの様に異常な程に生命の危機を感じれば解除されてしまうのだ。

 

「それじゃあこれを咥えなさい。」

 

ユイに竹で作ったキセルの様な道具を咥えさせ、

その先に花びらを詰めて火をつける。

 

「ゆっくり吸って……そう、上手よ。」

 

肺一杯に香りを染み込ませた。

これでしばらく戻る事はないだろう。

 

「後は、アイツね。」

 

ユイの肩に止まったトンボを払い落としテントの外に出る。

想像通り外ではドラゴンフライアンデッドが来ていた。

 

「戦いなら後にしてくれるかしら?」

 

「違ウ。俺ハオ前ト組二来タ。」

 

「組む?私とあなたが?」

 

「カリスヲ倒スマデダ。」

 

ニヤリとほくそ笑むオーキッドアンデッド。

まさか自分から手駒が出て来てくれるなんて。

と言った表情だ。

 

「いいわ。1つ作戦があるの。」

 

 

 

 

2

夜、ランドソルの外れにて。

1人の人間の少女が走っていた。

茶髪に青い目の150cmあるか無いかの小柄な少女だ。

 

どういう訳か、彼女は追手に追われていた。

それも結構な人数に。

 

(くそ!くそ!くそ!なんで、なんでこんな事に!)

 

なんとか身を潜めながら通りに出る。

 

「居たぞ!アイツだ!」

 

(見つかった!)

 

四方から別々の追手に追い詰められた。

遂に万事休す。

 

「う…クソォ!」

 

一斉にかかる追手。

しかしその前を一台の黒いバイクが割って入る。

 

「え?ば、バイク?アストルムに?」

 

『乗りなお嬢さん。ドライブデートと洒落込もう。』

 

バイクに乗る異形、カリスに一瞬警戒した少女だったが、このままでは逃げきれないと判断し、カリスの後ろに乗った。

 

 

 

 

3

複雑に道を曲がり、あまり治安がよろしいとは言えないエリアに入る。

その中のボロアパートの一室にカリスと少女は入り込んだ。

 

「ここは?」

 

『俺の隠れ家の一つ。

て言ってもあんまり来ないけどね。』

 

そう言ってカリスはホルダー、ではなく左腰の辺りから♥2、スピリットヒューマンのカードを取り出す。

 

(!? あんなぴっちりしたスーツのどこから?)

 

気にするな、気にするだけ無駄だ少女よ。

平成仮面ライダーシリーズではそんなに珍しい事じゃない。

多分丁度ブレイド〜カブト辺りから当たり前になって来てる。

 

<SPIRIT ♥2>

 

カリスは人間の姿に戻る。

 

「改めて、俺の名前は四条ハジメ。

世間を騒がす仮面ライダーの1人にして君の命の恩人。」

 

「私は、ノウェム。」

 

ノウェムは計りかねていた。

この男は信用できるのか?

こちらを嵌めようとしているのではないか?と。

 

「それで、随分おっかない連中にモテてたじゃないか。

どんな関係?」

 

「狙い、狙われる関係以外に何があるんだよ?」

 

ま、そりゃそうだな。と笑うハジメ。

しかしすぐに真面目な顔になり

 

「話す気ないなら話さないでもいいけど、

その代わり1つ協力して欲しい事があるんだ。」

 

「協力?」

 

「ああ、俺の知り合いにユイ嬢って淑女が居るんだが、

ちとデリケートなトラブルに巻き込んじまってな。

どうにかするのに手を貸して貰いたい。」

 

ユイの名前を聞いたノウェムは肩を震わせた。

さっきまではハジメへの警戒しかなかった表情に明確に怒りが読み取れる。

 

「あら?もしかしてユイ嬢の悪い意味のお知り合い?」

 

「ああ…アイツは私の顔なんざ綺麗さっぱり忘れてるだろうけどね。」

 

「………へぇ?それってうんと昔の知り合いだから?

それとも、世界が変わったから?」

 

今度は驚き以外の表情が消えるノウェム。

 

「アンタ、覚えてるのか?」

 

「いや、今がおかしい事は知ってるけどおかしくなる前は知らない。って感じかな?

ノウェム嬢、君の情報と俺の知る真実。

それで多分答え合わせが出来るけど、どうする?」

 

 

 

 

4

夜、バイトを終えたブレイドは救護院に帰ろうとしていた。

 

「今日は木曜なのにユイと会わなかったな…。」

 

普段木曜日はバイト先の位置とシフトの関係で昼間にユイと逢いやすいのだが、今日は違う予定でも入っていたのだろうか?

 

「………騎士、クン?」

 

「え?」

 

甘える様な、僕を呼ぶ声がして振り返る。

そこに居たのは

 

「ユイ?」

 

噂をすればなんとやら。

さっきまで心の中で考えていたユイだった。

しかし一瞬誰だかわからなかった。

吹かしすぎぐらいの蘭の香りの香水もそうだが、

いつもの白と薄桃に赤の衣装ではなく、

白い控えめなパーティードレスだ。

 

どこかトロン…とした放心した様な顔が不思議な神秘さを出している。

 

「騎士クン?……会え、た。」

 

様子が目に見えておかしい。

彼女は普段ブレイドの事を騎士クンなどと呼ばない。

 

(でも、なんでだ?

なんで今僕は、()()()()()()()()()()?)

 

ゆっくりと近づいて来るユイが遂にふわりとブレイドに抱きつく。

そして、唇を近付け

 

「?………危ない!」

 

ようとしたタイミングで一台のバイクが闇を裂きながら現れた。

 

「何のつもりだ!ハジメ!」

 

「いや何。ただお前は関係なかったけど運がなかったと思って諦めてくれ。

ちょっとユイ嬢に用があってな。」

 

そう言ってヘルメットを外してサングラスをかけ直すハジメ。

 

「ナオ、悪い事は言わないからそいつから離れろ。

きっとそいつのせいで『こじつけ』が行われたんだ!」

 

「……こじ、つけ?」

 

「やっぱり、覚えてないか……」

 

ハジメに続いてバイクを降りた少女は背中の剣を抜きながら悲しそうに目を伏せる。

しかし直ぐにブレイドの背後のユイをキッ!と睨むと戦闘態勢になる。

 

「ハジメ、まさか戦うつもりか?」

 

「ユイ嬢のナイト様が引かない様なのでね。」

 

ブレイドはブレイバックルにカードをセット。

ハジメもジョーカーラウザーを出現させカテゴリーAを構える。

 

「「変身!」」

 

<TURN UP ♠︎A>

 

<CHANGE ♥A>

 

仮面ライダーになった2人とノウェムが激突した。

ブレイドはカリスと戦いながらも、ノウェムを抑える大立ち回りを演じる。

 

「ユイ逃げろ!ここは俺が抑える!」

 

『おお!マジかよ。

カード使えないなりに本気だぞ俺今。』

 

「記憶は無くなっても、流石はプリンセスナイトだな。」

 

2人はアイコンタクトを取ると左右に分かれてブレイドにかかった!

 

「!?」

 

生身で使ってる方の剣も引き抜いく。

ブレイドの本来の力は二刀流でこそ発揮される。

流石にカードなしではキツいかな?

とハジメは思う。

 

<TURN UP ♦︎A>

 

しかしその心配は急に終わった。

三人の死角からトラックにでも吹っ飛ばされた勢いでユイを操っていたオーキッドアンデッドがカリスの方に倒れ込んで来たからだ。

 

「な!?」

 

『チッ!まずはこっちか!』

 

オーキッドに向かっていくハジメ。

そして残されたブレイドとノウェムの前に現れたのは

 

「お前は…ギャレン!」

 

「ブレイド、お前のカテゴリーJのカードを頂く!」




ペコリーヌ「ペコリーヌと!」

キャル「キャルの!」

2人「ラウズカードアーカイブ!」

ペコリーヌ「今回紹介するのはこちら!」

<SPIRIT ♥2>

キャル「♥のカテゴリー2、
スピリットヒューマンのカードよ!」

ペコリーヌ「仮面ライダーカリスが最初から所持していたラウズカードです。」

キャル「前回のバトルファイトの勝者にして人間の始祖、ヒューマンアンデッドが封印されたカードで、ラウザーにラウズして使う事で使用できるパワーは不明。劇中ではWILDのカードの一部になる以外はジョーカーが変身にしか使わなかったわね。」

ペコリーヌ「そう言えば、ハジメ君はヒューマンアンデッドとあまり似てませんけど…」

キャル「それはハジメの場合、ヒューマンアンデッドの力で自分の人間の部分を活性化させて戻ってるから、らしいわよ?」

ペコリーヌ「むむむ…だとするとハジメ君はアンデッドなのでしょうか?人間なのでしょうか?
次回もお楽しみに!」
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